第2章「−1」第9話


「んっ…んふぅ……んむ……」 「おおおおおっ! あうっ!」  「拓也」のペ○スに口をつけたその瞬間に、蒸せ返るほどの生臭い精液の匂いがあたしの口内に満ち溢れる。鼻 にまで逆流してくる濃密なチーズ臭に少しだけ顔をしかめながら口を開いてゆっくり飲みこんでいくと、肉棒に たっぷりと絡みついた白濁は口内の粘膜へとへばりつき、唾液と混ざりながら舌の上に溜まり始める。 「んくっ…んくっ……ふぅぅ……んっ……」 「あ…温かい……これが女の子の……ううっ…!」  チュパ…チュパ……ジュル…ジュルル……ジュプ…クチュ……チュパチュパ…… 「うっ!…あああ……おっ…んんっ!! す…スゴい……舌が…柔らかい舌が……」  唇が肉棒の根元に達するまでの間、あたしの口の中では唾液と精液にまみれた舌をビクビクと震える先端に円 を描くように絡みつかせる。出したばかりだというのにパンパンに張り詰めた「拓也」の亀頭は表面がツルツルし ていて舐め心地がよく、舌の表面のVの字の溝でレロンと舐め上げ、唯一舌先に引っかかる射精口にそこから出 てきた精液を押し返すように舌先を捻じ込んでみる。 「うあ……ああうっ!…あうっ!」  三分の二も飲みこむと亀頭は舌先では触れられないほど奥に入ってきた。その頃には体に染み込んでくるよう な白濁液の匂いと口の中で跳ねまわるペ○スの感触にすっかり酔ってしまっていたあたしは、唇と肉茎の隙間か ら垂れ落ちる精液を啜りながら上あごの丸みに男根の先端を触れさせ、少し凹凸のある粘膜でこすりながら喉の 奥に入り込むところまでペ○スを飲み込んでしまう。 「あむぅ…んふ……くふぅ……」  思ってたよりも大きい……口の中がいっぱいになってる……  脈を打つたびに大きさと熱さが増していくペ○スは、まるで楔のようにあたしの喉を押し開き、思わず吐き出 してしまいそうな巨大な異物に感じられる。目を閉じ、苦しさに眉を震わせるあたしだけど、それでも精液の代 わりに唾液が伝い始めた肉棒の根元を左手でキュッキュッと締めつけ、右手で玉袋を弄びながら、さらに深く飲 みこもうとするように吸淫している唇から少しずつ引き抜いていく。 「す、スゴい……ああ…こんなに…気持ちいいなんて……も、もう出ちゃいそうだ……」  ペ○スどころか腰まで震わせる「拓也」の様子にチラッと視線を上げて表情をうかがうと、座っていたはずなの に、あたしのゆっくりとしたフェラの間に床に手を突いて上半身を後ろに倒し、初めてしてもらう口内奉仕にか なり興奮しているみたいで、顎を少し上げて大きな呼吸を繰り返し、その合間に感極まった喘ぎ声を上げていた。  もういいかな? ここも十分固くなったし…… 「んんん……ぷぁ……はぁ、はぁ、はぁ……」  カリの出っ張りに引っかかるところまで唇を引き上げたあたしは、そこで頬がへこむほど肉のストローを吸い 上げると、キュポンと音を立てさせながら口から肉棒を引き抜いた。 「うあっ!!」 「まだ出しちゃダメよ。せっかく元気にしてあげたんだからね」  ギュウウウウウウウウ  「拓也」の体が跳ねあがり、腰を震わせるよりも早く、あたしは根元を掴んでいた手に力を込めて肉棒の中を通 る射精管を左右から押しつぶす。 「あっ、あだだだだだだだだ!? な、何するんだよ、そんなに握ったら、うっ!」 「だから出したらダメなの。なんであたしが咥えてあげたと思ってるのよ。ここでイっちゃったら本当に終わり にするからね」 「でも、でも…あううううっ!!」  さすがに二回も出してしまったから、あたしとする前に勃つかどうか不安だったんでフェラしてあげたんだっ たけど、その心配も杞憂だったみたい。泣きそうな声を上げてるけど、込み上げてくる射精感の逃げ場を塞がれ てしまった「拓也」のペ○スはさっきからあたしの手の中で暴れまわっていて、ドクンドクンと脈打つ感触からは 手を離せば真っ白い液体が大量に放出されるだろう事が容易に想像させられる。  