第六章「迷宮」03


 ―――精神世界。
 世の中には相手の心を読み取る魔法や特殊能力があるそうだけれど、それらをもってしても精神の奥に踏み込むことは出来ないとされている。
 自分でも分からない心――
 自分でも知ること出来ない場所――
 ある宗教家は「神と繋がる扉」と呼び、ある哲学者は「世界の根幹に触れる場所」と定義している。
 ならば、そこへたどり着くために人はどのような試練を受けなければならないのか。
 複雑に絡まりあった心の世界……それはあたかも迷宮(ラビリンス)のように、己の進入さえ拒み続ける不可侵の世界なのかもしれない……




―――けれど、そんなことはどうでもいい。




 本は知識と情報の集合体だから、精神世界のような仮想世界を作る能力に長けているとかどうとか難しい話をしていたけれど、そのあたりの話は神官長やジャスミンさんにお任せだ。あたしじゃ聞いても意味を理解することが出来ない単語のオンパレードだし。
 簡単に言うと、あたしとエロ本の精神を同調リンクさせ、精神世界の中で修行するのだ。
 その頑張りに応じて魔王ポイント(以下、魔王P)を貰って魔王の特殊能力に目覚めて行く……なんていうか、本当にそれでいいのかって言いたくなる様なルールなんだけど、とりあえずあたしの体が怪我したりすることはないらしいし、精神を同調はするけれど、体力を表すHPと言うのがなくなれば自動的に精神リンクが切断されて目が覚めるそうだから、精神にダメージを受けすぎて精神崩壊するという危険性も最小限に抑えられている。
 あたしに出来るのは、あのどスケベエロ本の精神世界なんかに行っちゃったら、一体どんな目にあわされてしまうのか……ただただその事を心配することだけだった……



「―――とまぁ、そういう事だからあんまり心配しないで。あたしにもしもの事があったらこいつを燃やしてくれればいいから」
『そ、それは可能な限り回避する方向で頑張らせていただきます……』
 あたしは部屋に集まってくれたみんなの顔をぐるりと見回すと、心配をかけないように笑顔を浮かべてみせる。
「たくやさん、あの…お、お気をつけて……」
「……………………」
「めぐみちゃんも静香さんも、そんな顔しなくたって大丈夫だってば。こいつだって妙な事したら自分の身が危ないって分かってるんだから」
『………もしかして、ワシの命の心配は誰もしてくれんの? さみしい……』
 それは当然でしょうが。女の人には胸だお尻だってスケベな事ばかり言い回ってるくせに。
 ともあれ、魔王の力を探る機会だと興味津々のジャスミンさんたちとは違い、身を案じてくれている静香さんとめぐみちゃんを何とかなだめると、あたしは魔王の書を抱きかかえたまま自分のベッドへとあがり、体を横たえた。
『精神世界に入ったら体の方の意識がなくなるからの。それと時間は一応5倍程度に加圧する。お主の魔力を使ってワシがその辺の処理は行ってやるわ』
「うん。それじゃ…」
『ではまず目を閉じて心を落ち着けるがよい。それから深呼吸をすると……ほ〜れ、ねむたくな〜るねむたくな〜る〜〜……』
 んっ……ホント…急に意識が……
 まぶたを閉じて10秒と経たずに、眠気があたしに意識を奪い去って行く。けれど、意識自体は起きたままで、まるで肉体から離れて行くような浮遊感を感じていた。
 精神の分離……幽霊のように肉体から離れて精神だけがどこかへ飛んで行くという不思議な現象を、なぜかそれほど不思議に感じず、あたしは魔王の書が作り出した「世界」へと導かれていった……




「―――んっ……あっ…着いた……?」
 体にはまだ浮遊感が残っていた。けれどどこかに引き寄せられて板と言う感じはすでに消失していて、どこか頼りなげにではあるけれど、あたしの体は空間のある一点で留まっていた。
 ――体は無いはずないのに感覚があるなんて……ん〜、普通すぎて返ってつまんないかも。
 目を開けてみるけれど周囲には暗闇が広がるだけで何も見えはしない。しかし、あたしがなれない浮遊感に身じろぎすれば体の周囲を取り巻く空気がわずかに乱れ、滑らかな肌の上をくすぐるように通り過ぎて行く。
「………ええっ!? やだ、何であたし裸!!?」
 意識が飛ぶまでは服を着ていたはず。なのに自分の体を見下ろすと、服どころか下着の一枚も身に着けずに生まれたままの姿を晒していたあたしは、頬を熱く火照らせながら慌てて両手で胸と股間を押さえつけた。―――もっとも、生まれたときは女じゃなかったんだけども。
「やだもぉ〜〜! こら、変態エロ本! なに人の服を勝手に脱がせてるのよ!」
 周囲に誰かいるわけではないし、肌を見られているわけでもない。それでも恥ずかしさを覚えてしまうあたしは羞恥心を紛らわせるためにも必要以上に大きな声で魔王の書を怒鳴りつけてしまう。
 だが、返事は思わぬところから返ってきた。
『もう少し待っておれ。データの入力がもう少しで終わるからの』
 暗闇の何処かからではなく、あたしを取り巻く暗闇の全てから、そしてあたしの体の内側から魔王の書の声が聞こえてきた。
 ―――ここはあいつの中。あいつの精神世界の中なのだ…常識で考えちゃいけない、常識が通用しない場所なのだと、改めて実感させられてしまう。
『身体の基本データはヒューマンNPCをいじってチョチョチョイのチョイっと。反射、筋力データはたくやの精神をインストした時点でコピーして、一番重要なボディーラインは……うひょひょひょひょ、相変わらずいい尻をしておるのぉ』
