第十一章「賢者」33


 ―――世の中には、自分そっくりな人が三人入るって話は聞いたことがあるけれど……
 だからと言って、男から女になってしまった身体を男にされて……とまあ、ややこしくはあるけれど一応は元の性別に戻っているあたしと肌を重ねていた留美先生。こう言う事をしている場合じゃないのに、お互いの興奮も昂ぶりいい雰囲気に……と言うところで、その留美先生そっくりな人がいきなりベッドの上に現れた……これは夢か現実なのか、正直、どう反応していいか分からない。
 ―――ドアも窓も、開かなかったよね?
 いくらなんでも開けば気付いたはずだ。……で、あたしはそんなのお構いなしにどこへでも転移できる人を知っているわけで。
 ―――って、どう考えたって留美先生がもう一人いるぅぅぅ!!?
 長い髪。グラマーな身体に纏うのは黒の下着。肌は興奮してほんのりと赤く染まって汗ばんでいるけれど、そこにいるのは紛れも無く留美先生ご本人様だった。
「ドッペルゲンガーではないぞ?」
「うわ、先に言われた!」
「ふふ、言いたそうな顔をしていたからな。だから誰も殺しはしないし、ここへはただ……」
 もう一人の“留美先生”は言葉をそこで区切ると、意味ありげな目であたしを見て、次いでショックを受けて言葉を失っている元からいた留美先生へと視線を向ける。そして肌に張り付く髪を掻き揚げ、浜辺でもそうしていたように首の後ろでキュッと束ねると、意味ありげに微笑んだ口元をあたしの肉棒に吸い付かせ、果実でも頬張るかのように火傷しそうなほど熱い口内に敏感な先端を飲み咥えてしまった。
「あ…そ、そんなこと……あ、ふゥ……!」
 留美先生と抱き合っている際に感じた股間の温もりがもう一人の留美先生によるフェラだったのだと気付くと、あたしの肉棒は大きく脈を打ち、全身を駆け巡っていた血液が一気にそこへ集中してしまう。
 けれど留美先生はあたしの仮初(かりそ)めの性器大きく震えるのを喜んでいるかのようで、亀頭の先端を嘗め回しながら肉茎の下にぶら下がっている陰嚢を手の平で包み込み、ヤワヤワと揉みしだいてくる。
「こら……いきなり現れて、何をしているんだ、貴様は?」
「私には気を使わなくていいから……そっちはそっちで……ん、んふっ……♪」
 繊細に、そして大胆に……男にとって子種を生み出す一番大切な“玉”をコロコロと揉み転がされ、アナルへと続く敏感なラインをくすぐってくる。
 男の急所への愛撫に戸惑いを覚えながらも興奮を募らせ、クッと唇を噛み締めて顔を歪ませる。魔法の相当ディルドーとは違う、性器が味わう本来の脈動にあたしは膝を割り開かれたまま腰を震わせ、以前の男のままでは味わえなかった口淫奉仕にノドを仰け反らせて喘いでしまう。
「楽にして……力を抜いて快感に身を委ねていればいい……フフフ、たくやは可愛いなァ、ここはこんなに凶悪なのに」
「ひンゥ! サ…さきっぽ穿らないでェ! 出ちゃう、そこ穿られたら精液出ちゃうゥ〜〜〜!!!」
 硬く尖らされた舌先が、亀頭の先端に刻まれた小さな縦筋をチロチロと舐める。たまらず留美先生の肩を脚ではさみ、むしろ離れないでと言わんばかりに引き寄せると、チ○ポが溶けてしまいそうなほど熱い口内から一旦ペ○スが吐き出され、次の瞬間には横向きに咥え直した留美先生の頬の裏側が亀頭の先を包み込んできた。
「んはァアアアアアアアアアアッ! で…出りゅう!!!」
「き、気にするなって言われたって気にするに決まっているだろうが! 私だって……た、楽しみにしていたんだぞ!?」
 自分の恥ずかしい言葉に頬を染めながら、留美先生は何故か身体の向きを変えてあたしの身体の上に跨り、もう一人の自分と向き合う。
「仕方ないじゃないか。“私”だっていきなり現れた“私”に横取りされたんだ。だから今度こそ一番ミルクは私が飲ませてもらう」
「ひどいじゃないか!」
「ひどくなんて無いさ。お前も必ず私と同じ事をするんだから……自業自得とはこう言うときのための言葉だろう?」
 二人の留美先生は、どちらも同じ顔で、どちらも黒の下着で、体つきだってそっくりそのまま。何がどうなっているのかと何度も見比べるけれど、それでも見分けをつけることが出来ない。
