08「ご主人様なら当然です…」


(―――これは失敗してしまいましたか。私としたことが……無念です)
 “惨状”を目の当たりにし、詩雨は己の招いた失態を反省しながらため息をついた。
 事の発端は、神奈に処方した秘薬の一つ「増精丹」だった。
 邸内に不法侵入して捕縛された霜月神奈だが、詩雨は以前から彼について詳細な調査を行っていた。今年の美術コンクールで霜月神奈が描いた絵を目にとめて以来、弥生が作者である“霜月神奈”を意識していたのは明らかだった。それがどのような“想い”であれ、いずれは弥生が面会を望む可能性の高い相手……しかも名の知れた財界人でも著名人でもなく、極々平凡な庶民の家の生まれで指して目立った経歴を持ち合わせていない一庶民。万が一、危険な思考を持った人物である場合も想定し、事前に調べ上げておくのはメイドとして当然のことだ。
 この調査は詩雨とその数名の配下メイド、そして諜報を主任務とする第六メイド隊によって弥生にも極秘に行われた。そして霜月神奈なる人物の趣味や嗜好、身体情報、家族構成、日常生活、成績、人間関係、女性遍歴、健康状態など、それこそ一週間でのオナニー回数やエッチな本の隠し場所に至るありとあらゆることを徹底的に調べつくし、その結果、危険性ゼロの人畜無害な人物である事が判明した。
 その間の弥生はと言うと、本人は隠しているつもりでも次第に神奈への想いを募らせているのを詩雨は既に察していた。―――だからこそ、“偶然の出会い”ではなく“必然の出会い”で、時と場所を用意して二人を引き合わせることを詩雨は選択した。
(ここまでうまく行き過ぎるとは思っていませんでしたが……)
 霜月神奈という人物は、人柄は良過ぎるほどに良いけれど少々気弱、小柄な体格で運動神経もかなり低い。だが、好奇心が強くて行動的であると調査報告を受けている。週末には絵の道具一式を持ち、公共の交通機関を使って山や海にまで前触れなく足を運ぶこともあるそうだ。
 だから詩雨は手のものを使い、弥生のカバンより抜き出した生徒手帳を神奈が帰宅する通り道に設置した。見つけられるかどうかは運次第、素通りされれば次のポイントへ手帳を運び、見つけてもらえるまで何日何回でも試みるつもりだったけれど、絵描きとしての観察力か、初日の最初のポイントの学園敷地内で弥生の生徒手帳は神奈によって無事に発見されることとなった。
 後は事務課に届けるか、直接自宅に届けるかだ。神奈の性格からして、持ち逃げして悪用することだけは絶対にありえない。そのため、霜月神奈が弥生の生徒手帳を手にした時点で、届けてくれた礼として後日正式に高菱邸へ招待するか、もしくは今夜にでも神奈のほうから高菱邸を訪れるかの二択となり―――結果、気に上って邸内を覗いていた神奈は狙撃されて驚いて敷地内に転落。不法侵入者として捕らえられることとなった。
 もっとも、いくら高菱家でも覗いただけで問答無用で狙撃したりなどしない。あの銃撃は神奈の行動を逐一報告を受けていた詩雨が行ったものだ。
 その後は………神奈の充血した下半身を調べさせられるなど、弥生の困惑と羞恥心から詩雨の想像の斜め上を行く展開となってしまったが、それでも結果オーライ。気を失った神奈と、それを看病すると言い出した弥生。困惑は神奈を弄んだ詩雨や蓬への嫉妬へと変わり、プライドの高い弥生が遅れをとるまいと行動をとることは想像がついた。
 ここで一つ問題が生じた……それは精力を搾り取られた神奈が、一晩中目を覚まさずに眠り続けてしまうことだ。体力の消費も著しく、詩雨の見立てでも神奈が今夜、弥生がどれほど想いを寄せても目を覚ますことは無いと考えていた。
 だからこそ人工呼吸と偽ってまで「増精丹」を飲ませたのだ。
 ありていに言えば増精丹は超強力な精力剤なのだが、一時的に精力を増す代わりに身骨気血を削ってしまい、数日にわたって気だるさなどの身体不調の症状が出る副作用がある。
 本来であれば、神奈の身体に適した量を処方して副作用も最低限に収めるのが薬師としての詩雨の腕の見せ所なのだが、事態が予想外で急であったため、口移しで飲ませた増精丹は一粒、成人男性ならどんな老人でも三時間はギンギンになってしまう量を飲ませてしまう。
 それは普通の量だった。だが神奈には多すぎる量だった。体格も体力も成人男性の平均を大きく下回り、その体力も弥生に見られながらの辱めによる極度の緊張で限界まで消費していたため、増精丹の効力を抑える力が無くなってしまい、神奈は精力が暴走し、いわばSEX魔人と化してしまっていた。
「あッ、ああッ、んあああああッ! くる、そ…そこ、グリッて…ヒッ!? あっあっああっあっひッ! か…神奈ァ! ダメッ、イっちゃう、イく、イくのォ、わたくし、また…また、神奈、神奈ァァァ〜〜〜〜〜〜!!!」
 詩雨の見つめる先では、高々とヒップを突き出した弥生に神奈が覆いかぶさっていた。もっとも理性が蕩けきった弥生には手足を踏ん張る余力が無く、後背位で六度目の膣内射精を胎内に注ぎ込まれた体勢のまま甘美な余韻に酔いしれていて……そして精液を吐き出す場所を求めていた神奈に抱き寄せられ、トロトロと精液を滴らせていた膣口を強引にこじ開けられたのだ。
(あんなに逞しいものを……弥生様も蓬も堪能したのですね)
 もう一人、今宵同じベッドの上で神奈に処女を捧げた蓬は、既に気を失っていた。幸いというべきか、激しい運動で処女膜を失っていた蓬はロストバージンであまり痛がることは無かったけれど、アナルのバージンを奪われる時にかなり泣き叫び、その末に直腸内を擦り上げられる快感に涙を流しながら悶え狂って、直腸に射精された瞬間には手足を突っ張らせてエクスタシーによだれを垂らして嬌声を迸らせていた。
 お尻に二回、膣外射精が三回。そして最後に子宮の奥を突き上げられながら射精を受け止め、幸せそうに気を失った蓬……気絶と絶頂の狭間で白濁液にまみれた体を震わせる同僚のメイドを見ていると、ただジッと見ているしかない詩雨の胸に、怒りに似た感情が込み上げてくる。
(しかし私は、神奈様の身体に万が一のことがあった場合、すぐに対処できるようにしていなければいけません)
 やってしまったミスは取り戻せない。それならば何が起こってもいいように、一人こうして傍らに控えるためにも、蓬を巻き込んでまでも少々強引に乱入したのだが、
(んっ……ですが、電池は新しいものに換えておくべきでした)
 分厚い紺色のスカートの下。メイド喫茶などの歴史も伝統も品格も無い形だけのメイドたちが履いている太ももを露わにしたミニスカートではなく、当然ロングのスカートだ。今、その分厚いスカートの壁の内側では、キツく閉じ合わせた太ももの付け根に深々と突き刺さったバイブレーターが膣粘膜を刺激し続けていた振動を弱め、力尽きようとしているところだった。
(ふ…ぅうん……あ…止まっちゃう……や、弥生様がSEXしてるところを見てる最中なのに……そんな、ああっ、バ、バイブとまっちゃうぅうぅぅぅ………!)
