第44話「加工写真とバスタオル」


 高校を普通に卒業し、社会人となってからまだ1か月しか過ぎていない。  が、この短い期間で結愛子の状況は大きく変化した。  学生の頃は、社会人になっても大して変わらないと思っており、いやら しいことが苦手なとこも治ることなく、真面目な女性として普通に結婚し、 子供を育てて、平凡な一生を過ごすはずだった。  ドラマや映画みたいなとんでもない事が起きるわけはない。今までの18 年間もそんなすごい出来事なんて味わってない。  でも、それでいい。結愛子は平凡で終わることを嫌だとは思ってない。  クラスメイトや後輩たちからは堅物やら、クソ真面目な女と影口を叩か れても構わない。いやらしいことが嫌いな気持ちを変えるつもりもないか らだ。  だが..そんな結愛子が就職してからは―――  そう、崎長食品会社に入社してからの1か月。結愛子の裸が晒されてな い日は休みを含めて一切無かったのだ。  結愛子を辱める様々な罠、陥れようとする者たちの暗躍に、結愛子のお っぱいやおま●こが多くの男たちの目の前に差し出される。  ”彼氏の借金”を返すだけなのに、ここまで酷いことになるとは..  けど、これは結愛子自身が選んだ道だ。ピンク会社で多少の辱めを覚悟 した経過なのだ。  だからって、結愛子がいやらしくなったというわけじゃない。  思い返せば奈緒や伊持たちの嫌がらせで裸にされてただけなんだから。  そういうことをされなければ、結愛子は絶対に自分から裸になるつもり もないし、いやらしいことをしようとも思わない。  つまり、GWでの一週間は裸にされることなく、思い切り遊べるのだ。 「…そ・そうよ。しばらくエッチなことから解放されるんだから..」  不安な顔で明日からのスケジュールをカレンダーで確認する結愛子。  これから1週間は会社の人たちと会うことはないので、辱めとは無縁の 生活となるのだが、何かありそうな気がして嫌な予感を捨てきれない結愛 子だった。 (だ・大丈夫よ..明日は一日中、家に居るんだし..)  翌日の日曜日、結愛子は自宅で昨日のインタビューで聞いたことをPC でまとめていた。  リモートツールを立ち上げて会社のPCを遠隔編集している。今の時代、 家でも十分に仕事が出来るので便利である。 「…課長ったら、またいっぱい添付ファイル送ってきてる..」  受信トレイには女体盛りの写真が含んだメールが未読のままでいっぱい あった。普通だったらセクハラものだが、女体盛りを調べてる結愛子に送 る分には問題はない。 「休みの日は..こういうの見たくないのに..」  昨日あれだけ恥ずかしいことをした割には、裸の写真で気分が悪くなっ てきた結愛子。  吐き気もしたのでPCを閉じて、アロマを焚きココアでも飲みながら落 ち着くことにした。 「…やっぱ、今日中にある程度まとめなくちゃ!」  真面目な性分ゆえに、軽く両頬を叩いてPCに向き合う結愛子。  こんないやらしいメールをいつまでも未読のままで置きたくもないし、 さっさと中身を見てごみ箱に移動しなくちゃと陰健課長からのメールをチ ェックし始めた。 「課長ったら..また私の身体にそっくりの写真ばかり..これなんか、 おっぱいそっくり..こっちはあそこの毛の生え方が同じだわ..あっ、 あぁ..」  つい小さな喘ぎ声を出してしまった結愛子。  そして昨日と同じに自分の写真を呼び出して顔の部分だけを差し替えて いく。別にこういう姿への願望があるというわけじゃなく、ちょっとした 興味本位で、どんな風に見えるかを確認するだけだった。 「やだぁ..これは合いすぎだわ。あとで削除しなくちゃ..それにして も暑いわ..あつい」  顔を真っ赤にしながら、結愛子はあまりの暑さからタンクトップをバッ と脱いだ。 「ふぅ〜。少し涼しくなったわ。窓も全部開けちゃお〜」  小花柄がプリントされたライトグリーンのキャミソール、ショートパン ツと軽やかな部屋着の結愛子が窓を全開に開けた。  無論、外にも普通に出られる部屋着なので全くの問題はないだろう。  普段はもっと暑苦しい恰好で部屋に居る結愛子だったが、部屋がこうも 暑くなっては仕方がない。もっと暑くなったら玄関も開けるつもりだ。  何せ、結愛子が住んでる付近は治安が凄くいいので、ついつい無防備に なってしまう。嘘みたいな話だが、結愛子が不在時に雨が降ってくるとア パートの管理人が勝手に入ってきて洗濯物を取り込むぐらい、人情にあふ れ、互いの信頼感がある場所なのだ。 