stage1「フジエーダ攻防戦」42


「ひぁああああっ! ダメ、そんなに吸っちゃ、あああっ、あ…ハァ、ハァ、ハァァァァ!!!」
 佐野に股間を吸われ、あたしは広場中に木霊するほどの大きな喘ぎ声を上げながら腰を浮かせ、激しく震わせた。
 抵抗する意思は残っている。……いや、佐野になんか触られたくもないと思っているのに、あたしの体は呼吸をするのと同じような頻度で絶頂を向かえてしまう。あたしの意思とは無関係に、ナメクジが這い回るようなクンニリングスで充血しきった割れ目を嘗め回されると、抗えぬままにオルガズムで子宮が収縮し、濃厚な射精液を尿道から噴き上げてしまう。
「やはりたまらない香りをしているね、君のここは。ああ、あの時に変な意地を張らず、君と結ばれていればこれほど遠回りする事もなかったのに……」
「くふっ、んっ、んッ、んアッ…ま、た…イっちゃ…う……ウンッ、ンッ、ンァアアアアア!! ダメ、もう、あたし、ふあぁん! ダメ、ダメ、許して、もう…イヤぁああああああああっ!!!」
 拒絶の言葉を発しながらも、身をくねらせようとも、あふれ出て止まらない愛液と佐野の唾液が割れ目の中で混ざり合い、淫猥な音を響かせるたびに羞恥心が刺激される。……そうなるとアクメを迎える流れを押し留める事はできず、ヒクつく膣口に舌を押し込まれながらメイド服に包まれた体を痙攣させ、乳房がブルンと震えるほど体を仰け反らせてしまう。
 感じていた……もういい訳も出来ないほど、隠し様も出来ないほどに、佐野の生暖かい舌先に快感を与えられてしまっていた。唇を噛み締めても、どんなに涙を流してもその現実を変えられない。ボリュームのある太股を頭の左右に抱えられ、あたしの眼前には透明な液体を滴らせる佐野のペ○スをぶら下げられながら、あたしは子宮の奥から絶頂汁を解き放ち、わずかに差し入れられているだけの佐野の舌先を食い締めてしまう。
「なんていやらしいんだ……舐めても舐めても愛液があふれ出してくる」
「お、お願い…お願いだから……もう……」
「分かっているとも。―――舌だけでは物足りないというのだろう?」
「ちが……違―――ンムウゥゥゥ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
 抗おうと口を開いた瞬間、狙い定めたように佐野のペ○スがあたしの口内を埋め尽くす。あたしの口を無理やり犯した佐野は、喉の奥へ丹念と言いたくなるほど執拗にペ○スの先端を押し付けると、ゆっくりと腰を浮かせ、唇にカリ首が引っかかるまで引き抜き―――
「フムゥウウウウウウウウウウウッ!!!」
 突然深々と突き入れられた指先に絶頂へと突き上げられ、喘ぎを搾り出そうとする喉へめがけて亀頭を突き入れられてしまう。
「んウゥ!! んんんっ、んッ、んむぅ、んむぅううううっ!! ん―――――――ッッッ!!!」
 唇から唾液を撒き散らす勢いで肉棒が出入りし、口の中を縦横無尽に蹂躙される。鼻の奥には佐野の先走りの臭いが流れ込み、吐き出すことも出来ずに頬の内側へ肉棒を擦り付けられてしまう。その最中にも佐野は指を二本も絶頂収縮しているおマ○コへ差し入れ、膣壁を乱暴に擦りあげた。
 ―――や、ダメ……こんなに乱暴にされてるのに…腰が…震えちゃう……ジャスミンさんにもされたばかりだから……ああぁ…もう、おマ○コ…爆発…しちゃいそう……!
「ふふふ……また蜜の量が増えてきたよ。そんなに気持ちがいいのかい? それとも……早く僕と繋がりたいのかい?」
 ―――そのどっちでもないわよ! あたしは…あたしはあんたなんかに…あんたなんかにぃ……!!