けど、あたしも中途半端に終わらせる気はない。「拓也」がどんなにもがいても激しい脈動が収まるまではペ○ スからは手を離さなかった。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…お…お願いだから…もう離して……気が…狂いそう……」  ん……ちょっと可哀想になってきたな……頭にきてたから、少しやりすぎちゃったかも……それに収まったみ たいだからそろそろいいよね。  床に倒れこみ、腰を真上に突き出すように苦しむ「拓也」の姿に罪悪感を覚えてしまたあたしは肉棒にキツく食 いこませていた指先の力をフッ…と緩めてしまう。 「ごめんね……その代わり…もっと気持ちいい事をしてあげるからね」 「き…気持ちいい事?」 「うん……今度はあたしがしてあげるから……」  やだ…自分で言っててなんだかドキドキしてきちゃった……落ちついて、これはただ教えてあげるだけなんだ から。こいつがこれから先で明日香とエッチするときに困らないように……  「拓也」の不甲斐なさへの怒りの勢いでオナニーを始めたりフェラをしてあげた所まではよかったんだけど、こ うして弱々しい声を出されると罪悪感だけでなく、そんな相手に今から自分でしようとしている事に顔が熱くな るほどの羞恥心を感じてしまう。だけどその感情はあたしの体の中でくすぶっていた官能の火を呼び起こし、何 を期待しているのか、お腹の奥で膣が大きくのたうって粘膜同士が擦れ合い、グチュリと言うイヤらしい音が頭 にまで響いてきた…… 「それじゃあ…あの……そのまま動かないでね。あたしも自分からって言うのはあんまりした事無いから……」  暗闇でお互いの顔色など見えるはずも無いのに視線を逸らしたあたしは仰向けになっている拓也の上に両手を ついて覆い被さると、今すぐにでも射精したいとパンパンに膨れ上がっているペ○スの上に秘唇の位置を合わせ て膝立ちになる。  グチュ…… 「んっ……」  手を唾液と舐め残した精液でヌラヌラの男根に添え、最初の挑戦では入れる事ができなかった先端部分をもう 一度、あたしのアソコへとあてがう。するとほてりの残る体は自然と男性を受け入れる準備をしてしまい、真下 を向いた膣口からトロトロと愛液が流れ出してしまい、真上を向かされたペ○スの先端から根元に向かって流れ 落ちて行ってしまう。  あ、あたしってば、なにこんなに興奮してるのよ!? 相手は「拓也」なのよ? あたしは…別に気にしてなん か……  一度は振り払った思いだけど、ここに来て再び困惑となってあたしに襲いかかってくる。相手は自分自身…… もし、あの時「拓也」が射精しなかったら迷う事も無かっただろうけど、今はあたしの方からSEXしようとして いる。本当にこれでよかったのかな……最後の最後に来て湧きあがってしまった感情はあたしの胸を大きく鼓動 させるけど、体の方はもう止まらなかった。 「い…入れるわよ……あんまり…動かないでね……」  熱く湿った空気に満ちたスカートの中でペ○スを握った手が小さく振るえている。その手がずれてしまわない うちに、あたしはゆっくりと膝の力を抜き、「拓也」のペ○スを生殖の為の穴へと埋めこんでいった。 「んぁ…あっ!…ふぁあああっ!」  ズウズブと音を立てて「拓也」のペ○スは狭いあたしの秘孔を逆流してくる。あたしの膣内にはたっぷりと蜜が 湛えられていたはずなのに、まるで互いの性器が吸い付き合うように粘膜は肉棒へと絡みつき、少し突き入れら れるだけでも「拓也」にまたがっているあたしの体はワナワナと震えてしまう。 