第2話「ミセえーもん!絶体絶命!」


 心地よい風が吹き抜ける早朝の公園、大きな声で歌を歌いながら、てくてく歩いている白い物体がいた。  言わずと知れたミセえーもんである。  朝市で買ったバナナを頬張りながら、ミセえーもんは上機嫌で歌っている。 ”あの子の裸 この子の裸  裸を見たい子 いっぱいいる〜けど〜♪  みんなみんなみんな 脱がしてくれる  不思議なバケツで 脱がしてく〜れ〜る〜♪  そっらを自由に 飛びたいな〜  ハイ! バイブプロペラ〜  あんっ あんっ ああぁんっ!  とっても大好き ミセえ〜もん〜♪  あんっ あんっ あはぁんっ!  とっても大好き ミセえ〜もん〜♪”  テーマソングを歌いながら、上機嫌で歩いているミセえーもんは、ふと、足を止める。  ミセえーもんの前に、お腹のところにのポケットがついている黄色いセーラー服を着た、一人の少女が立っていた。  長い髪を、赤いリボンでまとめて、ポニーテールにしているその少女は、怒りのオーラをあげながら、  ミセえーもんを睨んでいる。 「・・・、やっと見つけたわよ。お兄ちゃん!今日こそ、ぶっこわしてやるわ!覚悟しなさい!」  少女は、怒りに震える声でそう言った。 「げ!ミセミ!どうしてこの時代が・・・。」  ミセえーもんは、少し後ずさりする。 「ふっふっふ、鯉町博士のタイムマシンに発信器をつけていたのよ。でも、博士は、あと一歩のところで取り  逃がしちゃったけど・・・。どうやったか知らないけど、童話の絵本の中に入っちゃったのよ。  だから、せめて、お兄ちゃんだけでもと思って、この時代を探し回っていたのよ。世界中を探し回るのに  1週間もかかったわ!でも、まさか、最初に降り立った町の隣町にいるとは思ってもいなかったわ!  今日こそ年貢の納め時よ!」  説明しよう!  その少女、ミセミSは、鯉町博士がいろんな時代に放流した羞恥ロボ、つまり、ミセえーもんのような  ロボット達を、破壊するために作られた超高性能ロボットなのだ。  怒りに震えるミセミSを前に、ミセえーもんは不敵な笑みを浮かべる。 「はっはっは!お前に出来るかな?前に見つけられたときは、たしか、裸でおしっこ垂れ流しのまま、  木の枝にぶら下げてやったよな?ふふふ、その事が、今の時代に、昔話になって残っていたぞ!  池で水浴びしていた天女の話だ。男にそれを見つかり、羽衣を取り上げられたんだよな。  セーラー服なんて、あの時代の男は知らなかっただろうから、羽衣なんて呼ばれていたんだな。  池じゃなくて、おしっこだなんて恥ずかしい奴だ。男に服を取り上げられてそのあとどうなったんだ?」  ミセえーもんは、挑発的に叫んだ。  ミセミSは、その時のことを思い出し、真っ赤になる。 「う、うるさい!お兄ちゃんのせいで、あやうくメス奴隷にされるところだったのよ!隙を見て服を取り返して、  ギタギタにしてやったわ!」  ミセミSは、さらに怒りのボルテージを上げて叫ぶ。  説明しよう!  ミセミSは、超高性能ロボである。  パワーやスピードは折り紙付きだが、あまりに超高性能のため、外見や、感覚が普通の少女と変わらないのだ。  それどころか普通の少女以上に、羞恥心が強いのだ。  そのため、服を脱がされるといったような、恥ずかしい目に遭うと、恥ずかしさのあまり、力を発揮できなく  なってしまうのだ。  ミセえーもんは、その弱点を知っているため、ミセミSに見つかっても、なんとか撃退できていたのだ。 「いくわよ!今日こそぶっこわしてやるから!」  ミセミSは、すさまじいスピードで、ミセえーもんに襲いかかる。  ミセえーもんは、のろのろと逃げるが、動きが遅すぎて、あっと言う間に攻撃を食らう。  どか!ばき!がす!どかーん!ばし!めき!  ミセミSの6連続コンボが決まる。  ミセえーもんは、高々と空中に蹴り上げられる。  その時、ミセえーもんが、頭のバケツから何かを取り出す!  チャラララッチャラ〜♪ 「下からかみなり〜!」  その道具を出した途端に、地面から雷が飛び出し、高々とジャンプしていたミセミSのアソコを直撃する。  しかし、ミセミSは、びくともしない! 「無駄よ!前と同じ手は食らわないわ!今日は、ゴムのパンティーを穿いているのよ!おかげで、蒸れちゃって  気持ち悪いんだから!」  ミセミSは、さらに攻撃の手を速める。  ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカ・・・ドガシャーン!  