第4章「−?」第4話


「啓子さんってここに一人暮らしなの!? だって、まだ学生なんでしょ!?」 「ふふふ…ちょっとアルバイトの稼ぎがいいものだから親元から独立したの。このマンションだって大した値段 じゃないのよ」  いや、大した事あると思うけど……どう見たってあたしの家よりもずっとずっと立派だもん。  食べ物やジュースの入ったコンビニ袋を手に見上げるマンションはいわゆる億ショント呼ばれる類いの物だっ た。上を見上げると首が痛いほどの高さだし入り口はオートロック。主人を迎えるようにまばゆい明かりで照ら された玄関は生まれも育ちも一般庶民のあたしが入るのには二の足を踏んでしまうほどの立派さだった。  帰りのバスで一人で生活してるって聞いてたけど……いったいどんなアルバイトしてるんだろ? 松永先生の 事だから何をしてても不思議じゃないけど…危ない事してるんじゃないよね。啓子さんだったらそう言うのは許 せなさそうだし。となると体を売っちゃったり……いや、もしかしてこの歳で「パパ♪」を作ってたりなんかして ぇ!? 「………言っておくけど、株取引よ。想像してるような事は多分してないと思うから」 「へ? あ、あはは…もしかして顔に出てた?」 「ええ、しっかりとね。私、SEXは損得感情抜きのプライベートで楽しむ事にしてるんだから」  ははは……そう言う事を自身満万に言われてもねぇ……やっぱりこの人、松永先生だわ。  威張る事ではないはずなのに肩にかかる黒髪を手で払いながら胸を張る啓子さんに卑猥なところなんてどこに もない。その様子に苦笑しながらエレベーターに乗り、最上階へと移動する。  それにしても松永先生の…啓子さんの家かぁ……どんなところなんだろ? もしかして―― 「たくや……ここなら誰も来ないわ。さぁ、服を脱いで。恥ずかしがる事なんてないんだから……」 「だ、だって…まだ玄関に入ったばっかりで…やん、そんなところにいきなり指を!?」 「ああ…可愛いわよ、たくや。今夜は二人っきりで愛し合いましょう」 「ハァ、ハァ、ハァァ!! んんっ、んああああぁぁぁ〜〜〜〜!!!」 「もうイっちゃったのね? いけない子……お尻を突き出して、そんなに濡れたアソコを突き出して……そんな にこうやって弄って欲しいのかしら?」 「ひぐぅ!! あああっ!! イく、イっちゃう、やだ、敏感なの、そんなに激しく弄っちゃ、だ、ダメぇ〜〜 〜!!」 「すごい……こんなに潮を噴いちゃうなんて……これは虐めがいがありそうね。今度はベッドでたっぷり……ふ ふふ…♪」  ―――なっ…な、な、ななななんでやっぱりそう言う想像になっちゃうのよぉぉぉ〜〜〜!! 違う違う!!  でも啓子さんの家にお呼ばれしたって事は当然そう言う展開はありで、しかもとっくにアソコまで舐められち ゃってるから抵抗なんて出来ずに、こ、このままさ…されちゃうが、まま……  いつの間にかエレベーターが止まり啓子さんに続いて廊下を歩き始めても、あたしの頭の中は大きなベッドで 彼女に組み伏せられている自分の姿でいっぱいだった。あたしは涙を流しながら、それでも濡れた股間を啓子さ んに向けて突き出して、小刻みに震える指による愛撫をもっともっとと求めちゃって…… 「っ―――!」  やだ……太股がヌルって……どうしよう、こんなの気付かれたら……あ〜ん、やっぱりエッチな目にあっちゃ うんだ〜〜〜!! あたしレズじゃないのに、レズじゃないのに、レズじゃないのに〜〜〜〜〜!!!  あたしが履いていた下着はまだ返してもらっていない。返してくれても今更あんなに精液にまみれたショーツ を履く気にはならないけれど、想像が加速するにしたがって股間の疼きはより大きなものになり、コートの舌で は膝の辺りまでヌルヌルの液体で濡れてしまっていた。  心の中ではいやがっているはずなのに、もし誰が来るとも知れないこの廊下で押し倒されても抵抗出来ない、 それどころか進んで愛撫を受け入れてしまいそうなほどに体の方は準備を整えてしまっている。丸々としたヒッ プは一歩進むたびに左右に揺れ弾み、太股はわざと卑猥な吸い音を奏でる様に擦れあう。そして、その振動がネ ットリとした涎をこぼす恥丘へと伝わると屋上から乾く暇のなかった下半身がヒクヒクと震えてしまうのだ。  