第9話「目隠しをされて」


(僕としたことが..少し予定が狂ったが、これで良しとするか)  中條は少し困惑していた。実は予定では、欲情した結愛子をカップルの 乱交に混ぜてやるつもりだったが、それだと面白くないと感じたらしい。  落ちやすいと分かった結愛子が、どこまで耐え切れるか。強い性癖を目 覚めた女性がいつまで牝に落ちずにいられるか。あのピンク会社で、わが ままお嬢やエロ上司にどれぐらい対抗できるかを知りたくなった。 (別にいつでも彼女を堕とすことは出来るんだ..そうさ!単に僕の気ま ぐれで予定を変えたに過ぎない。彼女に乗せられたわけじゃない..)  本当なら、今日中にフェラチオさせるぐらいに結愛子を堕とすのは中條 にとっては容易いはずだ。  なのに、結愛子と話していく内に、もう少しだけ彼女の抵抗を見たくな ってきたらしい。  けれど、わがままお嬢を敵に回したり、エロ上司のとこに配属された段 階で結愛子は完敗しているはずだ。  こんな七難八苦を結愛子が乗り越えられない。  乗り越えられないはずだが..もしかすると..  結愛子に何かを感じた中條の額から汗が一滴だけ首筋まで流れた。 (アハハッ、ま・まさかな..この僕が彼女にしてやられたと言うのか? 違うっ!まだセックスをしないのも、させないのも僕の余裕さ..)  すでに結愛子は知らず知らずの内に何回か危機を抜け出ており、まるで 何か得体の知れない力が働いてるようであった。  だが、こんな偶然な危機回避が何回も続くはずはないだろう。もう、す でに次の危機が迫っており、中條の次の手が開始していたからだ。 「さて、結愛子チャン。今からは目隠しをしてもらうよ。拒否してもいい が、この目隠しは僕の情けだと思ったほうがいい」 「情けって?」(ど・どういうことかしら..)  普通に考えたら、目隠しされる方が危険なはずだが、中條の言ったこと が結愛子はすごく気になった。 「さあ、どうする?結愛子チャン」 「・・・め・目隠しをお願いします」(危険だけど..恥ずかしい姿を見な いだけでもマシだわ) 「じゃあ、目隠しするよ。結愛子チャン」  こうして今度は目隠しをされて裸で立つことになった結愛子だが、目隠 しをしたことが正しかったことを、すぐこの後で知ることになった。  カランコロン〜  結愛子が目隠しをした数分後、バーのドアが開き、2人の男性がドカドカ と足音を立てて入ってきた。 「中條の奴はいるかぁ!」「出て来いぃ〜」  いきなり怒鳴りながら店内に入った2人は、何と結愛子と同じ会社の男子 社員だった。 「・・・やはり君たちか。そろそろ来ると思ってたよ」 「中條ぉ〜、お前新人のOLを落としてるってマジか」 「何人も女子社員を落としやがって、返答自体では殴ってやろうか!」 「野蛮だなぁ〜、僕が誰を落とそうか君たちには関係ないだろ?」 「関係なら大有りだ。聞いたところだと、狙ってる子はかなりのウブな子 じゃねーか。入社する前から辞めたらどうする気だ」 「お前が狙ってる子は男のボディタッチでも拒絶するんだぞ!スケコマシ だからって簡単に落とせると思ってんのかよっ」 「そうだな〜。僕でも落とすのは難しいかな。ともかく、今はプレイ中な んでね。あまり大声は出さないでくれないか〜」 「プレイ中って..!!!」「!!!おいおい..」  ようやく、2人の男子社員は中條の近くで立っている裸の女性に気づき、 同時に言葉を失った。 「・・・」(あの目隠しの女性って..例の新人OL?ま・まさかな..) 「・・・」(例の新人OLと同じ体つきだが..ここまで落とせるわけが..) 「君たち、この女が気になるなら近くに寄って見ても構わないさ」 「!!結構だ。とりあえず、忠告はしたからな!おい、帰るぞ」 「ああ。いいか中條、調子に乗ってるとひどい目に遭うからな」 「アハハッ、もう帰るのかい?残念だな〜」  2人は何か慌てたかのようにバーを去っていった。おそらく下手に深入 りして、関わり合いになってはたまらないと思ったのだろう。 「アハハッ、臆病ものだな〜。それにしても、結愛子チャン〜よく堂々と 立っていられたね。まあ、おま●この方はひどく濡れているけどね」 「・・・・・」 「結愛子チャン、これで済んだと思ったら大間違いさ。今みたいな連中が あともう1回ぐらい来ると覚悟した方がいいよ」 「!!」(また来るの?こんな恥ずかしい姿をまた晒されるの..)  余程、中條が結愛子に手を出したのが、男子社員たちにとっては気に入 らなかったらしく、カップルが帰って店内が静かになったところで今度は 3人組の男子社員がやってきた。  カランコロン〜 「中條はいるかっ!」「中條っ」「探したぞ!」 「やあ、君たちも飲みにきたのかい。プレイ中で良ければ席にかけたまえ」 「!また、くだらないことをしてるな」(・・・あの女、まさか?) 