第2話「戦場にかける恥(前編)」


 「ちょ、ちょっと待ってよぉ!誰もまだ仲間になるなんて言ってないのに!」  両手を持たれてずりずりと引きずられながらキッドは情けない声を上げていた。 「いいのだ〜。手を取り合えばもう仲間なのだ〜、熱血友情スパークバリバリなのだ〜」  軽い口調とは裏腹にかなりの力でキッドの右腕を抱え込んで引きずりながらミリーは言う。  結構豊かなミリーの胸に肘がフニフニと当たって、ちょっとだけ気持ちいい。  キッドはどちらかと言うと、男よりも女の子の方が好きな、俗に言う百合っ子なので、それは  まあ、いいのだが・・・。 「手を取り合ってって、こういうのは手をつかんで引きずってるって言うのでは・・・」「往生際が  悪いわね、観念なさい。わたし達はもう仲間なのよ!」  まるで万力のようにがっちりとキッドの左腕をホールドしたアンジェリーナがごく手加減した  動きで腕を捻りながら言う。それだけで腕がミシミシと嫌な音を立てる。 「理不尽だぁぁぁぁぁぁっ!!」  引きずられていくキッドの声だけが遠ざかっていった。  と、いうわけで。  一行は宇宙船の発着所に到着していた。複数有る発着所の中で、彼女らが今居るのは  小型宇宙船の収容ドックだった。気密チェンバー内に直接宇宙船を乗り入れるタイプのもの  である。宇宙服無しで整備や修理が出来るので、結構便利だった。 「こ、これがあんたたちの宇宙船?外にもっとでかいのがあるんだよね?」  キッドの目の前にあるのは、どう見ても五人ぐらいしか乗れないようなサイズの小型宇宙船  だった。宇宙船と言うよりも、宇宙艇と言った方が良さそうだ。 「いいえ。これが私達の船よ。小さいからといって馬鹿にしてると後からビックリするわよ」  ようやくキッドを解放したアンジェリーナが自慢そうに言う。 「そうなのだ〜。この船こそ宇宙最強のスーパー多目的宇宙船なのだ〜」  ミリーも機体を撫で撫でしながら言った。正体不明の暴力女であるアンジェリーナはともかく、  宇宙レースの最高峰で、超高性能のスペースクルーザーを操縦していたミリーがそう言うと、  妙に説得力があった。 「そうですねぇ、装備が気に入りましたねぇ・・・うふっ」  ちょっと頬を赤らめてミリーの方を見ながらアユミが言う。 「・・・ミリー、もう手を出したの?」  アンジェリーナの呆れたような声。 「うん。だって、アユミちゃん可愛いんだもん。我慢できなかったのだ〜」  ミリーのその言葉に更に真っ赤になったアユミは下を向いてもじもじしている。  どうやらイケナイ事をされてしまったらしい。  そういう事はキッドも大好きだったりするのだが、この連中とそういう関係になると何だか凄く  ヤバイような気がする。 「まあ、いいわ。今から馴染んでおいてもらった方が実戦でスムーズに能力を発揮できるでしょうから」 「の、能力?」 「ええ。あなたも少し下ごしらえしておいた方がいいかもしれないわね。うふっ」  そう言って微笑むアンジェリーナの目つきに何となくヤバイ物を感じたキッドは逃げ出すタイミング  を計っていたが、結局、隙を見出せず、宇宙船内に連れ込まれてしまった。「べ、ベッドぉ!?」  船内の装備を一目見たキッドは声を裏返らせて叫んでいた。  それほど広いとは言えないキャビン内の半分近くを巨大なベッドが占めていた。 「そうなのだ〜、これがこのエロイサンダーの中枢、リビドードライブシステムのエネルギー抽出  ベッドなのだ〜」  相変わらずの元気な声でミリーは叫ぶ。 「な、なんじゃ、それ!?」 「ふっ、あなたが驚くのも無理は無いわね。この船の動力は人間の性エネルギー、つまりリビドー  なのよ。核融合をも凌ぐ強大なパワーを引き出す無公害で気持ちのいい夢のエネルギー発生  装置。それがリビドードライブ!」  アンジェリーナは豊かな胸をプルンと一振りしてポーズを決める。 「・・・」 「・・・」  まだこの雰囲気に馴染みきっていないキッドとアユミは無言で固まっていた。 「それじゃあ、下ごしらえするのだ〜、さあ、キッドちゃん入って」  ミリーはそう言いながらベッドの方へとキッドを引きずっていく。 「あ、あの・・・アタシやっぱりキャンセルするっ!」 「それはダメなのだ〜」 「強引過ぎ!うひゃぁぁ!」  柔道の跳ね腰みたいな感じでミリーに投げられ、ついにキッドはベッドに投げ出されていた。 「だから嫌だって!」 (こうなったら銃を使うしかないか・・・)  キッドがそう思ったのと同時に。 「拘束フィールド作動なのだ〜」  ミリーの声が響く。 「えっ!?うわぁぁ!」  キッドの手首と足首に光の輪のようなものがはめられ、大の字に拘束していた。 「こっ、これはっ!?」 「拘束フィールド。