「羞恥都市・交流学生〜市内観光〜」2


「おい、見てみろよ。面白いバスが走ってるぜ!」
 左側一面がガラス張りになっているバスが、車内に葉塚市の外から着た二十一人の女性を乗せ、人の歩く速度でゆっくりと車道を走る。
 葉塚市をゆっくりと見て回るため……そして同時に、葉塚市の人々にゆっくりと見てもらうための市内観光。バスの左側に集まる大勢の男性の視線にシートの上で泣き悶える自分たちの痴態を晒され、やっと市内観光の真実に気付かされたけれど、少女たちには逃れる術など何一つありはしなかった。
 ―――自分たちが観光するのではない、観光されるのだ……
 一度走り出したバスの中ではシートベルトがロックされてしまい、強引に腰を浮かそうとするほどに強い力で少女たちの腰をシートへと引き寄せる。当然、少女たちの膣穴には太すぎるディルドーに子宮を突き上げられて思わず腰が跳ね上がれば、
「んはァあああッ! お、おなかの中が…ゴリ…ゴリィ……!」
 また、少女たちを悩ませているのはシートベルトだけではない。窮屈な膣を押し広げるように挿入された直立ディルドーは、電池とモーターで動くバイブレーターよりも強烈な振動で少女たちの膣内をかき回していた。左列のシートのディルドーはエンジンと繋がっており、低速で走るエンジンの振動がそのまま少女たちの蜜壷に食い込む擬似男根を震わせる。
「くイっ、あっ、はァあんんんッ! おマ○コ、おマ○コがかき回されてるゥ、ヤダ、き…キツい…うあ、ああああ……ッ!」
 表面に再現された血管の凹凸を連日の姦淫で乾く暇すらなかった少女たちの膣壁に擦り付けるように、上下左右、縦横無尽にディルドーがその身をくねらせる。だがそれ以上に、まだ膣内に異物を挿入されていることに慣れていない少女たちにとっては、蜜壷を押し広げるディルドーの太さこそが最大の難点だった。
「クゥうううぅ……! ハァ、ハァ、ハァ…んァァアア……ッ!」
 窓の外から大勢の葉塚市民にローアングルで覗き込まれながら、少女たちは太股を震わせ、腰をくねらせ、表情を苦悶に歪ませながら強制を上げる。
 座席に腰を下ろした状態でディルドーの先端は子宮の入り口に食い込んでいる。時に物足りないぐらいに弱く、時に脳天に突き抜けるほど強烈に、バスの運転手のアクセル一つで噴かされるエンジンからの振動で、敏感な少女たちは髪の毛を振り乱しながら制服に包まれた身体を雷に打たれたかのように痙攣させた。
「うァん、あッ、ああァ、う…んァあああ、やっ……こ、こんな……人が見てる、見られてるのにィ〜……!!!」
 衆目の目にディルドーという作り物でよがりなく姿を晒されている左列に対して、その後方、一段高い右列の座席に座らされた少女たちもまた、別の責め苦でよがり泣き、幼さを感じさせる可愛らしい顔を羞恥で紅潮させてしまっていた。
 むしろ、“責め苦”という点で言うのなら、左列よりも右列のほうが凶悪だった。
 バスが動き出した途端、両手は肘掛から飛び出した手錠で拘束され、馬の背に乗せる鞍(くら)のような形をした座席から真下に伸ばしていた足首もマジックハンドで捉えられてしまう。シードベルトを含め、計五箇所を戒められた六人の少女たちは、その直後に動かしようのなくなった股間を“変形”した座席によって包み込まれ、その一分後には左側の列の少女たちよりも早く、首を仰け反らせてオルガズムを極めてしまっていた。
「熱いの、座席が熱いのォ!!! イグゥ、そんな、クリ擦られたら、ああ、んァアアアアアアアアアッ!!!」