「どうしたたくや、まだ私の正体が分からないか? ヒントは十分すぎるほど与えていたつもりなのだがな」
「じゃ、じゃあ……」
「理屈としては簡単なことさ。時間移動できるなら、誰だって思いつく」
「未来から過去へ。既に決まってしまった運命を変えることはできなくても、“二人”が出会うことも、また運命」
 声もまったく同じ。そんな留美先生のどちらかの言葉を、わけのわからない事態が連続しすぎて思考能力がパンクしたあたしはただ呆然と聞いているしかなかった。
「私は……たくやの変身の解ける三時間後からやってきたのさ。また……抱いて欲しくて」
 その言葉を言い終えた直後、未来から来たという留美先生は再び口淫を開始する。まるで肉棒をストローのように吸い上げる激しいバキュームフェラに、あたしは陰嚢を締め上げ、腰をガクガクと打ち震わせる。
「出すんじゃないぞ! 出したら……後でひどい目にあわせるからな!」
「出していいんだよ……出してくれたら、後で物凄く気持ちよくしてやるから……」
 ………ど、どっちの言葉を聞けばいいんだ―――!!?
 二人とも留美先生で、暴発寸前の肉棒を吸い上げられたあたしは頭の中が真っ白になってしまい、それ以上はもう何も考えられなくなっていた。
 もうダメ……目じりに涙を浮かべてまで射精を堪えていたけれど、それも限界に達し、あたしは腰を浮かせるほどに留美先生のノドの奥へと肉棒を突きたてる―――が、
「はあァあああんゥ!!!」
「やっぱりダメだァ!!!」
 あとひと舐めでイけそうだったのに……叫び声を上げ、あとはただ射精するばかりという状態だった肉棒から、いきなり留美先生の唇が放れてしまう。
「いくら“私自身”でも……ひ、久しぶりなんだ、誰かと肌を重ねるのは……」
「分かっているさ。“私”は“お前”なんだから……その気持ちを邪魔するはずは無いだろう?」
 あたしの視界を塞ぐような留美先生の背中を見つめていると、先生の首にもう一人の先生の腕が絡みつく。そして二人は唇を重ね合わせると、黒い下着に彩られた白い肌を抱きしめあい、ピチャ…ピチュ…と小さな音を響かせて舌を絡めあう。
 ―――み、見えないのがもどかしい……!
 留美先生同士のキスシーンを目に出来ない悔しさに生唾を飲みながら歯軋りしていると、あたしの目はふと留美先生のヒップへ吸い寄せられる。
 二人は未だキスの最中……射精寸前まで昂ぶっていただけに、まるで忘れ去られたような寂しさは強烈に胸を締め付ける。その感情を留美先生に向ける性欲に変換すると、怒られる事を覚悟の上で下着にくっきりと刻まれたヒップの縦筋に指を滑らせてしまっていた。
「んゥ……!」
 目の前の背中がピクッと震えるけれど、もう一人の自分のしっかりと抱きしめられていて身動きが取れないでいる。それを良いことに、あたしはお尻の谷間をくすぐるように指を往復させると、留美先生の反応を確かめながら下着を横へずらし、キュッとすぼまったアナルに優しく息を吹きかける。
「んフゥウゥウウウ〜〜〜……ッ!」
 自分の指先を軽くしゃぶり、塗りつけた唾液を今度は留美先生のアナルに擦り付ける。経験があるかどうかはわからないけれど、小さく綺麗な形をした窄まりは進入を拒むように強く引き絞られているけれど、あたしの指は小さく震えているそんな場所のシワを一本一本丁寧になぞっていく。排泄口をひと撫でするごとに震えの走り背中を見つめ、時には首を伸ばしてお尻のくぼみに口付けをしながら、あくまでもソフトに留美先生のくすぐったさを……そしてそれに繋がる快感をお尻の穴から引きずり出していく。
「なあ……たまらないだろう? お尻の穴になんて興味なかったのに……この後、どこまでされてしまうのか知りたくはないか?」
「い、いらん……私は……わ…わたし……んんゥ……!」
 二人が何か会話しているようだけれど、留美先生の身体に夢中になっている今のあたしにはあまり聞こえない。
 そして次第に、クンニする場所はお尻のくぼみから背中へとあがっていく。キスの興奮で少し浮き上がった留美先生の股の間から身体を引き抜くと、腰に腕を回し、押し付けあっている乳房の付け根に指先を滑らせながら背中のラインを舐め上げていく。