「こ、こらぁ! あんた、どこ見てんのよ!!」
 不意にお尻を這い回るぞわぞわした感触。まるで何十人もの男に両手では隠しきれないお尻を嘗め回すように見つめられているような錯覚を覚えてしまい、慌てて胸を覆っていた手でお尻を隠す。けど、それでも谷間の奥に隠れたアナルにまで触れるような濃密な視線の感触は消えることがなく、あたしの体はこみ上げる恥ずかしさに耐え切れずにぶるっと小さく身震いしてしまう。
 その反応に満足そうな声を上げる魔王の書。そしてゆっくりと違和感が背筋を上るように広がって行くと、あたしは頭の中を真っ白にして恥ずかしさを耐え続けるのも限界に達し、ついに胸や股間まで覗き込まれてしまうとお尻を引いて下半身とたわわな乳房を痙攣させ、短い悲鳴まで漏らしてしまった。
「やっ…いやっ……」
 気配がおへそをくすぐり、胸の谷間を舐め上げながら乳首にまで絡みつくと、我慢の限界はあっけなく訪れてしまった。この感覚の正体が魔王の書の視姦だと気付いていても、相手の意識の中に取り込まれているような状況では手も足も出せず、腰を淫らな雰囲気でくねらせてしまうと、擦り合わせる太股の付け根から熱い感覚が全身に広がってしまい、隠しても隠しきれない胸やお尻がぷりぷりと張り詰め、ますます敏感になってしまう。
『ほほう、いいよがり具合じゃのう。ワシに抱かれるところでも想像しているのか?』
「馬鹿なこと…言わないでよ……」
『つれないのう。ここにはワシとお主の二人しかいないというのに……さぁ、ワシはいつでも構わんぞ。ワシへの愛を、今、ここで!』
「誰がどの口で愛だのどうのと言ってるのよ! いい加減にしないと怒るわよっ!!」
 もうすでに怒っているけれど、恥ずかしさが限界になっていたあたしの声はますます大きくなっていた。
 ―――落ち着こう。特殊能力とやらを手に入れないことには、これから先、危なっかしくて旅なんて出来ないんだし、ここまで来た以上は腹をくくるしかないのだから。
 そう…ここは魔王の書の、言い方を変えれば腹の中だ。その中にいる以上、あたしの姿はどうあっても自由に見られてしまうわけだし、いちいち恥らうのも損するような気分だ。
 この恨みは…通常状態に戻ってから返せばいいわけだし。
『バストウエストヒップ、ついでに身長体重股下から髪の毛のキューティクルまでオールオッケー。そんじゃあ五感を付与するからな。驚いて小便漏らすなよ』
「漏らすわけないで…んっ!」
 まずあたしの体に起こったのは大きな身震いだ。見られているという意識だけじゃない、全身から感じる周囲の雰囲気を急に感じ始めた神経の全てが一斉に痺れ、それらが収束する頭に鈍痛が走る。
 こめかみに手を当て、頭を振って痛みを払うと、周囲の光景もいつの間にか一変していた。何も見えない黒一色の虚無の世界ではなく、小さな意思部屋にあたしは立っていて、足の裏には冷たい石の床が触れる感触は本当に架空のものなのかと思うほどのリアリティーを感じさせる。
「………精神世界と言うより、これってダンジョンね」
 視覚、嗅覚、聴覚、触覚、味覚……味覚はちょっと曖昧か。自分の指先を舐めてもあんまり味がしないし。
 とりあえず戻ったらしい五感に違和感を感じなくなると、あたしは一方の壁によって手を触れる。
 壁を構成しているのはダンジョンらしい灰色の石材だ。約一メートル四方の巨石が隙間なく積み上げられて高さにして三メートルほどの壁を作り上げている。石と石の隙間には紙一枚が入る余裕さえなく、手を滑らせてもほとんど凹凸を感じさせない精巧な造りだ。
 おそらく、世界中に存在しているどのダンジョンよりも正確な作りをしている事だろう。もっとも、これら全ては魔王の書の内側に構築された仮想空間であり、はっきり言えば妄想…もとい想像の産物なのだから、比べること自体が間違いなのかもしれない。
「う〜む……あいつの中だから、絶対ねじくれ曲がってるのを想像してたのに……」
『驚いたか。実はワシ、ものすごく心根はまっすぐなのよ』
「すぐにばれる嘘はつかないほうがいいわよ。それより…聞きたいことがあるんだけど」
『ん? なんじゃい、もう後は先に進んでもらうだけなんじゃが』
 ………待て。いくらなんでもこれで先に進めるはずがないと思うんだけど……これは素? それとも確信犯? まぁ…これを当然と思っているんだろうから、これがこいつの素の考えなんだろうけどね……
 ハァ…と頭痛を抑えながらため息をついたあたしは、やはりこの姿のまま平然としていることが出来ず、体を細い日本の腕で精一杯隠しながら、
「全裸でダンジョン進めるはずがないでしょうがぁ!!」
『ほえ?』
「ほえじゃない、ほえじゃ! 何か武器とか鎧、せめて服ぐらい出して!!」
 あたしにすれば当然の要求だ。これから精神世界で魔王の力が使えるようになるための特訓をするというのに、徒手空拳どころか素っ裸でどうしろと言うのだ。
 けれど魔王の書はそんなあたしの言葉が見当はずれだと言わんばかりの答えを返してきた。
『なんで? 精神世界にそんなものがあるはずなかろうが。ここに来れるのは精神のみ。精神は服等着ない。だから生まれたままのオールヌードのスッポンポンがデフォルトスタンダードぉぉぉ! 服などいらんのです、それが偉い人にはわからんとです!』
