第十一章「賢者」裏7


 ―――や……あ、頭の中がおかしくなるゥ……あっ、んあァ……そんなに吸っちゃ…ああああああっ!!!
 いつもなら大勢の漁師たちが集まり、にぎやかに食事を取るであろう広い食堂の真ん中に敷かれた一組の布団。その上で仰向けにされたあたしは、女性器に挿入した双頭擬似男根の反対側の先端をマーメイドのシルヴィアさんの唇に吸われ、思わず腰を跳ね上げる。
 ―――男の人なんて知らなかったはずなのに……あたしの方が主導権握ってたはずなのに……ど、どうして、こんなに…こんなにィィィ!!!
 もう何度射精させられたか分からなくなっていた。途中までは数を数えていたけれど、途切れることなく続く口淫奉仕の前に、男性としての経験もそう多くないあたしは快感を堪えきることが出来ず、愛液で濡れてしまった太股をキツく摺り合わせながら、恥ずかしいほどに何回も精液を撃ち放ってしまっていた。
 本来なら、囚われの身から開放されても怯えきってしまっているマーメイドを、不本意ながらもあたしが性行為を行って胎内に精液を……モンスターに進化や成長をもたらすあたしの魔力を注ぎ込むはずだった。相手は人間の性行為には不慣れなマーメイドたち。尾鰭ではなく人間と同じ二本の足と生殖器を得たマーメイドはその代償なのか声を失い、正確も従順といっても差し支えなかったはずなのだけれど、
「たくや様、おチ○チンの先っぽから透明なおつゆがトロトロってあふれ出してきていますよ……ふふふ、我慢なさらずに、い〜っぱい出しちゃっていいんですよ、あなたのセ・イ・エ・キ♪」
 あたしの精液を口に含むことで失ったはずの声と、人間のあたしにも伝わる言葉を得たシルヴィアさんは、それまでの性格から一変。むしろ嬉々としてあたしの足の間に身体を埋め、ヴァギナから魔力を吸い上げて雄雄しいまでにそびえ立つ擬似男根に“三人”がかりで舌を絡みつかせてくる。
「人間の…精液なんて……ああァ……け、汚らわしい…はずなのにぃ……」
「不思議な形……お魚でもないのに“エラ”があるなんて…ん…んちゅ……」
 そこはダメェ―――!!!……カリ首を取り囲む三つの唇の感触は、ヴァギナやアナル、それに胸の谷間に挟むのともまた違った“挿入感”だった。吸い付いてくる唇が脈動する男根をせわしなく上下に滑り、なぜか男を喜ばせる術を知っている舌先に敏感な場所を執拗に擦り上げられると、巨根といっても差し支えない擬似男根がビクッ…ビクッ…と痙攣しながら新たな精液を股間の奥から込み上げさせ始めてしまう。
 まるで拷問のような射精の強要の前に、もう腰に力が入らなくなるほどに精液を放ってしまっているけれど、それでもあたしの口からは拒絶の言葉も休憩を求める言葉も放てないでいた。
「あかん……そんなとこ舐められたら、うち、もう…や、イってまう、うち、おマ○コ舐められてイってまう〜〜〜!!!」
 名前さえ聞かされていないマーメイドが、馬乗りになったあたしの顔の上で長い髪を振り乱し、形のよい乳房を突き出すように身を仰け反らせ、腰を打ち震わせながら精液の飛沫を迸らせる。
 そんな彼女の太股を左手で抱えながら、あたしの右手は別のマーメイドの少女の乳房を揉みしだく。まだ声を取り戻していない彼女の胸は手の平からわずかにはみ出すほど。まだ成長途上の淡い膨らみを乱暴にこね回したくなる衝動を必死に抑え、あたしは指先を心地良い弾力の膨らみに押し込み、その先端を弄ぶ。
『―――ッ! ――、―――――ッ、――――――――――!!!』
 そして彼女の唇は、お返しといわんばかりに、あたしの乳房の突端を咥えてくる。もう何時間もエッチしっぱなしなのにジンジンする疼きが治まる気配のない乳首を、小さな唇と舌先とで丹念に舐めしゃぶられ、あたしは顔一面に絶頂の飛沫を浴びながら、思わず眼前に秘裂にむしゃぶりついてしまっていた。
