プロローグ


 父さん、母さん、エドワード、お元気ですか。私は元気です。
 祖国オーストラリアを離れ日本の某大で水産資源保護について学び始めてから早数年が過ぎました。
 季節が正反対の異国の地での暮らしはまだ戸惑う事も多いけど、高名なサコミズ教授に師事し、またゼミ生の皆も留学生の私を快く迎え入れてくれ、とても充実した学究の日々を送っています。
こちらで学問を修めた後は帰国し、子供の頃からの憧れである南太平洋を守る仕事に就ける様頑張るつもりです。

 残念ながらせっかく送ってもらった航空券ですが、今年の夏はゼミの皆と研究を兼ねた旅行に行くこととなりましたので、そちらには帰ることができません。ごめんなさい。ですが、年末にはきっとそちらに帰れると思います。

次のクリスマスには一緒に祝えることを願って。 レイチェル


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