「露出プレイだなんて最低だな」(あ、あの新人じゃないよな?) 「そうだ、場を弁えろよ。中條」(目隠ししてるけど..やっぱ) 「アハハッ、君たち。このプレイを楽しめないなんて、悲しいな」  普通の男なら、中條と一緒にプレイを楽しむところだが、彼らも中條を 相当嫌っているのか、変態プレイに手を貸すつもりはなかった。 「そうだ、何か飲むかい?さっき、カップルも帰ってしまってこの通り、 僕しか飲んでないから君たちが来たのが嬉しいのさ。そうだ、スペシャル カクテルを御馳走しよう!」  そう言葉を出すと、マスターがシェーカを中條に手渡してきた。そして、 そのシェーカを結愛子の股間に当てて溢れてる愛液を入れ始めた。 (あっ、あっ、私の愛液でカクテルを作るなんて..) 「この女の汁は結構、止み付きになるから君たちも試したまえ〜」 「け、結構だ!」(ち、違うよな..あの新人じゃないよな?) 「し、失礼する」(俺は信じねーぞ。あんなに堕とされるなんて) 「お、俺たちはそこまで腐ってねーぜ」(あの新人、もう終わりだな)  彼らは目隠しの女性が結愛子であることを感づきながらも、罵言を吐い てすぐに店を出て行った。余程、中條の行為が腹に据えかねたのか全裸女 性が結愛子なのかを追求せずに去っていってしまった。 「アハハッ、残念だな〜。仕方ない、このカクテルは僕がいただくとしよ う。しかし、会社の連中が来てからの君の濡れぶりはすごいもんだ」 「・・・・・」  シャカシャカ..シャカシャカ「中條様、そろそろ閉める時間なので、 このカクテル<媚肉のしずく>が最後で宜しいでしょうか?」 「もう、そんな時間か..じゃあ、結愛子チャンも目隠しを外して服を着 ていいよ。マスター、服を」 「ただ今、持ってきましょう。新品同様に仕上がってますので」 「結愛子チャン、ほらこのオシボリでおま●こを拭いたほうがいいさ。せ っかくクリーニングした下着がもったいないからね」 「は・はい..ぅぅ」(悔しい..くやしいわ..)  目隠しを外した結愛子が悔しさを噛みしめながら股間を拭いていた。  その後は何もされずに服を着替えることが出来た結愛子だが、中條が最 後にマスターがグラスに注いだピンク色のカクテルを結愛子に見せつけて、 こう言ってきた。 「結愛子チャン。この”媚肉のしずく”は最高の味だよ。いつしか、僕が このカクテルに合う媚肉料理を用意してあげるよ。アハハッ」 「ぅぅ・・・・・・」  そう、中條にとってはこんなのはまだ序章にすら過ぎなかった。これか ら本格的な結愛子の辱めを考えていたのであった。 「中條様、タクシーが到着しましたが如何しましょうか」 「結愛子チャン、君が1人で先に乗って帰っていいよ。代金の方は払って あるからさ。それとも僕と一緒に帰りたいかな?」 「いえ、1人で帰れます。クリーニングとタクシー代、ありがとうござい ます。それじゃ、失礼します」 「じゃあ、結愛子チャン。今度は入社式で」「はい..」  こうして結愛子は中條からようやく開放されることになったが、スケコ マシとしては結愛子を1人で帰したことに失格ではないだろうか?  マスターもその事を気になったのが、中條に聞いてきた。 「珍しいですね。中條様が最後まで服を着ているなんて、こんなこと初め てじゃありませんか?」 「アハハッ、そうかい?僕はいつも脱いでいたかな〜。マスターの気のせ いじゃないか」 「いえいえ、いつもの中條さまならプレイの後で奉仕をさせて、そのまま 勃起したモノに跨らせて騎乗位をしてますぞ」 「そうだったかな?まあ、こういう日もあるさ..」  そう、いつもの中條なら最後に相手の女性を自分が座ってるところへ跨 らせて、マスターのシェーカーの音に合わせて、激しいピストンを見せ付 けるところだった。  中條自身も何故、今日だけ何もしなかったことに奇妙に感じていた。 (まさか..彼女がこういう流れに?いや、そんなことはない..ただ、 あっさり堕とすのが面白くなかったからさ..) 「中條さま?もしかして体調が優れないのですか..何か汗がすごいです ぞ」 「えっ..いや大丈夫さ。今日はちょっと気まぐれでこうしただけさ.. 彼女ならいつでも堕とせそうだからな〜。マスターもそう思うだろ?」 「まあ、あんなに濡れるのなら、堕としやすいでしょうな。それにしても 本当に大丈夫ですか?」 「ああ、ちょっと気になることを思い出しただけさ。実はちょっとしたこ とで僕がわがままお嬢を敵に回したかも知れなくてさ..どうしたらいい かな?マスター」 「確か、中條様が勤めてる会社の社長令嬢でしたよね。噂では彼女に目を つけられた社員は酷い目に遭うみたいですね」 「ああ、だから今までは敵対はしなかったんだが、そろそろそれもウンザ リしてきてね。そんな時、彼女が入社してきたんだよ..」 「それって..さっきのお嬢さんは社長令嬢の知り合いとかじゃないんで すか?