「ッ……、ゥ〜……!」
 声を上げまいとする留美先生を慈しむように、どうしても引っかかってしまう肉茎をショーツ越しに秘所へと押し当てながら、長い髪の毛を鼻先で掻き分けて舌先で肩の骨をなぞる。
 両脇を手の平で撫で、本人さえ知らない後ろ側の性感帯を発掘すると、さすがの留美先生も喘ぎ声を収めていられない。上半身でもう一人の自分と舌を絡めあっている留美先生の反応が昂ぶるのを確かめたあたしはに、悩ましい鼻息のバックコーラスを聞きながら黒のショーツの内側へと右手を滑り込ませる。
「はァあっ…! やめ……た、たくやのくせに……な…なまいきな………ァ!」
 太股の付け根の恥丘は、既に愛撫の必要が無いほどに濡れそぼっていた。知的な女性と言う留美先生に抱いていたイメージのせいで、ここまで乱れるとは思っていなかったのだけれど、そのギャップにむしろふしだらな気持ちを昂ぶらせたあたしは、感情の赴くままに熱い体液の湧き出る水源に指先を軽く押し付けた。
「んふうゥ……!!!」
 ―――うわ、ズニュって入っちゃった……留美先生って意外と乱れるタイプなのかな?
 留美先生の背中が軽く反り返ったかと思うと、秘孔に触れていたあたしの指先は蜜壷にズニュっと音を響かせて飲み込まれてしまう。
「んああっ…あっ……ん…く…ゥう……!」
 跨っていたのが災いし、あたしの両脚が邪魔をして留美先生は膝を閉じ合わせることが出来ない。まるであたしの小さい身体で抱きかかえるように背中と膣とを愛撫していると、年上の美女は下着だけを身につけた裸体を上下に左右にと小さく震わせ、汗のにじんできた肌を擦りつけてくる。
 ―――留美先生の肌……スゴく気持ちいい……
 唇から零れ落ちる熱い吐息を吐きかけながら、あたしはたわわな膨らみを失った胸を懸命に留美先生の背中に擦り付ける。
 間にシャツが挟まれているものの、女の時よりもさらに小さくなった乳首が胸と背中の間でコロコロと転がるくすぐったさに身震いを覚える。鉤状に曲げた指先で膣天井をまさぐっていたあたしは、全身に感じる留美先生の感触に遂に耐え切れなくなってしまうと、腰を抱きしめていた左手で重たげに揺れる乳房を鷲掴みにしてしまう。
「く…ふゥん!!!」
「あひ……ッ!!?」
 指の間から柔乳が絞り出るほど強く膨らみを握り締めたその瞬間、亀頭の先端が生暖かい感触に包まれ、タイミングを見計らったみたいに同時に声を上げてしまっていた。
「そちらがまさぐられてお楽しみのようだからな。こちらは私の“お楽しみ”だ」
「うッ……ああァ……留美先生…じょ、上手……んんゥ!」
「ちがッ……わ、私じゃない、私がしているんじゃないけど……あ、ダメ、そ…そこはァ……!」
 うねる舌先がペ○スに絡みつき、玉袋まで舐め上げてくる。腰にゾクリと来るほどの口淫は情熱的だけれどあたしの根元や陰嚢などの弱い場所を的確に責めてきて、その興奮に煽られるようにあたしは留美先生を背後から強く抱きしめる。
「あ…あああ……もう……や、やめ……んッ! んイッ! ああッ! た…たく……あッ、あァああアあうっ、んあ、あはァあああああああああッ!!!」
 ざらついた膣天井のなかにぷっくらと膨らんだその場所を指先で押し込んで圧迫すると、ゴムを巻きつけられたかのように指の根元が膣口で締め付けられる。抑制の言葉とは裏腹に興奮の火照りを隠せない先生の震える声にある予感を覚えたあたしは、唇を背中に押し付けて込み上げる射精感を堪えながら、黒いショーツの下で指を蠢かせて膣肉を揉みしだく。
「ん〜〜〜ッ!!! お…ん……んうッ! ダメ…そ…こは……んあ、あああっ、あくッ! あ、あウン、ア…アふゥ……!!!」
「る…留美……先…生……!」
 蜜壷をかき回すあたしの指に、留美先生は頭を仰け反らせて快感を訴えた。その一方でもう一人の留美先生とあたしのおチ○チンとのディープキスは続いており、精通はおろかおしっこすらまだしていない尿管を押し広げるような射精感の込み上げに、鼻を小さく何度も鳴らして、今にも泣き出しそうになってしまっていた。
 ―――もう……ダメェ………!!!
