第6話その1


ピンポーン―――――ガチャ  いらっしゃーい。もう、いったいどれだけ遅かったら気が済むのよ  駅から電話かけてきて「今から行く」って3秒で切ったくせになんでそれから一時間もかかるんだか…どうせ町 並みが変わって迷子にでもなったんでしょ。昔っからそうなんだから。  ………ん? どうしたの、急に固まっちゃって。  あたし? たくやに決まってるじゃない。なに言ってんのよ、小学校以来だからって見間違えるなんて……っ て、そうか、女になったあたしを見た事無かったっけ。ごめんごめん。  うん、そう。相原たくやはあたしよ。……へ? いつモロッコに行ったかって…ち、ちがうわよ、これは後輩 に変な薬飲まされちゃって、それで女になったの! なによ、そのオカマってのは! あたしは体は女でも心は 男のつもりなんだからね!!  信じられなくてもいい、現実がそうなんだからそう言う事だって割りきって。あたしだって最近やっと落ちつ いたんだから。  それはともかく、ここまで遠かったんでしょ? いつまでもボーっと立ってないであがって。さ、早く早く。  はい、コーヒーお待ちどうさま。ほら、そんなカチカチになってないでのんびりしてよ。  「女の子の部屋は始めてだから…」って………な、なによそれ。あたしが女になっちゃったのって最近なんだか ら、別に女の子の部屋って言っても男部屋と変わらないわよ。ちゃんと下着も隠してあるから、期待してるよう なものは出てこないわよ。  あはは♪ そんなに慌てた顔しないの。でもさ…慌てるって事はちょっとはあたしの下着を見たかったの?  あ、ごめんって、そんなにいきり立たないでって♪  それにしてもこのマンションから引っ越して以来だから久しぶりよね。  向こうの生活はどう? 電話も住所も何にも教えてくれなかったからこっちからは連絡のとりようがなくって さ。せめて年賀状ぐらいは送りなさいよね。そんなだからあたしが女になったって知らないのよ、まったく。  今日だってそうよ。いきなりだったから父さんも義母さんもいないし、義姉さんにだって連絡つけられないし ―――え? 夏美に会うのはそんなにいや? そうよね…二人していじめられたもんね……  そうそう、後で明日香にも会わせてあげるから。明日香だったら……やっぱりイヤなのね、あははは……  ん? やっ…なに胸ばっかり見てるのよ、えっち! 久しぶりに会った親友になに顔を赤くして変な視線向け てるのよ!  そ、それはたしかにこのセーターって胸元が開いてるけどさ。だってしかたないじゃない。なにもかもがいき なりだったんだもん。急いで部屋の掃除して、それから着替えて………  うっ…そ、そうよ。チャイム鳴るまで服を選んでたわよ。だっていつものラフな格好じゃ悪いかと思って…… こら、変な誤解しないで! べ、別に気合を入れたって訳じゃないし…それにこの福選んで失敗したなぁ…って 思ってるんだから。けっこう…恥ずかしいんだから……  隠すなって言われたって……恥ずかしいものはしょうがないじゃない。そっちが見ないでよ。女の子の胸をじ ろじろ見るなんて最低よ、最低。  そりゃ……都合の良いときだけ女の子になるのは自分でもなんとなくイヤだけどさ……うん、ごめん。あたし もちょっと意識しすぎちゃって………え、頼み事? うんうん、なに?  ―――?―――なっ―――え、えええええっ!? あたしの胸が本物かって……ば、馬鹿ぁ! エッチ! 変 態、変態、変態っ!! セーター捲り上げて見せてって…何を言ってるのよ、この大馬鹿っ!!  うっ……そ、そんな落ちこんだってだめなんだからね。なんでいきなり胸を見せなきゃ…だ、だからそんなす がる様な視線で見たって……あああああっ、だからっていきなり泣き出さないでよぉ!  ………昔っからそうだったよね。自分の都合が悪くなるとすぐに泣き出すんだから。しょうがない、見せてあ げるから泣きやんで、ね?――――そこですぐに立ち直るのも考え物なんだけど……  はぁぁ……言っとくけど触っちゃダメなんだからね。触ったらそこでおしまい。それに窓を開けて「痴漢、強 姦、レイプ犯! 誰か助けて!」