こんな事なら予備のショーツを持ち歩いてればよかった……くすん…どうして一つもこんなに感じちゃうのよ ぉ………  隣を歩く啓子さんはあたしのスカートの中からグチャグチャと聞こえてくる音に気づいた様子はない……でも どうしても股間を意識せずにいられず、コンビニ袋を両手で股間の前で持ち、上からそっと押さえ付けてしまう。 「ぅぅん……」  秘部に触れたスカートに愛液が染みこんでいく。上質な布地とはいえ、股間の様に敏感な部分に直接触れるな んて事を考えられていないスカートが包皮から頭を覗かせているクリに触れると、途端に痺れが脳天に直撃し、 あたしは恥ずかしさに身をモジモジと揺すりながら小さな喘ぎ声を漏らしてしまう。 「? 相原さん、どうかしたの?」 「あ…あの………ずっとノーパンだからアソコが冷えて…も、もよおしちゃったかなって……あ、あはは……」  さすがに火照った顔を上げるわけにもいかず、やや俯きながら答えを返したけれど啓子さんもそれ以上は追及 してこなかった。それでようやく落ち着きを取り戻すと、冷たい廊下の空気を胸いっぱいに吸いこんで、胸の奥 に溜まった熱っぽさを体外に吐き出した。 「ふぅん…それじゃ私の部屋はここだから早く入りましょ。相原さんがここでお漏らしするのを見てみたい気も するけれど、いきなり野外放尿っていうのもキツいでしょ?」 「うっ……」  やっぱりばれてた。ものすごく意地悪な目をしてるよぉ〜〜。あの目は絶対にいやらしい想像をしてるよぉ〜 〜。  ものすごいない様を隠しもせずに口にした啓子さんはあたしの様子に笑みを浮かべながら部屋の鍵を取り出す とドアノブに手をかけて―― 「――あら? 鍵が開いてる」  鍵を刺しこむ前にドアが開いたのを見て、「あちゃ〜、しまった。忘れてた」って言う感じに右手で顔を覆った。 「えっ? 鍵が掛かってないって…もしかして泥棒!?」 「うっ…ううん、そうじゃないんだけど………最近忙しいからあの日が今日だってすっかり忘れてたわ」  あたしへと向いた顔には少し困惑の表情が浮かんでいる。  どうも都合の悪い日にあたしは来ちゃったみたいね。でも「あの日」ってなんだろ? お決まりのパターンで「 生理!」なんて事はないし……  頭を捻り、一瞬だけ啓子さんから外れて宙をさ迷った視線。その先、わずかに開いたドアの隙間からは明かり がこぼれ、そして室内からは談笑する複数の男の声がはっきりと聞き取れた。  啓子さんは一人暮らしのはずなのに、どうして中から男の人の声が………もしかして「あの日」っていうのは― ― 「あの……あたしってお邪魔だったみたいね。やっぱりどこか別の場所ほうがいいかな?」 「中の人たちの事なら気にしなくてもいいわ。それに相原さんはどこかに泊まる宛があるわけじゃないんでしょ ?」 「そりゃまぁ……でも、中にいる人って啓子さんの――」  恋人なんじゃないの?  一人暮しの女性の部屋から男の声が聞こえてくれば、自然とそう言う考えになってしまう。  けれどそう言おうとするよりも先に、困り顔の啓子さんは首を振ってあたしの言葉をさえぎった。 「いいから私のところにいなさい。中の人たちの事は気にしなくても――」 「啓子さん、帰ってるのぉ?」  その声は唐突に扉の向こうから聞こえてきた。眉を寄せていた啓子さんはそれを耳にしてため息を一つ突くと 一歩下がり、こちらの様子を気遣う事無く室内から押し開けられる扉にその場所を譲った。 「おかえり〜〜。――あれ? こっちのかわいい子だれ?」 「あっ――は、はじめまして。あ…あははははは〜〜〜」  扉の向こうに立っていたのは若い男性だった。  若いと言ってもあたしよりも年上っぽく、見た感じでは大学生かフリーターの遊び人。お酒が入って少し赤く なった顔は女性にもてそうな甘いマスクをしているけれど、啓子さんの隣で愛想笑いを浮かべるあたしを視界に 捕らえると口元にニヤリといやらしそうな笑みを浮かべると顔をゆっくりと上下に動かし、驚いて立ち尽くして いるあたしの顔とコートを内側から押し上げる豊かな胸元を品定めするような視線で見つめてくる。  やだ…何よ、この人……変な目であたしを見つめて……  はっきり言って、彼に対するあたしの第一印象は最悪だった。いくら二枚目だからって本来男であるあたしは そういうのに全然興味ないし 男の欲望を隠そうともしない眼差しには視姦されているような不快感を覚え、思 わず後ろに下がってしまう。 「へぇ……うん、いいねぇ。へへへ……」  けれどそれを追う様に男も前に出てくる。