第7話「バラエティ予選大会」


今や7本のレギュラーを持ち順調にこなしてる中、また新たに作山が仕事を 衣愛代にもってきた。 今度の仕事は夜のゴールデンでやっているバラエティの仕事だった。 「衣愛代ちゃん。今度はゴールデンのチャンスが来たよ。」 「ゴールデン!!ほ・本当ですか?」 「ああ、ただちょっと体を張るけどね。」 衣愛代はその内容を見せてもらい、たしかに体を張った内容だったので少し 戸惑いを感じてしまった。 でも未だ7本レギュラーも持ちながらゴールデンへの出演がこなかった衣愛代 にとってはこれは魅力的なものだった。 内容は今TVで有名なお笑いコンビ”ふりはり”がやっている番組でそこにレギュラー で出ている3人娘と3マッチしてレギュラーを獲得する内容だった。 そう、この番組はことある度にレギュラーを入れ替えしたり追加したりする内容 を良くやる番組であった。 今回は女性陣の追加という事で何と衣愛代にその白羽の矢があたったので あった。 ただ、選ばれたのは衣愛代1人ではなく他にも33人ほど選ばれた中の1人で あった。 その33人でまず予選を行いその中で勝ち上がったものだけが初めて3人娘と 3マッチできるのであった。 ただ、衣愛代の場合は初めから特別シード権をもらっており第3次予選から参加 する手はずになっていた。 「えっ?この特別シード権って私だけですか?」 「いいや他にも2人、全部で3人が第3次予選からだよ。」 「じゃあ、残りの30人は第1次予選からいくんですか?」 「ああ、だから第3次予選は4人って事になるな。」 「本当に第3次予選からでいいですか?」 「ああ、第1・2次予選は深夜に枠とってやってるから衣愛代ちゃんのイメージと  あわないから第3次予選からしてもらったんだよ。」 「第3次予選はどこの枠なんですか?」 「第3次予選は土曜の午後枠だから安心していいよ。」 「この書かれてる内容だと今日の深夜が第1・2次予選なんですね。」 「ああ、でも第3次予選とは内容が異なるから見ても参考にならないよ。」 「えっ?でも出る人のチェックぐらいは..」 「見ないほうがいいよ。見ても何もならないよ。」 「何もならないって?」 「ともかく、衣愛代ちゃんがわざわざ見るものじゃないよ。」 「はあ・・・・」(何か気になるんだけど...) 「そんな事より、とりあえず、出てみないか?せっかくのチャンスだし。」 「は・はい。お願いします。」 こうして衣愛代は第3次予選に出ることになり今日の打ち合わせは終わったので あった。 (どうしようかな....何か見てみたいな....) 家に帰った衣愛代は作山があまりにも見るなと言った深夜の第1・2次予選が 気になり始めていた。 (たしか・・・明日オフだから仕事ないのよね...) ベットにパジャマで入りながらまだ迷っており、だんだんと気になって眠りにも つけない状態であった。 (このままじゃ気になって眠れないし、明日休みなんだから大丈夫よね。) ついに衣愛代は誘惑に負けて目覚ましを朝3時にセットして就寝についた。 ジリジリリリリリンンーー!時間は午後3時となった。 衣愛代は眠たい目を擦りながら3時に起きTVのスイッチを入れた。 本来なら、通常番組が放映してない枠で今から例の第1・2次予選が何と生放送で 行われようとしていた。 そこには深夜番組らしいタイトルがあらわれ、さっそく第1次予選が始まった。 ただ良く見ると30人のほとんどは見たことのない顔ばかりであり、どの人もなぜか ビキニの水着を着ている事であった。 しかも、どの子もプロモーションや顔は抜群でタレント顔負けの子ばっかりであった。 実はこの30人の大半は番組を盛り上げる為に用意された人気AVに出ているAV嬢や 既にヌード写真集を出して落ち目になったB級タレントばかりであった。 衣愛代が知らないのも当然であり、ついに30人による第1次予選の内容が 発表された。 「第1次予選は水着剥ぎ取りマッチです。時間内に多くの水着を取ったベスト10が  第2次予選に行きます。