「んはァああああああああああッ!! あかんて言うてるのに、やっ、またや、またイってまう、これ以上は堪忍して、やないとうち、本気になる、本気で惚れてまうぅ〜〜〜〜〜〜!!!」
 相手の声が聞こえないほどに、下腹部に込み上げる射精欲求を堪えながら、それでも左手の指先でギリギリ届くクリトリスを転がしながら処女のままの綺麗な膣口に舌を突き入れる。
「か、体の中でグチャグチャ言うとる……またや、また変な水出してまう、人間の身体って、絶対変や、おしっこやないのに、出てまうんよ、き、気持ちようなるほど…なんで、なんでェ!!!」
 まだ愛液と言う言葉すら知らないマーメイドが、あたしの鼻先へ粘った汁を吐淫しながら連続して絶頂へと昇りつめていく。そして息を弾ませ、ネットリとした汗にまみれた乳房を弾ませていると、彼女の体にまた別のマーメイドが抱きつき、それと同時にあたしの乳房を口に含んでいたマーメイドの少女も後ろから他のマーメイドに股間を弄ばれ始める。
『っ……、―――、ッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!』
「も、揉まんといてェ〜〜〜!!! いま、うち、どんなんされてもイってまう、これ以上感じすぎたら
うち、ば…バカになってまうんやからああああああッ!!!」
 シルヴィアさんがあたしの精液の味を覚え、ある程度は言葉がなくても意思の疎通の出来る仲間を次々に招きよせているうちに、陰唇はおろか下腹部全体で感じる快感全てが初体験のマーメイドたちは、一人、また一人とあたしの元へとやってきていた。
 今、その数は三十人を越えている。またも言葉を失い、唾液をとめどなく滴らせるほどに、あたしの舌先でアクメを極めたマーメイドが崩れ落ちると、すぐさま別のマーメイドがキスを求め、柔らかい乳房を押し付け、恐る恐る顔をまたいで未知なるクンニリングスの快感を求めてくる。そんな饗宴に参加しなかった仲間が見ているというのに、マーメイドの乙女たちは見て体験して覚えたばかりの舌技をお互いに試しあうほどに快楽に溺れていく。
 一組しか用意されていない布団の上にいるあたしを中心に、折り重なるように抱きしめあいながら肉欲を求め、そして……
「んうゥうぅぅぅ! んむぅ、んんっ、ん…ん―――――――――ッ!!!」
 もう何人のマーメイドがあたしの股間を嘗め回しているのか……つま先は左右とも指の間に至るまで唾液にまみれた舌が這い回り、太い擬似男根の半分をくわえ込んでいる陰唇にも細い指先が伝い、男性の快感だけでなく女性の快感までをもあたしにもたらそうとしてくる。固く尖らせた舌先がキュッと窄まったアナルの周囲を這いずり回り、逆に、固く尖るほどに充血しきったクリトリスには左右から伸びた舌や指が絡みつき、あたしの身体を絶頂へと追い立てていく。
 ―――酒池肉林って……お、男の夢とか言ってるけど……こ、これは強烈過…ぎ…イィィィ……!!!
 大きく膨らんだ亀頭は小さな唇に頬張られ、こらえ切れなくなった我慢汁を垂れ流す先端の縦筋をチロチロと舐め上げられて暴れ狂っていた。カリ首には二人の舌。肉茎には二人の唇。自分の顔の上で美少女を仰け反り喘がせながらも、あたしもまた、肉エラをめくり上げられ、裏筋を吸われ、激しい反応を見せてしまったお尻の孔にツプッ…と指先を差し込まれ、ペ○スを弄ばれる被虐感の中でガクガクガクと激しく腰を揺すりたてていた。
「あン、そろそろなんですね? と〜っても美味しいおチ○ポミルク……また出してくださるんですね?」
「熱くて……ビクビクしてる……この人は女の人なのに……お、男の人……男の…ひとぉ………」
「まだ見たことない子はよく見てて……人間のオスってね、こうされると気持ちよくなるみたいなんだよ」
 精液が肉棒の括れを越え、射精口を押し広げて迸ろうとしている寸前で、いっせいにマーメイドたちの舌や唇が放れていく。
 ―――焦らしプレイなんて高度な技、どこで覚えたのよォ―――――――――!!!
