第8話「飯塚 安希の恥辱な作戦。」


第2次予選が終了した次の日。 深夜の予選を突破した飯塚 安希は軽く仮眠してもう既に 朝方の各ワイドショーのインタビューを受けていたので あった。 「昨日の深夜番組すごかったですね。どうです。出た感想は?」 「ふふっ。あたしが素っ裸にされるのを期待してたでしょ?」 「いえ、私たちはそんな事はまったく...」 「うそうそ。大方、今日のタイトルは飯塚 安希、屈辱の全裸  公開。日頃の行いの悪さついに天罰ってとこかしら?」 「そ・そんな事、私たちは期待なんか..」 「まあ、あたしは今さら全裸にされても平気だけどね。」 「そ・そうですか...」 飯塚 安希はどんどん記者たちを逆に飲み込むぐらいの勢いで インタビューに平然と答えていた。 こんな事は安希にとっては日常茶飯事の出来事であり、最近は 元・セクシータレントとしての有名度は消え暴露本を良く出す タレントとして有名になっていた。 その上、いろいろ過激な事をやってワイドショーを騒がす人物と しても有名であった。 「飯塚さん。また今度何かやるんですか?」 「まあね。あたしはこういう女だから楽しみに待っててね。」 「もしかして、例の番組レギュラー関係ですか?」 「さてね。でも期待外れはさせないから楽しみにね。」 「え?それはどういう事でしょう?」 「今は言えないわ。でもすぐにわかる事よ。」 「あの、もう少し詳しくお聞かせくれませんか?」 「だ・め・よ。じゃあ、そろそろ次の番組があるから。」 安希は慣れた感じでインタビューを打ち切り、自分専用の控え室に 戻っていった。 部屋に入ってしばらくすると安希は壁に貼ってある3人の清純アイドル めがけてダーツを1発放ったのであった。 そのダーツは清純アイドル田上 夏代奈の写真に命中した。 田上 夏代奈(たがみ かよな)。清純アイドルとしてデビューし、もう 10年近くもアイドルをやっている22歳のアイドルであった。 最近は司会者のサポートしての役が多く、様々な番組に良く見かける顔で あった。 安希はその田上 夏代奈の写真に向かって1人で愚痴を言い始めたので あた。 「何が清純アイドルよ。このブランド女が!!清純アイドルがブランド  買い集めてるんじゃねーよ。」 実は田上 夏代奈は大のブランド好きで1度バライティのブランド勝負で 同じブランド好きの飯塚 安希に大勝したのであった。 「何がまぐれですって。ふざけんなよ。あの女。アイドルやってる時は  清楚で売ってるが私服はブランド一色じゃねーか。」 「下着もド派手なのを着けてるしふざけてんじゃねーよ。」 「それにあの自分で撮ってる写真集もむかつくんだよ。」 そう、田上 夏代奈はカメラの撮影技術を持っており毎回自分が撮った フルヌードの写真集を出してくるのが有名であった。 ただ、その写真集はたしかに夏代奈自身は一切何もつけてはいないが 微妙なアングルで絶対に胸もあそこも、さらにお尻までも一切見せない ファンの期待を思い切り裏切るものであった。 「何がフルヌードだ。どこも見せてないじゃないか。それも3冊も繰り返し  出しやがっていい加減うざってぇーんだよ。」 「大体、22になっても清純アイドルって言ってる所はむかつくんだよ。」 安希はもう2発ほどダーツを投げ、夏代奈の写真に2発とも見事に命中させ たのであった。 「田上 夏代奈。てめーの時代がもう終わったんだよ。今日あたしがてめー  がいつもド派手な下着を着けてるって事を見せ付けてやるぜ。」 安希は何かを企みにやにや笑っていた。そして残り2枚の写真にも言葉を 投げかけてきた。 「初めの1回は夏代奈だからあんたらの出番はもうすぐだから待っていな。」 「まあ、今時まじで無地のお子ちゃまパンツを穿いてる衣愛代にはあれを  やってもおもしろくねーがな。」 「ふぁぁぁー、まだ時間あるからもう一眠りするかぁーー」 安希は何かを待つようにまたそこで一眠りをし始めたのであった。 安希が眠ってる間、もう外は夕方となりここから20分ほど近くにある 大コンサート会場ではすごい人の行列が永遠と出来ていた。 その並んでいる人たちのほとんどはあるアイドルの団扇やメガホンを持って おり、中には背中にそのアイドルの名前と”命”が書かれており、はちまち までしている熱狂ファンもいたのであった。 