第4話その5


「ちょっ!――まって、あたしの話を最後まで聞いて!」 「やだよ。どうせやめろって言うんだろ?」  あ〜ん、どうしてあたしに言い寄ってくる男ってどいつもこいつも下半身に節操がないのよ〜〜!!  「実はあたし男なの」宣言を口にする前に、幽霊男は立ったままのあたしの足の間に自分の体を割り込ませる。 見た目よりも腰の位置が低いのか、小水と愛液で濡れた太股を体で割り開いた男はあたしのむっちりとボリュー ムのあるお尻を鷲掴んで固定すると、長い間あたしの体に触れた事への興奮を示す様に大きく勃起した肉棒の先 端を割れ目へと押し当ててきた。 「あっ……!」  あたしが体を固くして、足を閉じようとしても遅かった。膝と膝に挟まれた男の体はあたしの力ごときじゃび くともせず、押しのけようとする両手さえも体を振って払いのけると、斜め上にあるあたしのアソコに向かって そそり立つ肉棒をグイッと押し上げてきた。 「はうっ!!」  ギュッと力を込めて閉じ合わせていた陰唇がペ○スに押し揉まれ、圧力に屈して左右に割り開かれる。そして あたしの思っていた以上に大きな亀頭に膣の入り口を周囲の粘膜ごと突き上げられると、重たい喜悦がおマ○コ を中心にして下半身全体を痺れさせる。  昨日あんな目にあったばっかりなのに……どうしてこんなに感じてるのよ……  自分の体の敏感ぶりを恨めしく思いながらも、感じてしまう快感はどうしようもない。一気に押し入らず、ペ ○スの先でグチャグチャと粘っこい音を奏でながら膣口を掻き回されると、あたしの子宮は過敏なまでに反応を 見せ、収縮を繰り返すヴァギナからはさらに多くの蜜を垂れ流し、淫らな割れ目を肉棒を誘う様に蠢かせてしま う。 「くくく…やっぱり犯して欲しいんじゃないか。それじゃあ遠慮なく――」  ち、ちがうのに……あたしはこんな事は全然したくないのに………  おばけ屋敷の狭い通路、光がまったく差しこまない暗闇の中で壁に背中を押しつけられ、今まさに犯されよう と言う時に、あたしの目尻から涙が零れ落ちる。  でも、遂に亀頭が膣へと捻じ込まれた瞬間、あたしの身体は恐さも悔しさも何もかも忘れ、ただ欲情したヴァ ギナを擦り上げられた快感に打ち震えていた。 「あッはあァァぁぁぁ!!!」  す…スゴい……ものすごくおっきくて…子宮を押し上げてきてる……こんなのに…動かれたら…… 「くうっ…今までで一番締めつけてくるおマ○コだ……これは早めに一発出しといた方がいいかも……」  グチュリ… 「ああんっ!! ああっ、ああああっ!!」  幽霊の野太い逸物がズルッとあたしの膣内から引き出され、太股の付け根に自分の腰を叩きつける様に反り返 る物を突き入れてくる。しかもおマ○コ前面のザラザラしている部分を大きくエラ張った亀頭に往復するたびに 擦り上げられるからたまったものじゃない。  その上プルンプルンと震える乳房にむしゃぶりつかれ、唾液を柔らかな膨らみにだらしなく滴らせながら固く しこった乳首を舌先で弄ばれ、股間と乳房、二箇所から同じに生じる二重の喜悦にあたしは口を閉じることも忘 れてかすれた喘ぎ声を上げてしまう。  あたしの頭の中には、おばけへの恐怖や暗闇でレイプされる事への恐怖は既にない。あるのは花弁を貫かれる たびに生じるグチャグチャと聞くに耐えないぐらい恥ずかしく淫らな音……自分の声を掻き消すぐらいに、熱く 濡れぞぼった肉壷に逞しい男根が出し入れされると、幾重にも折り重なった肉ヒダに絡みつく愛液が二人の性器 の擦れあいにまきこまれ、静かな空間に聞くだけで欲情してしまうほど淫らな音をリズミカルに響かせてしまう。 「ハァ、ハァ、んッ! そ…そこぉ!!」 「た、たくやちゃんの中…スゴく熱くてドロドロだ……グゥ!!」 「あっああああああああああっ!! は、激しいの! そんなに突かれたら、突かれたらぁ!!」  剥き出しの乳房が激しく上下に揺れ、滲み出した汗の珠が丸みに沿って落ちるよりも早くに宙へと弾き飛ばさ れる。  壁に背中をつけたあたしの体を上に向かって押し上げる様に、肉棒のピストンはその激しさを増していた。ス カートはあたしたちの動きでシワだらけになって腰の辺りでよじれあい、そこから下にはまったく力が入らない。 男の腰の動きに合わせて水面の落ち葉の様に揺れ動き、体が飛んでいかない様に幽霊の首にしがみつきながらそ れこそさっきのお漏らしの様に愛液を飛ばしまくっていた。 