ミセミSの、スーパーコンボが決まり、ミセえーもんは地面に叩きつけられる。 「ふっ、腕を上げたな、ミセミ・・・。」  ミセえーもんの膝(?)が、がくりと崩れ落ちる。  ミセミSがとどめとばかりに襲ってくる。  その時、ミセえーもんが、またバケツから何か取り出した。  チャラララッチャラ〜♪ 「いつでもすっぱ〜♪」  その道具を高々と掲げると、ミセミSは、なぜかいきなり素っ裸になる。 「え?きゃあああああああああ!」  ミセミSは、いきなりの出来事に悲鳴を上げ、胸と股間を隠してへたり込んでしまう。 「ふふふ、どうした、ミセミ!とどめを刺すんじゃなかったのか?」  ミセえーもんは、笑いながらミセミSに近寄る。 「いやああああああ!恥ずかしいよおおぉ!来ないで!来ないでぇ!」  ミセミSは、叫びながら後ずさりする。  ミセえーもんは、またバケツから何かを取り出す。  チャラララッチャラ〜♪ 「勝手にしば〜る〜♪」  ミセえーもんは、そのロープの先に、何かを書き込むと、ミセミSに向かって放り投げる。  すると、ミセミSにロープがからみつき、嫌がるミセミSを、難なく縛り上げてしまう。  手は後ろで縛られ手首のところから延びたロープが、上の木の枝に結びついている。  上半身は、いわゆる亀甲縛りにされ、小さな乳房が、縄で絞られて、プルプルと前に飛び出している。  下半身はと言うと、がばっと大股に開かれ、膝を縛ったロープが、手首と同じ木の枝に結びついている。  ミセミSは、つるつるの割れ目を隠すことも出来ずに、全裸で、M字開脚に縛られた姿で、木の枝に  ぶら下がっている。  あまりの羞恥のため、ミセミSは、真っ赤になって声も出せなくなっていた。 「ミセミ、かわいい格好じゃないか。」  ミセえーもんは、楽しそうに言って、また道具を取り出す。  チャラララッチャラ〜♪ 「お漏らしベルト〜♪」  そして、ミセえーもんは、そのベルトをミセミSの腰に巻き付けた。  すると、ミセミSは、自分の意志とは関係なく、おしっこを漏らし始めてしまう。 「い!いやあああ!見ないでぇ!こんなところ見ないでぇ!」  ミセミSは泣き叫ぶが、おしっこは一向に止まらない。  ミセえーもんは、その姿を横目で見ながら、地面に落ちているミセミSのセーラー服のポケットから、  タイムマシンを取り出す。 「まったく、僕にはかなわないんだから、いい加減に諦めなさい。今度は、どこの時代に放り投げるかなぁ。」  ミセえーもんは、そう言いながら、縛られたままのミセミSを担ぎ上げ、タイムマシンに乗り込む。  ミセえーもんが、タイムマシンを操作すると、ゆらゆらと揺らめいて消えていく。  ミセミSは、まだ泣きながらおしっこを漏らし続けている。  ミセえーもんは、ある時代でタイムマシンを止めると、裸のまま、ミセミSを放り投げる。 「弥生時代なら、今度はなかなか戻ってこれないだろう。頑張れよ、ミセミ。」  そう言って、ミセえーもんは元の時代に戻って行った。 「ふえええええん、覚えてなさいよおおおお〜・・・・・・。」  ミセミSの泣き声が、かすかに響いていた。  ・  ・  ・  皆さんは、歴史の授業で、卑弥呼、と言う人物のことを習ったと思う。  不思議な術を使って、邪馬台国に君臨した、この女王卑弥呼は、実は、元の時代に戻るため、自分で必死に  道具を作り出していた、ミセミSのことである。  と言っても、何もない時代のため、なかなか思うように道具が作れなく、ミセミSは苦労の毎日であった。  しかし、当時の人々にとっては、ミセミSの作る道具は驚異であり、皆に崇められて、女王になってしまったのだ。  ミセミSは、頑張って部品を作り出しながら、いつの日かタイムマシンを完成させるため、頑張ってその元と  なりそうな物を日本中からかき集めた。  その為、交易が盛んになり、日本は、徐々に発展していくのだ。  結果として、日本の歴史に大きく貢献した、ミセえーもんと、ミセミSであった。 「絶対もとの時代に戻ってやるぅ〜・・・・・・。」  邪馬台国の空に、今日もミセミSの声が響いていた・・・。  予告!  何とか、ミセミSを撃退したミセえーもんは、普通の生活を取り戻した。  今日も乃瀬奈が素っ裸で苛められている。  そんな乃瀬奈を見て気絶する静雄!  そんな乃瀬奈にうっとりする笛子!  その時!暴走した鯉町博士の道具が、乃瀬奈達を異次元へと引きずり込む!  そこは、羞恥の限りが尽くされている世界だった!  今度は映画だ!  「大長編ミセえーもん 乃瀬奈の大魔境!」  お楽しみに!


第3話へ続く(作成中)