「そんな……じゃああたしはずっと全裸のまま!?」
『そういう事。さ〜て、それじゃ景気よく行ってみようかぁ!!』
 四方八方からやけに嬉しそうな魔王の書の声が聞こえてくると、あたしの左手の壁に電光が伝う。ただ石の灰色一色だった壁面だが、その中央に蛇の様にのたうつ電気の帯が集中すると、一瞬輝きを増し、その後には赤銅色の重厚な扉が姿を現していた。
 ううう……演出が凝ってるのはあたしの裸をずっと見れるから…だろうなぁ……
 そう意識してしまうと、一度は収まったはずのむず痒く感じる魔王の視線が全身に絡み付いているのが分かってしまう。どんなに隠しても奥の震える肉ヒダまで覗かれるような感覚にあたしの体は怯え、紅潮した顔まで強張ってしまう。
『ほれほれ、早く進まんと一生ここで飼い殺しにしちゃうぞ』
「わ、わかってるわよ……」
 ここにい続ければ元の状態に戻れない。みんなには丸一日起きなかったら本を燃やしてと頼んであるけど、それで本当に戻れるか保証もないし……
 ――ええい、女は度胸だぁぁぁ!
 さらば、あたしの恥じらいよ……なんて事を考えながら、股間を押さえていた手を離して扉に手を掛ける。
 重厚そうに見えた扉だが、軽く押すだけで滑るように開いていく。そして、一歩奥へと足を踏み出し……あたしは悲鳴を上げてしまった。
「い…いやあああぁぁぁぁぁ!! な、なによこれぇ!?」
 そこは通路と呼べるようなものではなかった。いや、通路と言えば通路なんだろうけど……一言で言えば、「肉の通路」だ。
 さっきまであたしがいた小部屋と違い、扉の先の壁は一面ピンク色のぶよぶよした肉で覆われていた。直線などどこにもなく、まるで臓腑の中を思わせる壁面は赤く濡れ輝き、不気味な律動を繰り返して表面に浮かんだ真っ赤な血管を脈打たせている。
 ―――ズチャ―――グチャ
「ひっ……!?」
 いっそ暗ければ抑え様もあったけれど、肉壁自体が淡く発光している通路は毒々しいまでの肉の赤をくっきりと浮かび上がらせ、表面ににじませた粘液を擦り合わせて耳を塞ぎたくなるほどおぞましい音を奏でている。
 こんなところを通り抜けるなら力なんて欲しくない……けれど、時すでに遅し。あたしが振り向くと、今までいた石の小部屋もすでに肉壁に覆い尽くされている。つまり、逃げることは許されない、と言うことだ。
「進むしかないのね……ううッ…やだなぁ……」
 とりあえず肉壁表面の液体に体を溶かされるということは無いらしい。それでも素足で踏むと、帰ってくる柔らかく生暖かい感触にあたしの体は総毛立ち、ブジュルと指の間にまで入り込んでくる粘液に悲鳴が喉までこみ上げてきてしまう。
 こんな状態で何か現れたら、どうしようもないよね……
 足の裏の感触と周囲の光景以外、この通路は先が見えなくなるほどの一本道だ。襲い掛かってくるモノがいたとしても後ろを気にしさえすれば不意を疲れると言うことは無いだろう。
 それだけが唯一の安心材料だ。胸と股間を覆いながら泣く泣く決意したあたしは、これからの事へ不安ばかりを考えながら足を踏み出した。

 ―――けれど、その一歩目さえまともに踏むことが出来ず、あたしはその場へ引きずり倒された。

「えっ…ひゃああああっ!?」
 異変があったのは足首だ。顔をとっさに覆いながら肉壁へと倒れこんだあたしが目にしたのは細い赤紐が指や足首に絡みつき、その場に縫い付けている光景だった。
 違う…紐じゃない。柔らかい床から伸びた紐状のそれは、無数の突起をブラシのように広げた先端を持つ細い細い赤い触手だった。
「な……なっなななっ……!」
 それはもう床とは呼べなかった。脚を動かさないように巻きついていた触手は倒れたあたしの太股へ伸び上がってくると、粘液に覆われたその身をふくらはぎから膝、太股へと擦りつけながら一気に伸び上がってあたしの下腹部を目指してくる。
 まるで愛撫しているような動きだ。舌と指が一緒になったとしても真似できない舐めズリで締め上げながら張りのある太股をビッショリと濡らし汚していく。
「うっ…いやっ、いやあああああっ!! 離せ、離せこのぉ! エロ本、あんたなに考えているのよ。変態、バカ、やめっ――はうあっ、あ…かあっ!!」
 無数の先端が一斉にあたしのヒップを撫で上げた。糸の様に細くてもウニョウニョと動く肉ブラシはい本一本の間に粘液を蓄えたままヒップの丸みに吸い付くと撫でられただけで声を上げてしまう太股の付け根のラインを舐めるように擦りつけてくる。
「ああぁ! やめ…やてって、い…いやっ、そんなところ、やっ…んぁああああああっ!! はなしてぇぇぇ!!」
 涙を流し、髪を振り乱してかぶりを符って触手の戒めから抜け出そうとするけれど、それも周囲の壁や体の下からより太い触手が伸び上がってくるとそれまでだ。密集してよじれあい、太いブラシと貸した触手にヒップの谷間を下から上へ何度も擦り上げられながら、あたしの体は、腕は、腰は、手足で大の字を描かされるように戒められ、触手ブラシにアナルのシワ一本一本の隙間までくすぐられても身をよじることも許されない。唯一自由にされている首を反り返らせたあたしは、すでにアナルの中にまで数本進入してきた触手に腸壁を擦り上げられる感触に舌を突き出し震わせてむせび泣いてしまう。
「ぁ…かはっ……んんあっ…ひぐぅ!!」
 胸も、おマ○コも…みんな一緒に舐められてる……やだ、これ…スゴくいやぁぁぁ……!