なお水着を全て取られたら失格です。」 「勝負は3回戦で行います。だから1回目で失格しても2回目には出れますので  みなさん頑張って下さい。」 「では第1回戦開始です。」ピィーーーー!! 開始の笛と同時に30人は一斉に乱闘に入り凄まじい勢いで次々と水着が飛ばされて いった。 TVの画面には常に誰かの乳房とお尻が画面に映し出されていたのであった。 「!!な・なんなの?これ?」 衣愛代は顔を真っ赤にしながらTVを見ていた。もし自分がこんなのに出たらものの数秒 で素っ裸にされたのは間違いなかったであろう。 ただ、すごいのはこんだけ激しい脱衣合戦なのにTVに引っかかる箇所がちきんと映らない 所に驚いたのであった。 衣愛代はドキドキしながらその画面を見ていた。小5の時から清純アイドルと言う世界に 入った為にこういう女性の凄まじいシーンなど見たことがなかったのであった。 第1次予選はもう最後の第3回戦が終わろうとしており、ほとんどの女性が裸を晒させて まさにお色気番組そのものであった。 が、その中でただ1人水着を取られず何十枚も他人の水着を取って予選突破した女性 がいた。 その女性は飯塚 安希。かってはTフロントの女王と呼ばれた辛口セクシータレントで あった。 「へっ。この安希さまの水着を脱がせるやつはいねーんだよ。悪いけどあんた達は 単なるおっぱい出しの番組盛り上げ役なのよ。」 安希の自身はものすごく第2次予選でもその力を思い切り出したのであった。 第2次予選はお色気障害物競走であり、あちこちに設定されたお色気障害を 乗り越えてタイムを競うものであった。 そのお色気障害物競走を安希はビキニの水着を一切外さずに最高タイムを出したので あった。 当然、あとの予選突破者は安希の言った通りコースのあちこちで水着を取られ番組の 盛り上げに貢献しているだけであった。 こうして第3次予選出場は飯塚 安希に決まり、その安希からとんでもない宣言が されたのであった。 「おい、いいか。特別シードのお嬢アイドルども。あんたらの肌全部世間に  晒しちゃるから楽しみにしてなさいよ。」 そのTVを見ていた衣愛代はどきっとした。 (だ・大丈夫よね・・・いくらなんでも第3次予選は土曜だし...) とりあえず、不安を感じながらも衣愛代は再び寝ることにした。 だが、この安希のせいでとんでもない悪夢を見ることになってしまった。 すぅぅぅぅーーー。zzz..... ********************************** ***********  衣愛代の夢の中  ************ ********************************** 「はあ、はあ、はあ・・・・・」 「衣愛代選手、第3回戦は何とか胸だけ晒して生き残りましたー」 「1回目の見事な玉砕の時にはもうだめだと思いましたが何とか頑張りましたね。」 「2回目なんか下半身脱がされても必死にお毛毛を見せながらやりましたからね。」 「ふふっ。お嬢アイドルの割にはやるじゃないの?」 「飯塚さん・・・」 「だけど第2次予選ではあたしが勝たせてもらうわ。あなたは精一杯ファンに裸を  晒して喜ばしてあげなさいよ。」 「・・・・・・・・・」 「さて、次は第2次予選です。第2次予選はお色気障害物競走です。」 「今回、あちこちに設定されたお色気障害を乗り越えて最高タイムを取った人だけが 予選を突破する事が出来ます。」 「まずは飯塚選手からです。ではスタート!!」 (えっ?うそ?早い?何なのこの素早さは・・・・・) 「ゴオォォォォーーールゥゥ!!すごい、まさに最高タイムです!!」 「ふっ。当然じゃない。さあ、次はあなたの番よ。」 「私も負けるわけにはいかないわ。」 「では次はあの清純アイドルの衣愛代選手です。ではスタート!!」 「まずは水着から水着への早着替えです。」 「衣愛代選手、遅すぎます。回りが仕切り板が全て下がるまで着替えないと  そのままの姿で行く事になります。」 (えっ。もう板が下がってきている!!まだ・・・脱いだ所なのに...) 