一切の苦痛を与えることなく肉体を拘束し、過剰な緊張をほぐす機能を持って  いるわ。凄いでしょ?」  アンジェリーナがまた自慢そうに胸をプルンと弾ませながら言う。 「凄いけど、嫌だっ!」 「大丈夫ですぅ。キッドさんも必ずこの快感の虜になりますぅ。替わって欲しいぐらいですぅ」  アユミが間延びした口調で言う。 「じゃあ、替わってやるから・・・って、ひゃああ!なっ、何をしてるっ!」 「何って、脱がしてるのだ〜。ある程度脱いでした方が気持ちいいのだ〜」  キッドのジーンズのベルトを外しながらミリーは言う。 「だっ!誰がしたいって言ったぁ!」 「したくなくてもするのだ〜。すぐに気持ち良くして上げるのだ〜」  あっという間にジーンズがずり下げられ、意外と可愛いデザインのパンティが剥き出しになってしまう。  上半身は黒いワークシャツ姿のままなので、余計にいやらしかった。  ボーイッシュな美貌を羞恥に染めて横を向いて目を閉じている姿がなんとも色っぽい。 「えへへっ、キッドちゃんって可愛い下着が趣味なの?脱ぐのが恥ずかしいならこのまましてあげるのだ〜」  つん! 「ひゃぁぁ!だっ!ダメェェ!」 「ちょっと突付いただけでビクビク震えて、ひょっとして感じる所にヒットしちゃったのかなぁ?ここかなぁ、  ねえ、感じる?」  つん、つん、つん・・・さわさわさわ・・・きゅっ! 「ひゃぁぁぁ!摘んだら嫌だぁぁぁ・・・あっ!・・・や・・・やめ・・・ひっ!・・・あっ!・・・あんっ!  ・・・嫌・・・ああんっ!」  パンティの上でミリーの指先が微妙に蠢き始めると、次第にキッドの抵抗が弱まっていった。 (こっ、この子・・・上手いっ!上手過ぎるっ!・・・あああ・・・蕩けちゃうっ!)  下着越しに微妙な部分をいじり回すミリーのテクニックにキッドはあっという間に陥落寸前まで  追い込まれていた。  ミリーの指はパンティの上から軽くなでたり、くすぐったり、突付いたり、小刻みにタッピングしたり、  手のひら全体で圧迫したり、摘んでクリクリしたり、さまざまな技巧を凝らしてきた。 「あんっ!・・・やっ!・・・あぁぁ・・・そっ、そこぉ・・・ダメェ・・・そんなに擦っちゃ嫌だぁ・・・あぁぁぁ・・・」  キッドがその顔を羞恥と堪え様の無い快楽に染めて身悶えする度に、ベッドの周囲に付けられた  リング状の部品が妖しく光り、ベッド脇のコンソールでモニターを見つめているアンジェリーナの  目の前で何かのメーターの数字がどんどん上がっていく。 「うーむ、思った以上にいい反応ね、これならオルガロイド形態への変形に必要な性エネルギーは  すぐにチャージできるわ。アユミのブラスターモードは既に起動可能になってるし・・・ミリーは  やっぱり天才だわ。色んな意味でね」  次第に甘く蕩け始めたキッドの喘ぎ声を聞きながら、アンジェリーナは満足そうな笑みを浮かべる。 「ああんっ!我慢できないですぅ!わたしもやりたいですぅ!」  アユミが叫びながら立ち上がっていた。 「アユミ、もうちょっと我慢しなさい。今乱入したらノイズが入っちゃうわ・・・じゃあ、わたしがしばらくの  間お相手してあげる」 「えっ?アンジェさんも女の子が好きなんですかぁ?」 「ふふっ。可愛い男の子をよがり泣かせるのも好きよ」  さらっとショタである事を告白しつつアンジェリーナはアユミを後ろから抱き締めていた。 「あら、意外とおっぱい大きいのね・・・」 「ふわぁ!・・・アンジェさんも意外と上手ですぅ・・・あんっ!」  こっちはこっちでよろしくやり始めた。 「あんっ!・・・ひぃぃ・・・ふぁ・・・すごっ・・・すごいっ・・・ああんっ・・・やぁ・・・イっちゃうよぉ・・・  ふわぁぁぁぁぁ!」  背骨が折れそうなほどのけぞったキッドの身体がしばらくそのまま硬直し、やがて脱力して  ベッドに崩れ落ちた。 「完了なのだ〜・・・って、あ〜二人で楽しんじゃってずるいのだ〜」  コクピットシートで意外と豊かなおっぱいをソフトに揉み揉みされて甘い声を上げているアユミの  姿を見つけたミリーは早速仲間に入り、美少女レズ3Pという凄まじくエッチなシーンが繰り広げ  られ始めた。 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・イかされちゃった・・・ミリー、凄い・・・」  キッドはこの時、物凄く不純な動機でこのチームへの参加を決めていた。  続く  (次回予告)エネルギーチャージを終え、謎の小型宇宙船、エロイサンダー号はいよいよ宇宙へと  飛び出す。目指すは武装勢力同士の戦闘が繰り広げられる暗礁空域。  次回、『戦場にかける恥』後編、お楽しみに!


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