stage1「フジエーダ攻防戦」13


「―――――これはどういうことだ?」
「ひっ……ひあ、んっ……くぅぅ……!」
 最初の挿入から肉棒の先端はあたしの子宮にまで届いていた。愛液が少なく、吸い付くように肉棒へ張り付く膣壁を割り開かれると、十分に濡れて滑りもいい状態とは違う、まさに犯されているというかのような強烈な刺激があたしの体を痙攣させた。
 上を向いた乳房をさらに突き上げるように大きく呼吸を繰り返し、体の芯を貫いた衝撃を何とか和らげて下へと視線を向ければ、膝を立てた股間に佐野の腰が密着していて、男性器があたしの膣内へ収まってしまっているのが見える。その事に未だショックを隠せないものの、娼館で幾人もの男を相手に快感を毎晩擦り込まれた体は、あたしの意志とは無関係に小刻みな反応を反応を見せている。
「いやぁぁぁ……抜いて。お…ねが……やめて、抜いてぇぇぇ〜〜〜!!」
 敵に捕まり、犯される―――それはあたしにも予想できた事態だけれど、恐いのは、そんな状況ででもあたしの体が感じてしまうことだ。今も、佐野のペ○スと子宮口とが時折体に込み上げる痙攣にあわせて擦れあい、そのたびに全身に鋭い快感の痺れが駆け巡る。
 魔法で拘束され、大事な場所を隠すことも拒絶して押し返す事も出来ないあたしの体はそんな蠢動にあわせて蜜を少しずつ染み出させ、クチュ…クチュ…と耳には届かない小さな音を膣内で響かせる。
 感じている……膣内へ打ち込まれた太い肉の楔の、その括れた形までもがくっきりと分かるほど締め付けると、泣きたいほどの情けなさが込み上げてくる。―――けど、そんな感傷もすぐに打ち破られた。
「どうして……どうして処女じゃないんだ!?」
「ひゃうううっ!!」
 佐野があたしのお尻に指を食い込ませ、連続して膣奥を突き上げ始める。小刻みに、まるで何かの存在を探すように逞しい肉棒はあたしの膣奥をかき回す。その衝撃に歯を強くかみ、まぶたをキツく閉じて耐えていると、胸の上で重たげに揺れていた乳房がひしゃげるほどに強く、乱暴に佐野の指が食い込み、あたしは溜まらず唇を開いて鋭い嬌声を打ち放ってしまう。
「答えろ! なぜクラウド王国の姫君が処女じゃない。答えろ、誰にやった、僕の処女膜を誰に破らせたんだ!?」
 ―――「男のくせに処女膜あるの?」、と言ってやりたいけれど、ストロークを大きくし、一突きごとにパンパンに張った亀頭で子宮口をグリグリ押し込まれては、喋りたくても喋れない。
 挿出のたびに膣壁をゴリゴリ抉られる感触に柔らか味を帯びた体を波打たせるように身悶え、熱いペ○スが膣内で脈打つだけで涎をたらすほどに感じてしまう。狭いおマ○コを荒れ狂う肉棒にかき回され、拡張され、繰り返し子宮口を抉られ、こじ開けるように亀頭を押し付けられる。
「くあっ、はっ…あっ…ああっ!! そんな、激しくしたら…あたし…もう、いや、いやぁ!!」
 あたしが感じていた嫌悪感は、いつしか快感の波に飲み込まれ、薄らいでいた。
 花弁から蜜が溢れ、潤滑液を得た怒張はより勢いをつけてあたしの膣を刺し貫く。
 ―――もしこれが、娼館で仕事として抱かれていたのなら、あたしは佐野が相手でもねだるように腰を振り、快感を貪ったかもしれない。でも……
「なぜだ、なぜだ、なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだぁ!!! お前は僕の物だ、僕の物になるはずの女なのに、なんで、誰に抱かれたんだぁ!! こんなに、こんなに締め付けて、他の…誰に……おおうぅ!」
 不意に、短時間で滝のように汗が滴るほど全力で動き続けていた佐野が動きを止める。そして……あたしの胎内へ精液を解き放った。
「ひあっ……!」
「くっ……す、少し…漏れてしまいましたよ。処女ではないとは言え…たいした名器をお持ちだ。クラウド王家にはよほど淫乱の血が流れていたと見える」
 あたしの膣内へヒクつく肉棒を差し入れたまま、佐野は深呼吸を繰り返し、何とか射精を最初の数回だけで押し留める。そして噴き出ようとする精液を痙攣しながら我慢しているペ○スをあたしの膣から引き抜くと、額ににじんだ汗を拭う。