 あたしの体の真下から生えた触手は拘束用ではない。あたしの手のひらほどもある巨大な舌に似た形状をした肉ヒダはその表面に無数の小さいイボや固めの肉繊維が並んでいて、その隙間を縫うように奇怪な形をした男根型の触手が身をうねらせていた。
 それらの触手が一斉に首元からおマ○コまで、体の前面の肌と言う肌全てに吸い付いてくる。余す事無く、まだ皮をかむっているクリトリスは強制的にむき出されて敏感すぎる表面を露出させられ、床に埋もれて押しつぶれた胸の膨らみは根元を一蹴するように触手が巻きつけられて左右へ割り開かれ、突起と言う突起をイボや毛で擦り弾かれ、おぞましさと羞恥、そして感じてはいけない相手に感じてしまう快感に顔を赤らめたあたしは頭の芯まで熱く灼熱化しガクガクと頭を揺さぶってしまう。
「だめ…乳首…だめぇぇぇ……クリトリスも、お尻も、くっ…ああぁあっ……ッ!!」
 これならまだ、娼館で何十人と相手にさせられた方が楽だ。白いカーブが見えないほど覆い尽くされた乳房は膨らみを抉るように、削るように圧迫し、乳首はいつしか両方とも先端に口を持つ触手にくわえ込まれ、微細な触手に一斉に嘗め回され、千切れてしまいそうなほどに吸引されている。
「はあああぁぁぁあああああっ!!! 強…強すぎ……んあああぁぁぁアアッッッ!!!」
―――ブシャ
 あまりに苛烈な全身愛撫に耐え切れず、まだ進入を許していない…いや、進入されていない子宮の奥から脈動する膣道を駆け抜けて愛液が迸る。しかもそのタイミングを見計らってヴァギナに纏わり付く触手はパンパンに膨らんだ陰唇を左右へ引っ張り、ヒクつく膣口を強制露出させられると吸盤のように吸い付いてきた触手がその入り口を塞ぎ、噴き出るあたしの体液を、
「の…飲んでる……」
 快感に翻弄され、何度も軽く達していた膣肉を貪るように、触手はあたしの愛液を吸淫する。
「吸われてる…あたしのおマ○コが………あっ!? そ、そっちは……」
 決して膣口から奥へは入らず、ジュルジュルと触手が擦れ合うよりも大きな音を響かせてこんこんと溢れ続ける愛液を吸い上げられている内に、あたしの下腹部で、今だけは感じてはいけない衝動が湧き上がる。
 必死に押さえ込もうとするけれど、愛液の噴射のときと同じく触手たちは気付いていた。
「きゃあっ!」
 いきなり腰が持ち上げられた。吸い付いていた触手たちが名残惜しそうに、離れていくあたしの体に己の粘液を擦りつけながらお尻を抱え上げていく。
 まるでバックで犯されるみたいだ……そう思ったのもつかの間、今度は右足が細い触手ごと上へと引っ張り上げられ、犬がおしっこするような姿勢をとらされてしまう。
「まさか…この格好で……」
 あたしの想像は的中していた。腰を捻り、高く掲げさせられた右足から伝い落ちる触手たちの粘液にまみれた秘唇へ吸い付いている触手とは別に、まるであたしに見せつけるかのように、眼前を通って透明な極細の触手――管が下腹部へと伸びていく。
「やめてぇぇぇ!! そんな、そんな事をされたらあたし、やだ、いやああああっ!!」
 その管が触れたのは触手でも吸い切れなかった愛液でびっしょりと濡れた下腹部の一点。――膣口ではなく、小水を解き放つための穴、尿道口だ。触手は犬と同じ格好で放尿させるために足を掲げた姿勢をとらせ、刺激しようと細い触手を伸ばしていた―――と思っていた。
「えっ…あっ、入って……あっ…ひぁあああ……」
 だが現実はもっと強烈だ。小指でさえ入らない小さな穴を陰唇を左右に引くことでわずかに開かせた触手は、特に粘液をまとわせた細いその一本を小水の出口へあてがい、入るようにはできていない場所へ、その身を突き入れてきたのだ。
「ああっ…ああああっ……!」
 左右に割り開かれた肉の唇の小穴を抉られると、あたしの体に鋭い衝撃が突き抜けた。ヴァギナで男根を受け入れる圧迫感よりも強烈な挿入感は必死に放尿を堪えていた尿管を痙攣させ、少し入っては小刻みな挿出を繰り返し奥へ奥へと頭を叩きつける触手に、まぶたの裏では真っ白い火花が絶えず飛び散り続け、初めて異物を受け入れた小さな穴からは波紋のように疼きが広がってくる。
「あっ、んんっ…くあっ…!」
 勃起したクリトリスを突き出すように腰を震わせるあたしには、尿管が痙攣しているのがよく分かった。髪の毛ほどの微細な盛り上がりにさえ壁は擦られ、ヴァギナは収縮するのだ。脈動のリズムに合わせて愛液を溢れさせながらおしっこの穴をほじられながら身を震わせたあたしは―――ついに最奥へ先端が触れた瞬間、ヴァギナからグチャリと音を響かせると小水を解き放ち、そのまま快感のスロープを一気に上り詰めてしまう。
「ぅうあああああああああっ!! あたし、おしっこ、おしっこしながら……ダメエエエェェェェェ〜〜〜!!!」