「おーーっと、胸が見えてきました。衣愛代選手、遅い!!」 「ああーついにお毛毛も丸見えだー。まだ水着の下は膝止まりだー。」 (とりあえず、下だけでも....) 「おおっと何とかぎりぎりで下は間に合いました。けどその姿で行かなければ  いけません。」 「おおおー衣愛代選手。隠さずに走っています。Cカップの胸が大きく踊っています。」 「次は羞恥の網登りだー。ああー衣愛代選手、足を滑らしたーーー。」 「胸がちょうど網の目にはまって、滑り落ちるのを逃れましたーーー。」 ぎゅっぎゅー!(ああ・・・胸が締め付けられてる...) 「早く足を掛けないと胸にすごい負担がかかっていますーーー。」 「衣愛代選手、何とか足をかけクリアしました。けど胸には縛られた様な跡が  くっきり残っていますー。」 「3つ目はホースくぐりだー。おーっと衣愛代選手ホースにお尻が入らないぞー。」 (!き・きついわ。これっ。こうなったら思い切って。えいっ。) 「おお、何とか入りましたが水着が捲れてます。いいや、これは完全に  脱げてます。」 「このまま、出てくるんでしょうかー。ホースの入り口から何と脱げた水着が  出てきました。」 「ああーー衣愛代選手、ついに素っ裸であらわれました。でもなりふり構わず  走ってます。」 「完全にストリートキング状態です。清純アイドルが素っ裸で走っています。」 「4つ目は2つの平均台に足を掛けて渡る難関だー」 (!台が細いわ・・・こうなったら安全策で...) 「ああーー衣愛代選手、4つんばいで渡ってます。大きく胸を揺らして渡ってます。」 「後ろからは見えてはならないものがばっちり映って居りまーす。」 (いやぁぁーー、後ろから映さないでーー) 「衣愛代選手、ようやく平均台を突破し最後の障害物に走ってますー。」 「今の所、最高タイムです。安希選手をはるかに上回っています。」 (やったー最高タイムなのね。) 「最後はとりもちハウスだー。衣愛代選手とりもちのついてない所をうまく  渡れるかー」 (ここは一気に突き抜けるしかないわ!!) 「衣愛代選手。猛ダッシュで中に飛び込んだー!!」 「ん。衣愛代選手。なかなか出てこないぞー。」 「とりあえず、とりもちハウスをオープンします。」 「おおおー衣愛代選手、仰向けで大の字で張り付いています。」 (!!ああーーだめーー映さないでー) 「衣愛代選手、丸出しの体で必死にもがいてます。」 (あああー動いて!!動いて!!動いてーーー!!!) 「衣愛代選手、タイムアウトー!無念の大の字リタイアです!!」 ********************************** **********  衣愛代の夢の終わり  *********** ********************************** 「いやあぁぁぁぁぁぁーーー!!」ガバッ!! 衣愛代はやっと悪夢から目を覚めた。 「はあ・・はあ・・・私なんて夢を見てたんだろ・・・」 全身は汗でびっしょりとなり衣愛代にとって初めて見る恥ずかしい夢であった。 (私、なんで最後まで走ったの?1番始めでやめればいいのに...) 汗を拭いながら夢の中の自分に後悔していたのであった。 (・・・汗、びっしょり・・・シャワーあびなくちゃ・・・) 衣愛代はぼーとしながら風呂場に行き、パジャマと下着を脱ぎ鏡の前に 立った。 「・・・・・うわぁ・・・真っ赤になってる?」 鏡に映った衣愛代の体は全身が火照っており桜色に染まっていた。 衣愛代はシャワーを浴びながら思っていた。 (あんなTV、見なきゃ良かった。馬鹿だわ。私って・・・  でも、作山さんがあんまり見るなって言ったからつい・・・) 作山がここまで計算してたがわからないが、もしこれも作山の計算なら 衣愛代の羞恥はまだまだ続くであろう。 その上、さらに実行派の飯塚 安希の言葉にも怖いものがあり、これから とんでもない事が起ころうとしていた。


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