 そして天蓋つきのベッドの上で立ち上がると、息を乱して胸を弾ませているあたしの胸の上へとまたがり、こちらの顔の前へ蜜に濡れ、濃厚な臭いを放っているペ○スを突きつけてくる。
「咥えるんだ。君のその愛らしい唇でね。男を知っているならどうすればいいか分かっているだろう?」
 先端に白いものがにじみ、鼻の奥にまで届くようなオスの臭いを漂わせた亀頭をあたしの唇へと押し付けてくる。
 けれどそんな物を頬張りたくない。視界から消すようにまぶたを閉じて顔を背けるけれど、先ほどまで肉棒にかき回され、トロッと蜜を垂らしている淫裂へ指を押し込まれ、その指を食い占めるようにヴァギナを占めうけながら腰を跳ね上げてしまう。
「あっ……いやっ…はあっ……ハあっ!」
「ククク……いやいや、さすがはプリンセス。誇りを守ろうとする姿は、やはり美しい。あなたの美しさは純潔であろうとなかろうと、いささかも変わるところはありません。―――よけいにあなたを、僕の物にしたくなりましたよ」
「ハアアアアッ! ハッ、ハッ、やめっ…やめっ……ヒあああぁぁぁぁ!!!」
 フェラチオを拒んだあたしの膣への責めは一気に激しさを増し、佐野の指は熱を帯びたあたしの膣壁を入念に、そして執拗にこね回してくる。慣れた手つきで膣天上を往復し、皮から頭を覗かせたクリトリスを親指で圧迫、コロコロと円を描くように転がされてしまう。
「ひあっ、ひあっ、あはぁ…あああぁあああぁぁあああああっ!!!」
 イかされる――後ろ向きの指愛撫だけで達しそうになるのを何とかこらえるけれど、膣の入り口からは指が動くたびにジュブジュブと聞くに堪えないほど恥ずかしい音を響かせて愛液があふれ出してくる。M字開脚の中央はこぼれた蜜でしとどに塗れ、天蓋のついたベッドの周囲に濃密な女の匂いを充満させ、その中でノドを震わせて声を張り上げ、首を振りたくって、ベッドに埋もれた白いヒップを数え切れないほど震わせてしまう。
「おマ○コの中がヒクついていますよ。イきそうなんですね? ク……一国の姫君ともあろう者が…僕のようなものの指で絶頂を迎えようとしているなんて……は、あははははははっ! 愉快、愉快ですよ、これは!」
 だって……こんなに激しくかき回されたら……あたし……いやなのに…スゴくイヤなのに……感じちゃう……鳥肌たっちゃいそうなぐらい…恥ずかしくて…イヤなのに……うああっ! そこは…そこはぁぁぁ!!!
 股間で熱いモノが弾ける。ヴァギナを何度も収縮させながら、生暖かい粘液を繰り返し噴出してしまう。
 それでも佐野の手は止まらない。一旦あたしの体から降りて体の向きを変えると、あたしの腰に纏わりついていたシーツを破りかねない勢いで払い捨て、滑りのよくなった淫裂の奥へと指先を突き立てる。
「ヒイィィィィィ!! アッ、ひぁあああああああぁぁああああっ!!!」
「これは素晴らしい……見せてあげましょう、あなたにも。自分がどれほど浅ましく快感を貪っているのかをね」
 火花の飛び散る意識に、操作の野言葉が届いた直後、魔法で拘束されたあたしの体が勝手に動き始める。両足が左右に広げられたまま高く高く掲げ上げられ、蜜液の溢れる淫裂を佐野の目の高さにさらすように腰を折り曲げられる。そして後ろ手で結ばれるように背中の後ろへと両腕がベッドの上を滑ると、ぱっくりと口を開いた恥丘の膨らみと男の手でも掴みきれないほど豊満な尻肉を突き上げるような姿勢を取らされる。―――女にとって最も屈辱的で、最も恥ずかしい姿勢だ。
「さあ、ご自分の目でお確かめを。あなたの最も大事な場所からどれだけの愛液が噴き出るのかを」
 その言葉を皮切りに、佐野の指が両手分、あたしの股間へと殺到し、愛撫を再開する。
「あッ! ああああああ――――――ッ!!!」
 佐野の指が膣口をくぐり、中で間接を折り曲げながら捻るように膣内を掻き回す。そして―――再びあたしのヴァギナに痺れるような疼きが一気に充満していく。
 顔より高い位置にある股間から噴き上がった飛沫はあたしの胸や顔へと降り注ぐ。子犬のように鼻を鳴らし、連続して愛液噴出をさせられた体は、自分自身で打ち出した大量の愛液にまみれていくと、そこから火が付いたようにさらに体を熱くたぎらせ、背筋をゾクゾクと震わせながら収縮の激しいヴァギナからさらに飛沫を上げてしまう。