「っ……! だが、その前に……君の唇へ、注ぎこませてもらおうか…く、ウッ!」
「んブぅ!!」
 佐野のペ○スが根元まで唇の中へ埋没すると、ブルリと震え、生臭い精液をあたしの口内へ噴き放つ。
 吐き出したい……喉の奥に容赦なく大量に精液を打ち付けられ、嗚咽を漏らして佐野の体を押し返そうとするけれど、媚薬で奪われた力じゃ大人の男の体を顔の上からどかす事が出来ない。ペ○スが痙攣するたびに吐き出される佐野の欲望の種は唇から溢れるほど大量で、割れ目を舌先になぞられて体を震わせながら少しずつ、あたしは喉を鳴らして絡みつくように濃厚な精液を喉へ流しいれてしまう。
 ―――もう…やだぁ……出さないで、もう…いやぁ……こんなに、こんなにいっぱい………
 閉じた瞳から涙が溢れるように、ペ○スを出し入れされる唇からも白い濁りの混ざった唾液が掻き出される。
 玉袋を揺らし、ペ○スを引き抜き、まだ余韻の痙攣の収まっていない肉棒をあたしの口へ押し込む。そうして最後の一滴まであたしの喉へ注ぎ込んでから佐野はようやくペ○スをあたしの口から引き抜いた。
「んっ………」
 口の中に残っていたザーメンがこぼれそうになり、あたしは思わず唇を閉じてしまう。……飲みたくなんてないのに、反射的に口をつぐんでしまい、少し勢いを失ったペ○スが揺れるのを涙目で見つめ、コクッと、そのまま飲み干してしまう。
「さあ、これで君は僕の物だ。――だが上の口だけでは永遠の契りには不十分かもしれないな。僕が魔王の力を手に入れるその瞬間まで、下の口にもタップリと僕の魔力を注ぎこんであげようか」
 佐野の指があたしの秘部を割り開く。すると溢れてきたのはねっとりとした濃厚な愛液……あたしが感じている何よりの証拠だ。続けざまに何度も愛液を座れた性だろうか、いつもより敏感な陰部からいつもより濃い愛液があふれ出してくる。
「くっ……!」
「おやおや、何をそんなに拗ねているのだね。まだ魔蟲の毒が体に残っているのだろう。ほら、これが何よりの証拠だ」
 辱めに耐えようと必死の思いで唇を噛み締めて顔を背けていると、佐野の手があたしの乳房へと伸びてくる。
「やはあっ!! やっ、あっ、触らないで、ダメ、ダメぇぇぇ!!!」
「胸だけでイきそうなんだろう? 分かっているとも。君の体のことなら何でもお見通しさ。ここも…僕に触って欲しくて欲しくてたまらないんだろう?」
「あああああああああああああッ!!!」
 白い柔肉が指の隙間から搾り出されるほど強く乳房を揉みしだかれながら、あたしの上から降りた佐野はクリトリスを摘み上げ、指先を小刻みに震わせる。愛液と唾液でヌルヌルに汚れたクリは何度も達して神経がむき出しみたいに敏感になっている。そこへ優しさの欠片もない無慈悲…いや、あたしを弄びたいと言うどこか無邪気ささえ感じさせる指先の振動に、あたしは恥骨を突き上げ、電撃のような快感に貫かれてメイド姿の全身を打ち震わせてしまう。
 ―――どうして…こんなことに……
 歯を噛み締め、股間から熱いモノが弾け飛ぶのを感じながら目を開けば、夜空と、神々しいほどに輝きを放つ光の柱が視界に映る。
 けれどそれも一瞬。
 ここへ来た理由を思い出すのを阻害するかのように、乳房を揉んでいた指が愛液を撃ち放っているヴァギナへ突き入れられる。突然入れられた二本の指が膣内を荒々しく掻き回し、ぷっくりと膨れ上がったGスポットを抉ると、左右に広がった足がビクッと宙を蹴り、蠢く膣道が指を奥へ導くような収縮を繰り返してしまう。
「あうっ…あ、あああ………!!」
「すっかり気をやっているようだね。けれど失神されたら僕が面白くないんでね……せめて夜明けまでは楽しませてもらわないと」
 だんだんと喘ぐ声にも力が入らなくなってきたあたしの秘所から指が引き抜かれる。
 責め苦の時間がそれほど長かったわけじゃない……けれどいつもの何倍も感じてしまうだけに、もう何時間も犯され続けているような疲れが全身に広がっている。あたしは石畳に仰向けに横たわったまま、乱れた服を治すだけの余力もなく、ただ乱れた呼吸を繰り返すことしか出来なかった。
「く…ぅ……」
 アソコの奥でまだぴくぴくと痙攣を繰り返している……息を吸い込むたびに、構内に残る精液集が胸の奥へと流れ込み、何度も唾を飲み込んで異臭を飲み込んでいく。
 それでも辛うじて意識の糸は繋がっている。重たい腕を持ち上げ、手首に巻いたカフスが額にあたるのを感じながら汗を拭うと、ふと、ニヤニヤ笑う佐野と視線が絡み合ってしまう。
「……………」
 爬虫類のようにヌルッとした眼光にあたしの体を嘗め回す。生理的に受け付けられないおぞましさに体を強張らせて脚を閉じようとすると、唇をなめまわした佐野があたしの膝に手を掛け、挿入できる位置へと体を割り込ませる。
「い…や……」
 絞り出すような声は犯される恐怖を前にして震えている。そんなあたしの様子に満足したのだろう、満面の笑みを浮かべてあたしのくびれた腰を抱え、固く反り返ったものを秘部に押し当てる。
「いや…いやぁ……いやぁぁぁ………!」
 佐野の亀頭が粘膜に触れるだけで、あたしの腰がビクッと震える。そんなあたしを満足げに見下ろしながら佐野は腰を押し進め、ゆっくりと、肉ヒダを巻き込みながらあたしの中へ肉棒を突き入れてくる。
「だ、ダメッ、それだけは許して、イヤッ、許してぇ! イヤァァァ―――――!!!」
 股間に力を込めて佐野の侵入を必死に拒むけれど、十二分に潤い、充血しきったヴァギナは強く収縮しながらも、肉棒を深く飲み咥えてしまう。
「あああぁぁあああアアッあああああああああっ!!!」
 ―――届いて…る……固いのが…あたしの子宮に…届いて…んんッ!! あ、アソコ…裂けちゃうぅぅぅ!!!