 想い人とまぐわう主人のすぐ傍でヴァギナをバイブに挿入するなど、どう考えても変態のすることだ―――そんな妄想に浸れば浸るほど快感係数は跳ね上がって、外見上は何事もないかのように平然としている詩雨の股間から恥液があふれ、太ももを締め上げている白いシルクのストッキングを濡らしてしまう。けれどスイッチを最強に設定しても微弱よりも弱い振動でしか詩雨のラヴィアを震わせてくれず、たまらず膝をよじり合わせ、イボだらけのバイブに膣壁を擦り付けてしまう。
(そんな……と、止まらないで…あと少しで、んッ…あと少しなのに……こんなにじれったい……あ…あァ……もっと激しくぅ!)
 これまで、弥生と神奈がどれほど激しく行為に及んでも表情一つ変えなかった詩雨が、きゅっと唇を噛み締める。バイブが弱まるほどに今まで紛らわせ続けていた性欲が煮えたぎるようにスカートの内側で存在感をあらわにし、こらえきれずに腰を小さく揺さぶっていると、ついにバイブは先端を子宮に食い込ませたまま動きを止めてしまう。
(く、いッ…んぅ〜……! そんな、困難ところで止まるなんて……クウゥ〜……!)
 電池を換えたくても、手元には電池は無い。膣内を何度も荒々しく掻き回したバイブはただの無機的な太いディルドーと化してしまい、人知れず詩雨をアクメへと押し上げていた振動がなくなってしまうと、ジッと押し黙っていたメイドはパンパンパンと大きなストロークでペ○スを叩きつけられている弥生に恨めしそうな視線を向ける。
「イ、イクッまた…イっちゃうゥ……神奈、輪…わたくし……ひあァん! あッ、こ、壊れる……全部、あ、あぁ、ダメェ……もう、わたくし、神奈、いないと、イく、イく、イくゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「弥生…さんゥ……! おチ○チン、とろけちゃう、そんなに締めたら、おマ○コで溶けちゃうよォ!!!」
「いいの、いいの、神奈のおチ○チンで、はっ……あっ……わたくし…中に……キ…て…キて、神奈ぁぁぁ!!!」
「クッ、うッ…す…吸い取られ……うあっ! 弥生さん…出…ちゃううううううッ!!!」
 弥生の子宮口に亀頭の先端を深く深くねじ込んだ肉棒は、何度射精しても衰えることの無い勢いで絶頂精液を胎内へと流し込む。さすがに十回以上射精していては抜き差ししながらの射精はできなくなってしまったけれど、前回膣出しした精液がほとんどそのまま残っている子宮には、白濁液を注ぎ込まれるだけで張り裂けそうなほどの快感が沸き起こる。増精丹で生み出された異常な量の精液は一部の隙もなく子宮の隅々にまでいきわたり、その圧迫感だけで弥生は再び絶頂。神奈の精液に身も心も満たされたオルガズムに白く濁った絶頂汁を噴きながら涙交じりのイき声を迸らせてしまう。
「イく……また、イ、イくゥウゥゥゥ!!! 神奈の、神奈の精液がぁあああああああああっ!!!」
 金色の髪に指を差し入れ、絶頂にわななきヴァギナを締め付ける弥生。そして長く長く響き続けた声が徐々にかすれてくると、歯を食いしばっていた神奈は射精を終えたペ○スをヴァギナからズルリと引き抜き、それと同時にぽっかりと丸く口を開いたままの膣口から、注ぎ込まれても子宮に収まりきらなかった精液がゴブッゴブッと溢れ出してくる。
(あんなにいっぱい注ぎ込まれて……うらやましいです、弥生様)
 やがて口を大きく開いていた蜜壷もヒクリヒクリと打ち震えながら窄まっていく。その様子をペ○スを握り締めてじっと見詰めていた神奈はノドを大きく鳴らして唾を飲み込んだ。
「弥生さん……」
「神奈……好き…愛してる………んッ……」
 弥生のぬくもりが残る肉茎を神奈は目の前にあるヒップの谷間へと押し付ける。左右から張りのあるふくらみに挟みこまれる感触に腰を震わせると、背後から弥生の腰に腕を回して抱きつきながら、二人は肩越しに唇を絡ませあう。そしてしばらくすると、ベッドに身を沈めた弥生は神奈の胸へまるで甘えるように頬を摺り寄せ、幸せそうに眠りへと落ちていった。
 ―――その一方で、
「…………ッ」
「!? 神奈様、どうかなさいましたか?」
「い、いえ、なんでも……って、うわぁ! な、何でここにいるんで―――」
 下手に騒いで弥生の眠りを妨げるわけにはいかない。ベッドに膝を突いてあがると、詩雨は大きく開かれた神奈の口を押さえつけていた。
「お静かに願います。―――それよりも体の具合はいかがですか? 青ざめておられますよ」
「だ…大丈夫ですよ。疲れたけど、休んでれば……それよりも詩雨さん、まさかずっと見てたんですか……?」
 恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら神奈が尋ねるけれど、詩雨はそれを完璧に無視。
 弥生が目を覚ました時、傍らに神奈がいなければ寂しく思うだろうけれど、今は神奈の体調のほうが大事だ。詩雨は女の子よりも華奢そうな神奈の身体に腕を回すと、お姫様よろしく抱えあげた。
「あの、あの、じ…自分の足で歩けますから……!」
「この場に鏡があれば、お顔を見せて差し上げたいところです。今は私にお任せください」
 広間では蓬をそそのかして神奈を弄び、この部屋へもとんでもない登場の仕方で入ってきた詩雨だけれど、心配する顔つきは本物だった。それ以上何も言い返さないでいると、詩雨はそのまま室内の椅子へ神奈を全裸のままで座らせ、
「では早速これをお飲みください」