「はうううんっ!!」
 自分の愛液で顔を汚したあたしの目には、それでも挿出をやめない佐野の指と、それを飲み込んで離さないあたしのおマ○コが映る。
 そしてもう片方の手が、蜜を滴らせているヴァギナの上でヒクつくアナルへとあてがわれようとしているところまで……
「―――――――――――――――――――――――――ッッッ!!!」
 アナルを犯されるのは別に初めてじゃない。指よりもっと太い肉棒で押し広げられ、掻き回されたのは一度や二度じゃない。――でもだからって、指でアヌスをえぐられる感触に慣れる事なんて無い。ヴァギナを指で擦られるのとはまた違う腸壁からの刺激に息を飲み、指先で引っかかれ、押し込まれるたびに声にならない悲鳴が迸る。前後の穴を同時に指で犯されて、さらに量を増やした噴出液は高く吹き上がって放物線を描くと、あたしの視界を縦に横切り、頭の上にまで飛び散ってしまう。
 イっちゃう、イっちゃう、あたし、イかされちゃう、こんな…奴に、イく、イくいくイくいく―――
「イッ――くうぅぅううううううううううううううっ!!!」
 あたしの四肢に力が入り、佐野の指が動きを止めるほどヴァギナとアナルを収縮させる。
 頭の中は何もかもが吹き飛んでいた。高く突き上げた尻を小刻みに震わせ、責め嬲られた二つの穴をヒクつかせながら、この広すぎる寝室中がビリビリと震えるほどの嬌声を放ってしまう。
「では……今度こそお互いの愛を確かめるとしましょう。もう二度と、離れる事の無い愛を…ね」
「あっ……ヒッ…あッ………はっ………ああっ………」
「ふふふ……美しいですよ、静香姫。やはりあなたの美しさの前では、処女かどうかなど些細な事。ああ……もう答えることも出来ませんか。それでは――」
 指が引き抜かれても、あたしのオルガズムは収まらない。上下逆さまになった体と、Vの字に開いて顔の左右につま先を突く脚とを震わせ、射精にも似た開放感を延々と味合わせ続けながら勢いを失った噴出液を全身に浴び続ける。
 全身が脈打っていた。マグマのように煮えたぎった快感のうねりが、あんなに噴いちゃうほど壮絶な絶頂を味合わされたばかりだというのに、もっとスゴい興奮を……肉棒を突き入れて欲しいとねだり続けている。
 このまま喘いでいれば、佐野はあたしと結ばれて、「愛」と言う一方的な感情を確かめるだろうけれど………けど……まだ、あたしは堕ちちゃいない。
 ―――このままここで何の反撃もしないまま、一方的に犯されるのだけは、絶対にイヤだ。
「………なのに」
「恐がる必要はありません。これは二人の共同作業、いうなれば愛の片結びであなたは僕の物になる。ふ…ふふふ……想像するだけでイってしまいそうですよ」
「違う………あたしは…違う」
 顔を跨れ、あたしの股間へ血管が浮き出るほど勃起した佐野のペ○スがあてがわれようとするタイミングで、口を開いた。
「あたしは……静香さんじゃない。クラウディアの王女でもない、ただの一般人!」
「―――な、何を言っているのですか。私があなたの顔を見間違えるとでもお思いですか? 事前に何度もあなたのご尊顔を拝し、入念に、何十万ゴールドの巨費を投じてあなたの全てを調べ上げたのです。そんな、人違いであるはずが……」
「前に……この街で静香さんを誘拐しようとしたでしょ。数人の男と、霧状の大きな蜘蛛を使って。―――何で失敗したと思う?」
 佐野が誘拐犯の一味だという確証は無いけど、こんな短期間で二度も静香さんを狙った連中が一緒じゃないとは考えにくい。ちょっとしたカマかけだ。外れたり、とぼけられでもしたら意味は無いけれど、―――いざ結ばれようとしていた状態の佐野にとって、まさにタイムリーな神経の逆撫でだったようで、後ろへよろめいてあたしを見下ろす顔は、面白いほどに青ざめていた。
「まさか……影武者? いや、そ、そんなはずは……僕は間違えてなどいない。僕の計画は完璧だ。僕は天才だ。間違いなどあるはずが無い!」
「じゃあ、あたしを好きなだけ犯せばいいじゃない。―――けど、あたしと結ばれたって何一つ手に入らないわよ、佐野先生?」