そう、今夜はあの田上 夏代奈のスペシャルコンサートが開かれる日であり それを待ちどおしくしていた全国のファンがここに集ってきたのであった。 中に入るとすでにファンクラブが応援の練習を始めており、「K・A・Y・ O・N・A・かよなーー!!」等な応援が響いていたのであった。 ファンが次々と会場に入りすでに大満員となり、外には入れない多くのファンの 為に特設の大型モニタまで作るぐらいであった。 何万人という大人数の中に清純アイドル、田上 夏代奈は手を振って笑顔で 舞台に現れたのであった。 前でロープを張っている警備員たちを今でも押し倒すぐらいのファンの すごい歓喜がコンサート会場に響いたのであった。 「みなさーん。今日は夏代奈のスペシャルコンサートに来てくれてありがとう。」 「じゃあ、まずは私のデビュー曲”清純は私の愛言葉”を歌いたいと思います。」 さっそく音楽が流れファンの熱狂的なコールの中、夏代奈は歌い始めた。 その頃、ようやく起きて時計を見ていた安希はくすくす笑いながら窓からのぞける コンサート会場を見ながら言った。 「さあ、今日はあの子のファイナルコンサートね。ふふ、久々に燃えるわね。」 安希は高価なドレスを着て大きなを花束を持ってコンサートの専用口に 向かった。 「あ・あのーここは関係者立ち入り・・・あっ、あなたは・・」 「あら、あたしを知ってるの?今日はあの子のお祝いに来たんだけど通して  くれるかしら?」 「し・しかし・・・」そんな時、奥から別のベテラン警備員がやってきて 「飯塚 安希さんですね。どうぞ中に入ってください。どうぞ。」 「あら、ここはきちんと教育されてる様ね。ありがと。」 安希はあっさりとコンサートの中に入る事が出来たのであった。 「しゅ・主任?いいんですか?アイドルだからって勝手に通しちゃって。」 「ばかもん。あの飯塚は、たちが悪すぎるんだよ。足止めした日には  次の日確実にくびが飛ぶぞ。」 「えええーー。そうなんですか?」 「ああ、だからお前も気をつけろよ。」 「は・はい!!」 入口に入った安希はそのままコンサートの袖口までストレートで行く事が 出来、袖口に立っていた夏代奈のマネージャーに声を掛けたのであった。 「おはよう。今、彼女は何曲目を歌っているの?」 「!!飯塚さん!!あ・あのどうしてここに・・・」 「ん?とりあえずライバルとなる前に挨拶をしたいと思って。」 笑顔で微笑んだ安希に対してマネージャーは不安がっていた。 「そうですか・・ところで綺麗な花ですね...」 「ええ、彼女のお祝いに一番似合うのを選んだのよ。どうかしら?」 「なかなか良いと思いますが・・・」 「不安そうね?彼女に花束、渡したらすぐに帰るから安心していいわよ。」 「いえ、そんなわけでは。ただ今日はスペシャルコンサートなので..」 「そうね。すごい人だもんね。まだまだ人気があるんだ。あの子?」 「は・はい。」 マネージャーと安希のぎこちない会話の中、ステージでは夏代奈がミリオン ヒットを出して各賞をもらった代表曲が流れてきたのであった。 「あら?この曲は彼女のヒット曲のえっと...」 「”愛は私を変えていくの。”です。彼女の代表曲です。」 「あっ、そうね。あたし最初のフレーズが好きでCD持ってるのよ。」 ステージでは夏代奈がそのフレーズを歌い始めた。 ”私の水着を見て。いつの日かボーイフレンドの前で言ってみたいのー♪” ファンは夏代奈に熱狂的な応援を送り一番の盛り上がりを見せていた。 1番の歌詞が終わり2番までの長い間奏となった所で安希がついに袖口から 大きな花束をもって現われたのであった。 夏代奈は予定外の花束贈呈に少し驚いた。本来の進行だとここはファンに 対しての感謝のトークを入れる予定だったからであった。 (ん?女性?ロングスカート?誰なんだろー?) ステージの真ん中に立ってた夏代奈の位置からは大きな花束を持った安希 の顔を確認する事が出来なかった。 袖口のマネージャーを見てみると何かハラハラしている感じに見えるので 夏代奈はその花束の人物がますますわからなくなっていた。 (先輩かな?それとも同期のあの子かな?) 夏代奈が自分の友人だと思い込んでる中、ついにわずか2mの位置まで 安希は接近する事が出来たのであり、花束をゆっくり降ろし顔を出してきた。 「夏代奈ちゃん。おめでとう。」 「!!あ・あなたは飯塚 安希?な・なんでここに?」 