第1話「AVの代役。」


清純派アイドル、菜奈緒。 今この名を知らぬほどに有名になった日本1の清純派 アイドルであり、今までたった1度たりともその肌を露出したことないアイドルだった。 そう水着写真集も出した事無く、どんな時でも長袖、ロングスカートが定番の彼女で あり、まさに真の清純派と言えるほどのアイドルであった。 だが実は本人にとっては喜べる事ではなくストレスを溜める原因となっていた のだった。 そう菜奈緒にはとある性癖があり、その性癖は露出狂だったのであった。 常に菜奈緒自身にはみんなに自分の裸体を見られたいという願望があり日に日に その意思が強くなっていくこの頃であった。 そんなある日、ついに私に恐れていた事が起ってしまった。 それは、私の自慰行為が新人マネージャ作山くんにばれて1ヵ月後のある日の 事であった。 作山くんは私にとある仕事を私に持ってきた。だがその仕事は清純派アイドルが やる様な仕事ではなかったのであった。 「菜奈緒さん。今度このAVビデオの代役やりませんか?」 「え・えっ?あの今なんて?」 「AVビデオですよ。このビデオに出てくる素人さんの代役って事でやってもらいたい  んですよ。」 「AV?それってアダルトビデオって事?ちょっと本気で言ってるの?」 「ええ、一応これは大体の設定ですが今回は素人さんの代役なので顔は一切出ません  のでどうですか?」 「作山くん・・・あなた何を言っているのかわかって言ってるの?」 「ええ、もちろん。菜奈緒さんがそういう気があるのは知ってますよ。」 「・・・・あれは、ちょっと魔がさしたのよ...だ・誰だってそういう時あるでしょ?」 私は何とか弁明を始めた。作山があの自慰行為をネタに強請ってきてるのが わかっていたからであった。 だけど作山はそれ以上のネタで私を責めてきたのであった。 「ああ、あれですか。あれは魔がさしたのがわかってるので何も言いませんよ。」 「えっ?それじゃ...」 「僕が言いたいのは時たまパンティラインが無いという事ですよ。菜奈緒さん。  ロングスカートだからってノーパンは不味いんじゃありません?」 「!!」 「やっぱり、図星ですね。菜奈緒さんはそう言う人なんですね?」 「・・・・・・・・」 作山はもう私の性癖を知っていた。そう、あの日、私が露出系の投稿雑誌を元に 自慰をしていた時から完全はばれてしまったのだった。 ただ不思議にあれから何事もなく接してくれるし、何かを要求するのでもなかったので 少しほっとした所だがそれほどうまくいくはずはなかったのであった。 あろう事に私が性癖からくるストレスを解消する為にやったノーパン行為までも 作山に見つけられてしまっていたのであった。 「・・・作山くん。これに出ないとばらすって事かしら?」と私は唐突に聞いてみた。 「いえ。別に出なくても何もしませんよ。ただ心配なのはその性癖がストレスになる  のが心配なんですので。」平然に作山は応答してきた。 私は作山があまりにも平然としてるので一応その設定だけ目を通す事にした。 「・・・作山くん。本当にこんな事を私にやらせるつもりなの。」顔を赤らめながら 作山に聞いたのであった。 「はい。でも菜奈緒さんが嫌ならやめますので。やっぱやめましょうか?」 あまりにも作山が簡単に引き下がった為、「えっ?」と思わず私は声を出してしまった。 そう実はかなり興味が湧いていたのであった。 でも清純派アイドルとしての地位もあるので引き受けるわけにはいかず、やっぱり 断ろうとした時、作山は変な提案をしてきたのであった。 「菜奈緒さん。とりあえず今度の月曜なのでやらないにしても現場にきませんか?」 「現場って・・AVの?」 「別に見るだけならいいですよね?」 「は・はい。」作山の思わない問いに私はなぜか承諾してしまった。 こうして月曜日、私は作山と一緒にとあるビルにくる事になってしまった。 私はばれるとまずいので打ち合わせの内容が覗ける個室に案内されそこで様子を 見てくれと作山に言われそのまま様子を見ることにした。 どうやらマジックミラーのようなもので私の存在はわからず堂々と打ち合わせの 内容を見ることが出来た。 