 いまさら叫ぼうとも、何もかもが遅かった。あたしは太股を痙攣させながらヴァギナの内側を大きくうねらせると、触手と膣口の隙間から大量の愛液を噴き上げ、それに反応してきて寄ってきた吸盤触手に花弁に飛び散った愛液をすすられながら下腹部を何度もヴァンプさせて押し寄せる快感と興奮にのた打ち回る。
「ダメ、イっちゃう…あっ…イっちゃう、おしっこが、イっちゃう、あたし、イ…イくううぅぅううううううっ!!!」
 細い怒張に体の奥をまさぐられるたびに、あたしの体は跳ね上がりヴァギナと尿道が打ち震える。……けれど、あたしのおしっこは一滴たりとも溢れでることはなかった。
 わざわざ目の前を通るように伸びていった細い触手。空ろな瞳で淫語を放つあたしの目の前で、向こう側が透けるほどの透明だったその幹の部分を、黄色いものが満たしながら頭上へと流れて行く。
「い…イヤァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
 あたしが叫ぶと、尿道を埋め尽くしていた触手がぐるりと頭を回した。それで目を見開き言葉を失ったあたしは愛液と同じく吸い上げられていく尿を見ながら、大量の尿を放つ事しか出来なくなってしまった。
「や…ぁ……ぅあ………!」
 おしっこを蓄えている暴行、その入り口を何度もノックされ、そのたびに尿が迸る。その量は……愛液と同じく、触手が吸い取れる限界を超えてしまっていた。
「あっ………で…るぅ………!!」
 尿道口から大量の尿が飛沫となって噴き上がり、周囲で待機していた無数の触手たちへと降り注いだ。尿道は触手よりさらに太い自分のおしっこで拡張され、断続的に黄金色の噴水を股間から解き放ってしまう。
「あっ……あっ……で…ちゃった……あたし…あぅん……こんな………いっぱい……」
 ………生まれてから今までで、一番強烈は恥辱だった。もしこれが人前だったら、死んでしまいたいぐらいに恥ずかしく……甘美な、責め苦だった。
 何もかも解き放った開放感……もう胎内に何も残っていないというぐらいに出し切ったあたしは、ほう…とため息を突く。
「んっ……ま、まだ……」
 このまま眠りに落ちたい……そう思っても、あたしへの愛撫を中断していた触手たちに、その手のあたしの思いが通じるはずがない。吸盤触手が離れて行き、真っ赤に腫れあがった秘書をさらけ出したあたしを待っていたのはまたしても体の回転だ。今度は仰向けになるように横たえられると、脇の下から乳房へと平面触手が上ってきて表面の毛とイボとで敏感になった肌を執拗になぞり上げ、溜まらずと息を漏らすと首筋にまでナメクジのように触手の舌が這い回る。
「お…おねがい……休ませて……」
 空っぽになった下腹とドロドロに蕩けている下腹を残し、触手が全身に再び這い回ると尿道に触手を突き入れられたままビクビクと体を何度も打ち震わせ、痙攣させた。
「ハァ……んくっ! は…あっ……んあっ!!」
 全身の肌に吸い付き、怪しく蠢く触手の群。感じる場所全てを一斉に愛撫されたあたしは唇を震わせ天井を見上げながら、触手たちに与えるように愛液を滴らせてしまう。
「やっ…だぁ……これ以上されたらあたし…もう………んんんっ!……あっ………えっ?」
 それに気付いたのはほんの偶然だ。もし、仰向けにされていなかったら気付くこともできないまま、あたしは更なる陵辱に晒されていたかもしれない。
 天井が、手を伸ばせば届くところまで降りてきていたのだ。当然、あたしの腰に巻きついた触手以外にも、粘液が垂れ落ちるほどねっとりとした無数の触手を伴って。
 変化は天井だけじゃない。壁も、そして足元と頭の先も同じだ。いつしか通路と思っていた場所は肉の壁と触手とで覆われた狭い空間と化しており、あたしはその中心で脚を開かされ、誘うように股間をぬらぬらと輝かせているのだ。
 そして床が持ち上がり、あたしの体は天井に近づくように持ち上がって行く。頭は腰よりも高く、腕と脚は左右に開かされて指の隙間にまで触手が出入りを繰り返している。
 心持ち楽な体勢だが、触手に弄ばれている今の状況では体制の変化はあまり意味がない。変化は……あたしの眼前に突き出された二本の触手が与えるものだと、そのすぐ後に思い知らされた。
「う、うそ……」
 天井から伸びてきた二本の触手は、おそらくは男根を模しているのだろう。けれど、そのどれもが人間ではありえない形をしていて、挿入されるところを想像するだけで失禁してしまいそうな不気味さだ。
 先端から数えてくびれが二十段以上ある。
 表面にびっしりと突起が並んでいて先端から根元に向けてそれら全てが移動している。