 このまま放置されればあたしの方が気が狂う……そんな焦燥感に刈られた次の瞬間、マーメイドたちは次々に唾液まみれの擬似男根に手を伸ばし、グチュグチュと卑猥な音を響かせるように射精寸前の肉茎を扱きたて始めた。
「―――――――――――――――――――――――ッッッ!!!」
 人間の……特に異性の性に興味津々のマーメイドたち。そんな彼女たちの無数の手と指とで扱かれた擬似男根はこれ以上快感に耐えることは出来なかった。絡みつく指を弾き飛ばさんばかりに大きく震え、膨張した肉棒は、三十人もの美女や美少女たちに射精する瞬間を見つめられる恥ずかしさに喜びさえ覚えながら、天井に向けて高々と白濁液を噴き上げた。
「んうゥぅぅぅ!!! んんッ、んんッ、んむゥウうううぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
 少なくとも十回以上射精させられているはずなのに、マーメイドの数が増えるほどにあたしの射精は勢いを増し、ドロッドロの濃厚なものになっていく。三十人を越える人魚の乙女たちの顔や胸に、ゼリー状の塊の混じった精液を撒き散らしながらも、それでも射精を止められない。極太の精子の塊が尿道を駆け抜けるたびに歯を食いしばり、あたしの精液を欲しているマーメイドたちにとめどなく精液を迸らせてしまう。
 ―――こんなのが続いたら……そのうち干からびちゃうよぉ………
 ただ、射精が終わったあとだけは唯一の息を抜ける時間でもある。あたしの顔の上でクンニに酔いしれていたマーメイドでさえも、あたしが射精したザーメンを求め、お互いの体に飛び散った白濁を舐め取り合いだすのだ。中には口に含んだ精液を舌の上で転がし、味と感触をタップリと堪能してから時間をかけてゆっくりと飲み下したり、口移しで相手に飲ませたり……そんな美女たちが肌と肌をすり合わせて精液を求め合う光景を目の前で繰り広げられているのに、股間のモノが収まるはずもない。射精口の周囲にまとわり付いている精液の残滓を舐め取っているマーメイドたちが驚くほどに、瞬く間に逞しさを取り戻すと、間近にあった彼女たちの顔に目掛けて尿管に残っていた精液をビュビュッと搾り出してしまう。
「あ……んむっ………変な味の…はずやのに……」
「ノドに絡み付いて……すっごく濃厚で……やみつきになっちゃいそう……♪」
 一滴の精液を求めて舌を伸ばし、お互いの唇をむしゃぶりつきあうマーメイドたちの姿に、力を失いそうになっていた男根が大きく脈動しながら、すぐさま精力を滾らせていく。
 魔力は無尽蔵でも、体力のほうはそうもいかない。三十人もの美女の相手をあたし一人で相手にしていては、いずれは膨張させている元気の源も搾り取られてしまう……少し前までならば羨ましくも思えたハーレムのような現実に、夜でも蒸し暑い南部域のはずなのに薄ら寒さを覚えて身体が震え上がってしまう。
 ―――このままだといつまでも搾り取られちゃう。な、何とか主導権を取り戻さないと……
 こうなるともはや、あたしに取れる手段は一つしかない。
 ―――だけどそれをどのタイミングで、誰に対して行うべきかが問題なのよね。下手にやっちゃったら取り返しのつかないことになりそうだし、それに……あたしもあんまり得意じゃないし……
 そんなことを考えている間にも、精液を狂ったように欲して肌と肌とをすり合わせる饗宴の様子を、この場から逃げるでもなく見つめていたマーメイドたちからまた一人、こちら側へとやってくる。
 ―――ちょ、ちょっと待って、彼女は……!?
 疲れた視線をそちらへ向けると、心臓が鷲掴みにされたような衝撃であたしは目を見開いてしまう。
 最初に明日香に煮ていると思って目を留めてしまった髪の長いマーメイド……名前は確かエリンだったはず。その彼女が緊張した面持ちで声の出ない唇をキュッと縛り、舌と肌とを絡めあうマーメイドの仲間たちの間に足を踏み入れて手の届く位置にまで歩み寄ってきた。
 ―――こちら側に来たということは……えと……つまり……あたしの精液が欲しくて……
 言い換えれば、彼女もあたしとエッチなことがしたいということ……なのだけれど、無言でいるしかない彼女を前にしてしまうと、否応なくアイハランにいる幼馴染のことを思い出してしまう。
 ―――見れば見るほど、明日香にそっくりなのよね……
 近くで見ると、その想いはさらに強まった。
 外見はあたしや明日香よりも少し年上に見える。きっと明日香が大人になれば彼女のようになるのだろう。胸周りや腰つきは、あたしの記憶にある幼なじみのそれよりも一回りボリュームがあり、服の上から見てもなかなかに肉感的だ。そのせいか、明日香よりも落ち着いた雰囲気をまとう彼女にはどこか上品さも感じられる。
 ―――お姉さんって感じなのよね……実の姉とは大違いで。
 幼馴染に続いて思い出しかけた姉のことは頭から追い出す。それよりも先に、考えなければいけないことがあるからだ。なにしろ、
 ―――こんなに明日香とそっくりな人と……本当にエッチなことしちゃっていいの?
