ルート1−5


 佐野先生があたしを連れてきたのは何の変哲もない射的の屋台の前だった。
「やあ、親父さん。しばらく」
「いよう、佐野の旦那じゃねェか。なんだ、今日は偉い美人を連れてるなァ、キシシシシ」
 景品を並べた奥の五段の棚の傍に座るおじさんへ佐野先生が片手を上げると、向こうは黄ばんだ歯を覗かせて笑顔で答えてくる。……この二人が顔見知りであると分かると、なんとも言えない不安感があたしを包み込むけれど、佐野先生の手はとりでは歩けないあたしの肩をしっかり掴んでいて逃げ出す事も出来ない。
 不安がるあたしを余所に射的屋さんと新年の挨拶と軽い雑談を交える佐野先生だったが、会話が切れたところでおもむろに財布を取り出すと、コルク銃を並べた手前のテーブルの上に一万円札を二枚置いた。
「例のアレも入ってるんだろう? 久しぶりに楽しませてもらうよ」
「ウヒヒヒヒッ、先生さんも人が悪いねェ。アッシらも楽しむけど、一番楽しまなきゃいけないのはそっちのお嬢さんだってのによ」
「確かにそうだ。じゃあ早速―――」
 射的屋のおじさんが二万円を受け取り、代わりに玉になるコルクを三つ乗せた小皿をテーブルへ置く。それを佐野先生が銃の先端に込め、あたしの方へグリップを差し出してくるけれど、
「いやっ!」
 あたしは銃から顔を背けながら拒絶の言葉を搾り出した。
 ―――……すごく……嫌な予感がする。
 背筋をモゾモゾと這い上がってくる悪寒に比べればまだ、佐野先生に暗がりへ連れ込まれて穴と言う穴を犯される恐さの方がまだ耐えられる気もした。もし選ばせてくれるのなら、あたしは迷いながらもこの射的屋から遠ざかるほうを選んだだろう。
 でも………今のあたしに、佐野先生に逆らう事は許されていない。
「くあッ!」
 あたしに断られた佐野先生は、それでも笑みを崩さぬまま、銃の硬いグリップで気物腰にパンパンに張り詰めた乳房を押し込まれてしまう。
「ボクの言うことが聞こえなかったのかな? 可愛いバラにはトゲがあると言うけれど、ボクの可愛い子犬ちゃんには、もう少ししつけが必要なのかもしれないね」
 乳首を中心に強い圧迫を受け、神経へ電流を流し込まれたようにビクビクと体を震わせていたあたしの背後へ佐野先生が回りこむ。
 そして―――あたしのふくらはぎが冷たい空気に撫で上げられた。
「きゃあッ! さ、佐野先生、何を―――!?」
 着物の裾が捲り上げられていく……それに気付いてとっさに両手で着物を押さえるけれど、前が開いている着物では股間側から抑えてもあまり意味はない。事の推移を見つめる周囲の参拝客から歓声にも似たどよめきが上がる中、あたしの両脚は次第に露わになって人の目に晒されていってしまう。
「だ、ダメ、これ以上は―――」
 着物姿のまま、つい先ほども指でオルガズムを迎えたばかりの内太股はグッショリと濡れてしまっている。それを衆目を晒されかけようとしているハズかしさから左手を後ろに回そうとすると、その手はいとも容易く佐野先生へと抑えられ、着物が完全にめくられてお尻を露出するのと同時に上半身後とテーブルへと押し付けられてしまう。
 ―――し…下着も履いてないのに……濡れてるアソコを見られて……こんな格好で………!