「あなたのド派手な下着を晒すためよ!」安希は花束を夏代奈の顔に思い切り 投げつけたのであった。 「!!きゃ!!な・何を?」夏代奈が投げつけられた花束に気を向けたと同時に 安希は素早く夏代奈の後ろに回り込んだのであった。 「夏代奈ちゃん。下着を見せるお時間よ。」 安希は夏代奈が着ている白いドレスの首の襟元を掴んでそれを一気にずり落とした のであった。 いろいろな衣装に早着替えする関係でこのドレスは上下一緒になっており、それを 把握していた安希はそのドレスを見事に足元まで下ろしてしまったのであった。 だが、その下ろしたドレスの中にド派手な赤色をしたビキニタイプのパンティが 一緒にそこに見えたのであった。 「あっ。あちゃーーこれって・・」 安希が上を見上げるともじゃもじゃに生えている夏代奈の濃い陰毛がはっきりと 見えたのであった。 さらにそれだけではなく、実はノーブラであった夏代奈のDカップの胸も 大きく揺れていたのであった。 夏代奈は一瞬の間に何万人のファンの前で眩しいスポットライトの中で 全てを晒してしまったのであった。 会場外の特設モニタにもその映像が流れてしまい、皮肉にも同時に2番の歌詞の 始めのフレーズが画面下に文字として流れていた。 ”私の裸を見て、いつの日が愛する彼氏の前で言ってみたいのー♪” 「きゃあああああああぁぁぁぁぁーーーいやああああぁぁぁぁぁーー」 キキキキィィィーーーーンンンンーー 夏代奈はものすごい大声で悲鳴をあげた。その音響はマイクによってすごい音を 出していたのであった。 「こ・このーーー五月蝿いわね。この子娘!!」耳がきーんとなってカッとした 安希は何と夏代奈の足を掛けてひっくり返してしまった。 「きゃああああーー」足を掛けられた夏代奈は後ろに倒れ、あろう事にも股を 大開きにして倒れてしまった。 何万人のファンの前や特設モニタにはもじゃもじゃの陰毛に囲まれた大陰唇が 丸見えとなってしまい、その大陰唇自体も閉じてなく小陰唇の赤黒いびらびら までも丸見えとなっていたのであった。 「なんだー。この子こんな毛深いの?これじゃ見せられないわね。」 安希がくすっと笑ってる中、袖口からマネージャーやスタッフが大急ぎで 走ってきたのであった。 「!!やばっ。夏代奈ちゃん。私が逃げるまで時間稼ぎになってね。」 あまりの出来事に完全に呆然としている夏代奈の体を安希は軽々と持ち上げ、 何と思い切りファンに向かってその姿のまま投げ飛ばしてしまった。 「さあ、後はファンサービスしてあげなさいよ。」 夏代奈はロープぎりぎりまで立ち詰めしている前列の熱狂ファンの中に 全裸のまま落ちてしまった。 一瞬にして落ちた場所にファンが集まり黒山の人だかりになってしまった。 まるで甘い砂糖に群がる蟻の様な勢いで夏代奈に迫っていたのだ。 マネージャーやスタッフは安希を追うのをやめて慌てて夏代奈の方へ 向かった。 先に2・3名の警備員が駆けつけており、黒山に消えそうになった夏代奈 の腕を掴む事が出来たのであった。 マネージャーやスタッフもすぐに腕を掴んだ警備員の所に追いつき一斉に その腕を無理矢理ひっぱる事にしたのであった。 そう、この異常な空気の中で人を掛け分けてやってたら手遅れになるのが わかっていたからであった。 まるで砂地獄から救出するかの様にようやく夏代奈の頭があらわれ、そのまま 思い切り引っ張りついに黒山から全裸の夏代奈を引き出すことが出来たので あった。 そのままファンから離す様に一気にステージまで夏代奈を運ぶ事が出来、何とか 最悪の事態だけは免れたのであった。 あと一歩遅かったらかなりやばく、何と夏代奈がトークで使う手に持ってた トーク用の小型マイクが彼女のあそこに突っ込まれており、愛液が流れてる 様子からそれでかき回された形跡があったのだ。 多くあったもじゃもじゃの陰毛もあちこち無理矢理抜かれた所があり、 本当に寸前の所で助けられた感じであった。 夏代奈本人はもう失神しており、相当すごい勢いで複数の手によってあちこちを いじられてイッたのは確かであった。 皮肉な事に曲はまだ流れており、ちょうどラストの3番のフレーズが彼女を その状況を歌っている様であった。 ”私を好きして、いつの日が隣にいる夫の前で言ってみたいのー♪” 当然、コンサートは完全にその場で中止となり、翌日はすごい騒ぎとなって しまった。 