 紅潮した顔を振って必死に快感に耐えようとするけれど、腰を揺さぶられて膣の奥を掻き回されると、ブラウスから突き出た乳房が重たげに震え、甲高い嬌声を迸らせてしまう。
 佐野の体を押し返す腕に力が入らない。石畳の上で体をのたうたせ、グイグイと押しは言ってくる勃起を締め上げてしまうあたしの体は泣きじゃくりたいほどの快感に目覚めていて、ほんの数回掻き回されただけでオルガズムを迎えてしまう。
「はあっ、あああっ、ダメ、動いちゃ、ダメェ!! イっちゃう、から、ああ、ああ、あ――――――っっっ!!!」
「さ…最高だよ……君の中は暖かく僕を迎え入れてくれてるよ……もう、君の中に放ってしまいそうだよ。わかるかい? 僕のものが当たっている感触が」
「アアッ! アアッ! そこ、だめぇ! 当たって、固いのが当たってるぅ!! イクッ、またイクゥ、イっちゃう〜〜〜〜〜!!!」
 密着し、吸盤が吸い付くように纏わりつく肉ヒダを強引に引き剥がして肉棒が抽送を繰り返す。その動きは激しさを増し、力の入らないあたしのヴァギナを串刺しにしては痙攣の収まらない子宮口に亀頭をめり込ませる。
 佐野のアゴから滴った汗があたしの胸へ落ちる。全身が性感帯とも言える状態で、一滴の汗など快感の大波の中では感じることも出来ない……はずなのに、燃え盛る炎の中へ放り込まれた一欠けらの氷のように、ほんの少しだけ、あたしの狂い掛けた理性を呼び戻してくれる。
 ………正直に言えば、佐野の汗で理性が戻るのもどうかと思うけど……んクぅ!!!
 煮えたぎりそうなほど肉欲に目覚めている蜜壷の中で、佐野の肉棒の痙攣が激しくなる。絶頂を繰り返すヴァギナに締め付けられながらのストロークはあたしだけではなく佐野にとってもかなりキツいようで、突き込まれる動きにあわせて揺れる乳房に歯を食いしばりながら指を食い込ませ、とがったアゴを前へ突き出しながら腰を叩きつけてくる。
 一突き一突きに体重が乗せられ、子宮を貫く重い衝撃に溜まらず腰をくねらせる。両腕で目元を隠し、大きく開脚させられた太股の中央へ肉棒を差し込まれたまま悶絶したあたしは、男の時には味わえなかったオルガズムを貪るように淫裂を収縮させ、貫いている相手が佐野だというのにピストンに翻弄される。
 本当に身も心も女として佐野に屈服してしまったのかもしれない……先ほどまで感じていた犯されることへの嫌悪感が絶頂を迎えるたびにかすれて消えていき、むしろこのままずっと犯されていたい…そう思ってしまうぐらいに興奮が昂ぶり、うわずった声を上げながら腕を佐野の首へ、そして足を佐野の腰へと回し、嫌悪する男を自分から引き寄せるように絡み合わせてしまう。
「す、素晴らしいよ、たくや、君は最高だ。そこまで…僕を…愛して……うううっ!!」
「くあァん! ダメ、あっ、ダメぇ!! こんなの、ダメだから、あたし…もう、わかんない、わかんないのぉぉぉ!!!」
「そんなもの忘れてしまえ。愛しているよ、たくや。君は僕の愛を受け取ることだけを考えていればいい」
「あ、愛してなんか……あうぅぅぅ!! 突いちゃ、んあっ、か…感じ…ちゃうぅ………!!」
 もう……本当になにもわかんなくなってきた……
 あんなにイヤだった佐野のペ○スが湿った音を響かせて膣内を抉ると、佐野の逞しいとは言えない体に絡みついた張りのある太股にキュッキュッと力がこもる。もう何度目かも分からない絶頂の大波に意識をさらわれながら狂ったように痙攣するヴァギナから愛液が音を立てて噴き上がる。リズミカルな抽送でパンッパンッと響いていた下腹部からさらに湿った音が聞こえてくると、汗と埃にまみれた髪を振り乱し、子宮に叩きつけられる衝撃を快感に変換してすべて受け止めてしまっていた。
「さ…さあっ! 出すよ、僕の精子を、君の子宮に! 僕の赤ん坊を最初に生むのは君だ、たくや!」