 最新のマッサージチェアーは、座る人間の体型に合わせてその背中を包み込み、指圧する場所を変える。それと同様に、少女たちの股の形にジャストフィットするように変形した鞍型の座席は、さらにシートを覆う布地から粘つく液体を染み出させ、ビッシリと起毛したその表面で少女たちの秘唇とアナルとを容赦なく擦りたて始めたのだ。
「んィいいい〜〜〜!!! イき、ます、またイっちゃいますゥ!!! だから、だからもう、許して、そんな、ああァ、ダメェ〜〜〜〜〜〜!!!」
 固めの毛先が、処女の淫裂を割り開いて膣口周辺の粘膜を、そして皮の中でおびえるように震えている淫核の先端を擦り上げる。
 前後に、左右に、まるでロデオマシンのようにシートは揺れ動き、指とも舌とも異なる強烈な摩擦で六人の少女たちの腰を激しく揺さぶった。葉塚市で過ごした数日のうちに浴場を溜め込んだうら若き肢体には拷問椅子に等しい座席でありながら、シートから染み出している潤滑液には当然媚薬も混入されている。喘ぐほどに、昇りつめるほどに、肌と粘膜から吸収された媚薬は血管を通して体中を駆け巡り、少女たちの官能を根こそぎ搾り出しながら瑞々しいその身体を若鮎のように快感シートの上でのた打ち回らせた。
「ああァ―――――――――ッ!!! やァ、やァ、イかされちゃう、こんな格好、は…恥ずかしくて、死んじゃいそうなのにィ〜〜〜〜〜〜!!!」
 シートに背中と後頭部を押し付けるように身を沈め、逆に恥骨を精一杯突き出して腰をガクガクと打ち震わせていた。角度が変わり、ブシャッブシャッと絶頂汁を噴出してしまうけれど、だからと言ってバス座席は市民を前にした羞恥凌辱ショーの手を緩めたりしない。シートから排水溝まで設けられている床へと淫汁を滴らせた少女の秘唇を、さらに割り開くように左右に小刻みに振動しながら下から上へと這いずりあがっていく。それは誰の手にも未だ触れられ、穢されていない秘所を磨き上げているかのようでありながら、限界にまで広げられた花弁と包皮から剥き上げられたクリトリスとアナルの窄まりとを徹底的に擦りたてられた少女は悲鳴にノドを震わせ、ゴプリゴプリと濃厚すぎる愛液を膣内から搾り出してしまっていた。
「もう…こんなのヤらァ……たしゅ…けて……パパァ……マ…マァ……あ…あはァ……あ…ヒッ…いいいィン!!!」
『かわいそうになァ、助けてパパァ〜ってか? 俺たちなら何人でも“パパ”になってあげるけどよォ』
『意外と“ママ”になってくれる女も多いんじゃないか? パパとSEXすんのがママなんだからさ、パパとママと三人で3P3P♪』
『けど、あんなにお漏らししまくってる娘を躾けるのは大変だぜ? おしっこする場所さえ守れないならメス犬以下だな』
『だったらオムツ履かせて赤ちゃんプレイだな。てーかよう、あんな可愛い子達ならオムツ履かせるのもおしゃぶり咥えさせるのも楽しいだろうな』
『お前、なに咥えさせるつもりだ?』
 バスの外で笑い声が上がる。それをスピーカー越しに聞かされ、晒し者にされる恥ずかしさと悔しさで唇を噛み締める少女もいるけれど、ヒクつくヴァギナでディルドーを絞り上げながら、火照りを少しでも冷まそうと舌を突き出し唇を開きながら、少女たちの間には自分たちのほうが官能には逆らえない淫乱なのではないかという考えが広まりつつあった。
 本来なら、バスの外にいる葉塚市民の方が異常性愛者であり、車内にいる少女たち二十人と女教師の方がいたって普通のはずだ。けれど今、その図式は完全に入れ替わっている。葉塚市の外からきた少女たちは全員が、バスという“ステージ”から“観客”に向けてはしたない姿を見せている。
 極太ディルドーに丸く押し広げられ、歪められた秘唇。前後に湾曲して股間を包み込む座席に自ら秘所を擦り付けるように腰を振りたくる浅ましい動きに、太股を伝い落ちていく大量の淫液。バスのエンジンが轟くほどに気絶すら許されないほどの連続絶頂に陥り、下からスカートの内側を覗き込む視線に向けて愛液を撒き散らしてしまったのも一人や二人ではない。