「はぁぁぁ……あぁぁぁ……」 「あうっ……スゴくヌルヌルなのに……チ○ポをギュウギュウに締めつけてくる……これが…女の子の中……」  こ…この感覚……なんだかよくわからないけど…スゴく……いい…気持ち…いい…… 「んっ……んんっ!!」  長い息を何度か吐き出して呼吸を整えると、唇を噛み締め、グッと腰を下ろす。すると「拓也」のお腹が股間に 勢いよく当たり、同時に、一気に秘裂の中を突き進んだペ○スの先端が子宮口を直撃する。  スゴい……こんなに…気持ちいいなんて……  根元までペ○スをヴァギナの中に飲みこんだあたしはその姿勢のまま動かなかったんだけど、それでもジンジ ンと痺れるような喜悦があたしの中に広がっていく。左右に開いた太股はガクガクと震えだし、「拓也」の下腹に 密着した恥丘の膨らみは大量の愛汁を溢れさせながらギュウギュウと強烈に肉棒の付け根を締め上げる。  だ…だめ……入れてるだけでイっちゃいそう……これじゃ…意味が……で、でも……ものすごく……い…いい ……  自分では動いていないつもりでも、腰は売るんだ股間を「拓也」に擦りつけるように前後左右に小さく動いてい た。その動きに合わせ、亀頭が子宮口をこじ開けるように膣の最奥の場所を細かく何度も抉り、その刺激にあた しの体は徐々に湾曲し、苦悶にも似た表情を浮かべてしまう。  い…イく……このまま腰を動かしたら…一突きでイっちゃうかも……  繋がった場所で大きな鼓動が何度も響く。  いつもとは違う快感を覚える恐怖から無意識に上にあがろうとする腰を必死で抑えつけるが、それでも小刻み な腰の運動までは止める事が出来ず、チュプチュプと小さく、それでもはっきりと恥ずかしい音を響かせてしま う。 「あっ…あっ…ああっ……」  「拓也」の胸に両手をつき、天井を見つめるあたしの視線にはもはやなにも映っていない。円を描くように蠢き だした豊満なヒップの間から水音が聞こえてくるリズムに合わせて、痙攣を繰り返す肉穴は逞しい男根を締めつ けるように収縮を繰り返す。  もはや絶頂も時間の問題だった。いっそこのまま――まるでその部分で溶け合ったかのように「拓也」の上から 動かないあたしがそう思うだけで、汗で肌に張り付いた制服の下にビビッと快感の波が走り抜けてしまう。 「はぁぁ……うっ……」  じわじわと染みこんでくる快楽。息をするだけで、心臓が鼓動するだけで、確実にあたしの体はアクメへと近 づき、必死に耐えようとするあたしの意思は熱にとかされて徐々にその形を失いだしている。 「ひゃ…はぁ……うぁ………んんんっ!」  反りかえっていた体がゆっくりと前に折れ曲がり、そして弾けるように伸びあがる。  汗を拭くんだ髪が舞いあがり、目に見えないほど細かい水滴を撒き散らす。  押し寄せる快感に開いたままの唇からは熱い吐息と感じている事を示す甘い喘ぎ声が漏れる。  そして、アソコの粘膜はビクビクっと収縮し、膨らみきった官能の炎が開放される瞬間を求めて子宮をちりち りとあぶり、ドロドロの愛液を結合部から溢れさせて――  ドプッ 「………えっ?」 「う……うううっ!!」  その衝撃でどこかに飛んでいたあたしの意識は現実世界へと戻ってきた。  ドプッ、ドクッドクッ、ビュクン、ビュル、ドププッ  亀頭にこじ開けられた子宮口から、子宮の内壁に向かってなにか塊のような物が叩きつけられる。  体の方はその衝撃に合わせて上り詰めようとしていたけど、何が起こったのかと動かした視線の先で「拓也」の 顔を見た瞬間に、そんな気分も吹き飛んでしまった。 「はぁぁ……出ちゃった………」  そう呟いた「拓也」の顔は、射精のもたらした快感と開放感にこれ以上無いと言うほどにだらしなく緩んでいた。 それが……またしてもあたしの心に怒りの炎を灯し、さらにガソリンまでぶちまけてくれたのであった。


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