 まるでお尻を突き出すような格好で、しとどに濡れ、今なお蜜を滴らせている股間に一斉に視線が殺到する。布地がものすごく少なかったとは言え、唯一の下着すら奪い取られた股間には隠すものが何もなく、白く濁った液体を割れ目から……そして後ろのアナルの窄まりからも溢れさせ、寒い冬の夜空の参拝道でヒクヒクと粘膜を震わせているところを見られる恥ずかしさに、あたしは目を開けている事すらできなくなってしまう。
「ボクの言う事を訊かなかった罰だよ、これは。ちゃんと言うとおりに射的を楽しんでくれるのなら、キミのこの美しいお尻を隠してあげてもいいのだけどね」
「や…やります……射的でも何でもやります。だから、だからぁ………!」
「いい子だ……そうとも、キミの美しいヒップを楽しむのは、ボクだけでいいんだからね……」
 耳元で囁かれた声に涙で顔を濡らしながらこたえると、佐野先生はあたしの背後へまわって、帯に締め付けられている腰を掴み―――
「え………だ、ダメ、そこだけは、アッ……アアアアアァアァァァ〜〜〜〜〜〜!!!」
 あたし同様に性器をさらけ出した佐野先生は、もの欲しそうに弛緩と緊縮を繰り返して注ぎこまれた精液を搾り出しているおマ○コにではなく、何度陵辱されても小さく窄まってしまうアナルの方へと膨れ上がった亀頭を押し込んできた。
「見てる、のに……あッ、んあァ!!! お尻に…入ってるの……見られてる……やぁ……奥に、奥に、はあぁ、ああぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
 一番太いカリ首がアナルの窄まりを越えて直腸へ入り込んでしまうと、あたしの腸内はむしろ喜んで迎え入れるかのように佐野先生のペ○スを飲み込んでいく。腰を動かされて太い肉棒をズルッと引き抜かれるたびに大きく張り出した亀頭のエラが食い込むように腸壁を擦りあげ、その直後に重たい衝撃が腸の奥にまで突き込まれて来る。
「もう、逆らいません、先生の言うことに従います、だから、許して、こんな事ぉ!!!」
 腸の中を熱い肉棒が往復するたびに、無視された形になった割れ目からは裏側からの強烈な圧迫感に愛液が押し出され、子宮にまで腸姦の衝撃が響く。必死になって息をはき、ペ○スを抜き差しされるたびにめくれ上がるアナルの窄まりを緩めていると、佐野先生はテーブルに押しつぶされたあたしの胸へと手を回し、強引にあたしの身体を起こさせると最後に一突き、あたしのお尻へバシンと力を込めて腰を叩きつけた。
「ふぁあぁぁぁ!………あっ…は…うゥ………!!!」
 突然角度を変えて深々と突き刺さった肉棒に、あたしは全身をわななかせて昇りつめてしまう。アナルに根元まで突き刺さった男根を狭すぎる直腸の中で味わいながら、冬だと言うのに首筋には汗すら噴き出して絶頂の余韻に瑞々しく張りのある身体を打ち震えさせる。
「さぁ、ゲームの始まりだ。はずせば罰ゲーム、当たればキミの欲しがっているものを上げるよ」
「わかり……ました………だから……ぬ…抜いて……お尻から……じゃなきゃ…射的なんて…ぁ………」
 胸へと押し付けられたコルク銃を手に取りながらも、狙いをつけようとすると佐野先生がペ○スをググッと押し込み、集中する事ができない。絶頂を迎えてヒクヒクと括約筋が痙攣しているのに、太いペ○スが刺さったままのアナルは丸く広がったまま戻る事を許してもらえずに、周囲の視線も気にせずにあたしの腸壁へ亀頭やカリ首を矢尻のように引っ掛け、食い込ませている。あたしがわずかに身動ぎするだけでもお尻の奥で腸とペ○スが擦れてしまい、あたしは集中しようとすればするほどにその存在を大きく感じ、何も入っていないヴァギナを蠢かせてドロドロの愛液を溢れさせてしまう。
「こんなの……で…できない……ちゃんとするから……だからお尻から………」
「しかたがないなァ……じゃあ、僕が手取り足取り教えてあげようか」
「ンぅ〜〜〜〜……!」
 佐野先生の手が着物の胸元へと伸び、うなじへ舌先を滑らせながらあたしの肩をむき出しにする。まるで時代劇の夜鷹の様に、首筋から方の丸みへと続くラインをお尻に続いて衆目に晒してしまう恥ずかしさに身震いしていると、あたしの腕に絡みついた佐野先生の手が銃を構えさせ、射的の的へと銃口を向けさせる。
 ――…はずせば罰ゲーム…何をされるか分からないけど……お尻を犯されたまま的に当てるなんて………
 趣味でサバゲーをやっているから銃の狙いにはそれなりに自信もある……でも佐野先生は、あたしを妨害するように、遠目には分からないように腰を小さく蠢かせて直腸の奥深くに食い込ませたペ○スの先端を小刻みに蠢かせる。クチクチと腸液が音を立て、亀頭が円を描いてお尻の中を小さくかき回すたびにあたしの口からは熱い吐息が漏れ、大勢の人に見られながらも直腸をかき回される恥ずかしさと感じてはいけない快感に銃口がぶれる。それどころか一度は満遍なくかき回されたアナルの内側は佐野先生のモノを締め付けながらも更なる快感を欲していて、腸の肉ヒダをワナワナと震わせてしまっていた。
 ――…もう…頭の中が真っ白で……犯されたくて犯されたわけじゃないのに……あたし…また……お尻のほうで、イッ、イかされちゃう………!