もう逃がしはしない……それほど酔っているようには見えないけれ ど、それでもお酒のせいで気が大きくなっている男はあたしに詰め寄ろうとして――間に割って入った啓子さん に遮られた。 「ちょっと…彼女が脅えてるじゃないの」 「啓子さん、彼女なに? かわいいよね、もろ俺のタイプなんだけどさ。今日はこの子もいっしょにしちゃうわ け? へへへ…♪ 胸もおっきいし、今すぐでもさぁ」 「違うわ。彼女は私の大切な友人なんだから変な気を起こさないでよね。相原さん、中に入りましょう」 「え? ちょ、ちょっと待ってよ」 「あ……う、うん…それじゃお邪魔しま〜す……」  男へと冷たい視線を投げかけると啓子さんはあたしを室内に招き入れる。それで少し酔いが冷めたのか、男の 方も面白くなさそうな表情をすると、あたしたちをエスコートするかのように玄関脇によって道を空けた。 「―――――――」  だからと言って、男があたしを気にしなくなった……なんてわけも無く、背後で扉を閉めた男は啓子さんの後 ろについて廊下を進んで行くあたしの背後に寄り添い、その気配を感じるほど無遠慮にあたしの背中とお尻のラ インに視線を這わせつづけた。 「――――〜〜〜♪」  なんだかスゴく嬉しそうだけど……やっぱりあたしに変な事…しようって考えてるんだよね……でもそれは啓 子さんも一緒にこの男に抱かれるってことで……どうしよう…あたし、いやらしい事ばっかり考えてる……  松永先生とのSEXはそのほとんどが男子生徒を交えてのものだった。  保健室に呼び出されたあたしは松永先生に制服を脱がされると、あたしたちの絡み合いを見て興奮した男子た ちのペ○スにアソコを貫かれる。  白いシーツの上で無理やり脚を開かされ、まだそんなに濡れていないヴァギナをレイプみたいに犯しぬかれ、 どんなに抵抗しても膣内を激しく掻き回される快感に屈してイかされてしまうのだ。  そうなってしまうとあたしはされるがままになってしまい、差し出されるペ○スを恍惚の表情を浮かべて喉の 奥にふれるぐらいに深く咥えこみ、おマ○コもアナルも大量にぶちまけられたスペルマでドロドロに汚されてし まう。  休みたくても休めない……ううん、あれはあたしが休もうとしなかった………  女のままでいいかも…何度もそう思わせられたあの快感の宴、その中心にいたあたしと松永先生は狂ったよう に絶頂に達し、それでもペ○スを入れられると腰をゆすって肉棒を締め付け、ザーメンまみれになった体をくね らせてイき続けてしまい、そして――  同じ事をするのかな……この部屋で…… 「はぁ……やっぱりみんないるのね」  前を歩いていた啓子さんはリビングに入ったところで足を止める。そんな彼女にぶつかる寸前であたしも我に 帰った。 「おかえり〜〜。遅いんで心配してたよ。また生徒会の仕事?」 「先に始めちゃってるよぉ――あれぇ? 今日は友達も一緒なんだ、じゃあ今日は5Pだね」  かなり広いリビングには玄関に出てきた男とは別にもう二人、同じぐらいの年齢の男がソファーに座っていた。  始めているのは食事、もしくは宴会の事だろう。一対の大きなソファーの間に位置するテーブルの上にはピザ やフライドチキンなどの軽食に、既に十本以上の空き缶、そしてそれに倍する数のビール感が所狭しと置かれて いた。 「ささ、君も入って入って。今日の主役は啓子さんと君なんだからね♪」 「きゃあっ! ちょ、ちょっとぉ!」  啓子さんの部屋にはあまり似つかわしいとは言えない、アルコールとタバコの臭いがする光景にしばし呆然と して立ち止まっていたあたしは、背中を後ろにいた男に押されてリビングへと足を踏み入れてしまう。するとお 酒を飲んでいた二人が立ちあがり、あたしを取り囲んで手にしていた荷物を取り、コートを脱がされてしまい、 そのままソファーへと強引に座らされてしまった。 「ヒュ〜〜♪ なになに? その制服かわいいね。この辺じゃ見ないけど君ってどこのガッコなの?」 「ささ、これ飲んで。そんな格好じゃ寒かったんじゃない? これ飲んでパ〜っと行こうよ。パ〜っと」 「あ、あの、ちょっと待って。あたしアルコールは――」 「いいじゃんいいじゃん♪ うざい先公だっていないんだから硬い事を言わないでさぁ」  なれなれしい――そんなレベルは一気に通り越していた。最初から室内にいた男たちはあたしの左右にすかさ ず腰を下ろし、手のひらに強引に缶ビールを押しつけてくる。