 まるで小指の先ほどの大きさのガラス球が肉棒の中を通っていくような強烈すぎる昂ぶり。もう一秒でも、一瞬でもいいから早く迸らせてしまいたいのに、あたしの腕の中にいる「ダメ」といった留美先生の言葉が胸に突き刺さっていて、舌や唇で亀頭の先に唾液を塗りつけられるたびに背筋に突き刺さる極太の快感に意識が飛びそうになっていても、最後の踏ん切りがつけられないでしまっていた。
「……よ、横になれ。ベッドの上に…仰向けに……」
 不意に、肩越しに振り向いた留美先生からそう言われるけれど、頭の中が真っ白になりかけていたあたしはすぐにその言葉に従えなかった。すると“パチン”と幾度か耳にした指を打ち鳴らす音が鳴ったかと思いきや、あたしの肩が空気に“掴まれ”、射精を前にして心臓をドクンドクンと打ち鳴らすほど熱くなっている身体をベッドへと横たえられてしまう。
「ハァ…ハァ……ゆ、油断だ。そう、これは単なる油断だから……久しぶりだから、不意を疲れただけだからな……!」
「そんなこと言わずに、ただ“気持ちよかった”と言ってやればいいのに……我ながら強情だな、お漏らし寸前で」
「い、言うな! そんな恥ずかしいこと、この私が………」
「すぐに素直になるさ……挿れられたら“お前”にも分かる。“私”もそうだったんだから……だが、いらないと言うのなら私が存分に楽しませてもらう。三時間そこで見てから過去に遡るといい」
「ふざけるな! いくら私だからといって……ええい、お前こそ帰れ、どこかに行けェ!」
 仰向けにされた身体をすぐに起こすだけの体力が無く、愛撫が中断されてしまった腰をビクビクと震わせながら荒い呼吸を繰り返す。
 二人の留美先生の会話は超えもまったく変わりないので、どちらが喋っているのかすぐに分からなくなる。会話の内容さえ、今は頭に入ってこない。カリ首にまでせり上がってきている精液を噴き出したくて噴き出したくて、精神崩壊してしまいそうなほどに焦らされてしまったあたしは、あうあうと唇を震わせながら続きをねだろうと頭を起こす。
 すると、
「う……あ………」
 二人の留美先生が互いに所有権を主張するあたしのペ○スを見て、強烈な眩暈にも似た困惑を覚えてしまう。
 ―――あたしのおチ○チンって……こんなのだっけ!?
 そう言えば男の姿に変身してからずっと留美先生に迫られっぱなしで、目にするのはこれが初めて……なのだけれど、その奇怪な形状にあたしは我が目を疑ってしまう。
 これでももともとの身体ではきちんと亀頭は剥けていたのだけれど、留美先生に嘗め回されて唾液にまみれた今のペ○スはカリ首を分厚い包皮に包まれた仮性包茎ペ○スだった―――が、まだそれだけなら良い。身体を子供サイズにされてしまったのだし、アソコが幼くなってしまうのも自然の流れと納得も出来る。けれど、大きさは逆にあたしの記憶の中にあるそれよりも一回り以上大きくなっていたのだから、混乱するなというほうが無理な話ではないだろうか?
 ―――ぜ、絶対にあたしのイメージじゃない。これって留美先生が……!