 その他にも、天井から伸びてくる者は奇形のペ○スばかりだ。だが、特に太いその日本が、細い触手に覆われて動かすことさえままならない脚の間へ滑り込むと、あたしは下腹をぷるっと震え上がらせてしまう。
「も…やだ……そんなの……いや、入れちゃ…いやぁ………」
 泣いて懇願しても、先端が近づいてくる速度は緩みはしない。
 まずは……くびれが異様に多い触手がアナルへと押し当てられた。
―――ゴリ―――ゴリ―――ゴリ―――
「うあっ!? あっ! あっ! あっあっああっ、んああああっ!!」
 先端が細く尖っていた段差ペ○スは触手ブラシと粘液ですっかり濡れほぐされていたアナルに意外とすんなり入っていった。けれど、くびれが二段、三段と入るたびにアナルの入り口は内側へと押し込まれ、巨大なヤスリのようなくびれは容赦なく腸壁を抉り、掻きむしりながら奥へと入り込んでいく。
「いあっ……ぬ、抜いて……裂け…ちゃう……!」
 一段入り込むたびに粘液と触手に覆われた体に痙攣が走る。下腹をうねらせ、裏側からの圧迫で押し出された愛液を自分の身に擦りつけた段差ペ○スはゆっくりと、しかし確実に、あたしのアナルを巻き込みながら段差の一つ一つをあたしの中へと埋め込んで腸の奥を突き上げてくる。
「ううぅ……んっ…もう…入ら…ない……」
 十分の直腸を擦り上げられ、アナルも痛いぐらいに腫れあがっている。それでもまだ奥に入ろうと身をのたうたせる触手を排泄しようと圧迫する感覚は、歯を食いしばっても耐えられず、恐怖心ばかりが募ってしまう。
「おねが…い……抜いて……抜いてぇぇぇ〜〜〜〜〜〜!!!」
 このままじゃ、気が狂ってしまう……十五段を過ぎたあたりからはもう段差が押し込まれることもなかったけれど、触手が暴れるたびに今度は内側に引っかかってアナルが引っ張り出されるような感覚が芽生えてくる。
 やっぱり……抜いちゃやだ。恐い、こんなの、抜くときにどうなっちゃうか……あたし、恐い……恥ずかしいのに、こんなに恥ずかしくて、それで…………感じて、いるのに……
 考えてはいけない言葉を想像してしまったあたしは泣きながら唇を引き結ぶ。もう声も立てない、その決意の現れだけど、触手が引っ張られると、あたしの薄っぺらい決意などいともたやすく吹き飛んでしまった。
「引っ張っちゃ、ダメぇぇぇ〜〜〜!! お願い、抜かないで、抜いちゃダメぇぇぇ!!」
 涙で濡れた顔を強張らせて悲鳴じみた声を上げると、触手は悦ぶように茎を震わせ―――大きく張り出したペ○スのエラを連続してアナルに引っ掛けながらズルズルと直腸から引き抜いていく。
「いやぁあああああああっ! あたし、あたしぃぃぃ――――――ッ!!!」
 大きく開かされた脚の間からのたうつ触手がその全容を現すにつれ、ブルブルと痙攣の収まらないあたしの体は段差がつぼみを越える度に跳ね上がり、豊満な乳房をブルンと震わせてしまう。
「壊れるぅぅぅ!! お尻が壊れちゃうぅッッ!! 」
 連続してアナルをめくり上げた触手は、最後の数段だけを残したところで動きを止めると、今度は勢いよくあたしの直腸を刺し穿った。全体に纏わり付いた腸液や愛液を払うようにカリをアナルに突き入れ、裏側で内側を丹念に掻き毟ると、前触れもなく先端から熱い液体を噴出し、直腸内を瞬く間に体液に溢れた肉壷へと変えてしまう。そしてジュブッジュブッと大きな音を響かせてアナルを犯し抜かれるたびに、排泄に似た感覚を幾度も繰り返し味合わされることとなり、あたしの羞恥心を否応無しに刺激され続ける。
「もうやだ、出さないで、お尻に熱いの出さないでぇぇぇ!!!」
 触手の「射精」なのかは分からない。ただ潤滑液として迸らせただけの液体なのかもしれない。
 けれどゴリゴリと多段のカリが抉る腸壁に吸い付くような粘液の感触は射精されているのと同じ錯覚をもたらし、挿出を繰り返されながらたやすく上り詰めてしまったあたしは腸の奥に熱い迸りが流れ込んでくるのを感じながら、まだ突き上げられていない子宮を狂おしくわななかせてしまっていた。
 そして……お尻の穴を触手とドロドロの粘液とで埋め尽くされながら腰を振るわせ達していたあたしのヴァギナへ、残る一本の触手ペ○スがあてがわれた。
 もっとも、それをペ○スと言うには語弊がある。亀頭もくびれも存在しない、一面にびっしりと小さな突起を持つそれの表面は、先端中央の射精口に該当しそうな場所から出てきては外周へと広がり、触手の根元のほうへと表皮が移動し続けているのだ。横回転ならいざ知らず、縦方向へと回転しているそれの効果は……
「ひうっ!! やっ…いあぁああっ!!」