 と栄養ドリンクを手渡した。
「高菱家傘下のメーカーで効能を第一に考えて試作された“スッポン一番絞り・荒挽き黒イモリ入り”です。滋養強壮虚弱体質には最適な一本ですが、黒イモリがツブツブしていて食管に不気味なアクセントを加え、味は味で胃袋が裏返って内臓全部吐き出したくなるほど鬼マズです。ささ、一生トラウマになるかもしれませんが、死にたくなければグイッと一気に」
「死ぬのも嫌だけど飲むのも嫌ぁ……!」
「仕方ありません……非常事態ということでお許しを」
 そういって謎の栄養ドリンクを取り返した詩雨はキャップを親指ではじいて一気にはずす。そして神奈の首へ後ろからチョップを入れて上を向かせると、鼻をつまんで口を開けさせ、そこへ栄養ドリンクを一本、そして二本三本と逆さにして捻じ込んでいく。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」
 味の方は確かにすさまじい物だった。けれど吐き出す暇も与えずに、空になったビンは後ろへ放り捨て、続けざまに総計1ダース十二本のスッポン一番絞りを神奈のノドへと流し込んでいく。
「――――――! ―――――――――――――!? ――――――――――――――――――――!!!」
「暴れてもかまいませんが、鼻やノドへ流れ込んだらフレーバーな風味でショック死しますよ?」
 そしてすべてを飲ませ終えると、吐き出す暇も与えずに口を閉じさせ、頭を上下にシェイク。いっきに残りも飲み下させると、白目を剥いた神奈はカクンと後ろに首を折って気を失ってしまった。
「これで一命は取り留めたはず。お喜びください、神奈様」
 けれど既に神奈の意識はない。
「―――はい。返事がないのは満足の意思表示ですね。高菱家メイドは客人に安らかな眠りを、そしてその安眠を妨害するようなことはいたしません」
 ともあれ、これで神奈は大丈夫だろう。味はともかく、栄養満点のドリンクの大量摂取で増精丹による体力の減少分は補えたはずだ。
「では―――」
 既に日は昇り、館の内外では数多くのメイドたちが働き始めている。今からすることは山ほどあるのに、許された時間は残りわずかしかないのだ。
「あ……う……ぁ………」
「あら? 神奈様、もうお目覚めですか?」
 つい今しがた気を失ったはずの神奈だが、血液が火のついたガソリンと入れ替わったみたいに体中が熱く火照り、弥生を抱いたときよりも股間が激しくたぎってしまっていた。けれど目の前にいる詩雨が三人にも四人にも見えてしまうほど瞳の焦点が合わない。それに不気味な味の栄養ドリンクのせいで舌が麻痺し、しゃべることもままならない上に、手足からは力が抜け落ちて動かすこともできない。増精丹の副作用だ。
「し……ぐ……ゥ………」
「無理にしゃべる必要はありません。今から……少しの間、肉バイブになっていただくだけですので」
 言葉の意味がわからない―――神奈には詩雨が何を言っているのかまったく理解できなかったし、それは詩雨も同様だった。
 性欲が暴走し、自分で何をしているのかもわからないし、何をしようとするのも止められない。この部屋でただ一人だけ衣服を身にまとっている詩雨は、何か必死に言おうとしている神奈の前で微笑をたたえると、紺色のスカートの裾を摘んでめくり上げ、太いバイブを飲み咥えている淫裂をさらけ出した。
「見えてますか? このバイブ、広間で神奈様を弄んだずっと前から入れっぱなしなんですよ。途中で弥生様にばれてしまって……ふふふ、どうされたと思います?」
 訊ねるけれど、神奈に答えられないことは詩雨が一番わかっている。それでも白のガーターベルトと白のパンストに周囲を彩られた詩雨の股間から恥ずかしそうに視線がそれると、次第に性欲の抑えが利かなくなってきた年上の美人メイドは神奈の手を取り、愛液にまみれているバイブの柄をその中へ握らせた。
「あふゥ……!」
 電池が切れて動きを止めたバイブが神奈の手に押されてグチュリと詩雨の膣内を押し上げる。
 弥生や蓬とはただハメあって快感をむさぼっていた神奈には、女性器に触れた経験は弥生に愛撫した時のただ一度しかない。バイブに触ったのも生まれて初めてだ。そんな神奈だからこそ見せる初々しい驚きの表情に表情をほころばせた詩雨は、身体を近づけて椅子に座った神奈の膝にバイブの柄の先端を手の平を挟んで押し当てる。
「あっ……! じ、焦らさなくて、か…かまいませんよ? 乱暴に、めちゃくちゃに、道具のように扱われるほうが私は……んあ……っ♪」
 神奈の肩に手を置いて腰を前後に揺さぶるたびに、動かない手の平と膝とがバイブを動かし、詩雨の蜜壷の中を掻き回す。シリコンの先端が神奈たちのSEXを見ながら何度も達してしまったはしたない子宮をグリグリと抉りたて、イボがびっしりと並んだ胴体が振動責めを一晩中受け止め続けて真っ赤に腫れあがった膣壁に引っかかる。
 最初は緩やかに動いていた詩雨も、いたいけな少年の前ではしたなく快感をむさぼることに理性では恥じらいを覚えてしまっていた。………けれどそれは、今の詩雨にとっては快感を寄り魅惑的にするスパイスでしかない。しかも相手は弥生が見初めた相手……まるで主人の夫を寝取っているようで、
(こ…腰が勝手に動くぅ……! いけないとわかっていても、やっぱり私は、あ、ああっ、“ご主人様”にかわいがられることが―――)
