焦がれる制服 1


「ああぁ……もっと、もっとォ! おチ○チンで、もっとヌルヌルにしてェ!」
 突き上げてくる衝動のままに、水無月薫(みなづき・かおる)の口から叫びが迸る。
 日中は某商事に勤めている普段の薫が今まで誰にも見せたことの無い淫蕩な笑みを浮かべ、ブラウスから汗と涎で濡れた肌を露わにしていた。
 下着を剥ぎ取られた乳房は緩やかな曲線を描いているものの、形良い膨らみの先端では小さな乳首が自己主張するかのように固くしこっている。服を全て脱がす手間さえ惜しんでヴァギナへ逞しい肉棒を突き入れている男は、ソファーへ横たわる薫の体へ覆いかぶさり、赤く色濃くなった乳首を唇の間に挟み、歯が当たるのも気にせずに強烈に吸い上げた。
「いッ……あイッ………!」
 薫の背がソファーから跳ね上がり、体の下になっていたセミロングの髪がソファの端から零れ落ちる。乳首をざらつく舌に擦り上げられ、子宮をペ○スの先端に押し上げられながら軽い絶頂を向かえ、薫は白い喉元を反り返らせて全身を震わせる。―――男はそんな薫の腰を両手でしっかり抱え込むと、弓を引き絞るように大きく腰を引き、下腹部を大股開きの薫の股間へとたたきつけた。
「ッ……〜〜〜〜〜〜!!!」
 カラオケボックスの暗くて狭い個室。その隅々にまで愛液の噴出する音が響いた。
 ブラウスもタイトスカートも脱いでいない薫と同様に、チャックから勃起したペ○スを突き出している男のズボンは愛液でぐっしょりと湿っている。それでも男はリズムよく薫の膣内をかき回し、本気汁と精液とでドロドロに蕩けさせている。―――もしこれを他の男が見れば、ほんの二時間前まで処女だったとは誰も思わないだろう。
「ああッ、あああっ! こんなのって、んあッ、お…奥まで……届いてるぅぅぅ〜〜〜!!!」
 濃厚な淫臭が立ち込める個室中に薫の喘ぎと股間が奏でる水音が響き渡る。
 初めてのセックス。
 初めての絶頂。
 そして、初めての膣内射精……
 薫の子宮を突き上げ、淫液をまとわせたまま引き抜かれる肉棒には薫が処女であった証の赤い破瓜血がこびり付いている。それでもまだ痛みの残る淫裂を割り開き、擦りあげながら怒張したペ○スが突き進むと、スレンダーな薫の体に震えが走り、精液と愛液の混ざり合った白濁液を割れ目から噴き出して薫は男の体へすがりつく。
「来て……このまま…もう一回…私……私、メチャクチャにぃぃぃ〜〜〜!!!」
 言い知れぬ快感が余分なものがついていない美しい体の中で渦巻き、その不安を紛らわせるかのように男の腰へ両足を回し、先ほどよりも強烈な絶頂を向かえる瞬間に男と密着する。―――体も、そしてお互いの粘膜も。
「あ…ああああああぁぁぁ!!!」
 男の精液が行き追いよく迸り、薫の唇からも絶叫が迸る。
「入って……私の膣に…男の人のが……あ…あぁぁぁ……」
 今日初めて出会った男の精液……そう考えただけで後悔と、それ以上の興奮が沸き起こる。
 男の肉棒の脈動が次第に収まり、薫の体を突き上げていた絶頂の余韻も収まって行く。けれど男根を咥えたままの肉壁は蠢きながら、男の再度の勃起を求めるように締め付けを増した。
「はぁ……あ…あぁぁ………」
 唇からは唾液が溢れ、薄暗い中で影になった男の顔に熱のこもった視線を送る。―――激しい動悸がゆるやかになるにつれ、薫が未だかつて体験したことの無い満足感となって心を満たしていく。
 そして―――




「はぁ……あれが……私の初めて、か………」
 まだ午前中だというのに、薫は一昨日の夜に経験した出来事を思い浮かべ、周囲は慌しい勤務時間中だというのに呆けた表情を浮かべて頬杖を突いていた。
 これまで男性と付き合ったことが無いわけではなかった。―――が、先日のような肉体関係を得る機会には恵まれてこなかった。
 けっして外見や性格に難があるわけではない。髪は長く、全体的にスレンダーな体つきは男性社員の中にも狙っているものがいるほどに魅力的である。本人は胸が小さい事に悩みを抱いているが、胸の膨らみの形のよさはただ大きいだけの乳房では出せない魅力を十分に秘めていた。
 とは言うものの、学生時代から周囲はバージンがどうの男のアレがどうのと聞かされて友人たちが先へ先へと進む一方で、就職して成人になって、それでも処女だった薫に焦りがなかったといえばウソである。