「い、いい、妊娠いいィ!! だから、あッ、あっ、ああっ、もう…好きにしていいから、だから、だからぁぁぁ!!!」
 佐野のローブを掻き毟りながら懇願すると、子宮を打ち貫くような強烈な一突きの直後にあたしの胎内へ熱い迸りが流れ込んでくる。ビュクビュクと脈動し、あたしのおマ○コで長い間溜め込んでいた精液が子宮の隅々にまで染み渡っていく。
「さあ言いたまえ。君は誰のモノだ? どうして欲しい? その口で言うんだ」
 子宮口を力強く打ち付ける亀頭と、その奥に撃ち放たれる精液の衝撃に恍惚とした表情を浮かべていたあたしは、エクスタシーに身を震わせながら考える事も出来ずに唇を開いていた。
「もっと……もっとイかせて……ダメッ………おマ○コが精液で感じちゃう…こんなに…イったのに…イったのに……」
 悲しいのに…言いたくないのに……声が止まらない。
「お、おマ○コに…チ○ポ…おチ○ポが欲しいの…太くて、固いのがぁ…欲しい…の……欲しいのぉ!! 早く、もう待てない、早くつきたてて、掻き回して、また…またおマ○コをイかせてぇぇぇ!!!」
 体の内側に蝕む媚薬の熱気に当てられて……もしかしたら、あたしは本当にこう思っているのかもしれない……佐野の体へ自分から乳房を擦り付けながら絶叫を迸らせる。もう一秒だって我慢できない。佐野のペ○スをくわえ込んだままの淫裂からは出されたばかりの精液が逆流してあふれ出し、あたしのお尻まで汚されてしまっている。
 一度堰を切った欲望は、もう抑えようがなかった。膣内で濃厚な白濁液を大量に射精して萎え掛けていたペ○スが固さを取り戻し始めると、その感触だけで達してしまい、身をよじりながら愛液と精液の混ざり合った白濁を股間からドクドクとあふれ出してしまう。
「これが…これが僕を一度は打ち倒した女か。―――ク…ククク……カァーハッハッハッハッハッハァ!!」
 佐野の高笑いがあたしの耳に流れ込む。……けれどそれはすぐに意識から追い出される。
 今はただ……どうなっても構わないから犯して欲しい……この女になった呪わしい体を満たしてくれるぐらいに何度でもイき狂いたいと、あたしは半ば気絶しながらヴァギナをヒクつかせていた―――




「―――――ん……んぅ……」
 あたしの口の中に佐野の……佐野様の精液とはしたなく溢れさせたあたしの愛液の味が広がる。
 八回目の膣内射精を終え、汚れたペ○スを引き抜き地面に座り込んだ佐野様の股間に唇を寄せたあたしは、何度も愛してくださったペ○スを丹念に嘗め回す。滴る白濁を舌先ですくい、苦味のある味を口の中で何度も味わってから飲み下し、唇を吸い付けた先端からチュルッと尿管に残っていた精液の残滓を吸い上げる。
 魔蟲に媚薬を打たれたあたしと同じように、佐野様も何か薬を使っているらしく、回復が早い。あれだけたくさん出したのに、あたしの舌が触れると途端にムクムクと大きくなっていくペ○スに思わず笑みを浮かべてしまう。
「もっと……綺麗にしてあげるからね」
 おチ○チンにそう語りかけ、あたしは真っ赤に膨れた亀頭を唇へ咥え、汚れの溜まりそうなカリ裏や裏筋へ舌を這わせ、粘液で汚れた陰嚢の裏側を指先でくすぐり上げていく。
「お口に…お口に欲しいの……ちゃんと飲むから……んっ…んっ…んふぅ……」
 手の中に二つの玉の重みを落とし、コロコロと弄びながら刺激すると、張り詰めたペ○スがビクッと頭を振って痙攣する。それを離さないように唇に力を込めて吸い上げると、佐野様があたしの神に手を当て、腰を引こうとする。
 まだ清めが終わっていない……あたしは汚れたメイド服に包まれた体を前へ進ませると、もう逃がさないようにペ○スを根元まで咥え、震える肉茎を扱き上げながら喉の臆に射精口を擦り付けて刺激する。