「うおっ!? か、絡む、まだ締めつけてくるっ!!」 「奥に、きて、きてるのぉ!! だめ、チ○チン、太くて、長くて、気持ちよすぎて、あたしがダメになっちゃ う!!」 「お、俺もだ! こんな名器はじめてで…も、もうダメだぁ!!」  パンパンと拍手のような音を放ちながら、男の動きが徐々に小刻みになり、ビクンビクンとしゃくり始めた肉 棒で子宮口を細かく速く突き上げてくる。  肉棒を食い締めるヴァギナを強引に押し広げられ、愛液をグチャグチャに掻き回されたあたしの全身にも小波 のような細かい痙攣が引っ切り無しに走りつづけ、否応無しに絶頂へと上り詰めさせられていく…… 「あたし、あたし……もう、もう、ダメェ!! あっ、あっ、ああっ!!」 「くっ…そんなにこのデカいオッパイをかまって欲しいのか? だったら!」 「イッ…たぁぁああああっ!!」  あたしの両腕が男の頭を汗や唾液に塗れて湿り気を帯びた乳房の谷間に掻き抱く。そして次の瞬間にはバスト の白い肌に歯を突き立てられ、皮膚をも突き破りそうなその刺激が大きく張り詰めた乳房の敏感な神経に掻けぬ け、頭や背中がガクガクと震え、暴れ出してしまう。 「あああああっっ!! んっ…ひぐぅ!! お、オッパイが…イヤァ! あぁ、あああぁああああっ!!!」  痛みのあまり涙を流し、ブンブンと首を振りたくっても男は乳房に歯を立てるのをやめようとはしない。胸の 丸みに、乳首に、口を開いて食いこんでくる歯先の感触は、普通の愛撫では到底感じられないような鋭さをもっ て乳房に突き刺さり、絶頂寸前の快感で乳房が張り裂けるような感じを覚え、それをきっかけに全身の筋肉が一 気に張り詰めていく。 「ああ、ああ、あたし、も…もう立ってられない。足…震えて…あっ…ひぎぃ!!」  肉ヒダにペ○スの小刻みな痙攣と、射精間近である事を示す膨張が伝わってくる。けれど、あたしのお尻から 腰へと移った手はさらに強くあたしの肌に指を立て、時折我慢の声を上げながらそれでも激しく肉棒を突きたて る。 「も…スゴすぎる…あたし…このまま壊れちゃう…ぅうう!」  顎を反らせ、相手の頭を抱いたまま喘ぎ叫ぶあたしの背筋に一際強烈な電流が流れていく。それに耐えきれな かった体は遂にビクンッと大きく震えると、背筋を立ったまま一杯に反りかえらせ、しなやかな体をビクビクと 痙攣させ始めた。 「ああああっ!んぁぁぁああああっ!!くぁぁぁああああああああああっ!!」  あたしの声があたし達しかいない暗闇に木霊する。そしてその直後、一瞬で一気に膨張した肉棒から熱い精液 が大量に噴射され、わななく子宮の内側に大量に注ぎ込まれた。 「あああぁぁぁぁ………あ…熱…い……熱いのが……」  精液を放ち、幽霊に扮した男があたしの体から離れていく。  あたしはおなかの奥で精液が蠢くたびに軽い絶頂覚えながらも何秒か立ってはいられたけれど、すぐに力尽き、 壁に背中を預けたままずり落ちて床に座り込んでしまう。  そして…男の手指に揉みしだかれた感触がくっきりと残るお尻が床に出来た水溜りへと触れる。  それがあたしのもらしたオシッコだと気付いたその時、 「くううっ……!!」  ゴプッ……ゴプッ……  だらしなく床に座ったまま、最後の快感の震えに身を任せると同時に、ポッカリと穴が開いたような喪失感だ けが残るおマ○コの奥から半ゼリー状の濃厚な精液が流れ出してくる。  俯いたあたしの視界は暗すぎて何も見ることが出来ない。けれど、成功の火照りが移ったかのように熱い精液 は、おマ○コとアナルをつなぐ股間のラインを伝って床の小水へと流れ落ちていく…… 「はぁ……こんな女の子はじめてだよ。本当はもっと楽しみたいけど……時間……また………」  なぜか…さっきまであんなに密着して抱き合っていた男の声が少しずつ遠くなっていく。  それが意識が途切れそうになっているからだと気づく間もなく、あたしはエッチをした後のけだるさに身を委 ねて…そして………  眠っていたのに意外とパッチリ目が開いた。そして、 「お、目が覚めたか?」 「―――いやああああぁぁぁぁぁ!! ゾンビいいいいいいいぃぃぃ〜〜〜〜〜〜!!!」 「ほうっ!!?」  あ…あれ? 咄嗟に跳ね上げた右の膝に何かが潰れたような感触が……って、ここどこ? 「なぁに、さっきの悲鳴は――あら? 相原君、目が覚めたのね」 「松永先生……じゃあここは保健室?」  