 触手表面の回転によって、口を開いていたとは言え内側の粘膜を擦り上げられながら恥丘の膨らみが割り開かれていく。それは膣口も同じで、外へ外へと広がるような圧力を加えられた入り口は、拒もうとしているはずなのに肉毛の塊を前にして内側の粘膜が覗けるほど広がってしまい、あふれ出た愛液は触手の表皮の移動にあわせて弾かれる様に周囲へと飛び散った。
「んんんっ! やっ…これいやぁぁぁ……入れちゃ…やあぁぁぁ!!」
 あたしの意識は半ば飛びかけていた。アナルを隅々まで掘りつくされ、つま先から背中へと続くラインには無数の触手が絡みつき、肌と言う肌が生臭い透明な粘液で覆われている。そんな肉体を振るわせ喘ぐあたしには抵抗する力などどこにも残っていないと言うのに、なぜか意識は落ちてくれない。気絶してしまえればどれほど楽か、本能的にも悟っているはずなのに、醜い触手の数々に責め嬲られている現実がそれを許してはくれなかった。そして、その挙句に感じてしまう快感が羞恥心を絶えず刺激し続けてしまい、それが言い様のない興奮へと変わっていることに……あたしは気づいていなかった。
―――ズニュル
「あ…あっ、あっ、クァああああああっ!! な、なに、やっ…おマ○コが、掻き出される、いあ、ひゃあぅうううっ!!」
 アナルへの挿入とタイミングを合わせ、縦回転する触手があたしの中へと押し込まれた瞬間、あたしは自由にされている首をガクッと後ろへ跳ねさせながら瞬間的に絶頂汁を噴き上げていた。―――いや、強制的に掻き出されている、と言った方が正しい。柔らかいことだけが唯一の救いかと思われていた触手は挿入されるなり膨張してヴァギナを限界まで押し広げると、肉繊維びっしりの表皮と膣壁とを余す事無く密着させ、奥から手前へ、膣から体外へ向けて回転していく。触手表面を覆う突起の一つ一つも微細な触手らしく、肉ヒダの隅々にまで入り込むと、奥に達した途端動きを速めた触手の動きにあわせて肉ヒダを掻き揚げながら愛液を外へと掃き出してしまうのだ。
 その動きによって潤滑液が減ったおマ○コと触手の摩擦はさらに強くなり、子宮口と膣奥のざらざらした場所、それに加え膣天井もアナル側のゴリゴリした触手の圧迫感が絶えず加えられている直腸側の薄壁までも一斉に触手ブラシで擦りたてられて、白い裸体を晒したあたしは雷を流され続けているかのように背を反り返らせ、絶えずこみ上げてくる痙攣に身を任せながら脳裏を真っ白に染め上げながら、喉を震わせて大きな喘ぎ声を上げ続けた。
「くあっ! く、くるっちゃ……んあああっ!! ひぐぅ、あ…あたし…擦られたら…あっ……ん、んむうううっ!!」
 そしてその唇さえも触手に塞がれてしまう。もう眼前にまで迫ってきた肉の天井から無数に生えていた短めの触手――もうペ○スといってもいい――が開ききっていたあたしの唇へ同時に三本もねじ込まれ、舌の腹や口腔の粘膜に勝手に己の身を擦り付けると三本いっせいに精液を口の中に流しだし始めた。
「んぶうぅん、んむぅぅうううううっ!!」
 口を閉じることも出来ず、唇から溢れるほど精液を噴出しても触手たちの動きは止まることはなかった。それどころか、ますますあたしに近づいてきて乱立するペ○スをあたしの肌へと触れさせたピンク色の天井は小刻みに壁面をゆすって触手たちの先端をあたしの体へ擦り付けると、何もかもが白く染まってしまうほどに大量の精液を全ての触手の先端から射精し、女であることの喜びに打ち震えているあたしの全身を白濁の体液で覆い尽くしてしまう。
「んふうっ!! んっんんんっ、んむううっ!!」
 乳房の谷間には上下から二本ずつペ○スを差し入れられ、放たれた精液がお腹と喉元に流れていくと、その体液を潤滑剤にして、太い触手がお臍に先端を擦りつけ大量の体液を解き放つ。両手には何本かわからないほどの数の触手が我先にと集まってきて、それを指の間にしごく様にして動く肘の裏側や脇の間にも脈動し熱い精を噴き上げる触手が入り込んできていた。
 もう、あたしの体で犯されていない場所を探すほうが難しくなるほど全身を陵辱されていた。おぞましささえ感じる肉の壁に包み込まれ、触手と言う触手に全身の穴と言う穴を犯されかき回されながら……最後の場所にまで触手が伸びてきているのを快感の渦の中ではっきりと感じ取ってしまった。
 ――子宮口だ。
「んむううううっ!?」
 あたしのヴァギナに入り込んだまま皮を動かし、敏感な場所を休まず擦りたてていた触手の先端から「何か」が生えて来た。細いそれは膣口が層だったように絶えず外向きの力を加えられ続け、愛液を垂れ流しながら口を広げて精液を受け止める準備をしていた子宮の入り口を、擦るのではなく、ゆっくりとねっとりと舐め上げた。
「んっ、んっ、んぐうぅぅぅ!!」
 入って…来る。そんな、そこから先はおチ○チンだって入って……いや、そこはいやぁ!! やめて、お願い、やめてぇぇぇ!