 高菱家で働くことでもっとも不満だったのが、主人が女性で、他に家族がいないことだ。今まで仕えてきた家々では、男性主人に手篭めにされ、その息子に雌ペットのように扱われ、人間ではなく消耗品かダッチワイフのように扱われてきた。それはうら若きメイドだった詩雨の肉体を淫らに作り変え、主人という存在の見方を変えてしまうのに十分すぎるほどの凄惨な日々だった。
 そうして“ふしだらな女”と言うレッテルを貼られた詩雨はその有能さとは裏腹に、仕えた先々で主人や周囲の男性と肌を重ねて問題を起こし続けた。仕えた家の数だけ追い出され、いっそ風俗メイドにでも職変えしようかとしていた矢先に高菱家へと招かれた。
 当時の高菱家の家長は、小学校を卒業したばかりに金色の髪の少女だった。周囲は女性ばかりで、男性の姿は邸内組織の末端に若干名いる程度。そのような男性と淫行できない環境だからこそ、メイドとしての能力だけを評価されて詩雨は高菱家に招き入れられたのだ。
 最初、詩雨の“体質”がばれた時にも手を煩わせることは拒否したのだけれど、それがメイドに報いる主人の役目であるのならばと、自ら買って出てくれたのだ。
 弥生が詩雨にひどい責め苦を与えるのは、それも詩雨を思ってのこと。情操教育上、多少は性格に影響を与えたかもしれないけれど、そのような弥生だからこそ詩雨も忠節を誓い、あらゆることにおいて献身的に奉仕するのだ。
 でも……不満がないといえば嘘になる。ギラギラと欲望にまみれた目で舐めるように詩雨を見つめてくれるような男性主人に犯されるのでないと、強欲深き詩雨の身体は本当の意味で満足しきれない。そんな詩雨の目の前に現れたのが、神奈という“ご主人様”候補だ。
 容姿は問題ない。顔も身体も女性的……と言うよりも美少女的で、いじめたらいい顔をしていい声で鳴いてくれそうな美少年だ。それに先日の調査で、彼も人並みに性欲を有しており、“メイド”にもしっかり反応してしまうことも判明している。
 彼が弥生と結ばれれば、はれて高菱家にも男性が住まうことになる。ならば我慢できずにいずれはメイドたちへ手を出すのは時間の問題のはず。むしろ手を出して欲しい。弥生の愛液をタップリと吸ったペ○スで蓬を気を失わせるほど犯したように、近い将来犯される分を今、前借りして、
「我慢せずに犯してくださっていただきたいのです、ご主人様……身も心も、あなたの汚らわしい男根でめちゃくちゃに汚して欲しいんです……」
「で……できません、できるわけないじゃないですかァ!」
「―――あ、しゃべれました。一時間はしゃべれないと思っていましたのに、スゴいですね」
「そ…そんなことよりも……早く、離れ…てぇ………!」
 自分の身体なのに、今の神奈にはどれほど重いのか。肩から垂れ下がっていた両腕を歯を食いしばって持ち上げると、円を描くように腰を振ってバイブの角度を膣内で変えていた詩雨の身体をグイッと押しのける。その彼の股間では、養分を補給されて増精丹の効能が再発揮されたのだろうか、直接的な刺激は受けていないのに反り返るほど勃起したペ○スの先端からは濃厚そうな白い体液が溢れ、大きく脈打つ肉茎の表面を伝い落ちていた。
「まあ……素敵ですよ、ご主人様。できましたら、前戯も何もいりませんので今すぐにでもおマ○コに突っ込んでグチャグチャにしていただけませんか?」
「なんか言葉遣いがイヤらしいんですけどォ!」
「ああもう……そんなに嫌ですか? 私のような端た女(はしため)を抱くのがそれほどまでにお嫌なのですか? それとも……私のEカップでは物足りないとおっしゃるので?」
 拒絶された詩雨は紺色のブラウスを両手でつかむと、ボタンを飛ばして強引に左右に広げ、ストラップレスの白いブラに包まれた膨らみをむき出しにして再度神奈へしなだれかかる。そしていたいけな少年の頭を胸のふくらみへ押し付けるように抱きかかえると、右手を神奈の下半身へ伸ばし、力強い脈動を繰り返しているペ○スに指を絡ませて上下にスライドさせた。
「あああ、ああッ、んはぁあああッ! ダメッ、い…今は、ダメダメダメダメダメェ!……ッイイイ!!!」
 ほんの数回……火傷しそうなほど熱い体液をドクドクと噴いている射精口をくすぐって、カリ首をやさしく包み込んだ右手で軽く擦りあげただけで、全身を硬直させて悲鳴を迸らせた神奈のペ○スから白濁液が勢いよく打ち出される。それは運良く(?)ペ○スの正面にいた詩雨の身体へと浴びせかけられ、粘つく大量の精液は空中に舞い上がると、ビチャッビチャッと詩雨の紺色のメイド服と白いエプロン、そしてブラウスから露わにしたばかりの胸元に叩きつけられた。
「スゴい……ふふふ、弥生様と蓬に何回射精したと思っているんですか? それなのにこんなにいっぱい射精して……ご主人様もいやらしい…スケベな男じゃありませんか」
「ち……がッ………あう…ッ! や…こ、擦んないでェ!!!」
「私を抱いてくださらないのでしたら、このいやらしい膿は全部搾り出して差し上げます」
「やめてェ――――――!!! ひどいよ、詩雨さん、あんな変なドリンク飲ませるから…あ…こんな…い、いけないことさせて……んィ! う、あ…ああァ…んああああああああああッ!!!」
 ベッドの上では弥生と蓬が眠っているのに、興奮のあまりに周囲が見えなくなってしまった詩雨はこれまでの“ご主人様”に叩き込まれた手技を駆使し、神奈の膝の上にまたがって唇を嘗め回すと左手の指で少年のアナルを深く貫いた。
「――――――――――――――――――――――――――!!!」