「た、たくや……もういいから、こちらに尻を向けるんだ……ウッ、そ、それ以上は…おうぅ!」
「でも……まだ綺麗にしたりないのに……」
「いいから。……このままだと、たくやのおマ○コに出せなくなるぞ。それでもいいのか?」
 それは…ヤダ。中に出された方がスゴく気持ちいいから……
 佐野様はあたしに妊娠させたいらしく、執拗に膣内射精を繰り返す。体の外に浴びせられた事は一度もなく、大事な精子はなるべく子宮の中へ出したいらしい。
 ―――もし、あたしが妊娠したらどうなるんだろう……
 そう考えるたびに不安が頭をよぎるけれど、快感を感じるたびにその事を忘れ、蹂躙される事に酔いしれてしまう。そして今も……
「あ……」
 命じられたとおり、地面へ座り込んだ佐野様へお尻を向けようと体を回すと、いつの間にかあたしを魔蟲の特徴を体の各部に不規則に備えたキメラゴブリンたち取り囲んでいた。
 寝物語…と言うわけではないけれど、抱かれているさなかに佐野様の自慢する言葉から、魔蟲と生命力の強いゴブリンとを融合させたモンスターである事は聞き知った。けれどまだ実験の途中らしくて、外に出ると三日と生きていられないらしい。それに生殖能力もなくて―――
「ヒッ……!?」
 ―――せ、生殖能力ない…はずなのに……どうしてみんな、アソコを大きくしてるのよ……
 キメラゴブリンたちはまるであたしにフェラをねだるように股間を突き出している。二十匹近くいる全員が土色に近いペ○スを膨張させてあたしを取り囲んでいるけれど、円を描くように一定の距離から近づいてこない。それは佐野の…いや、佐野様……違う、佐野……っ………!
「はっはっは。所詮はゴブリンだ。性に見境のないのは遺伝子レベルからと言う事か。しかも僕の命令を聞かずにここまで近づくとは……」
 佐野が傍らに置いた古代杖を手に取る。―――けど何? 寒気が止まらない……快感も、呆けた頭も何もかも吹っ飛ぶぐらいに嫌な予感がする。
「お前達、この女は僕の所有物だ。塵芥に等しいお前達が造物主である僕の物に手を出す事は許さない。―――が、それではお前達も収まりが付かないだろう。このままでは女も知らずに死んでいくことになるんだからな」
 くぐもった笑いを漏らし、佐野が杖でキメラゴブリンたちの向こう……あたしがここへ来たときに隠れていた建物の影を指し示す。
 ―――マズい。何がマズいか分からないけど、とにかく何か……いや、誰かがあそこにいる…!
 それは何の情報も根拠もないのに、あたしの中ですぐに確証に変わる。
 なぜか……と理由付けする必要はない。背筋に何匹もの虫が這い回るような悪寒が走るのは悪いことが起きる時だけだ。それにキメラゴブリンたちが襲えないあたしがこれ以上酷い目に会うとも考えられない。なら、建物の影にいるのは―――あたしがよく知っている人と言う可能性が高い。
「あそこにいる女、お前達の自由にして構わん」
 その言葉にキメラゴブリンたちが一斉にいろめきだつ。それとは対照的に、あたしはそこにいる相手を想像し、「彼女」がキメラゴブリンたちに嬲られる様を想像して背筋を震わせてしまう。
 あたしが神官長を追ってきたのを知っているのはジャスミンさんとめぐみちゃん、それに途中で会った衛兵さんたちだけだ。
 けれどジャスミンさんは静香さんと綾乃ちゃんを守っているはず。
 衛兵さんたちも傷ついていて動ける人はほとんどいなかった。
 ―――だからって、そこまで理論的に考えて結論に至ったわけじゃない。理由なんて全後から考えたものだ。
 実際にはほとんど直感的に一人の女の子の顔が頭に浮かんでいた。そして……あたしは反射的に彼女の名前を大声で叫んでいた。
「めぐみちゃん、逃げて―――!!!」


stage1「フジエーダ攻防戦」43