よくよく辺りを見回せば、昨日の美少女コンテストで失神した後に寝かされていたのと同じベッドに寝かされ ていたみたいで、左右に開かれた仕切りのカーテンの向こうには優しい笑みを浮かべた松永先生が、そして二つ 並んだベッドの間には股間を押さえてうずくまるゾンビが…… 「やぁ! ま、また出たぁぁぁ!! いやっ、あっち行ってぇぇぇ〜〜〜!!」  すっかりゾンビや幽霊やおばけに対して深いトラウマを負ってしまったあたしは枕や毛布や手近にあったビン やら何やらを片っ端から床下の物体に向けて投げつける。この近距離で外す事はまずないけど、命中するたびに 潰れた蛙の様に呻き声を上げるのは……はて? ゾンビってとっくに死んでなかったっけ? 「相原君、それぐらいにしてあげたら? 気を失ったあなたをここまで運んでくれたのは彼なのよ」 「べっ……じゃ、じゃあゾンビがあたしをおんぶだっこしてここまで……それもなんだかイヤ……」  でも、その実、ゾンビにお姫様抱っこで運ばれたりしたら……あううっ…背筋に寒気と震えとおぞましさが… … 「何を考えてるのか手に取るようにわかるんだけど、とりあえずは落ちついてこれを見なさい」  自分の体を抱いて触られたであろうか所から全身に広がってイく震えを押さえこもうとしているあたしの前で、 松永先生は手をゾンビの顔へと伸ばし――  そして、その顔のただれた土気色の皮膚を引っ剥がした! 「いやああぁぁぁぁ〜〜〜〜!! スプラッタぁぁぁあああああっ!!」 「ほらほら、目をそらさない。単なる作り物なんだから」 「………作り…物?」  確かに。目を回して床に延びている男の顔は、いちまい皮をめくると普通の顔だった。 「あっ……」  じゃ、じゃああたしっておばけ屋敷の作り物だってわかってるおばけでこんなに泣き叫んで脅えて、それで気 を失って……うわ、ものすごく恥ずかしいッ! 「ふふふ…本当に相原君を見てるとあきないわ。さっきまであんなに叫んでたのに、今は頭抱えて枕に突っ伏し て。でもちょっと可哀想だから一つ安心させてあげる。気絶したのは壁に頭をぶつけたせいで、恐さで失神って 言うわけじゃないから」 「か、壁に? でも、あたし、その…エッチな事をされて……」 「それも大丈夫。眠っている間に簡単な診察をしたけれど、性的暴行を受けた後はまったくなかったわ。ベッド で眠っている相原君に、彼がどうやってペ○スを蹴り上げられたかは…ふふふ…言わなくてもわかるわね」  そんなはずは…だって、あたしはあそこで幽霊に……  松永先生の言葉をおかしく思って自分であちらこちら触ってみるけど、ウェイトレスの服にはこれと言って汚 れた跡もないし、パンツにもお漏らしで濡れた痕跡もない。下着の中だって……ちょっと乳首が固くなってるの は気になるけど、別にこれといって乱暴されたりは…… 「じゃあ……あれって夢だったの?」  体のどこにも、暗闇で幽霊の姿をした男に抱かれた様子がない。あるのは、何故かはっきりと残っているあた しの記憶だけ。  これじゃ、どう考えてもあれは夢だったと思うしかなかった。 「はぁぁ……なんだぁ…夢か…夢だったんだ……」  安心して胸から長々と息が吐き出される。そして―― 「………ああっ、時間!」  視界の端に映るのは保健室の壁にかけられたシンプルなデザインの丸い時計。その長身と単身が示す時間は、 あたしに休憩時間として与えられた一時間が二十分も前に過ぎている事を指し示している。 「せ、先生、ありがとうございました! あたし、もう行きますんで!」  やばい、これ以上遅れたら明日香の拳骨食らうだけじゃ収まらない。ただでさえものすごい混雑だったのに… …  ひょっとするとおばけ屋敷よりも、あの追っかけてくる男たちの方が恐いんじゃないかと思い、松永先生の横 を通りすぎてから微笑。  そして、急いで教室に戻ろうと扉の取っ手に手を伸ばした瞬間、  胸が、あの時に幽霊に噛まれた場所がズキッと痛みを発した。  ちなみに、途中から姿を消した弘二はというと―― 「おい、こいつも失神してるけどどうしようか……」 「相原さんだったら喜んで運ぶけど、男じゃなぁ……どうせそのうち目を覚ますだろうから放っとこうぜ」  あの時の暗い広間――あたしの前で恐いおばけに耐えていたもののそこで限界に達したらしく、隅っこの方で 人知れず失神していたそうな……


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