 背もたれの無い一人が座るだけで精一杯の座席で後ろに手を突いて身を仰け反らせ、力の入らなくなった膝を開いて車外の男たちに歓声を上げさせる姿を見て、誰が彼女を清楚や貞淑だと思うだろうか……その答えを一番知っているのは少女たち自身だ。
 だが―――
「みんな……見てるね。私たちのこと、外から見てるよォ……♪」
「気に入って、くれるかな……“挨拶”したい…SEXしたぁい……♪」
「おチ○チン、みんな、おっきく、しちゃってますか? お相手、して、あげらんないの、ごめんなさい、ごめ…んッ……はァあああああッ!!!」
 交流学生として積極的に葉塚市民とスキンシップを図っていた少女たちが、シートベルトに腰を引き戻されるのにも構わずに座席の上で腰を使い、秘唇の奥深くにディルドーを叩きつける。自ら膝を開き、スカートをめくり上げ、ビクビクと痙攣するヴァギナにディルドーが打ち込まれる様を外にいる男たちに見せつけると、不意に二人の少女がお互いに見つめあい、唇を近づけていく。
「私たちも……もっと仲良くなれるかな……」
「なれるよ、絶対……こんなに恥ずかしいこと…一緒にやっちゃってるんだもん……」
 最初は手が触れ、指が絡み合い、肩を寄せ、胸を押し付け、腕を回し、興奮を昂ぶらせながら唇を密着させる。
 バスの外で一際大きな歓声が上がった。
 同じ日に葉塚市に来て、同じような状況で処女を失い、同じような辱めを受けている。それゆえに共感も強く、前歯がぶつかるような拙い口付けを何度も繰り返しながら、彼女たちの手はブラウスのボタンを外して胸元へと滑り込み、愛液の飛沫でびしょ濡れになった内股をなぞり上げながらディルドーを咥え込んている太股の付け根へとたどり着く。
 ―――ここを……感じさせて欲しいの……
 もうバスが満足に勧めないほどに、周囲には男性たちが集まっていた。その視線を浴びているだけでも興奮は募るけれど、やはり肉体的接触が欲しくて溜まらない少女たちは、隣にいる“もう一人の自分”へと身体を摺り寄せながら触って欲しい場所に指先を滑らせる。
「は……んっ、はあァ……」
「女の子同士なのに……ん、むぅ……んはァ……♪」
「気持ち…よくなってきた……ああァ……イ…イく…ゥ………!」
「先生のオッパイ……柔らかくて気持ちいい……いいなァ…おっきくて……」
「ダ、ダメよ……生徒と教師でこんな…んっ、んん…ん、クゥ、ンむゥ〜〜!」
 次第にレズの雰囲気が蔓延していく車内の様子に、集まった男たちも生唾を飲みながらズボンの前をパンパンに膨らませる。
「みんな…見てる…イヤらしい視線で……♪」
「喜んでるよ……おチ○チンがあんなにおっきくなってる……あはっ、あの人、ズボンから出してるゥ♪」
「欲しいの……犯して欲しいのォ! 熱いおチ○ポで中にビュクビュクして欲しいのォ! 早く、早くゥ!」
 女の子同士で唇を絡め合わせながらも、視線は外にいる男たちに向いている。ディルドーの振動だけでは物足りないと言わんばかりに、お互いの手で胸や股間を慰めあっていると、突然、
「え……? と、とまっちゃったよ!?」
 バスのエンジンが停止し、それと同時に少女たちを責め苛(さいな)んでいたディルドーの振動まで止まってしまう。右列、処女の六人が跨らされていたシートに関しては電動であったため動き続けていて悲痛なほどの喘ぎ声を迸らせ続けているけれど、全身を打ち震わせていた力強い振動から何の前触れもなく解放された十四人の少女と一人の女教師は顔を見合わせながら、どうしたものかと考えていると、
