プロローグ
光野 衣愛代(こうの いあよ)。
かってこの名を知らないものがいないほどのアイドルであった。
芸能界で売れ始めたのは小5からであり、そのかわいい童顔と
美声が世間に受け、それから3年間はまさにトップアイドルの道
を歩いてきた。
しかし中3あたりから、新手の沖縄少女や美貌の小学生ユニット
が出てきてからは落ち目になる一方だった。
そう、童顔と美声は大して変ってはなかったが、体の方は意外に
成長してしまったせいで、アンバランスな状態になった為である。
何せ「純真少女天使」と言われた彼女は今はCカップの胸が大きく
目立つ女の子になってしまったのであった。
かってレギュラー12本と言う過密状態も今では3ヶ月に1本のマイナー
出演となってしまったのであった。
一時は引退も考えたが高1で引退も早すぎて情けないし、その上、
高校はアイドル専門の所であった為やめる事も出来なかった。
また本人も再起を狙っており、少々ずれた番組でも出てもいいと言う
そんな時期であった。
そう、その時期に偶然にも業界でやり手の敏腕マネージャーが衣愛代
に付くことになったのであった。
この敏腕マネージャー作山はかって落ち目だったアイドルを数年で紅白
まで出した実績があるのである。
ただ同時にいろいろ悪いうわさもあるが、ここまで有名になる為には
しかたないといってもおかしくはなかった。
そんな作山が早速、衣愛代の復帰第1弾の仕事を取ってきたのだった。
第1話へ