って叫んでやるんだから。  じゃあ…あたしはベッドに移動して…こらこら、何を期待してるのよ。いい? ベッドの上に乗ったら即アウ トだからね。触ってもダメ、乗ってもダメ。絶対に、絶対に守ってよ。それじゃあ……セーターをめくるね。  ………  ………  ………  ………  ………  ―――もう、そんな涙で潤んだ目を向けないでってば! ほら、あたしの胸は本物でしょ。ブラジャーはつけ てるけど確かめられるよね。  肩紐が出てなかったって? こう言うのはストラップレスって言うの。まったく…ノーブラで人前に出るはず がないでしょうに。  さ、十分あたしの胸が本物だって確かめられたわよね。セーター下ろすわよ――やっ、こら、近づいちゃダメ って!!  ベッドに手をついてないからOKなんて、あたし言ってない! やっ、手首離してぇ!!  ………んっ…こら、そんなに先っぽに顔を近づけちゃ……あっ…鼻息が荒くって…くすぐったい……  もう…匂いなんて嗅がないでったらぁ……「甘い匂いがする」?…やぁ…鼻先が谷間に……あっ!? ドサッ―――  ………ベッドに…乗ったわね。しかもあたしを押し倒して。  いまさら慌てて言い訳しても問答無用。それじゃ約束だから。す〜っ……ちか、んっ、んんんんっ!? (な、なんでいきなりキスしてくるのよ!? やだ…このキス……)  んっ、んむぅ…んぐぅ!! んんっ、チュル、はぁ…んっ………んんっ……んんん〜〜〜〜〜!!! (――ものすごく下手!! んもうっ、前歯はがちがち当たって痛いし鼻が密着してるから息苦しいし! っ!  手首…力込め過ぎ…痛いってっ! この……女の子の扱いも知らない、大馬鹿者ぉ!!) ゴチンッ  ………あれ? どうしたの、急にそんな……なんとも言えない悶絶の表情浮かべて……  え? ひざ? あたしの膝がどうしたって………あ、ご、ごごごごめん! あの、その、もろに股間に、その ……だ、大丈夫? ドサッ…………ヒクヒク……ヒクヒク……  あ〜ん、ごめんなさ〜〜い!! ほら、後ろからお尻さすってあげるから。  あたしだってわざとじゃないから。だってほら、さっきのってレイプそのものだし、それにあたし達って友達 だし男同士だし……本当にごめ〜〜ん!!  だからほら、早く復活してってば。――あ、そうだ! 今度はちゃんと胸を見せてあげる。ね、それなら元気 に……だめ?  それじゃ…んと…えと……恥ずかしい…けど……触らせてあげる。あたしの胸ってものすごく柔らかいのよ。 ね、これなら……  ………うっ。そうもいきなり復活されると疑わしいんだけど、ものすごく……  いや、別に嘘って言うわけじゃないし………もう、分かったわよ。見せてあげるし触らせてあげる!  でも、ほんと〜〜〜にっ、それだけなんだからね! それ以上したらいくらあたしが弱気で引っ込み思案だか らって怒っちゃうんだから!―――こほん、それじゃ……あ、あんまり見ないでよね……  ―――プチッ  ど、どうかな……一応大きさには自信あるけど…って、ち、近づきすぎ! そんなに近くで見られたら……は …恥ずかしいよぉ……  あっ……鼻息が…くすぐったい……おねがい、ちょっと離れて……やんっ、乳首に…息を吹きかけちゃ…んっ …!  やだ、あたし……触られても無いのに…乳首が……うっ…ち、ちがうの。あたしはエッチじゃないんだから。 だから…だから……ひっ!? やっ…そんな、摘んじゃ…んんっ! い、いやっ…あっ、あっ……!  も、もういいでしょ? そんなに乳首ばっかり…やっ、ダメだったらぁ!! それ以上摘むの、禁止、禁止ぃ !!………あれ? どうしたの、急にやめて……それにものすごく落ち込んで……  また頼みごと? う〜ん………変な事をまた頼むんじゃないでしょうね…って、う…嘘………勃たない…の?  ああああああっ!! そんなもう過ぎちゃった破滅の世紀末が来たような顔しないで! えっと…そ、そうだ、 緊張しちゃって役に立たなくなってるだけかも…あああっ、ごめん〜〜!! 大丈夫、ちゃんと役に立つから、 だから人生に絶望しないで、童貞のまま不能になったとかつぶやかないでってばぁ!!  