「へへ……お待たせいたしました。おチ○チンのプレゼントに参りましたよ」
「可愛い顔してチ○チン欲しいチ○チン欲しいって。お兄さん困っちゃうぜ?」
「オレはあの女先生がいいな。教え子の横でどんな顔して泣き悶えるか……ガキに抱かすにゃもったいない」
 バスの乗降口の扉が開き、右列の少女たちの喘ぎ声が鳴り響くバスの中を男たちがぞろぞろと乗り込んでくる。
 男たちの数は十五人。まだシートベルトのロックが外れず、ディルドーを咥えたまま座席に座っている少女たちの背後へ一列に並ぶ。いくらかは外とバスの車内とが隔絶されているからこそ大胆に快感に狂っていた少女たちも、体温が伝わってくるほどの至近距離で背後に立たれると、困惑と緊張で身を震わせてしまう。そして恐る恐る後ろを振り返る少女の一人が見つめるその前でチャックから勃起したペ○スを取り出した男は、その唇に赤黒い亀頭を半ば強引に捻じ込んだ。
「んんっ!?」
 後ろを剥き、身体がよじれた分だけ、ヴァギナを余すことなく押し広げているディルドーと膣壁ともよじれあい、擦れあう。視線を外した車外から期待のこもった眼差しがそそがれる座席との結合部からグヂャ…と卑猥な音が鳴り響くのとほぼ同時に、大きく膨らんだ亀頭が少女の頬の内側に擦りつけられる。
(おチ○チンが硬い……この人も、私たちと親密になろうと思ってくれてる……♪)
 ペ○スから立ち上る突き刺さるような刺激臭が口内から鼻の奥へとせり上がる。それと同時に葉塚市へ入った際に徹底的に刷り込まれた挨拶の常識が頭をもたげると、少女は躊躇いながらも亀頭に舌を絡ませ、横向きに顔を振って頬の粘膜で肉棒の先を包み込んでいた。
(あ…ああァ……お父さんみたいな人の…おチ○チンを嘗め回してる……いけないよね、お…お父さんだと思っておチ○チン舐めしゃぶったら……)
 懸命に頬張っても、ペ○スは少女の口に収まりきらない。けれど少女は腰をしっかりと固定しているディルドー付きのシートの上で片膝を突いてまでして身体を後ろへとよじると、葉塚市に来て学んだ舌使いを疲労するようにネットリと肉棒を舐めしゃぶる。
「んぐ、ずじゅる、んんっ、んくっ、んっ、レロッ、んんゥ…んッ、んッ、んッ、んふッ、ん〜……」
 男へと向けた肩から先で相手の内股に腕を巻きつけ、バスの外へと向けた指先でディルドーを咥え込んだ秘所の真上でプックリと膨らんだクリトリスを摘み、捏ねる。口に含んだペ○スが熱く硬く、そして力強く脈動するほどに、少女の指も淫核を弄びながら腰を揺らしてディルドーで思うがままに膣内をかき回しながら、唇の隙間から唾液がこぼれるほどに熱心に口淫を繰り返す。
 その隣では、男の手でシートベルトを外された少女が、ディルドーから助け出した代わりとでも言うように男の肉棒で花弁を貫かれていた。
「あ、あああァ! 深いィ、おチ○チン、私の…ああ、届いてる、こんなに深く、ああ、ふぁあああああッ!!!」
 窓に取り付けられていた小さなテーブル台。そこに手を突けば後ろに向けて高々とお尻を突き出す体勢をとらざるを得なくなってしまう。窓ガラスが吐息で曇るほどにバスの外との境界線間際で、少女は大きく口を開いて艶かましい声をあげ、熱く滾(たぎ)った肉棒が抜き差しされる快感に人目があるのも忘れて酔いしれてしまっていた。
「んはああああッ、お、おチ○チン、また大きくなったァ! これ以上は、だ…ダメ、おマ○コが擦れて、感じ、過ぎちゃうゥ〜〜〜!!!」
 体重をかけた深い突き込みが、容赦なく少女の体内を抉る。挿入の深さではディルドーも負けてはおらず、むしろバスのエンジンの振動そのものとも言えるヴァイブレーションで休む暇も無くイき狂わされたのに、少女の内部は男のペ○スの脈動を感じるのを悦ぶ様に肉壁を緊縮させてしまう。内部をうねらせ、引き抜かれる男根を追いかけるように腰を振り、外にいる男たちに見せ付けるようにノドを反らせて子宮を突き上げられる快感に悶え泣く。