 そんな中で、突然迎えてしまったロストバージンは、薫が抱いていた甘い幻想よりも何倍も衝撃的なものだった。
 体の中に太くて固いペ○スを突き立てられ、何年も破られなかった処女膜を引き裂かれた後は、もう為すがままされるがまま。痛みに泣き悶える薫の弱い場所を的確に穿り返し、涙を流しながら絶頂を迎えてしまえば、もう男のする事に抗う事もできない。ズブズブと卑猥な音を立てて肉棒が埋まるたびに腰には震えが走り抜け、最後にはソファーの上にお漏らししたのかと思うほど愛液を飛沫かせていた。
 もっともそれは薫が淫乱だからではなく、相手の男に原因があった。―――AV男優である。およそ初体験の相手にするには、本来ならご遠慮したい相手に薫の純潔は奪われてしまったのだ。
(居酒屋のトイレに行ったら清掃中で、我慢できないから入っちゃったらそこで……)
 女性なら誰でも一度は通る道ではあるが、考えようによっては最高の経験と言えなくも無い。だが、結末がそうであっても、最初の出会いはとても最高とは言えないものであった。
 一昨日は友人たちと会社帰りに居酒屋により、お酒片手に日ごろの不満を発散していた。そして十分に酔いも回った頃、不意にお手洗いへと立った薫は“そこ”であの男とであったのだ。
 スカートをたくし上げて洗面台に手を付いた女性と、その女性を後ろから激しく犯していた男。カメラを手に繋がりあった二人を撮影しているカメラ役の男がさらに二人の計四人。―――女子トイレの中にいたのは、今まさに“本番中”の四人組だったのだ。
 最初は何をしているのか、酔った頭が理解しなかった。あまりにショッキングな光景に我を忘れて呆然としていると、女性を犯していた男優が薫へと顔を向け、そのまま腰を動かす速度を速め、太くて逞しいペ○スを女性の中へ激しく押し込み、そのまま……
(逃げ出しちゃったんだよね……)
 一緒に居酒屋に来ていた友人たちの元へ戻ると、急用が出来たからと薫はすぐに店を後にした。まるで次は自分があの女性のように犯されるような恐怖に駆られ、無我夢中で駅に向かったら……
(タクシーから降りてきた男優の人と駅前で鉢合わせして……)
 酔っ払った女性の足で、まっすぐ駅まで歩いたと思っていても実際に歩けていたかどうかは自身が無い。どれぐらいの時間をかかったのかは分からないが、おそらく居酒屋からまっすぐタクシーでやって来た男優の男と予期せぬ再会を果たしてしまったのだ。
 撮影はすぐに中止になったそうで、通報される前にバラバラに逃げた男たち。その一人に見つけられて何もされないわけが無い。―――だと言うのに、誘われるがままにカラオケハウスに付いて行った薫は、そこで処女を奪われ、朝まで抱かれ続ける羽目に陥ったのだった。
(………あれがSEX……はぁ……思ってたのと全然違う……)
 薫は事務机に肘をつき、形の良い唇へボールペンを咥えた。
 ぼんやり考えていて何気なくそうしただけなのに、唇に何か触れただけで頭が連想するのは喉の奥まで突き入れられたペ○スの太さと逞しさ、そして唇が火傷しそうなほどの熱さだ。無意識にボールペンのキャップの先端をチロッと舐め上げると、途端に鼻の奥に流れ込んできた濃厚なオスの臭いまで連想して思い出してしまい、興奮と恥ずかしさから顔が一気に火照らせながらボールペンを机の上に戻した。
(あれ、絶対普通じゃない……そうよ、あんなのが普通のエッチだって言うなら、世の中が狂ってるとしか思えないわよ)
 二度目の膣内射精を終えた直後の、射精したばかりの精液を全体に纏わりつかせた状態の汚れたペ○スを喉の奥に突き立てられ、そのまま舌の動きを細かく指導されながら口内に濃厚な精液を注ぎいれられた。とても飲みきれない精液は唇からあふれ出し、それでも繰り返し口の中で射精され続けたら、むせている間に再び……「獣のような」と言う言葉すら生易しい、激しい交尾。何度も絶頂を向かえ、痙攣の収まらない股間にそれでも激しく腰を叩きつけられ、子宮に固くなった亀頭を叩きつけられては体を仰け反らせ、また絶頂を迎え……ようやく全てが終わったときには、秘所は膣口からあふれ出た精液で濡れまみれ、ソファーに横たわったまま―――
(レイプなのかな……でも自分からついて行ったわけだし……………ああ、もう。今は仕事中なんだから、こんなこと考えちゃダメなのにィ!)