 目を開くことも出来ないぐらいに顔は濃厚な精液で覆いつくされ、口には入れ替わり立ち代り入り込んでいるのは叫び声を上げられない。ざらつきさえ感じてしまいそうな触手の先から伸びた触手に子宮口を擦りあげられると、今まで犯されたときよりも強烈な恐怖感が胸を埋め尽くし、それに伴い押し寄せる快感とも苦痛ともつかない感覚があたしの腰を震わせた。
「んむぅ、んんんう、んんんんんっ!!」
 そこはモノを受け入れるようにはできていなかった。入れるのは精液だけ…出るのは赤ん坊だけ…そんな場所を今、細いとは言えおぞましい異物である触手が子宮口を割り開いて進入してきたのだ。
「ん―――――――――ッッッ!!!!!」
 触手の動きが早まり、アナルとヴァギナの陵辱にガクガクと腰を揺すりたてながらも、子宮の中で触手が身をのたうつのが鮮明なまでに感じ取れる。精液を浴びせられるだけでも上り詰めてしまう場所は内壁を一舐めされただけでも震え上がり、とぐろを巻いて体内を満たすとぐるりと身を回して胎内を内側から押し上げる。
 もう……あたしの意識は限界を超えていた。もしかすると精神体だから気を失えないのかもしれない……そう思いながら、あたしの体を焦がす火照りと疼きに柔らかい女の体がヴァンプし、掻き出された愛液をビシャビシャと激しく周囲へ飛び取らせる。
「んん、んん、んむうううううっ!!」
 けれど、子宮の中まで犯されながらもあたしの体は感じてしまっていた。考えまいとしても、あたしの秘部は触手を食いちぎりそうなほど締め付けを増していて、それに負けじと触手も回転に力を込めると肉茎をうねらせてアナルを犯す多段ペ○スと同時圧迫を繰り返す。
「んんんん〜〜〜〜〜!!!」
 もう…だめ。これ以上されたらあたし……狂っちゃう。
 あたしの理性が一瞬だけもどったのは、意識の糸がついに切れる前に与えられた残酷な仕打ちだった。純白を越え、黒くさえ見せる触手の精に覆われた体は立て続けの絶頂で消耗が激しく、アナルの奥へと射精されても括約筋には力が入らない。それでも裂けたのではないかと思うほどほぐれ来たヴァギナとアナルは、絶頂液さえ吸い上げられている尿道と同じように中身を絶えず排泄させられている感を与えられると喜びに打ち震えている。
「んっ…んっ……」
 それだけ悟るのが限界だった。締め付けていると思っていたヴァギナも、触手が膨張しているからそう思うだけ……そして、ヴァギナを埋め尽くしていたその触手が、子宮口へ差し入れた細い職種をそのまま残してずるりと半分ほど引き出されると、消えかけていたあたしの意識は期待するように顔へ笑みを浮かべさせると、太股をほんのわずかに内側へと寄せて精一杯ヴァギナを収縮させた。
―――ズンッ
「んっ、んむぅぅぅううううううううううっ!!!!!」
 スゴい、スゴすぎるぅ!! 熱いの、おっきいの、もう、もうどうなったっていいぃぃぃ!!
 お腹の奥に衝撃を感じた瞬間、あたしの意識は粉微塵に打ち砕かれていた。荒々しく、子宮口へ杭の様に叩き込まれる衝撃のリズムにもう絶頂していることが普通だったあたしの体も悦び、わずかに取り戻した力で全身の筋肉を収縮させてオルガズムへと登りつめていく。
「んンンッ! ンっ、ん……んんん―――――――っッッ!!!!!」
 ビクビクと震えるおマ○コに、ついに大量の精液が解き放たれる。しかも量も半端じゃないけど射精の仕方もスゴい……回転して膣奥から肉ヒダを掻き毟っていた小さな突起の一本一本から熱く煮えたぎった精液がドクドクと吹き上がったのだ。
 胎内を細い触手に埋め尽くされた子宮へ流し込まれた粘液は収縮していたその場所をお腹へぽっこりと形が浮かび上がるほど膨張させ、ビンをねじ込まれたように拡張しているヴァギナも一気に押し広げられると限界を越えた量が強制的に押し出され、ヴァギナから噴水のように噴出されてしまう。
「んふぅ……! んっ、んむぅ、んむううぅぅぅぁああああああああっ!!!!!」
 イく、イくぅ…触手がこんなにスゴいなんて…あたし……おかしく、なっちゃった………
 いつしか解放されたあたしの唇からは、ただ一つの言葉しか発せられなくなっていた。うつろな笑みを浮かべ、甘い甘い陵辱に包まれながら、いつやむとも知れない精液の噴出に、あたしのココロはゆっくりと壊れて行った………


第六章「迷宮」04へ