第一話「初めまして、ミエルス!」


「うわぁ・・・、大きい・・・。」  人類がその英知の全てをかけて、ついに復旧させた、巨大戦艦ミエルスを前にして、一人の少女が呟いている。  少女は、清楚な白のワンピースに身を包み、肩より少し伸ばした、さらさらの黒髪を風になびかせている。  まだ幼い顔立ちで、可愛らしい大きな目で辺りを見渡し、ふくらみかけの胸が僅かにワンピースの胸を押し  上げている。  少女は大きな鞄を抱え、スカートを翻し、真っ白な足で、ミエルスの搭乗口に向かって走り出す。  少女の名前は一条 ひかり、13歳の中学生である。  連邦政府が世界中の少女に送った、ミエルス搭乗員募集要項を見て、小さい頃からの可愛らしい願い事、宇宙  に行ってみたい、という願いをかなえる為、遙かな故郷を旅立ち、ここにやってきたのだ。  搭乗口では、ミエルスの乗組員とみられる女性達が、次から次へと来る少女達の受付に追われていた。  ひかりは、その列に混じり、自分の順番をわくわくして待っている。  すると、隣に並んでいた少女が、笑顔でひかりに声をかけてくる。 「ハァイ、あなたもパイロット候補生に応募してきたの?」  その少女は、気さくな雰囲気でひかりに話しかける。 「はい!私、小さい頃から宇宙へ行くのが夢だったんです!だから、手紙見て、居ても立ってもいられなくって、  両親を説得してここに来たんです。合格するかどうかはわからないけど、やるだけやってみようって思って。」  ひかりは笑顔で答える。 「ほんと?私もそうなんだ。こんな機会、滅多にないと思うからさ。」  二人は目を見合わせて笑う。  少女は、ひかりと同じくらいの年頃で、背丈はひとみより頭一つくらい高く、美しい金髪をポニーテールに結い上げ、  人なつっこい笑顔を浮かべ、綺麗な青い目でひかりを見つめている。  Tシャツにジーンズという、ラフな格好に身を包み、Tシャツの胸元は、豊かにふくらんだ乳房に押し上げら  れている。  すらりとした長い足は、ぴたりとしたジーンズに包まれ、ひかりは、そのスタイルの良さに、少し羨ましげな  目を向ける。 「ふふふ、私の名前は、ミリエラ・ジュネスよ。14歳。ミリーって呼んで。あなたは?」 「あ、私は、一条ひかりっていうの。13歳。ミリーの方が一つ上だね。ひかりって呼んで。」  二人は笑顔で握手をして微笑み合う。 「ひかり、二人一緒に合格で来るといいわね。頑張ろう。」 「うん。でも、良かった。私、知り合いが一人もいないとこなんて初めてで、不安だったの。だから、ミリーに  声かけてもらえて嬉しかった。頑張ろうね。」  二人は、お互いの故郷の話をしながら、自分の順番を待っていた。  やがて、二人の順番が来ると、受付の女性が、二人ににっこりと微笑む。 「こんにちは、じゃあ、まず、志願票を出してもらえるかしら。」  ひかりとミリーは、女性に志願票を手渡す。 「はい、ありがとう。・・・、一条ひかりさんに、ミリエラ・ジュネスさんね。ようこそ、ミエルスへ。私は、  ミエルス艦橋オペレーターの、綾瀬 美咲よ。今日は、たくさんテストがあるけど、あなた達の合格を心から  願ってるわ。頑張ってね。はい、じゃあこれをなくさないでね。これは、受験票と同時に、簡易的な身分証も  兼ねているから、この紐で首にかけて置いて。じゃあ、頑張って。」  美咲は、二人に特殊な印を押した志願票を返し、赤い紐を手渡す。  二人は、志願票に開いている穴に紐を通し、首にかける。  そして、美咲に一礼して、いよいよミエルスへの搭乗用エスカレータに乗る。 「ミリー、今の人綺麗だったね。艦橋オペレーターなんてすごいね。」  ひかりは、興奮しながらミリーに話しかける。 「そうね。ああいう大人の女性になりたいな。」  ミリーも笑顔でひかりに微笑む。 「えー?ミリーは十分大人だよぉ。おっぱい大きいし・・・。」  ひかりの言葉にミリーは少し赤くなる。 「もう!なんて事いうのよ。ひかりのH!」 「えへへ、ごめん。」  ひかりは、可愛らしく舌を出してミリーに謝る。  やがて、二人は最上部に着き、いよいよミエルスの艦内に足を踏み入れる。 「ミリー、なんかわくわくするね。」 「うーん、グレート!」  二人は、荷物を持ち直し、ミエルスの艦内へのゲートをくぐっていった。  予告!  いよいよ夢のミエルス艦内へ入った、ひかりとミリー。  そこで待っていたのは、難しい試験の数々であった。  出来が思わしくなく落胆する二人。  そんな二人に、さらに辛い試練が待ち受ける!  次回!超羞恥要塞ミエルス 第2話  「パイロットの資格」  お楽しみに!


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