今回のビデオは男優2人が顔を完全に隠した素人の女の子を全裸で町の中を 連れてまわるという内容だった。 いわゆる露出もののAVみたいであった。 当然、素人の女の子もやらせであり、すでに打ち合わせの場にきていた。 ただ、その女の子はものすごくブスであった。その割には顔と反比例したかの様 にプロモーション抜群の体をしていたのであった。 男優2人も少し彼女の顔を見てあきらからに嫌気を出していた。 「作山さん。今回これでいくのかい?今回顔モザイクなしだろ?これ売れねえぜ。」 「そうだよ。こりゃひどすぎるんじゃねーか?」 「でも外に撮るときは顔はぬいぐるみの頭かぶるから大丈夫ですよ。」 「けど、それならいきなりそっからの方がいいぜ。」 「でも、それだと素人をナンパするリアリティが消えちゃうしね。」 「まあ、それもそうだけどな。ああ、でもこの顔じゃ・・・」 「とりあえず、顔は始めだけで後はぬいぐるみで見えなくなるから。」 「そうだな。体つきは良さそうだしSEXシーンもないから俺達はこれでいいけどね。」 どうやら、外に出るときは完全は顔は隠してくれるみたいな感じだった。 そして良く見るとあの女の子の体のラインは私にほとんど似ており思わず自分の体と 見比べ「これなら、大丈夫よね..」とつぶやいてしまった。 (わ・わたしなんでそんな事思ってるの?別に代役やるとは言ってないのに。) 菜奈緒が1人顔を赤めてる中、打ち合わせの方はほとんど終わりかかっていた。 「と言うことなのでまず君達の1人が街中でこの子をスカウトして、そこで  この子に露出をすすめるって設定で行くことにするよ。」 「ああ、そのブスを説得するって事だな。」 「そして話しがまとまったら、その後この子がここで1人で裸になってぬいぐるみ  をかぶって出るから。」 「スカウトの所はいつ撮るんっすか?」 「スカウトの所は後で撮って、今日はここで話しがまとまってこの子が1人で裸に  なってぬいぐるみをかぶって出る所から撮るよ。」 「じゃあ、俺達は始めから外でスタンバイしてればいいっすね。わかりました。」 「あとは俺達が外でそのナイスバディを引きずりまわっすって事ですね。」 「そういう事。撮影は今から1時間後だから休憩しながらちゃんと台本を読んで  下さいね。」 「おい、そこのブス。今日は遠慮なく引きずりまわしてやるから覚悟しときな。」 「そうっすね。嫌がっても最後までやるっすよ。」 男優2人はブスの女にそう言うと休憩に行き、打ち合わせ場所にはそのブスな女の子と 作山の2人だけになった。 「ねぇ。作山ちゃん。私ほんとに始めの顔だけだよ。絶対に裸で外なんか出ないよ。」 「わかってるよ。実はあの2人に内緒で代役頼んでいるからOKだよ。」 「まあ、それならいいけど。でもその代役に始めから頼まないのはなんでなの?」 「実はね。その子まだ学生なんだ。体つきはいいけど顔つきはまだガキでね。」 と作山はさりげなく顔を出せない言い訳をうまく言っていた。 「そうなの。学生だとたしかに不味いわね。まあ私は金くれればこんな顔いくらでも  貸すわよ。ただちょっと事情を聞きたかっただけなの。」 「まあ、そういう事だから顔だけでいいから。」 「ええ、じゃあ私も休憩いくからその代役さんによろしく言ってね。」 女の子が消えた中、作山は私の部屋に来てこういきなり言ってきた。 「菜奈緒さん。あと1時間後だから早めに服ぬいでそのぬいぐるみかぶっておいてね。」 とそれだけ言ってすぐにその部屋から出てしまった。 「ちょ・ちょっと作山さん!」私はまだ返事も出していないのにすでに決まったかの様に 出てしまった。 私は作山に少し腹を立て「冗談じゃないわ。服なんて脱がないわよ!」と1人の部屋で 大きく言ってやった。 だが、部屋の片隅においてある顔だけのぬいぐるみの見てると私の体の中で何かが 湧き上がってくるのがわかっていた。 (だめよ。菜奈緒。私は今日は見学だけよ。そう見学しただけなのよー!!) 菜奈緒は必死に性癖と闘っていたのだが、これが菜奈緒にとってまずい選択だった とは本人は知るはずもなかったのであった。


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