Gルートその16


 どうしてこんなに大勢の人がこっちを見てるのよ……いた、見ないで…見ないでよ……  自分が声を出してしまっていた事に気付いておらず、どうして視線が集中しているのか理解する事ができない あたしは完全に混乱してしまっていた。  軽蔑…欲情…憐憫…遠慮…興奮…嫌悪…様々な色を持つ視線にさらされ、恥ずかしさのあまりに頭から音を立 てて血が引いていく、と同時に水面が、室内が、視界にある全ての物がグニャリと歪み、あたしは立っていられ なくて水の中に沈んでしまいそうになる。  けれどそうはならなかった。プールの端に腰をかけている筋肉男の股間から離れ、後ろによろめいたあたしを 抱き締めたのは、触れているお尻の肌に火傷しそうなほど熱く勃起させた肉棒を押しつけている水泳男だった。 「ショックか? ま、お嬢様にはちょっとキツかったかもな。けど、俺たちは忠告したはずだぜ「声を出すな」っ てよ」 「ど…どうしてこんな事……」 「お前が騒ぐからさ。黙って犯されていればこんな事にはならなかったさ。ほら、あそこの親父見てみるよ」  なにも考えられず、伸ばされた水泳男の腕の先――プールの真ん中当たりのコース、スタート近くへと視線を 向ける。そこには体つきはがっしりしているが、やや贅肉が付き出した感のある中年の男性がこちらに目を向け ているのが見えた。 「あの親父、俺たちがお前をここに連れ込んでから、ずっとお前の胸ばかり見てたぜ」 「あっ……」  あの人もあたしの事を…胸を見てたの…やっ……いやぁ……!!  反応こそ遅かったものの、男が耳元で囁いた言葉の意味する事を理解したあたしは、二本の腕で水中に隠され た胸や股間を力いっぱい押さえつける。いまさら遅いと分かっていても、少しでも視線の感触から逃げるように 体を隠そうとする。  室内プールはかなり静かだった。あたしが最初に泳いでいた時はもっと人の話し声や泳ぐ時に水を打つ音が響 いていた。けれど今は、泳いでいる人はほとんどおらず、大勢の人があたしの方に視線を送り、グループで集ま っては小声で囁きあっている。  その声までは聞き取れないけれど、言っている事はこう――「なんてスケベなんだ」って……そうとしか思えな い…… 「おい、尻出せよ。後ろに向かって突き出せ」 「えっ?…は、はい……」  あたしの頭の中は既に回りの人たちの、こんな場所で性行為をしてしまった事に対する辱めの言葉でいっぱい だった。そんなあたしの思考の空白をつくように水泳男が呟いた言葉を、なにも考えずに、なにも考えられずに、 素直に従ってしまう。  まるで肌に吸いついてくるような感じのプールの水を押し分け、差し出されたお尻……水中と言う事もあり、 見られやすい胸よりも意識の行っていなかった丸み膨らみに、男の興奮したペ○スの先端が押し付けられた。 「ひっ!?」  視線とは違い、明らかに形を、あたしのお尻をグリグリと押しこんでくる硬さを持った男根は、そこに穴があ るとでも主張するかのように、ぴたりと亀頭の先端を貼りつけ、ヒップの丸みを突いてくる。一度お尻の穴で犯 され、イってしまった感覚が、再び体のあちらこちらに蘇って来てしまう……数十の視線が向いている事も忘れ、 あたしはアナルをもう一度犯される事に脅え――いや、明らかにそうされる事を期待しながら、小さく縮めた体 をビクンッビクンと震わせてしまう…… 「へへへ…しっかり感じてるじゃないか。恥ずかしがってても体の方は正直だよな。今度は足だ、どうせ下の方 は誰にも見えないんだから開いちまえよ」 「そ…そんな……んんっ…!」  お尻だけじゃなく、うなじには舌が、おなかやウエストには男の指が巧みに動き回る。おっぱいやお尻のボリ ュームに比べ、キュッと引き締まったウエストの滑らかなラインに、まるでそれぞれが別個の生き物のような十 本の指が優しく這いまわり、唾液が滴るほど耳たぶを舐めまわされ、舌先でほじられる。  んっ…やぁ……そこ…弱いのに……んんっ! お、おっぱいも……あっ…下…ア…アソコ……ヒャアッ!!  視線に脅え、硬くすくんだあたしの体と心を解きほぐすようにじっくりと責めてきていた男の動きが、一変、 腕の力が抜けたのを見計らって必死に隠していた乳房をしたから鷲掴みにすると、この場にいる男性のほとんど が唾を飲みこんで凝視しただろう豊満なバストをたっぷりと揉みしだく。  それと同時に、肉茎が太股の間を通って割れ目の立て筋に押し当てられ、あたしが胸をねじ上げられるたびに 体を揺らすと、そこだけは生暖かい液に包まれた陰唇に肉茎がグリグリと割り入ってきてしまう。