あんな美人がピンク会社に入るとは、かなり無謀だと思いますが..」 「僕もそう思うよ。驚くことに彼女はわがままお嬢に相当、睨まれている のさ。地元のミスコンでわがままお嬢の連続優勝を彼女が阻止したようだ」 「・・・なるほど、それはかなりの怒りを買うでしょうな。けど、それなら尚 更、彼女が入社した理由がわかりませんな〜」 「どうやら、同じ会社に勤めてる彼氏の借金を返す為に入社したみたいだ。 彼氏が相当、会社から給与の前借りをしてるらしい。今どき珍しいけな気 な話さ」 「そうでしたか..それなら納得できましたが、そんな男に騙されるお嬢 さんでしょうか?かなり、しっかりしてましたが..」 「別に騙されてるからじゃないし..彼氏の川阪って男は本当なら、すご い天才料理人になってたからな。奴は百年に一度の逸材だそうさ」 「そんなすごい方でしたか..しかし、それほどの腕を何故活かさないの でしょうか?」 「活かせないのさ..今でも奴は料理の腕を鍛えているが、その才能が世 に出ないように巨大な圧力がかけられてるようだ。噂では料理関係の仕事 につけないようにされてるみたいだ。何の圧力かは分からないがな」 「そんなことをされたら、誰でも腐りますな。まだ料理の腕を鍛え続けて るだけでも感心ですな。けど、中條様の会社は食品会社でしたよね?よく 入社出来ましたな」 「どうせ、実態はピンク会社だったから相手にされなかったんじゃないか な〜。あと、これも噂だが、わがままお嬢が入社を強引に勧めたらしい」 「!!それが本当なら、かなり複雑な関係じゃありませんか..その社長 令嬢がお嬢様の彼氏に好意を持っていることになりますよ」 「アハハッ、そうだね〜。もし、あのわがままお嬢が川阪を好きなら、僕 はとんでもことに顔を突っ込んだことになるな..」 「中條さま..」 「まあ、それもスケコマシの運命と思って諦めるさ。アハハッ」  この時、中條は何か悪いことが起きることを予感していたのかも知れな い。そして、この悪い予感は後日、的中することになった。  一方、結愛子の方は無事に自宅のアパートへ着いた。  結愛子は自宅に入ると、すぐにトイレに駆け込み吐き始めた。 「うっ、げぇぇ..うっ、うぅ..」  今頃になって自分のしたことに気持ち悪くなったらしく、しばらくの間 トイレからは結愛子の苦痛の呻きが漏れていた。  どうして、あんな恥ずかしいことを人前でしたのだろうか?思い出すだ けで気持ち悪いのに..酸性の胃液が出るほど恥ずかしい行為だったのに。  そう思う結愛子だったが、あの時は愛液を垂らして悦んでいた。 (何で?何で私ったら..あんなスケコマシの言いなりになってるの?)  それも今でも結愛子の頭の中は中條のことでいっぱいになっていた。  恋人である川阪のことを忘れてしまうほど、中條へ惹かれていた。 (このままじゃ、いけないわ。早く隼人と仲直りして、明日にもデートし なくちゃ..)  結愛子は淫らな自分を忘れようと、すぐに川阪に電話を掛けて仲直りの デートをして欲しいって自分からお願いしてきた。  川阪の方からも「俺も悪かった」と言い、デートの方も快く承諾してく れた。  ただ少しだけ、川阪の優しい態度に結愛子は物足りない感じがしたが、 それは口に出さずに電話を続けた。 (何だろう..何か足りないような..中條さんなら..もっと私を)  ふと中條のことを思い出すと、汗ばんだ身体が何かを求めるように疼き、 ショーツには熱いシミがじわっと広がってきた。 (うそっ..また感じはじめてきたわ..隼人に気づかれる前に切らない と..) 「・・・じゃあ、隼人。明日の7時に駅でね..」「ああ、わかった。おやす み、結愛子」「おやすみ」  電話を切った結愛子は何かを期待するかのように着信履歴を確認し、た め息を吐いた。 「・・・ないよね..んん、無くていいのよ。私、何を考えてるのかしら..」  が、結愛子が肩を落としたのを見計らったように中條からメールが入っ た。(えっ?何よ!このふざけた内容はっ!)  中條のメールはさっきの川阪の優しい言葉とは正反対の酷いものだった。  簡単に言うと、結愛子に裸の写メを送れと命令してきたのだ。 「な、何で、そんな卑猥なものを送らなくちゃいけないのよっ!」  が、結愛子の身体の疼きが一気に激しくなり、服を脱がなくちゃいられ なくなった。  結局、結愛子は裸となって写メを送った。「これよ、これ」と言わんば かりの表情で満足感に浸っていた。  結愛子は思う。やはり自分は中條に堕とされてしまったのだろうか?こ んな写メを喜んで送るなんて..  このままだと結愛子が中條に犯されるのは時間の問題だろう。何せ、今 の結愛子は中條の命令なら何でも受け入れてしまうからである。


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