 確かにあたしも、最初にイメージした変身後の自分の姿では股間も大幅にボリューム増してしまったけれど、こんなショタチ○ポではなかった。カリ首を越えられない包皮に締め上げられた亀頭がプリュっと先端から搾り出され、行き場の無い血液が渦巻いているかのように太く張り詰めている肉茎はさながらツチノコを思わせる姿をしている。
 それは人に見られることで恥ずかしさを掻き立てられてしまう形のチ○ポだった。思い返す官能の記憶の中でも、留美先生が亀頭の先端ばかりを集中的に責め立ててきていたのは、わざと包皮をずり下ろさなかったからに他ならない。
「ふ…ふたりとも、ごめんなさい! あの、どいて、て言うか魔法を解除してくださいよォ〜〜〜!!!」
 身体を起こそうとしても、手で股間を隠そうとしても、ぴくりとも動けない。見えない巨大な手に押さえつけられているかのようにベッドに貼り付けにされたあたしは、どんなに恥ずかしくても指一本動かせず、二人の美女を楽しませることになっても腰をしきりに揺すって恥ずかしさを紛らわせる事しか出来なくなってしまっていた。
「確かに……スゴいことになっているのは認めるけれど……」
 あたしの腕の中から逃れた留美先生は、チラチラとこちらの様子をうかがいながら、もう一人の自分の唾液を纏った肉棒を握り、上下に扱く。その手つきに一度は収まりかけようとしていた射精欲求を急激に昂ぶらせてしまっていると、ズボンをあたしの下半身から脱がせたもう一人の留美先生が陰嚢とお尻の穴を結ぶ会陰部に顔を埋め、くすぐるように肉棒へと舐め上がっていく。
「ああッ! あ…んはァあああああァ――――――ッ!!!」
 二人がかりで局所を責められ、腰がベッドの上でバウンドする。亀頭が膨張し、包皮の締め付けが激痛のレベルにまで達しようかとしていると、留美先生たちは意味ありげな視線を今にも泣き出してしまいそうなあたしの顔へと向け、そのまま二人して、
「こんなにパッツンパッツンでは苦しいだろう?」
「アウゥ!!!」
 二人して……十分すぎるほど唾液を塗りつけられてふやけていた包皮を根元側へと引き下ろし、刺激に不慣れな亀頭をズリュリとむき出しにしてしまう。
「あ…ヒっ………んうぅ……!」
「剥かれただけでイきそうな顔をして……そう言う顔をするから、苛めたくなるんじゃないか……♪」
「こんなに凶悪なショタペ○スをガチガチにして、私たちに何をしようと考えている……?」
「私の口の中に射精(だ)したいのか……? それとも、本当に出したいのは…こっち…なのか……?」
 もうどちらが最初からいた留美先生で、どちらが後から現れた留美先生か見分けがつかない……ただ、片方があたしの胸に上に跨ってくると、眼前にはち切れんばかりのヒップを突き出し、ショーツのクロッチを脇にずらして両手で花弁を左右に割り開いて見せてくれる。
 ………ゴクッ
 真っ赤に充血した粘膜があたしの目の前に広げられる。その中心で息を潜めていた窄まりまでもが指の力に屈して大きく広げられ、白く濁った愛液をトロトロと滴らせる蜜壷の中を食い入るように見つめるあたしの視線の前にさらけ出している。
 クリトリスも大きく、今にも破裂しそうなほど膨れ上がっている。赤い真珠のような大粒の淫核がトロッとした淫蜜にまみれているのを見つめていると、股間がますます熱く滾ってしまい、精液の塊を迸らせる前にカウパー液を二人の留美先生の目の前で勢いよく打ち放ってしまう。
「私のここを見て……何を興奮している?」
「だ…だって……」
「挿れたいなら……挿れさせてやってもいいぞ? 我慢…せずに……んっ……ちゃんとお願いすれば…い、今すぐにでも……私は……ぁ……♪」
 あたしのほうから言わせたいんだ……それが年上としてのプライドを満たす自己満足のための言葉かは理解できないけれど、「我慢しなくてもいい」と言われた瞬間、
「な、舐めたい!」
 ―――何も考えずに、何を言ってるんだあたしは……
 さすがにこの答えには留美先生も言葉を無くすぐらい呆れているようだ……が、パチンと指が鳴らされ、上半身を戒めていた圧迫感がなくなってしまう。
「こ、こら、勝手に魔法を解除するんじゃない!」
「たくやはクンニをご所望だろう? なら両手を押さえつけておくのはフェアーじゃないじゃないか」