「好きですよねェ、お尻の穴をほじられるの。ふふっ……何回連続で射精できるかしら。おチ○チンが腐り落ちる前に私を抱いてくれないと……ふふふ、後ろの穴で感じるようになってしまうのも、一興ですよね」
「ダメェ! エッチはダメなのォ! や…弥生さんの傍にいる人に、そんな……お、僕、できないよォ!!!」
「もう……女のほうから誘ってるのに、案外ヘタレなんですね。じゃあ―――」
 詩雨の笑みが一段と濃くなる……神奈は本能的な恐怖を覚えて椅子の上で腰を引こうとするけれど、メイドの指は根元まで神奈のアナルを穿つ。
「くァああああああァんんんんんんんん!!!」
 真っ赤に腫れあがった亀頭から真っ白い精液がはじける。底なしのはずの精液の底が尽きるほどに詩雨と自分の身体の間で噴射と言う言葉がぴったり当てはまる勢いで射精を繰り返し、カクカクとアゴを震わせながら神経を焼き尽くす強制射精に背中を反り返らせる。
「飲んで差し上げたかったですわ……物凄く濃厚そう」
 先端の定まらないホースのように精液を撒き散らしたペ○スを逆手に握ってしごきながら、身体の前面を汚しぬいた大量の精液をうっとりと見下ろす。蓬が今の詩雨の姿を見たら嫉妬するほどのスペルマの量に頬を上気させ、アナルから指を引き抜いた左手で胸元の肌をネッチョリと撫で回す。
「うぅぅ……ひどい…嫌って…言ってるのにィ……ヒクぅ…えぐぅ……」
 排泄のための穴から指をやっと引き抜かれた神奈は、詩雨のメイド服を握り締めながらすすり泣き始める。そんな目の前で泣く将来の主人に熱い吐息をこぼす唇を近づける。
「やめて欲しいですか……こういうことは」
 嗚咽を漏らしながら神奈は頭をうなずかせる。そのうなずきに「じゃあ…」と言葉を続けると、
「こちらにいらしていただけますか…?」
 と、神奈の手を引いて床に立たせると、ふらついている身体を支えながらカーテンの閉められている窓の傍へと歩み寄る。
 そして―――
「んッ………!」
 分厚いカーテンを開けると、神奈の気付かぬ内に上っていた朝日の光が室内に飛び込んでくる。
「ご覧ください。窓の下では既に大勢のメイドが働き始めています。もうまもなくすれば、神奈様のお部屋の目覚まし時計が鳴り出す時間でしょうか」
「え……じゃ、じゃあ、あの、が…がっこーは……?」
「その前に……今度は私をいじめていただきます」
「無理、僕にはいじめは無理ィ!」
 神奈がそう言うことは予想がついていた。さして驚きも不満も見せずに詩雨は内開きのガラス戸を開け放つと、ボタンの飛んだブラウスをかき寄せて白濁にまみれた乳房を覆い隠して窓の桟に手をついた。
「ここで……犯して」
「へ………え、でも、ここ、下に人が………」
 神奈が首を伸ばして窓の外を覗き込むと、想像以上の窓と地面との距離に一瞬足がすくみそうになる。そんな全裸の少年の横で床にスカートを脱ぎ落とすと、右手を太ももの間に差し入れ、濡れそぼったヴァギナからイボ付きバイブをズルリと引き抜いた。
「あんゥ………!」
 長時間膣内で煮詰められた愛液が掻き出され、絨毯の上に撒き散らされる。しばし、バイブを強く握り締めて肩を小刻みに震わせた詩雨だが、ぽっかりと穴が開いて寂しくなるほどの喪失感だけが満ちている腰を誘惑するように揺さぶり、横へ流し目を送りながら窓の桟にアゴを乗せ、足を肩幅以上に開いて腰を落とす。
「準備は整いましたよ……早くしてくださらないとこれで―――」
 赤い舌をチロッと唇から出させると、自分の蜜にまみれたバイブレーターをフルートのように横咥えにして舐めあげる。
「ッ………!」
 唇で吸い付き、舌先でイボの一つ一つから愛液をこそぎとって卑猥な音を奏でていく……本当なら神奈の肉棒に味あわせて差し上げたいした技を披露しながら、その先端が狙っているものを視線で暗に示して見せると、指で裏側からほじられた感触を思い出したのだろう、神奈は手でお尻を押さえるのと同時にアナルからその存在を強く意識させられた男根をビンッと跳ね上げさせる。
「あの……どうしても今じゃなきゃダメですか? 弥生さんが……その……」
「ダメです。早くしていただけないのでしたら私がご主人様にいたします」
「いたすって……お、おおおお尻はダメだよォ……」
「では前のほうで。―――ふふふ、射精をできないように根元を縛り上げて尿道を綿棒でいじり倒したら……どのような声でお泣きになるでしょうね」
「わ、わかりました……でも、このことは弥生さんには……」
「ええ、メイドの誇りにかけまして。ですから……ね?」
 バイブを引き抜いたことで、もう詩雨の性欲を押しとどめるものはなくなってしまった。傍らに垂涎ものの美少年がいることも興奮を後押ししてしまい、“栓”を失った膣口からトロトロの本気汁を垂れ流し……そんな詩雨の背後に回った神奈は美女メイドの腰をつかむと、バラのように鮮やかな真紅の色を覗かせている秘裂へ精液の白濁をまとわせた亀頭を押し込んだ。
「………ごめんなさい!」
「はうぅぅぅん!」
 ズブリと若々しい巨根が使い慣れたヴァギナを串刺しにすると、詩雨はノドを反らせ、開けっ放しの窓の外に向けて犬のように鳴き声を迸らせた。
「し、詩雨さん、声、声ェ!」
「あ……も、申し訳ございません。ご主人様のおチ○チンが……そ、想像以上に気持ち…いいィん!」
 とっさに唇を噛み締めるけれど、バイブでしっかり拡張されていたはずのヴァギナを、神奈のペ○スでさらに一回り大きく押し広げられると、甘ったるく鼻を鳴らし、腕に力を込めて上体を跳ね上げ、精液まみれの乳房をぷるんと弾ませてしまう。