どどどどうしよう……こう言うのに詳しそうな夏美には連絡つかないし、明日香に…え? それだけはやめて ?  じゃあ…やっぱり救急車ぁ! 119番!―――看護婦さんに見られるのが恥ずかしいって……そんな事を言 ってる場合じゃないじゃない!  あれもダメ、これもダメって、いったいどうしろっていうの? あたしに知り合いに保健の先生がいるけど… …そうしたら何をしてたかって聞かれちゃうし……  ……じゃあ…あたしが見てあげる。それでダメそうだったら病院に行くんだからね、分かった?  なに恥ずかしがってるのよ。昔はお互い裸の付き合い(お風呂)した仲じゃない。  見なれてるからほら、早くズボン脱いで。もし本当に酷くてどうしようもなくなったらどうするの?  ―――そう、始めからそうやって素直にしなさい。言っとくけどパンツもだからね。  あたしは服を……もう、そんな泣きそうな顔をしないでよ……わかったわよ。ちゃんと見せててあげる。興奮 してないと大丈夫かどうかわかんないし……  あの…股間を手で押さえて鼻息を荒くしないでよ。とりあえずベッドの上に座って足を開いて。  こ、こら、逃げちゃダメぇ! 恥ずかしいのはお互い様なんだから神妙に足を開いて……………………え?  ちょ…ちょっと聞きたいんだけど、これ……本当に大きくなってないの?  ………そうなんだ…これで普通………これで大きくなったら、翔君のお父さんより…え? あ、あはは、気に しないで、独り言だから♪ でも…どうしてあたしの周りの男の人ってみんな立派なのよ……ちょっと自信が… …  ―――こほん。とりあえず大丈夫かどうかよね。それじゃあ……こういうのはどうかな?  ほら…あたしのおっぱいってこうやって寄せて上げると結構ボリュームあるでしょ? 電車やバスでよく痴漢 にあうんだけど、みんな最初にここを触ってくるの…こうやって…んっ!…あ、さっきのは演技だから。あの… 本当に感じちゃったわけじゃないから……  それから…んと……こうやって指を食い込ませるの……おっきいから…指がめり込んじゃって……っう……こ う言う風に…持ち上げて、円を描くように…は…はぁ……  だ、だめ、触っちゃダメ!! あの…今は…本当に……  そりゃ確かに触った方が興奮するだろうけど……今のお色気じゃダメだった?  ……鼻血が出そう? よかった。あんなに恥ずかしい事をしたんだからそれぐらいは……でも、それでもまだ 勃たないって事はやっぱり……あ、うそうそ、嘘だから泣かないでよぉ……  うっ…ほんと、ごめん。あたしも考え無しに言っちゃって………  ……ねぇ、あのさ………あの…あたしで良ければ…してあげようか?  男の人って見るだけよりも触ってもらったり口でしてもらったらもっとずっと興奮するでしょ?  ……本番は………うん…ちゃんと勃つようになったら……いいよ。抱かれても……  えっ? は、はじめてなんだ……そう、なんだ……じゃあやっぱりあたしなんかより誰かちゃんとした女の人 と…………へっ?  な、なんでよ、なんで急に復活しちゃうのよ!? そんな、今までずっと我慢してたのね! バカ、あたし、 本当に心配してたのにぃ!!  うっ…あたしが綺麗で緊張してたって……バカ、だったら急に押し倒したりしないでよ。  でもまぁ、ちゃんと大きくなったんだからこれで一件落着………わかってる、わかってます。ただ、このまま ごまかせないかな〜〜ってやってみただけなんだから…もう……  でも……勃起するとものすごく……あんなの…入るかな……こんなに立派なのに今まで彼女がいなかったの?  ふ〜ん……こうやって間近で見ると…綺麗な顔をしてるのにね……  ………ふふふ。泣いたり赤くなったり、忙しい顔なんだから、まったく♪ そんなんじゃ今からスゴい事をし 始めたらどうなっちゃうかなぁ…なんてね♪  じゃあ……あたしも服を脱ぐから……その間にしたい事を考えておいてね♪ 1:その大きなバストでパイずりを、是非! 2:初めてだから、まずはシャワーを… 3:服なんて脱がなくてもいい!と今すぐ押し倒し


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