 吸い付くような質感の白い肌。
 たっぷりと量感のある乳房の膨らみ。
 引き締まったウエストから続く安産型のヒップライン。
 そんな彼女の服を脱がせ、他のマーメイドたちにしたのと同じように裸体を弄ぶ……不意にそんな想像が頭に浮かぶと、鈍い痛みが駆け巡るほどに擬似淫茎が固く強張り、ドクンドクンと脈打つ音が頭にまで響いてきてしまう。
 ―――こ、こらこのバカ息子! 明日香そっくりの人になに欲情してるのよ、落ち着け、落ち着きなさい!!!
 何とか押さえようとするけれど、本能はあまりにも正直すぎた。
 明日香を抱きたい……考えないようにしてきたけれど、アイハラン村で一番身近にいた幼馴染にずっと抱き続けてきた劣情が、あたしの胸の中で完全に鎌首をもたげてしまっていた。
 彼女……エリンと明日香は違う、別人なのだと、何度も自分に言い聞かせるものの、彼女が人間の性に興味を抱いてあたしの傍に来たことに考えが及ぶと、理性の箍(たが)がガタガタ音をたてて外れてしまいそうになる。
 しかもその上、
「なっ……!?」
 あたしの視線が自分に向いていることに気づいたエリンは、逡巡しながらも、自分の下半身を覆い隠している長いスカートをゆっくりとたくし上げていく。
 まだ歩くことに不慣れな足先から、滑らかな曲線を描くふくらはぎが露わになり、肉付きのよい太股が露わになる頃には、あたしの視線は釘付けにさせられてしまっていた。
 ―――体つき……やっぱり明日香よりもイヤらしい……
 あたしがゴクリとツバを飲むと同時に、エリンは目を伏せながらも、自らの手でキラキラと濡れ光る股間を露わにする。ランプの明かりに照らされて赤く染まった肌は柔らかそうな質感で、足の付け根から溢れ出た雫が太股を伝い落ちている。
 この行動が何を意味しているのか、そして彼女がどんな決意を固めて行動に及んだのか……それが分からないほど鈍感ではない。三十人もの美女に囲まれている今のあたしの前ではしたなく濡れてしまった秘所をさらけ出す意味は一つしかない。
 ただ、
 ―――あ、今、完全に外れちゃった。
 理性のくびきから解き放たれたオスの本能は、エリンに手を伸ばし、なおかつマーメイドたちから主導権を取り戻すために、あたしの身体を完全に支配してしまった。
『――――――ッ!?』
 スカートを握り締めるエリンの右手を掴んだあたしは、そのまま彼女を布団の上に引き倒す。そして仰向けになった彼女の上へ覆いかぶさると、驚く彼女の表情に胸がチクッと痛むのを感じながらも、服の胸元に手をかけ、強引に引き裂いてしまった。
「お…男の前でそういう挑発したんだから、覚悟だってしてもらうんだからね!?」
 困惑して、混乱して、言葉も何か変だと感じながらも、一度動き出した感情は完全にブレーキが壊れており、驚きで浅く開いたエリンの唇に吸い付き、濡れたマシュマロのような甘くて柔らかい感触を楽しみながらも荒々しく吸いたててしまう。


 もう止まれない。
 もう止まらない。
 これからあたしは彼女を強引に犯す。
 SEXについて何も知らないマーメイドたちの目の前で、男の恐い一面を覗かせてしまうのだ。
 でも……膝を強引にこじ開け、太股の付け根に達したあたしの指先には、まるでそうなることを望んでいるかのようにエリンの秘所が濡れそぼっているのが確かに感じられていた……


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