(あ…あたってる……いいところに、このおチ○チンが………ん、んぅぅぅ…! 初めての弥生様も…蓬までもがイかされたわけが……今…わかりました……)
「ご主人様は……て、天然のすけこましです。そんなにかわいらしい顔に……こんな凶悪ペ○ス……あ…あああっ、はァ、あァァァ!!!」
「うあッ……腰が、勝手に……ううう、ごめんなさい、ごめんなさいィ〜〜〜!」
 詩雨に、そしてベッドで眠っている弥生に謝りながら、神奈も快感に負けて腰を押し出してしまう。
 バイブで何度も絶頂をむさぼっていた詩雨の膣内は濃密な愛液でタップリと潤っていた。そんな蜜壷を隙間なく埋め尽くす逞しい肉棒がねじ込むと、凡夫のように緊縮を繰り返すに膣道が吸い上げて離さない。詩雨が窓の外に身を乗り出して乳房を揺らしていて何時誰に気付かれるかもしれないのに、神奈は弥生とも蓬とも違う経験豊富なヴァギナにいざなわれるようにストロークを加速させ、詩雨の内臓ごと子宮を突き上げた。
「い、いかが…ですか? 下賎なおマ○コではありますが……ご満足…し、していただけてますか?」
「下賤なんて、そんな、き…気持ちいいよ、詩雨さんのおマ○コ……あ…ダメ、す…吸い上げられてるぅ……!」
「でしたら、一番奥に、私のおマ○コに精液ぶちまけてェ! チ○ポいい、ご主人様のおチ○ポ気持ちいいのォ!!! これ、やっぱり生のチ○チンが一番いいのォ!!! ひ、ひィ! なにこのチ○チン、スゴい、イかされる!? ああ、う…ウソ、こんな、熱くて、硬いのって、あ、あはぁあぁぁぁ!!!」
 小柄な体格からは信じられないような力強いピストンで前へ前へと押し出された詩雨は、太ももを窓の下の壁に押し付け、乳房を窓の外に完全に突き出して、四階の高さから神奈のペ○スに泣き悶える。窓の下、高菱家の庭を掃除しているメイドたちが見上げる視線を一身に浴び、その頭上に体中に浴びせられた神奈の精液を前後に揺れる乳房から撒き散らし、今までのご主人様とは明らかに違う、詩雨の快感を穿り返すように子宮を擦りあげる神奈のペ○スを、全身の筋肉を絞り上げて悶えてしまう。
「はうぅぅぅぅぅん……!」
 瞳から涙が溢れる。
 詩雨が求めていたご主人様は、この方しかいない。
 きっと町中の人が詩雨の喚起に打ち震える喘ぎ声を聞いているだろう。もしかしたら双眼鏡を使って遠くから犯される詩雨を見つけてオナっているかもしれない。露出の趣味はないのに、身体のずっと下から聞こえてくるメイドたちのざわめきに興奮はかき乱されて、いつものように冷静に振舞ってなんていられないほど、かんあんいペ○スを叩きつけられている子宮をガクガクと振動させてしまう。
(弥生様でも……ここまで辱められたことなんて………それなのに、このご主人様は、神奈様はぁあああああッ!!!)
 冷静沈着でいられないほどに強烈なアクメの波が詩雨に襲い掛かる。そんな詩雨に背後からしがみつき、大勢のメイドたちが見上げているスペルマまみれの乳房に指を食い込ませた神奈は、精液が欲しくて欲しくて開きっぱなしになっている子宮の入り口に力いっぱい肉の楔を連続して打ち込み続けた。
「んおぉぉおおおおおおっ! イっちゃう、イく、イく、あッ……ッ…!………ッァアあ! 男の子に、こんな男の子が、私の、私のォオオオオオオオオオオ!!!」
「詩雨さん、と…止めてェ! このままじゃ、出しちゃう、おマ○コに……だ、ダメェェェ!!!」
 詩雨の乳房を絞り上げて一心に腰を振っていた神奈だが、こみ上げてくる射精感の大きさに背筋を震わせると一瞬我に返り、勢いをつけたとめることのできない一突きを最後に膣口からペ○スを引き抜こうと決意する……が、
「んあっ!?」
「ひグゥウウウゥゥゥ〜〜〜〜〜〜!!!」
 バシンと腰を叩きつけるほどの最後の一突きが口を開いた子宮口をうがった瞬間、射精口のすぐ傍にまで精液がこみ上げていたペ○スの先端がずっぽりと詩雨の胎内にはまり込んでしまう。
 まるでゴムの輪っかで締め上げられるような子宮口のしまりから射精を控えて膨張し始めたペ○スを引き抜くことができない。一瞬の焦りが神奈の心を支配し、慌てて抜こうとすればするほどに、今まで味わったことのない圧迫感に目を見開いて全身を反り返らせた詩雨は窓の桟を握り締め、愛液がしぶきを上げるほどにヴァギナを激しく収縮させる。
「んくゥウウウウウウウウウウッ! 語主事様、ご主人様ぁああああああああああ………ッ!!!」
「ッ――――――――――――――――――――………!!!」
 完璧に隙間なく栓をされた子宮の内側で、こらえにこらえていた精液が勢いよく射精を開始する。本来なら子宮に入りきれない精液は逆流して膣外にあふれ出すけれど、胎内を深々と貫いてしまった肉棒のカリ首が子宮口にずっぽりとはまってしまった今迸る精液は一滴残らず詩雨の子宮へ注ぎ込まれる。しかも神奈の精液はその詩雨の増精丹で無尽蔵に溢れ出る。一度はアナルから前立腺を刺激されて底が見えかけたけれど、この短時間で再び神奈の股間に溢れかえった精液は、水風船のように子宮を膨らませてしまうほど次々と流し込まれ、どんなに息んでも弱まることのない圧迫感に下腹がぽっこりと膨れ上がってしまう。
「あ……おッ………おおォ………」