「おチ○チンが…ピクピクしてェ……く、ください、私の中に、精子を注いで欲しいんです! 我慢しないで……好きなだけ、私のおマ○コで、い…イっちゃって……ああ、あはァああああああッ!!!」
 少女の口からそんなおねだりをされて、我慢するほど葉塚市の男は気弱ではない。むしろ、自分と同様に少女や女教師を窓へと押し付けて犯している他の男に負けじと、勢いよく付きこんだペ○スで少女の膣奥に亀頭を叩きつけ、子宮口の周囲でグチャグチャと愛液を掻き鳴らすように腰を押し付ける。
「んっ……ふあああああァ! あ、ああァ、イく、イっちゃうゥ! 私の、私のおマ○コ、壊れる、壊されちゃうゥ〜〜〜!!!」
 絶頂を目前にして、少女はヴァギナを締め付けながら頭を跳ね上げた。
 その先にあるのは何十という男性たちの視線。極太のペ○スを微細な肉壁で押しつぶさんばかりに締め上げながら、少女は自分のイき姿に突き刺さる視線の前で意識を飛ばしながら、ブシャ…ブシャ…と音を鳴らして股間から白く濁った愛液を噴き散らしていた。
「あ…んハァ――――――――――――――――――――――――――――――!!!」
 ディルドーに膣内をかき回され、ずっと見られ続ける辱めで溜め込み続けてきた官能が、迸る精液に胎内を打ち据えられた瞬間に一気にはじける。
 そこにあるのは単なる快感ではなく、人と人の繋がりがある確かな実感。子宮が男の精液を受けて戦慄き、男根の脈動が子宮口から背筋へと這い登ってくると少女は強張らせていた表情を蕩かせ、窓の外にいる人たちに向けて舌を突き出し、幾重にも折り重なるほかの少女たちの嬌声を聞きながらガラスをネットリと舐め上げる。
(おチ○チンが……私の中でビクンビクンして……ザーメンミルク……おなかの中にいっぱい溢れかえってるよォ……♪)
 ヴァギナで感じる葉塚市民との交流。言葉を交わすより、握手を交わすより、何倍も何十倍も何百倍も心地よく相手を理解しあえる喜びに、少女の下腹部は精液を絞り上げるように脈動しながら二度目のアクメにむしゃぶりついてしまう。
「私に……私たちの中に皆さんのおチ○ポミルクをいっぱい注ぎこんでください……一緒に…気持ちよくなって……それが―――あああああああああァ!!!」
 精液を搾り取られたペ○スが引き抜かれると、入れ替わりに乗車した別の男の肉棒が少女を穿つ。少女の言葉が中断され、膣内射精された精液を押し出されながら休むことなく犯され続ける。
 けれど二十人の少女たちは拒みはしない。葉塚市の市民に望まれるまま、求められるままに身体を開き、ありとあらゆる穴を凌辱されつくす代わりに、深くつながりあった交流を得る……例えそれが性欲にまみれた偽りの親愛であったとしても、少女たちはバスの内外と分け隔てられた関係にではなく肌が触れ合い、温もりを分け合える交流に、幼くも淫らな身体で応え続けていた―――






「ただいま〜。ん〜…やっぱり自分の家が一番だね」
「おかえり。どうだった、学生交流。勉強になったかい?」
「うん。スゴく楽しかったよ。後でお父さんにもいっぱい教えてあげるからね♪」
 葉塚市を出る際に、市内で体験した事は全て差し障りのない別の記憶にすりかえられている。
 旅行を無事に終え、この数日の間に自分の身に何をされたのかも何をしてしまったのかも覚えていないままに帰宅した彼女は、娘の帰りをリビングで待っていた父に手を振り通り過ぎると、荷物を自室に置いたその足で、そのまま脱衣所へと向かった。