 頭の中の妄想を振り払おうとすればするほど、初体験の記憶は鮮明に蘇る。事実、薫の股間には未だ何かを入れられているような強引な拡張の名残がわだかまっていて、抱かれた時の事を思い出すだけで軽い痛みを伴う重たい疼きが込み上げてきてしまう。
「ッ………」
 パソコンの画面を前にして、唇から吐息が漏れる。切なく、どこか悩ましい気持ちを抱えたままでは仕事にまったく手がつけられない。回りで男性社員が視線を送っていることにも気付かず、潤んだ瞳で前を見つめたまま、官能的な表情を浮かべて机に頬杖を突いた。
「水無月君、ちゃんと仕事をしとるのかね?」
 普段は見せた事のない薫の表情に誰もが声を掛けるのをはばかっていた。そんな中、薫の属する課の課長が薫や周囲を気にするそぶりも見せず、後ろから肩へと手を置いた。
「―――――!」
 薫の中に渦巻いていた蕩けるような熱さの記憶が課長の声と手の感触で一気に吹き飛ぶ。代わりに胸に込み上げたのは息が詰まるような嫌悪感だった。
「先ほどから見ていたが、全然手が動いていないじゃないか。いかんなぁ。そんなことでは。きちんと仕事に集中したまえ」
 そう言うと、ゴツゴツとした課長の指が薫の肩を揉むように動き、離れ際に制服の襟からのぞく白いうなじを撫で上げていく。
「悩みがあるなら相談に乗るよ? いつでも相談に来た前、ワッハッハッハッハッ」
 一昨日の出来事ばかりを思い浮かべ、体の奥に快感の火をくすぶらせていた薫には、たったそれだけの刺激があまりにもおぞましイ。言いかけた言葉が悲鳴へ変わってしまうのを必死に堪えると、笑いながら離れていく課長を目で追わずに慌てて首筋を両手で押さえ込んでしまう。
(目をつけられたかな……イヤだなぁ……)
 女子社員の間では近づかれただけで妊娠してしまうと噂されるほどに、あの課長にセクハラの疑惑が付いて回っていた。
 以前、若い女性の派遣社員が来た時にも、嫌がられているそぶりを見せているにも関わらずに粘着的なまでに世話を焼き、一週間と持たずに女性社員は課から姿を消してしまった。自分の権限を利用して関係を迫る所が社内で何度か目撃されており、その後も何人かが同じ運命をたどっているものの、仕事に関しては有能であるため会社側も対応に二の足を踏んでいた。
 そんな悪評の多い課長が薫の上司になったのは、つい二ヶ月前のことだ。
 以前から値踏みするような視線で見つめられる事はあったものの、こうまであからさまに触れてくる事はなかっただけに、薫の側にも油断はあった。課長に興味を抱かせたのが自分から滲み出している艶であることなど欠片も考えず、時間が経つほど首筋を押さえた手の下でうごめく触れられた感触に眉をしかめ、ついにはポーチを手に椅子から立ち上がってしまう。
「水無月君、どこへ行くんだね? まだ昼休みには早いんだがね?」
「………お、お手洗いに」
 どこへ行くかなど分かりきっているのに訊ねてくる課長を振り返りもせずにそう言葉を残すと、薫は恥ずかしさに唇を噛み締めながら早足に部屋を出て行った。



「フゥ……ウゥ……ンゥ…フゥゥ………!」
 幸いにも無人だった女子トイレへ駆け込んだ薫は、そのまま一番奥の個室へと入ると鍵を掛け、制服のスカートをたくし上げた。そしてストッキングと下着とをまとめてズリ降ろすと便座に腰を掛け、股間に指を滑り込ませてしまっていた。
 もう我慢の限界をはるかに越えてしまっていた。声が漏れないようにハンカチを咥えて少し割れ目をまさぐり性器をいじっただけで、十分に濡れそぼったそこからはネットリとした涎が垂れ始めてきた。
(会社のトイレでオナニーなんて……あっ、ウソ、やだッ………いウッ!)
 こんなところを誰かに見られたら、会社にいられなくなるだけでは済まされない。――その事を十分に自覚しているのに指が止められず、恥ずかしさに体を固くしながらクチュクチュと濡れた股間を弄りまわし、連続して膣の奥深い場所で弾ける強烈な快感に便座の上で腰を打ち震わせてしまう。
(ここで……トイレでイっちゃう。し、信じられない、こんな場所で、オナニーして、イ、イ……っ!)