 自業自得とは言えいつ果てるとも知れない射精の全てを受け止め、頭の中が真っ白になるほどの圧迫感に詩雨がガーターベルトで白く彩られたヒップを小刻みに震わせる。目の前で火花が何度明滅し、呼吸すらままならない唇を必死に喘がせながら、今まで誰にも犯されたことのない場所を犯されるエクスタシーに身を委ね、フルフルと震える舌を突き出した唇から熱く湿ったため息を繰り返し吐きこぼす。
「くッ…んう…ッ! んウウウ……ッ…オッ……は…あぁ………」
(こんな快感を知ってしまったらもう……どんなに太いバイブでも満足できないかも………)
 長い長い射精が終わり、やっと少しだけやわらかくなったペ○スが子宮口から引き抜かれる。
「―――!!? あ、ああ、で……出てる……ご主人様のあっついの…がァァァ……!」
 まるで妊娠初期のようにおなかを膨らませるほどの精液の量だ。当然、入り口を塞いでいたものがなくなれば収まりきるはずもなかった分は一気に胎内から膣道へとあふれ出してくる。肉欲におぼれ、主の弥生の想い人にまで手を出してしまった詩雨は、火照った顔に涎を滴らせながら、括約筋が視姦しきったヴァギナを濃厚すぎる精液が垂れ下っていく感触に、ワナワナと表情を震わせて焦点の定まらなくなった瞳を虚空に泳がせてしまう。
「ハァ……はぁあぁぁぁ……ご主人様のザーメンが……こんなに…こんなにィ………♪」
 詩雨の股間どころかその足元の絨毯まで神奈の精液でドロドロになっている。そんな美女メイドから一歩二歩と後ろへよろめくと、神奈は失禁するかのように精液を滴らせる詩雨の姿に我が目を疑いつつも、膝と腰から力が抜けて床にへたり込んでしまう。
(や…やっちゃった……)
 昨日までSEXはおろかAもBもCも未経験だった神奈だが、その胸に今あるのは、好きだと想いを告げて肌を重ねた相手、弥生に対する罪悪感だった。
 もちろん詩雨にも、そして弥生が許可したとはいえヴァギナもアナルも犯してしまった蓬へも罪の意識はある。けれど弥生の家に仕えるメイドに手を出してしまった事実を再認識したことで、弥生を裏切ってしまったという思いが神奈に重く圧し掛かっていた。
 もし女性の扱いに長けた男性であれば――そんな男を弥生が好きになるわけは無いだろうが――こんな時にどうすればいいのか分かったかもしれないが、あいにくとエッチの経験だけ一晩で一気に積んでしまった神奈には切腹か首吊りかと言う悲惨な末路による誠意の見せ方しか思いつけない。けれどゆっくりと、落ち着いて、時間をかけて考えれば気の利いた解決策を見つけ出せたのかもしれないが……運命の女神は、神奈のすぐ背後にまで迫っていた。
「スゴいのね……あの詩雨を簡単にイかせてしまうだなんて」
「ひあ――――――――――――――――――――――!?」
 いつの間に目を覚ましていたのだろうか、そしてどこから神奈と詩雨のまぐわいを見ていたのだろうか、いきなり背後から首に腕を回してきた弥生が神奈の背中に乳房を押し付けてくる。
「違うの、弥生さん、これは違うゥ〜〜〜!!! えと、詩雨さんとエッチしちゃったのは違わないけど僕が一番好きなのは弥生さんで詩雨さんも蓬さんも嫌いじゃないけどそれでもやっぱりあの僕なに言ってるか自分でもわからなくてだけどやっぱり弥生さんには、だから、だから…………ふ、ふぇ〜〜〜〜ん、ごめんなさい〜〜〜〜〜〜!!!」
「あ、神奈!」
 中心にぽっちりを感じる柔らかい乳房の感触と首に腕を回してのやさしい抱擁が、流れに抗いきれなかった神奈の心にグサッと突き刺さった。どうせなら弥生が泣いたり怒ったりすれば神奈も謝ることもできたのだが、抱きしめられるぬくもりに包み込まれてはアウアウするだけで言いたいことを満足に言葉にすることもできない。ついには感情が暴走してしまい、弥生の腕を振り払って扉へ向けて走り出してしまう。
「神奈、待って! わたくしは怒ってないのにどうして逃げるのよ!?」
「怒ってる人ほど怒ってないって言うんだァ――――――!!!」
 錯乱した神奈には、何を言っても止まらない。きっと魂がどこかに飛んでいて、まともな思考力など欠片も残っていないのだろうが……そんな状態の神奈でも、扉を開けたすぐそこに何十人と言う若くて美人のメイドがいたら、流石に足を止めてしまう。
「きゃ! あ、あの……の、覗いてたわけじゃないんだから!」
「ねぇねぇ! すっごくかわいい……男の子、なのよね?」
「まぁ……ご立派♪」
 主人の弥生と侵入者の男の子が同じ部屋で休んでいることは高菱家のメイドたち全員が既に知りえていた。しかも、入室した第三・第四メイド隊の隊長が何時までたっても出てこない。扉に聞き耳を立てれば悲鳴にも似た激しい喘ぎ声が弥生一人分ではなく蓬も二人分聞こえてくるし、その上で窓から身を乗り出した詩雨が早朝の敷地内の隅々にまで響き渡るほど声を震わせれば……誰だって様子が気になって当然だ。客室前に集まったメイドたちの中には詩雨や蓬の部下も大勢いるし、誰もが弥生を大切に思う忠義者の女性ばかりだ。
 一方……神奈はと言えば、それだけ大勢のメイドたちの前に一糸まとわぬオールヌードで立ち尽くしてしまっていた。しかも、人と話す時には欠かせないメガネも掛けていないし、人目から隠すように両手で押さえた股間からは大きくなりすぎたモノがはみ出してしまっている。
 逃げなければいけない……そう理性が命じるものの、同年代の美少女から年上のお姉さんや母性を感じさせる美女まで、年齢の幅の広い美人たちの前に立たされた神奈は、その場に立ち尽くしてしまっていた。
 落ち着いたのかと言えば、そうではない。