 最後、娼館でわざわざそう呼ばせた肩書きをつけて名前を呼ぶと、青かった顔色が今度は怒りで見る見るうちに赤く染まっていく。
「それと―――」
 これで駄目押し。
「静香さんのバージン……もう貰っちゃってるから」
 小さく舌を突き出し、わなわなと拳を握り締めて震えている佐野に見せ付ける。
 怒りで我を忘れかけている佐野に声が届いていたかは分からない。でも血走った目であたしの顔を見た途端、今まで紳士風だった佐野の仮面が剥がれ落ちた。
「貴様ぁぁぁ!!!」
 腹部に衝撃が走る。平静でいられなくなった佐野は手足を魔法で拘束されて動けないあたしの体を乱暴に蹴りつける。
 間接が悲鳴を上げる。後ろへ倒れる事も許されない束縛された状態では、蹴りの衝撃よりも、体が弾むたびに生じる腰や股関節への負荷の方が結構キツい。何度も足蹴にされながら鈍い音が体の内側から響き、そのたびにあたしは眉をしかめ、ノドから込み上げる苦悶の声を噛み殺す事に必死になる。
「お前が、お前が僕の楽しみを奪ったのか!? 偽者のくせに、偽者のくせに、偽者のくせにぃ!!!」
「ぐっ…! こ…この……いい加減にしろぉ!!!」
 怒りで精神を乱せば、当然魔法の制御もおろそかになる。蹴りつけられながらも、魔法の束縛が緩むのをジッと待ち続けたあたしは力を振り絞って戒めを解くと、佐野の脚を交わしながらベッドの下へと転がり落ちる。
「く…ぬ……!」
 ダメ……足が伸びきっててすぐには動けない。何とかここから逃げなきゃいけないのに―――
 逃げられる機会は、早々訪れない。けれど長時間の拘束や蹴りの衝撃で血の巡りが悪くなっていた四肢は痺れたように力が入らず、床に這いつくばったまま立ち上がることが出来ない。
「いいざまだね……僕の計画を踏みにじった君には、無視のように這いつくばる姿が実によくお似合いだ」
「ぐっ……!」
 人の頭に……足を乗せるなぁ!!
 あたしが動けないのを知って、余裕を取り戻した佐野はベッドへ腰をかけ、床を見つめるあたしの後頭部へ足の裏を乗せて踏みにじる。
「君にはすっかり騙されたよ。まさか王女の偽者がいたとはね。この僕にその存在を隠し通すなんて、まさにプロの仕事だよ。―――これは褒めているんだよ、喜びなよ」
「―――――っ!」
 足の裏に力が込められ、あたしの顔は床に押し付けられる。
「でも、これで一からやり直しだ。僕の愛しの静香姫がどこに行ったのか……想像はついている。僕が力を手に入れれば、どこにいようとあっという間に手に入れて見せよう。そうしたら君の目の前で可愛がってあげるよ。悔しいだろうねぇ、はは、キャハハハハハハハハッ!!」
「ち……力って……さっき言ってた魔王の事?」
「おや、偽者にしてはよく覚えていたね。そう、僕はここで、この地で魔王になる。魔王の力だけを呼び出し、その力を受け入れて新たなる魔王になるのさ。―――あと二日でね」
 自慢する事で何とか自尊心を満たし、冷静さを幾分取り戻した佐野は佐野はようやくあたしの頭から足をどけた。けど、直後にうつ伏せになったあたしのお腹を下から蹴り上げる。
「グッ………うっ………!」
 こ……このやろ………女の子にはやさしくって子供の頃に習わなかったんだろうか……
「ククク……喜びたまえ。君は生かしておいて上げるよ。僕をバカにした唯一の女性として……一生、魔王となった僕のそばでメス奴隷として飼ってあげよう。嬉しいだろう? 嬉しいよなあ。ならばもっと嬉しそうな表情をしたまえ、この偽者」
 お腹を押さえたまま立ち上がれないあたしの頭上で、佐野の声が響く。―――って、人の事を偽者偽者って……い、いい加減ぶん殴ってやりたいんですけど……!
「では君に主人である僕を退屈させないよう、早速一つ命令を与えよう。楽しみにしていたまえ―――いっそ死にたくなるほどにね」
 その後、あたしは佐野に呼ばれた二匹のオークによって部屋の外へ連れ出された。抵抗もできず、汗をかいた肌を隠すことも許されぬまま、神殿の中を引き回され、


 着いた先は―――水の神殿前の、広場の中央だった。


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