「〜〜〜〜〜♪」
 作り物の楽しかった思い出を思い返し、鼻歌を歌いながら制服を脱いで脱衣籠へとたたんで入れる。そして下着姿になると、脱衣所に置かれた姿見に自分の姿を映し、恥ずかしそうにその表情をほころばせた。
「お父さんに見られたらどうしよう……」
 少女の身体を包み込んでいるのは、清楚ゆえに幼く見られてしまいがちなブラとショーツではなく、ほんの少し背伸びして大人っぽく見えるブルーの上下セットだ。
 葉塚市での記憶は完全に改竄されているが、少女たちに何の変化も与えていないわけではない。今まではただ家や学園で優秀でありさえすればよかったけれど、今の彼女には聖に対する興味だけはしっかりと残されている。肌を重ね、自らの中に異性を迎え入れた喜びは形を変えながらも“興味”として残り続けており、ほんの少しだけ――に見える――自分の進歩に、少女は恥らいつつも頬をほんのり赤く染めてしまう。
「また……いつか“い”けたらいいな……」
 身体にはなにか、今回の旅行の間に纏わりついた残り香のようなものが感じられた。無意識に少女は自分の腕で身体を抱きしめ、記憶には欠片も残っていないはずのリビドーを反芻するように身体を小さく震わせる。
「さて、シャワー浴びちゃおっと。ずっとバスに乗ってて疲れちゃったもんね」
 下着は、後で自分でこっそり洗って隠しておこう―――なぜか慎重に脱いだ下着を籠に入れた制服の上に丁寧に重ねると、少女は浴室に入って扉を閉める。
 脱衣所に隣室からのシャワーの降り注ぐ音が鳴り響く。確かにそこにはうら若き乙女がいた証として温かい残り香が漂っていたが、まるでそれに引き寄せられるように、音を殺して侵入者が入り込んでくる。
「あの“子”が……こんな下着を履いて帰ってくるなんて………!」
 侵入者は脱衣籠の一番上に置かれた小さな布地を手に取る。先ほどまで、扉の隙間から盗み見ていた少女の股間を覆っていた布地を広げ、裏返し、まだ誰にも穢されていない“はず”の秘所に接していた部分に顔を寄せてまじまじと観察する。汗とわずかに小水の匂いの染み込んだ布地の中心に鼻先を触れさせ、手を触れるわけにはいかない少女の肌を思い浮かべながらゴクリとノドを鳴らす。
「いけない……このままにしておくわけには……」
 一目見ただけで、少女が変わってしまったことに侵入者は気付いていた。侵入者が誰よりも少女を想うが故に気付いた変化は、他の誰でもなく“彼”自身の手で行いたかったことなのだが、久しぶりに見た少女は誰とも知れない何者かと接していた。
 それがどれほどの接し方なのかは解らないけれど、考えるだけで気が狂いそうになる。股間はズボンの下で今にも精液を噴き出さんばかりに脈動しており、侵入者に訴えかけている。―――『自分を使え』と。
「………………」
 侵入者が目を向けた浴室へと繋がるすりガラスの扉の向こうでは、少女が降り注ぐ水滴を身体中に浴びながら奏でている鼻歌が聞こえてくる。
 輪郭がぼやけ、はっきりとラインの見えないガラスの向こうで思い返しているのは、この旅行での楽しい“思い出”なのか―――そう考えた途端、侵入者は思わず扉に手をかけていた。
「え………!?」
 ガチャリと扉の開く音が浴室に響くと、少女は振り返り……襲い掛かってくる“侵入者”の姿を見て、反射的にその名前を叫んでいた。
「おとうさ―――」



 葉塚市での記憶を失っていても、彼女たちが市内で体験した何もかもがなくなってしまうわけではない。
 彼女たちはもう少女ではなく、一人の“女”に生まれ変わっているのだから―――


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