「羞恥の街の記憶探し」第一話:市役所での身体検査・前編


「さぁ、着いたわよ、直代さん。」 貴子さんはそう言って私を中に誘い入れた。外見はレトロな感じだったけど中はハイテクな機械でいっぱいで あった。 「ここ、凄いですね。貴子さん。」 私は率直な感想を述べた。本当に凄いと感じた。しかし貴代さんは来慣れているのか驚いた感じもなくただただ 普通にしていた。 「それじゃあ、健康保健課に行くわね。」 「健康・・・保健課ですか?」 「そうよ、此処で色々な情報を登録するのよ。此処には葉塚市の市民の全情報があるのよ。」 「そうなんですか?変わってますね。」 私は不思議な感じがした。なんで健康保健課に全市民の情報があるんだろうか? 「そんなことないわよ。まぁ、直代さんは記憶がないから不思議な感じがするのよ。」 そんなものかな?と私は思い、貴代さんに付いて健康保健課に行った。 私はここで唖然としてしまった。 「直代さん、早く脱がなきゃ駄目よ。」 「ここで・・・・ですか?」 「当然じゃない。ここでに決まってるでしょ。」 貴代さんはごく当たり前という感じで言ってのけた。こんな人前で脱ぐだなんて・・・ 「そうね、あなたは記憶がないから此処でのことわからないかも知れないけれど、此処では当然なのよ。」 「は・はぁ。」 私は曖昧に返事をした。しかしその後の言葉が私をさらに驚かせた。 「でね、此処で身体検査をするのよ。このデータが此処の街では絶対必要なのよ。」 「ええっ!!!!」 驚いて当然ではないだろうか?住基ネットと一緒のようなものだろうか? 「それからこの街では住基ネットには参加してないのよ。独立国家に近いから。」 「独立国家!!!そんな凄いですね。」 独立国家に近いだなんていったいこの街はどういう街なんだろうか?私は果たして記憶を取り戻すことが出来る のだろうか?不安になってきていました。 「さぁ、服を脱いで。」 ものすごく恥ずかしいけど、おずおずと服を脱ぎ始めました。ゆっくりと・・・。 「そんなゆっくりじゃ恥ずかしい時間が延びるだけよ。そうそう、下着も全部脱いでね。」 「そんな!!!下着もですか!!!」 こんな公共の場所で裸になるなんて・・・。でもこの街の決まりなら・・・・。私はそう思い恥ずかしながらも 脱ぎ始めた。 「あら、ずいぶんスタイルいいのね。何か嫉妬しちゃうわね。」 貴代さんは、言葉で私を苛めていた・・・。 後編へ続く


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