男が少し腰の 角度を変えるだけで、敏感になりすぎてしまったあたしの体は過剰に反応してしまい、恥ずかしさとどうしても 沸きあがってきてしまう快感の間で戸惑いながらも、秘部で肉茎をなぞる様に腰を動かしてしまう。 「あっ………んんっ……」  腕が胸の上から解け落ちる。苦しそうに呼吸をするだけでもたわわに揺れる膨らみが露わになると、さらに視 線がそこに集まってしまったような気持ちになる……見られていると思うだけで、先端が疼いて疼いてしょうが ない豊乳に指が力強く食いこむと、あたしは恍惚とした表情を浮かべ、吐息は更に熱いものとなってしまった… … 「いい顔だぜ。何人に見られたっていいじゃないか。気持ちいいんだろう?」 「あっ………う…うん……」 「だったら胸がどんな感じか言ってみな」 「む…むね……おっぱい? うん…揉まれるたびに……痛いんだけど…気持ちいいの………乳首だって…触れら れただけで痺れて…んんっ!! そ、そう…んんっ…あ、はあぁぁぁ……!!」  あたし…何を言ってるんだろ……こんな恥ずかしい事…こんなところで…こんな男に……あっ!…で、でも… でもぉ……んっ……  目を閉じ、あれほど嫌悪していた男の腕に全てを委ねてしまうと、硬度を増した乳首をコロコロと転がされた り、乳房の中に埋め込まれたりと入念に弄ばれるたびに、あたしの体には堪えきれない快感が走り抜ける。 「素直になったもんだな、このスケベ女。そら、プライドなんか捨てて、おねだりしてみろよ。そうしたら…こ いつでマ○コをグチャグチャに掻き回してやるぜ」  そして下半身では秘唇の下側を逞しい男根に激しく擦られ、いつの間にか動き出していた男の腹筋が張り詰め んばかりのあたしのヒップをパシパシと打ち付けていた。 「ああん……ああっ……おおきい………」  肉棒はあたしのおマ○コを広げるように動いている。下から上へ…何度も擦られるうちに、二つの性器の間に はドロドロの愛液と粘膜が絡みつき、体の中を通してあたしの耳に卑猥な音を伝えてくる。 「………お…お願い……」  あたしは細く目をあけると、後ろの水泳男だけを見、小さく口を開く。  逃げたかったのかもしれない……あたしは、大勢の人に見られていると言う事を忘れ、快感の中に逃げたかっ たのかもしれない…… 「もう…欲しいの……立ってられないぐらい…アソコが疼いてるの……………きて………あたしを…あたしを犯 して………」  最後の方は震えて声にならなかったかもしれない……けれど、あたしは自分の意思で、彼に抱かれる事を望ん でしまった…… 「んんっ……」  お尻がフルフルと震える……男のおなかに当たっている膨らみを、ねだるように震わせている……ペ○スを押 しつけられた秘唇だって、あたしが求める言葉を口にした途端、さらに大きくヒクついてしまっている。 「おいおい、今は僕の番なんだよ。そっちで勝手に盛りあがらないで、ちゃんと舐めてくれないか?」 「悪い悪い。この女に牝犬の心構えって言うもんを教えててな」  その声は筋肉男の物だった。あたしがフェラチオを途中で止めてしまい、こうやって水泳男に愛撫されている のを見ていたのだろう、その声には明らかに興奮の色が見て取れる。 「けど、こいつはもう完全に俺たちの女だぜ。その証拠を見せてやるよ。お前のチ○ポをこっちに向けな」 「ん? こうかい?」 「あっ……」  スゴい……こんなに…大きかったっけ……  ――ゴクリ  まるで大砲の先端を突き付けられたような気分だった。あたしが舐めていた先端部分は淫らな輝きを今でも放 ち、先端部分はいつでも精液を射精できるように大きく口を開いている。それに、あの大きさ……ビクンビクン と脈打つたびに跳ねあがる肉棒の威容を見てしまったあたしは、アレにアソコを掻き回される事を想像してしま い、その快感に思わず唾を飲み込んでしまう。 「ほら、もう分かってるよな。シャワー室と同じ事をすればいいのさ。今度はお前からな」  そんな事は言われなくたって分かっている。あたしは…今のあたしは、アレが欲しくて仕方がない……  一歩もない距離――水泳男の腕のな化から開放されて自由になったあたしは、体にまとわりついて重たく感じ る水の中から手を差し出すと、肉竿にゆっくりと指を絡みつかせていく。  両手で握り締めると、それでも顔を突き出している巨大な亀頭はますます膨らんでいくように思えた。そして、 限界にまで膨らんだと思えるまで我慢したあたしは……目の端に映る人々の事など忘れて、男根を口の中に迎え 入れてしまった……


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