STORY・1


慣習・風習・・・ある土地や社会で長い間、伝えられ認められたならわし。 それ故に、これを何故しているのか?と聞いたとしても誰もわからない。 だから、多少おかしなことでも、慣習だからと受け入れてしまう恐れがある。 そんな慣習・風習を常日頃、監視しているのが彼女たちディスリーとレフォー である。 「しかし人間っておかしなもんだね〜慣習となると何でもやっちゃうんだから♪」 黄色のロングヘアー、レモン色の眼をした少女、ディスリーが明るく話してくる。 「仕方ないわよ。まあ、最近は文明が発展したから、おかしな風習は全部変えたけど・・・」 青のショートヘアー、水色の眼をした少女、レフォーが落ち着いた口調で応えてくる。 「しかし、慣習が”大いなる異常”で変えられたことに誰も疑問に思わないのかな?」 「思うけど習慣だからやっちゃうんでしょ?まあ、その異常を探して報告するのが私たち の仕事なんだから」 面倒な説明は省くとして要は”大いなる異常(being great Abnormalities)”によって おかしくなった慣習や習慣を発見し”ある機関”に報告をして、修正をお願いするのが 彼女たちの仕事である。 「で、しばらくは日本の狂った慣習を見つけるのが私たちの仕事だよね♪」 「ええ、早めに見つけて”あの機関”に報告して修正してもらうのが私たちの仕事よ・・・」 「けど、”あの機関”が自ら探せばいいような気もするけど?」 「極力、人間世界に干渉したくないみたいよ。”あの機関”は」 「ふ〜ん・・・で、その関係で私たちも修正する力を制限されてるってことなんだ♪」 「そういうことね。もどかしいけど、どうする事も出来ないしね。とにかく早く発見しなさい」 「ほーーい♪」 ディスリーとレフォーが周りを良く見ると着物をした人たちが見かけられる。 どうやら、今日は正月であることが判断できた。 「おおっ♪お正月だね。凧揚げて〜駒を回して遊びましょうだね」 「最近はそんなことをする風景はなくなってるけどね・・・」 「確か、年神さまを迎える儀式だよね。レフォー?」 「ええ、五穀を司る作物神であり、祖先神でもある年神さまを迎える大事な儀式よ」 「おめでとうございますって確か年神さまへの言葉だよね」 「そうね、そんな年神さまへを迎える風習をおかしなものにしてはいけないのが 今回の私たちの使命ってっことね」 「・・・レフォー、早速間違いを見つけたよ♪う〜ん、あれじゃ年神さま以外を迎えて しまいそうだね♪」 「門松のこと?年神さまが降りてくる目印よね..それがおかしくなってるってこと?」 「”MATU(松)”が、ただのMになったみたいだね。う〜ん西洋ちっくだね♪」 「門M?何よそれ?一部伏字のような表現ね」 「ほら、あそこに門Mがあるよ、レフォー♪」 【門M】・・・門松が変化したもの。緊急修正必要あり。  一家で一番美しい女性が全裸となって門の前で”M字”になって迎える風習。  おま●こが開けば開くほど喜ばれ、めでたい象徴となっている。  女性が多く居る家庭では門や玄関の両側に門Mを飾るのがよい。  M字になってる女性は風邪等を引かないよう、上手く暖を取らせる工夫も必要。 「だって♪レフォー」 「・・・どうして、こんな卑猥なものをあっさり受け入れてんのよ♪誰か恥ずかしいと 思わないわけ?」 「だって、慣習なんだし、諦めてしてるんじゃないのかな♪」 「こんな習慣が続いてたなんて・・・あれじゃ、いつ犯されてもおかしくないわよ」 「大丈夫だよ、ほら一応神聖なものなんだし・・・どこでもやってるみたいだよ。ディスリー」 「こんなこと、日本全国でやってるわけ?」 「そうみたいだよ♪ちょっとワープして確認してみない?」 ディスリーとレフォーがワープした先は芸能人が良くいる地域で有名なとこであり、多くの マスコミが凄い数で押しかけていた。 「ほら♪あそこにアイドルの***きょうこ(あえて平仮名)ちゃんの門Mがあるよ♪」 「ちょっとぉぉーー芸能人でもこんな風習を受け入れてるの?」 「そりゃ日本の慣習だもん♪断わる理由なんてないっしょ」 「・・・・異常だわ..異常すぎるわよ」 「まだ芸能人ならいいと思うけど、永田町なんか、ちょっと見たくない門Mがいっぱい 飾ってるよ♪」 「そりゃ・・・見たくないわね」 「けど、何か近年では門Mが襲われる事件が起こってるみたいだね」 「当たり前よ・・・今は平成であり21世紀よ。全裸で玄関にいる風習など危なすぎるわよ」 「でも、どうやら門Mにつられる感じで他の慣習も狂ってるよ♪」 「もしかして、しめ飾りや輪飾りのこと?あれは前の年で起こった不浄を祓い清める大事な 習慣が込められたものなのよ」 「いや・・不浄を祓い清めるのは合ってるけど、それは不浄な行為をしたことを祓い清める ものになってるよ♪」 「不浄な行為?」 「そう、女性が前の年で不浄な行為をしてしまうと、それを祓うために正月にしめ縄で 縛られる慣習があるみたいだよ♪」 「何なのよ・・・そのずれた解釈は・・・・」 「ほら、あそこにしめ縄で逆海老縛りされて置かれている女の子がいるよ♪相当、不浄な ことをした感じだね」 「・・・・完全に解釈がおかしくなってるわね..で、輪飾りも同じ感じでおかしくなってるの?」 「そうみたいだね♪輪の形にしたもので少し不浄した女の子のおっぱいやクリちゃんを縛る ようになってみたいだよ」 「そっちの方が不浄すぎるわよっ!早速、報告して修正よ!修正っ!」 「そうだね♪まずは、そっちを片付けた方がいいね♪かなりおかしくなってる感じだから」 「ディスリー・・・そりゃ、どういう事よ」 「玄関の外でこんだけ狂ってるんだもん♪きっと、もっといろんなものがずれてるはずだよ」 「はぁぁぁ〜先は長いってわけね...ディスリー」 「まあ、とりあえず、先に”あの機関”に修正報告だした方がいいよ。レフォ」 「そうね。今レポートを作って送っておくわ..」 こうして、レフォーの修正依頼によって下記の習慣については直ちに修正がかかることに なった。   【門M】全裸の女性がM字型で玄関に飾られる習慣 → 修正完了   【しめ飾り】前年不浄行為をした女性が全裸で縛られる習慣 → 修正完了   【輪飾り】前年少し不浄行為をした女性がおっぱいやクリを縛られる習慣 → 修正完了 「おおっ、さすが”ある機関”修正が早いよね。でも、何か色っぽさが消えてしまったね・・・」 「卑猥さが消えたってことよ、これが普通の正月なのよ。ディスリー」 「じゃあ、今度は家の中の慣習に行くとしますか。レフォー」 「そうね。あんまり卑猥さが増してなければいいんだけどね」 まだまだ続く正月の修正作業。果たしてまだこれ以上の卑猥な間違いがあると言うの だろうか..


続く