 罰ゲームがこのままこの場所でアナルを陵辱する事だと分かりきっている。だからこそもっと慎重に狙いをつけなければいけないのに、微細とも言える佐野先生の腰の動きに理性が欠け落ち、いっそこのままでいいとさえ思い始めるほどに込み上げる快感と意識を現実につなぎとめようとする羞恥心とが混ざり合って頭の中が困惑で埋め尽くされてしまう。
 そして、一瞬心が快感へ傾きかけたその瞬間、悪戯な佐野先生が腸の奥からペ○スをズルリと引き抜いてしまい、排泄にも似た恍惚を覚えるのと同時に、力のこもってしまった右手の指が狙いも何もなく引き金を引き絞ってしまっていた。
 ―――が、
「お〜当た〜り〜!」
 勢いなく弱々しい放物線を描いたコルクは偶然にも一番小さな的にコツンと当たって倒してしまった。
「お嬢さん、ツイてるね。他の娘だったら絶対佐野の旦那の罰ゲームでこのテーブルの上で泣き喚かされるところだったんだけど、クヒヒヒヒッ」
「じゃ、じゃあ……」
「大当たりなら罰ゲームはなし。代わりにこの神社特製の縁起物をプレゼントだよ」
 やっと恥ずかしい思いから解放される……そう安心する心のどこかに、この衆目に晒されながらお尻を犯される状況への未練を感じる自分がいるのを知って、必死に頭を振って追い出すあたしの前に、射的屋のおじさんが木の棒のようなものを置いた………けれどそれは、
「な、なによ…これ……!?」
 テーブルに置かれた物は木製の男根だった。悪趣味と言えるほどに精緻な出来で、見るからに表面は滑らかで丁寧に磨き上げられているのにカリ首は佐野先生のものに負けず劣らず開いていて、その上長くて太い。やや上反りで、出し入れすれば膣天井をゴリゴリと抉るのは間違いない一品だった。
「こいつは今年のモンですけど、なかなかいい出来のヤツをもって来てますよ。何しろ今年は髪の長い飛びっきりのいいオンナがおマ○コにこいつを突っ込まれて、泣き悶えながらおマ○コ汁を染み込ませた一品ですからね。さぞやお嬢さんのおマ○コにも……クヒヒヒヒッ……」
 射的屋のおじさんは大勢の参拝客が見ている前で、この神社で行われている淫らな儀式について隠す事無く説明すると、赤い晴れ着に身を包むあたしを見つめながら溢れた涎をジュルリとすすり上げた。
「佐野の旦那、どうでしょう。どっか別の場所でヤるぐらいなら、この場でそのお嬢さんにご神木を捻じ込むところを見せちゃくれませんか? こっちは何十万もする景品を一発で持ってかれたわけですし、それぐらいの眼福がいただければありがたいんですがね」


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