「それとこれとは話が違う! 私は挿れたいのかどうかを訊いたのであって……んんッ! やめ…はアッ! くふァああああああッ!!!」
 両手が自由になると、あたしはすかさず留美先生の両脚を抱え込み、秘部に唇を押し付けていた。もう舐めるどころの話ではなく、尽きることなく溢れ出してくる愛液でノドの渇きを癒しながら、我を忘れて膣内を蹂躙してしまう。
「うっ……あ…い…ィ……な…何で…そんな……ァ……んんゥ………!」
 横から伸ばした指で膣口をまさぐり、蠢く肉ヒダを擦り上げながら唇をクリトリスへ。腰をくねらせ、お尻を浮かせて逃れようとする留美先生の下半身をしっかりと引き寄せて淫核に唇をつけると、あたしは赤ん坊が母親のオッパイを吸うかのようにチュウチュウと音を響かせて口に含む。
 完全に充血しきってグミのように硬くなったクリトリスをコロコロと唇の間で転がし、根元まで丹念に舌先で穿りたてると、留美先生は汗の噴き出した肌を震わせながら上半身を直立させ、あたしの顔の上を跨いでしまう。
「ひぁうゥ! そ、そこ、やめっ、んんんゥ〜!……ひッ、ハァ、い…イく……やめ…ひ…あっ、あァ、ふあああああァん!!!」
 長い髪が跳ね回るほどにかぶりを振り、留美先生があたしの顔の上で魅力にあふれる肢体を激しくくねらせる。クリトリスから膣へ、激しく戦慄くヴァギナの入り口に舌先を捻じ込むと、顔いっぱいに愛液の飛沫を浴びながら、上下に弾む留美先生の膣内に抽送を繰り返す。
 その一方で、
「たくやのおチ○チン……私の胸の谷間で脈を打って……ふふっ、挟んでもらうのがそんなに嬉しいのか?」
 嬉しくないはずが無い!―――そう声を大にして叫びたい。
 あたしの肉棒はボリュームのある留美先生の胸の谷間に挟み込まれ、むき出しにされたカリ首を扱きたてられていた。
 亀頭の粘膜と張りのある滑らかな肌の柔乳が擦れあうたびに腰の奥深くにまで衝撃が突き抜ける。それと同時に、乳房を肉棒にこね回されて感じてしまっているのか、あたしの股間に胸を押し付けている留美先生の唇から熱い吐息がペ○スの先端へと吐きかけられ、それがまたくすぐったいような快感をもたらしてくれる。
「ん…くふっ……♪ 胸の中で暴れて……いけないおチ○チンだな……?」
 そんな事を言われても、秘所に顔を埋めている今のあたしには返す言葉もない。けれどどんなに変態扱いされても、柔らかい留美先生の乳房に包み込まれるのならどんな汚名でも受け入れてしまえそうだ。
 ズチュ…ズチュ…と唾液で湿らされた男根が乳房を掻き分けて谷間を奥へと突き進む。留美先生の唇から乳房へと滴る涎が更なる潤滑液となり、激しく揺さぶられる乳房との摩擦を心地よいものへと変換してくれる。……それでも、どんなに堪えても限界は訪れてしまう。射精口ギリギリで精液を押しとどめているペ○スが脈動するほどにポンプのように熱い塊が装填されていく。それを絞り上げるように根元から亀頭へと締め立てる乳の動きに、もうこれ以上我慢することが出来なくなってしまっていた。
「ッ………!」
「出すんなら……」
「―――――――――ッ!!?」
 ………出る、留美先生の口の中に、ノドの奥で、せ…先生、先生ェ!!!!!!
 不意に乳房の締め付けから開放されたペ○スが、間髪いれずに口内の生暖かい感触に包み込まれ―――その瞬間、あたしの理性が吹き飛んでいた。右手で顔の上でイきかけている留美先生の太股をしっかりと抱え込み、左手を股間に吸い付いている留美先生へと伸ばすと、その頭を上から押さえつけ、ノドの奥を突き破らんばかりに奥へ奥へと亀頭を捻じ込んだ。
「んグゥウウウッ!? モゴッ…ンゥオオオオオオッ!!!」
「ハァ、ハァ、ハアアアッ! ダメ、たくや…感じる、イっちゃうよ、あ…熱いのが、く…るゥうぅううぅぅぅ〜〜〜〜〜〜!!!」
「―――――――――――――――――――――――――――ッッッ!!!」
 年上の美女がしなやかに背中を反り返らせながらあたしの鼻先に股間を擦りつけ、絶頂潮を噴き散らす。何度も戦慄いた下腹部の奥で濃縮された愛液を顔一面に浴びせかけられながらも、決して逃すまいと腕に力を込め……それと同時に、もう一人の留美先生を溜め込んでいた精液を一気に迸らせる肉棒から離すまいと、強く押さえつけ、食堂に直接精通したてのザーメンを迸らせる。
 ―――あ、熱い……留美先生の口の中も……おマ○コの中も……!!!