それだけだったらまだいい。けど、すっかりでき あがっちゃってる男たちはあたしの肩と腰にそれぞれ手を回すと、体を密着させてきたのだ。 「きゃっ! ちょ…や、やめてください……!」  とっさに振り払おうとしても、左右から挟まれているせいで思う様に動けない。それにプルタブの開いた缶ビ ールを手に持たされてるから背中とお尻をなで擦る手を防ぐ事さえできないでいた。 「なにするのよ、やめて、イヤァ!!」 「へへへ…このぐらい気にしない。こう言う事されたくて付いて来たんだろ?」 「そうそう。これって単なるスキンシップだよ。俺たちと君がも〜っと仲良くなるためのスキンシップ♪ ヒッ ク」 「んっ……やっ、やだぁ!――んッ!?」  ソファーから立つ事さえできず、身をよじって四本の手から逃れ様としていたあたしの唇にいきなり缶ビール が押しつけられ、とてつもなく苦い麦芽酒を無理矢理口へと流しこまれた。 「ほぉら、こぼしちゃダメだよぉ。どう、ビールって美味しいだろ? これで君も大人ってわけだ、な?」 「んっ、んっ、んっ!!」  右隣に座った男に両手ごと掴まれたアルミ缶が唇に触れたまま徐々に傾きを増し、勢いよくビールを流しこん でくる。けれどそんな飲まされ方で喉をまともに通るはずがなく、唇の箸から泡と一緒にこぼれ出た生ぬるいビ ールは上を向かされたアゴを伝い、ブラウスの胸元へと流れ込んでいく。 「んんっ! ぷあっ、ゲホッ、ゲホッ――んっ…おえぇ…!」  ようやく缶の中のビールが尽きた。と同時に、あたしは涙を滲ませながら体を折り曲げ、口の中に残っていた ビールを床へと吐き出した。  なんでいきなりこんな目に会うのよ。こいつらって啓子さんと友達か恋人なんじゃないの!? どうして…な んでこんな事をするのよ!!  恋人だったらどうして三人もいるのか?――そんな疑問に気付く余裕があたしには与えられない。室内に足を 踏み込んでからのものすごいまでの展開の早さと男たちの強引さに抵抗らしい抵抗さえできないまま、あたしは まるでベッドのようなソファーの上へと横たえられてしまう。 「ひゅ〜♪ スゴいオッパイだね。横になっても全然形崩れないじゃん。もしかしてモデルやってるの?」 「ハァ…ハァ……」  男たちが何か言っているようだけど、あたしはやっと出来る様になった呼吸を荒く何度も繰り返すだけで、答 えを返す事ができないでいた。 「へへへ…たまんない顔で喘いでるよな。なぁ、もう犯っちまおうぜ」 「そうだな。あっちはあっちで始めてるし、先に味見させてもらうか」 「や…やだ………やめ…て………」 「嫌がる事なんてないぜ。処女だって絶対に気持ちよくしてやるからさ」  男の一人があたしの頭の上に陣取り、肩を押さえつけているから体を起こす事も逃げる事もできない。それで も必死にもがくあたしの目の前で、もはや逃げられない事を示すかの様にもう一人の男がズボンを下ろし、派手 な柄のトランクスの中から固くそそり立つペ○スを引っ張り出した。 「あっ……」  大きい……それにあの部分、変な形に盛りあがってるけど……もしかして真珠入り!?  男はかなりの巨根だった。けれどあたしの目が奪われたのはそんなところにじゃない。ペ○スにはまるで恐竜 の背鰭の様にポコポコッと小さな瘤がカリから根元に向けて一列に並んでいたのだ。  その光景はあまりのも奇怪だった。見慣れているはずの男性器はほんのわずかに盛り上がっているだけだと言 うのに、今までに視た事もない肉の凶器の様にあたしの目には映り、それが軽く扱かれながらあたしに向けられ ただけで、恐くて全身が小刻みに震え始めてしまう。 「その顔その顔♪ 女を犯すの脅えた顔を見るのが一番の楽しみなんだよな♪」 「いや…いや……そんなの、入れないで……」 「緊張してると痛いだけだぜ。俺が出すまで力抜いて、股開いてなって」  男の手があたしの膝にかかる。恐怖で力の入らない脚はガタガタと震えながらも、膝の裏に入った手の平にゆ っくりと左右に開かされ、 「あんたたち、いいかげんにしなさい!!」  ―――鋭く、  それを聞いた人間の思考を一瞬で切り捨てるほどに鋭い怒りの声が、凌辱の宴が始まろうとしていた室内の空 気を震わせた。  その声の主はあたしでも、三人の男たちでもなく―― 「………啓子…さん?」


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