 ガクガクと体が震え、ヒールの中で指が反り返る。左手を個室の壁に突いて体を支え、うなだれるように上半身を前へ倒した薫はギュッと窄まった膣口を圧迫するように指を往復させ、自分で信じられないほど急速に絶頂へと登りつめていった。
「ンッ…いゥンッ………! フゥ、フッ、フゥうゥゥゥ!!!」
 理性が止める間もなく、強烈な快感電流に全身を打ち据えられた薫はアクメを向かえ、大量の愛液をビクビクと痙攣する膣口から溢れさせた。むき出しのヒップを便座に擦り付けるように淫らに腰を揺すり、愛液の雫を便器の中へ滴らせ、それでも指が離せずに何度も何度も秘所を擦りたててしまう。
「――――――――――ッッゥ!!!……………ん……ふ…ぅ………」
 トイレの中でオルガズムを迎えた薫は、体を起こして放心し、口元からハンカチを落とすと湿り気を含んだ熱い吐息をゆっくりと吐き出した。
「イっちゃった……おトイレの中で………」
 もう頭の中には、誰かに聞かれるかもと言う考えは微塵も残っていなかった。普段はオナニーでオルガズムを迎えたことなど一度も無いのに、会社のトイレで後先考えずに“して”しまった事の余韻に身も心も蕩けるような満足感を得てしまっていた。
(でも……あの時は、もっとスゴかったのよね……)
「ッ……あ……くぅ………!」
 絶頂を向かえ、恥ずかしい場所でのオナニーは終わりのはずだった。けれど薫がカラオケボックスでの出来事を思い浮かべたせいか、愛液で濡れた指は薫の意思とは関係なしに収縮を繰り返し膣口をまさぐり、おもむろに中指の先を膣の中へと突き入れていた。
「あっ……ん、んゥ〜〜〜〜〜!!!」
 形よく盛り上がった恥丘を指が割り、根元までドロドロの膣の中へ埋まってしまうと、薫の全身が処女を失ったときの事を思い出し、すさまじい痙攣に襲われる。子宮に届きそうな中指をギリギリと締め付け、指と膣口の隙間から愛液を溢れ出させた。―――紛れもない絶頂。達したばかりで敏感になっている膣壁を指で擦りあげた事とロストバージンの記憶とが重なり合い、苦悶にも似た表情を浮かべて体を仰け反らせる。
 けれど薫を襲った快感はそれで終わりではない。唇を噛み締めていなければトイレの外にまで聞こえるぐらい大きな喘ぎ声を迸らせてしまいそうなのに、背後のタンクに背中を預けた薫は左手で、開通前のオナニーではいじる中心だったクリトリスを親指と人差し指とで爪弾いてしまう。
「んぅ……、―――、ゥ〜〜〜〜〜………!!!」
 目の前が真っ白になるような強烈な快感がはじけ、音を立てて愛液が迸る。まるで媚薬を使われたような強烈な興奮の中で、まるで男のような狭い膣道を濃厚な液体が駆け抜けて行く射精感を味あわなければならない。
 酔いしれる事も出来ない強烈な噴き絶頂に意識は簡単に吹っ飛び、下腹部から小波のように痙攣が全身へ広がる。けれどクリトリスを摘んだまま処女のままの頃の様にキツいヴァギナをかき回すと、唇から滴るほど溢れた涎を飲み込むことも忘れ、足を突っ張っていなければ体がバラバラになってしまいそうな絶頂の衝撃で意識を呼び戻されてしまう。
 信じられないぐらいの感じ様だった。処女を失い、オルガズムの味を覚えただけでこれほどオナニーも変わるのかと疑問に感じながらも、愛液にまみれた指を止められない。過敏すぎる突起を摘んだ指は膣口に挿入した指の動きにあわせて動かしてしまう。
「……イ……クゥ………!!!」
 涙を流すほど必死に食いしばった歯の隙間から、その一言だけがあふれ出す。
「も……とまん…な…ぃ…ぃぃぃ……!!!」
 足を突っ張り、便座からずり落ちそうなぐらいに体を反り返らせた薫が腰を突き出し、一気に登りつめる。頭を水のタンクに乗せ、カクカクと腰を振りたくる。挿入した中指には狂ったように震える膣道の感触が伝わり、今日……いや、一昨日のあの出来事の後からずっと溜め込んでいた性欲を白く濁った愛液にして個室の中へと撒き散らしてしまう。
「ん…んぅウウゥぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜………!!!」
 長い長い絶頂の末、糸が切れたように不意に薫は便座へ腰を落とした。奇跡的に声だけは上げなかったけれど、全身からは力が抜け落ちてしまっていた。
(………仕事に……戻らなきゃ……)
 霞が掛かったかのように考えをまとめられない頭で辛うじて仕事中だったと思い出すものの、薫には立ち上がる体力すら残っておらず、荒い呼吸を繰り返すことしかできなかった。
(私……こんなにエッチだったなんて……)
 自分の変化に戸惑うばかりの薫だったが、処女を失った痛みがまだ残るヴァギナは指を咥えこんだまま離さず、体中が今までで最高のオナニーの余韻にいつまでもいつまでも浸り続けていた………


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