 まるで真っ赤な炎が蠢いているかのような留美先生の体内に対し、あたしの頭の中は男の身体での射精の衝撃で真っ白に吹き飛んでいる。
 男にとっての“処女”を失ったかのような射精感がこじ開けられる強烈な精通の瞬間……その快感に腰の痙攣がいつまでたっても治まらない。
「ハァ……ア…アァ……♪ たくや……わ、私………♪」
 震える声をノドから絞り出しながら、クンニによるアクメの衝動が収まりだした留美先生ががっくりとうな垂れる。腰でも抜けたのか、未だ力の入らない足腰を踏ん張って留美先生が一度床に降り立つと、あたしは身体を起こしながらもう一人の留美先生の頭から左手をのけ、ペ○スを唇から吐き出されながら咎めるような視線で見上げられてしまう。
「んッ……んんっ……」
 肉棒から口を離しても、留美先生は口をつぐんだままだった。その口内にあたしの精液が溢れかえっているのかと思うと、留美先生が飲みきれなかった青臭いザーメンにまみれたまま急速に股間が硬くなってしまい、自分の節操のなさにあきれ返ってしまう。
 ―――背負い袋の中にタオルが入ってるから、それで……
 けれど、あたしが動き出す前に、必死に精液を口に溜めていた留美先生に、もう一人の留美先生が唇を重ね合わせる。
 いつの間に後ろから移動したのだろう……と考えるのは、転移を自在にできる留美先生には無駄なだけ。むしろ、舌を絡めあわせ、口内射精されたあたしの初物精液を分け合う姿は妙に艶かましく、
「んっ……たくやのプリプリザーメンが……舌とノドに絡み付いて……んっ……噛み締めるとプチュッて……♪」
「ハァ、ハァ、ハァ……んっ……鼻もノドも……ザーメンに犯された………こんなに濃いのって……」
 ―――そう言う隠語は……本人を前にして言わないでくださいィ!!!
 恥ずかしくもあるけれど、唇から固形物も混じっている白濁をこぼしながら唇を絡め合わせる留美先生たちとは、まだこれからなのだ。話では、男でいられる時間は三時間。その間に姿形は同じでも美女を二人も相手にして身体が持つのかと心配になっていると……その声は、あたしの後ろから聞こえてきた。
「どうして私の三人目までがやってくるんだ!?」
「………へっ!?」
 後ろへ振り向くと、ブラから乳房を肌蹴た留美先生が唇を交じらせて精液を分け合っている二人を指差していた。その留美先生を「いち」と数えると、あたしは正面に向き直り、口内射精の余韻で瞳の焦点があってない留美先生を「に」、そしてグチュグチュと唾液と精液を口の中で混ぜ合わせてからゴクッと飲み干した留美先生を指差し、
「さん……人目?」
「ふふっ……この女たらし」
 何でそう言われるのか分からぬ内に、またもいきなり現れた三人目の留美先生は、あたしの股間に纏わり付いている初射精の精液に顔を寄せ、舌を伸ばして掬い取り始めていた。
 ―――い…一体どうなってんの!?
 また三時間後の未来からやってきたのだろうか? それとも今度こそ本当にドッペルゲンガーなのだろうか?―――何一つ理解できぬままに空回りした頭が過熱していくそんなあたしを、背後にいた留美先生が腕を回して抱きしめてくれる。
「言っておくけれど……たくやの童貞は私が貰うんだからな! これだけはいくら“私”相手でも譲らないからな!!!」



 ―――どうやら、男に性転換しなおしての年上美女との夢のような逢瀬は、このままただで済む状況ではなくなりつつあるようだった。


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