 よりひどいパニックに陥ったのかと言うと、そうでもない。
 ではいったいどうしたのかというと、弥生の手帳を拾ってからの緊張とハプニングの連続で磨耗していた神経が……ついに切れてしまったのだ、ものの見事にぷっつりと。
「は…はにゃぁ〜〜〜………」
 神奈にしてみれば、むしろよく持ったほうだ。高菱家での非日常的過ぎる体験の連続に、もっと前に神経衰弱で泣き出してもおかしくなかった。
 けれど今ままで走り回っていた子供が体力を使い果たして突然眠りに落ちるように、神奈が気を失うときは一瞬だった。右に左に頭をふらふらさせると、女顔の少年はメイドたちの前でぱたりと仰向けに倒れこんでしまった。
 そしてメイドたちがどこに目を奪われたのかと言うと……女性の園ともいえる高菱邸内ではまずお目にかかることのできない、雄雄しくそそり立つペ○スに…であった。
 メイドとはいえ女性ばかりであるし、弥生の恋人の全裸となるとやはり興味もある。しかし、経験のあるメイドは記憶の中にある他の男性のものと比べて驚愕し、経験のないメイドも一種の異形とも言える巨大な生殖器の姿に好奇心を刺激されてしまう。
「あなたたち、なにをしているのですか!」
 そんなメイドたちを我に帰らせたのは、彼女たちの長として日ごろから振舞っている詩雨の鋭い叱咤(しった)だった。
「私たちメイドはご奉仕することが存在意義です。神奈様に不快な思いをさせたとあっては高菱家の名前に傷をつけるのと同義です。みんな、反省なさい!」
『はッ、申し訳ございません!』
「返事の前にまず動きなさい! 大勢で盗み聞きなどと言うはしたない行為に及んだだけでは飽き足らず、当家の大切なお客様が目の前で気を失われたのに立ち尽くして見ているだけとは何事ですか! 直ぐに救護班の手配を。それから別の客室の用意を直ちに整え、静かにお運びいたしなさい。我ら高菱家メイドへの賛辞とは主人と客人に気兼ねなく心地よくご満足していただけることだと心得なさい!」
『りょ、了解いたしましたァ!』
 目を覚ましたメイドたちは有能だった。それぞれがそれぞれの役割を果たすべく、言葉を交わさずとも最善の己の役割を見定めて行動し始める。―――だが叱りつけた詩雨はと言うと、自らの秘所から滴らせた精液の水溜りの上にスカートを脱いだ下半身を下ろしたまま、立ち上がることすらできないでいた。
「どうしたの詩雨。腰でも抜けた?」
 神奈のことが心配ではあるが、メイドたちに任せておけば何の不安もない。気を失ったのであれば第一に必要なのは医者の診察であり、弥生が見舞うのはその邪魔にならないよう時間を置いてからのことだ。
 だから弥生は身体にシーツを巻きつけると、窓際で座り込んだまま動けずにいる詩雨へと声を掛けた。
「も…申し訳ございません。神奈様との交尾が思いのほか激しくて……本気でイってしまいました。なんと言いますか、さすが弥生様がお選びになった男性ですね」
「それは当然、わたくしの神奈ですもの。夫婦生活のことはなんら心配しておりませんわ。―――いえ、し、心配と言えば心配かも。わたくし、毎晩あんなに激しく愛されたらどうしようかと……身体が持つかしら」
「夫婦生活とは気が早すぎです。まずは友達、そして恋人、その間に友達以上恋人未満と言うお互いに微妙に意識しあう期間を経て恋愛感情を燃え上がらせて、こう……ズボッと」
「わたくしと神奈には必要ありません。―――それで、ズボッとされたあなたの方はどうなの? 神奈はあなたの新しい“ご主人様”足りえるのかしら?」
「そう…ですね……」
 神奈への思いが確固たるものになっている弥生とは違い、詩雨の判断は少し揺れていた。
(ご主人様としてより……男性として想いを寄せてしまいそうです。あんなにかわいらしいのに、腰が抜けるほどイかされてしまうなんて……)
 蓬と同じように、詩雨の蜜壷もまた「神奈専用」にされてしまったような感がある。ご主人様にしろ別の形にしろ、霜月神奈と言う人間を忘れられなくなってしまったことに違いないのなら―――
「弥生様……私、少々自分の未熟さを恥じております」
「あら? わたくしにとっては喜ばしいことよ。だってあなたが惚れてしまうなんて、わたくしの神奈がそれほど魅力的な男性である証だもの♪」
  そう言うものか……自身の偏った経験でしか物事を見れない詩雨は、弥生が言うのだからそうなのだろうと特に疑問に思うでもなく納得した。
 きっと今まで詩雨を手篭めにしてきた“ご主人様”たちは弥生ほど寛容ではなく、愛した男性が一番愛しているのが自分だと言う強い自負を弥生ほど持ち合わせていなかったのだろう。
 そして嫉妬に走れば、それは自分の魅力が敗れたことを認めること。もし愛した男性が他の女性に奪われることが嫌なのなら、弥生なら……そう、詩雨の知る高菱弥生という女性なら、嫉妬で束縛するよりも別の手段を選ぶことだろう。
「詩雨、わたくしから神奈を奪いたいのなら勝手になさい。ただし、負けませんわよ?」
「―――いえ、その一言を言われた時点で私の負けです」
 なんて張り合いのない―――そう言って今まで見せたこともない幸せそうな笑顔を浮かべる弥生を見て、詩雨は自分の主人はやはりこの女性なのだと、改めて認識させられた。
「ですが夜伽は時々私が……毎晩ですと弥生様のお身体が持ちませんから」


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