何せ、現役の大物清純アイドルがコンサート中に裸にされ、あげくにはファンの 中に裸のまま放り込まれたんだからすごい問題であったのだ。 飯塚 安希の所属する大型プロダクションの本社の前には多くの報道陣が殺到 したのであった。 だが、そこでの社長の会見は報道陣を驚かすものであった。 「今回、うちの安希がとんでもない事をしでかしましたが、安希を自粛させる  気はありません。当然、あちらの事務所や被害にあったアイドルに関しては  全面的に損害賠償金を払いたいと思います。」 「それじゃ、安希さんにはお咎めなしなんですか。」 「まあ、そう言う事になりますな。まあ今に始まった事じゃないですから。」 「相手が訴えてきた場合にはどうするつもりですか?」 「それはないでしょう。もう和解の話しも済んでおりますし。」 「和解ですか?」 「ええ、なんなら確認して結構ですよ。こういうトラブルは素早くしなければ  なりませんからね。」 そう、何と相手側のプロダクションが多額の賠償金と自分の所の新人の多くの レギュラー起用をしてくれた為、あっさりと和解してしまった。 夏代奈は確かにここの看板であり大物清純アイドルでもあったが22歳と言う 歳でもあった為、あと2・3年がいい所であった。 今回のバラィティ進出もイメージチェンジを図る為のものであり、そんな意味 でも和解した方がかなり得策であると素直におりてしまった。 また、もう1つ理由があり実は夏代奈は異性にはすごい人気が高いのだが、 同性には相当嫌われているタレントとしても有名であった。 今回の街で聞いたインタビューからでもその様子がはっきり出てしまった。 「へぇ、あの女脱がされたんだ。いい気味よ。もっといろいろされればいいのに。」 「えー。夏代奈ちゃんが裸に?俺も行って生で見たかったなー。」 「安希ちゃん。サイコー。ますます私ファンになったわ。」 「写真集でファンを裏切った報いがきたんじゃないっすか。」 「彼が熱狂だったからすっきりしたわ。まあ彼は寝込んだんだけどね。」 「私はもっと注意すべきだと思ってましたよ。彼女の方も悪いね。」 「安希ちゃん。もっとこれかもどんどんやっちゃって。応援しちゃうわ。」 世間は意外に安希を攻めるものはいなく逆に安希の暴露コメントがおもしろく 安希の格好のいいパフォーマンスに使われてしまう形になってしまった。 「本当はね。普段つけてるブランドもののド派手な下着を晒すつもりだったの。  でも、もっとすごいのを晒した様ね。」 「そうそう、あの子お尻近くまでお毛毛が生えててみっともなかったわ。  あれじゃ写真集で脱がない気分わかるわねー。」 「第一、ノーブラで歌ってたのよ。あの子の乳首なんてビンビンだったのよ。  実は感じながら歌ってんじゃない?あそこもぱっくりだったし。」 「最後にこれだけ言っとくけど、こんな事でおとなしくなんないわよ。  もっと世間を楽しませてあげるわ。」 安希はこれだけ叩かれても平然と宣戦布告をしてきたのであった。 当然、これを見ていた衣愛代はTVの前で怖がり、作山がうまくフォローしてきた。 「衣愛代ちゃん。とりあえずうちの方は例の予選が終わるまでコンサートも  やらないし外での営業もやらないから安心していいよ。」 「ほ・本当ですか?」 「ああ、うちは絶対にあんな目には遭わせないから安心していいよ。」 今回の作山は意外に衣愛代を守る方向で動いていた。 作山には自分なりの手順があり、あんな馬鹿な事でせっかくの衣愛代を 落ち目にするつもりなど全くなかった。 その作山がきちんと動いた為、予定していた2日後の合同コンサートも 急遽、出演しない方向で進めてくれたのであった。 だが、予定していたスケジュールをほとんどなくした為、今日はすでに 仕事がなく衣愛代はそのまま家に帰る事になったのであった。 着いた事にはちょうど夜も遅く衣愛代は早く寝る事にしたのであった。 ただ、またあの安希の言葉を衣愛代は思い出してしまった。 「おい、いいか。特別シードのお嬢アイドルども。あんたらの肌全部世間に  晒しちゃるから楽しみにしてなさいよ。」 (だ・大丈夫よね・・・作山さんがちゃんとスケジュール変えてくれたし...) とりあえず、不安を感じながらも衣愛代は寝ることにした。 だが、またこの安希のせいでとんでもない悪夢を見ることになってしまった。


第9話へ続く