■中編


目覚ましが鳴っている。手を伸ばしてそれを止め、体を起こした。
私は全裸のまま。シーツには染み。昨夜の事が夢でないのがわかる。

「もう。あのお婆さん変な薬を寄越して・・・!」

憤慨しながら枕元に転がった小瓶を手に取る。
叩き割ってやろうか。部屋が散らかるだけで何の意味も無いか。
今度会ったら文句でも言ってやろうかな・・・・
などと考えていたら小瓶に小さな文字が彫られているのを見つけた。

『perfume(香水)』

・・・・名も知らぬお婆さん。疑ってゴメンなさい。私が悪うございました。
飲み薬じゃなかったのか。そりゃ体が変にもなるわけだ。
幸いなことに体の異常は収まり、体調も悪くないしおかしな所も無い。
汗をかいたまま裸で寝たけど風邪も引いていない。むしろ疲れてぐっすり眠ったお陰で頭も冴えている。
昨夜のことはちょっとした悪い夢として忘れてしまおう。香水を使えなかったのは残念だけど。

私はそさくさと服を着て朝食を済ませ、いつも通り学校に向かった。


学校へは電車で行く。家から駅まで10分。電車に揺られて20分。駅から学校まで10分。大体それくらい。
歩き慣れた道をテクテク歩いていると異変に気付いた。

「あぅ・・・あれ? まさか・・・」

体が疼く。昨夜と同じ・・・・?

「気のせいだよね。気のせい気のせい・・・」

そう思いこんで駅に向かうも、疼きはだんだん大きくなってくる。
歩くのも辛いくらいに感度が高まってきた。しかし家に戻っていては遅刻は確定。とりあえず駅に行こう。

(ちょっと恥ずかしいけど駅のトイレで自慰して静めるしか・・・)

早めに済ませることが出来ればギリギリで遅刻は無いだろう。
たどたどしい足取りで駅へと急いだが、駅につく頃には疼きは少し治まっていた。

(これなら大丈夫か・・・あ!)

のろのろ歩いたせいで少し遅れたようだ。もう発車ベルが鳴っている。
慌てて電車に飛び乗った。直後にドアが閉まり、電車が走り出す。
『駆け込み乗車は危険です。電車の遅れの原因にもなりますので〜〜〜』
そんな嫌味のような車内放送を聴きながら、私は二つ後悔していた。
一つは、慌てて乗ったせいでいつもの女性専用車両ではなく通常車両に乗ってしまったこと。
もう一つは、やはりトイレで体を静めておくべきだった事。
治まったと思っていた疼きが再び襲ってきた。

(うぅ・・・はぁん・・・嫌ぁ・・・)

敏感になった体が窮屈な電車内で揺らされる。
周りは男ばかり。全身をまさぐられているような感覚だった。
電車が駅に停車して揺れが治まる。一息つきつつ、一旦降りようかと迷った。
しかし朝の電車というのは誰もが急いでいる。
迷っている内に降りる人はさっさと降り、別の人が乗車してくる。
人の群に押されて車内の奥のほうまで押し込まれた。

(ひあっ、ああん、あああっ! もう止めてぇ!)

体がぶつかり、擦れる度に快感に悶えさせられる。
声が出そうになるのを必死に堪えてつり革に捕まった。
再び電車が走り出すと揺れに合わせて快感が襲ってくる。もう倒れてしまいそうだった。
ふと気がつくと、前に座っていた大学生くらいのお兄さんが私の顔と足の辺りを交互に見ている。

(何・・・? あっ!?)

散々感じさせられて、私の秘裂からは愛液があふれ出ている。
ショーツをぐしょぐしょに濡らしても止まらないソレが、腿や脛をつたってソックスまで濡らしていた。
お兄さんはそれをニヤニヤしながら眺めていた。

(見ないでぇ・・・私、痴女じゃないのよ・・・)

心の中でいくら嘆いてもどうにもならなかった。
次の駅に停車したので、とりあえず場所を移すことにした。
そのお兄さんの前に立ち続けるのは恥ずかし過ぎる。
快感に震えながら人ごみを掻き分けて、ドアの前に陣取った。
ここなら濡れた足を見られることも無いし、目的の駅に着いたらすぐに降りられる。

相変わらず電車は込んでいる。いつもは女性専用者だからここまでは・・・

(・・・って、駅に止まったときにそっちに移れば良かったじゃない!)

今更気付いても遅い。降りるのは次だ。あと一駅我慢しよう。

体は更に敏感になっているようで、揺れるたびに意識が飛びそうになる。
座席前のつり革に捕まっていた方が体が押しつぶされない分マシだったかもしれない。
でもさっきみたいに濡れてるのを見られたら・・・
と、その時電車が大きく揺れた。

「ひゃああぁん!」

思わず声が出てしまう。何事かと周囲の視線が集まって顔が熱くなった。
その後も電車は揺れ、その度に体が擦られ、また潰されて何度もイキそうになった。

(早く着いて・・・)

そう願いながら歯を食いしばって耐える。
ようやく駅に到着し、やっと解放されると安心しきった時。
ドアが開いた。駅に着いたのだから当然ではある。
そのドアに押しつけられるように立っていた私は胸を擦られることになる。

(ああんっ!!)

更に、窓枠の凹凸に敏感になった乳首を思いっきり弾かれた。

「っっ! ああぁぁぁぁーーーっ!!」

気が緩んだ所に快感を叩き付けられ、私はその場で絶頂してしまった。
フラフラとベンチまで歩いてぐったりと座り込む。
駅員さんが寄ってきて「どうしましたか?」と声をかけられた。

「大丈夫・・・です。すこし気分が悪くなっただけで・・・休めば治りますから・・・」

そう言って誤魔化した。
足の間にダラダラと垂れている愛液に気付かない内に、早く立ち去って欲しかった。


少し休んで気を落ち着けてからトイレに入って足を拭いた。
一度イッたお陰で疼きは完全に治まったが、ビチョビチョになったショーツやソックスはどうしようもない。
それにあまりモタモタしていると遅刻してしまう。私はトイレから出て学校に急いだ。


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