「…さて、くだらない写真加工はこの辺にして、さっさとまとめなくちゃ」  けれど、結愛子がしているのは写真加工の続きだった。何だかんだ言っ て添付してあった写真に次々と自分の顔を当てはめていく。 (あぁっ..どんどん加工していっちゃう..とりあえず後でまとめて削 除すればいいんだから..GWだし..みんな休んでるから保存しても大 丈夫よね..)  誰にも見つからないように階層の深いフォルダに、結愛子は加工した写 真を保存した。もちろん、どれも結愛子の顔が張り付けられた女体盛りの 写真ばかりだ。 (名前も適当で入れてるし、個人のフォルダを覗く人なんているわけない わ..それにしてもいっぱい作っちゃったわ)  フォルダのプレビューには、加工写真が縮小されて映っており、それを 見つめている内にショートパンツにシミがじわっと広がってきた。言うま でもないが、それは結愛子の愛液であった。 (!嘘っ..濡れてくるなんて..別にそんな気持ちで作ったわけじゃ)  結愛子は自分が感じてなんかないと言い訳を始めた。けど身体の方は正 直だ。固く尖った乳首がブラを押し上げていく。さらにクリトリスの方も 膨らんでいく感触がした。下着の中で3つの突起が暴れまくってきたのだ。 「あっ、あぁっ..わ・私ったら、何てはしたないのぉぉ〜」  正直なところ、このままオナニーを始めてすっきりしたい思いに駆られ た。周りには誰も居ない..遠慮せずに裸になって、おま●こを弄ってし まえばいいだけのこと。  きっと、すぐにイってしまうだろう。我を忘れて何度もイくことも今の 結愛子なら容易いのであろう。 「…オ・オナニーしたい..あぁっ」  ショートパンツをびしょびしょに濡らしてるおま●こを満足させたい。 第一、オナニーなんて成人女性であれば誰でもするものだから、ここで始 めても何の問題もないはずだ。  けれど、結愛子は必死に我慢を続けるだけで、おま●こを弄ろうとして こなかった。  何故なら結愛子にとって、加工写真に興奮してオナニーすることは汚ら わしい行為、恥知らずな行為と思っていたからだ。  何が悲しくて、女体盛りの女性の写真でオナニーしなきゃいけない。そ れも自分の顔が張った加工写真なんかで..  こんなものでオナニーするほど自分ははしたなくない。濡れたのは、ひ と月近くオナニーをしてないせいなのよ!と興奮したことも別の理由があ るのだと自分自身に言い聞かせた。  そう、驚くことに丁度一か月前の新入社員研修4日目の夜にしたオナニ ーから、今日の今まで性欲を発散させずに我慢し続けている。  あれだけの恥辱な目に遭いながらも、結愛子はあれから1回もイってな いのだ。  それが逆に結愛子の身体を蝕めることに繋がっている。  自分から生殺しの快感をいつまでも繰り返してるようなものであり、こ んなことをしてるから時々、エッチなスイッチが入ってしまうのだろう。 (絶対に..絶対に!いやらしい自分になんて..なってたまるものです か!禁煙や禁酒と同じよ。我慢し続ければ元の私に戻れるわ..)  もしかしたら、結愛子はエッチなスイッチが入ってしまう自分を恐れて るのかも知れない。仮にスイッチが入りっぱなしになれば淫女になってし まうからだ。 (淫女になんてなってたまるものですかっ!今日は絶対に何もない1日で 終わらせなくちゃ..)  何とか快感の渦から抜け出したいと思った結愛子に好機が訪れる。耳元 にパラパラと雨音が聞こえ、干していた洗濯物を取り込まなければならな くなった。  これで作業を中断することが出来、急いでベランダに出た結愛子。  さらにはショートパンツのシミを隠してくれるかのように雨が本降りへ 変わり、結愛子の全身をびしょびしょに濡らしてきた。 「ああ..下着までびしょびしょだわ。このままじゃ風邪をひいちゃうわ。 一度お風呂に入った方がいいよね」  濡れた服や下着を洗濯機に放ってから、雨で冷めた身体をお風呂で温め る結愛子。いやらしい気持ちも無くなってきたので、早めに残りの作業を 終わらしておこうと考えた。 「ふぅ〜、もう夕方だし..夜まであんな加工の続きなんてやりたくない から、さっさとまとめなくちゃ」ザパァー  変な気が起きる前に片付けようとお風呂から出て、すぐに続きを始めた 結愛子だが、はしたない事にバスタオル姿のままだった。 「…まだ汗も止まらないし..あと少しで終わるから..ただそれだけな んだから..」  最初は汗が止まったら着替えたらいいと思って続きを再開したのに、そ のまま夢中になってしまうなんて思いもしなかった。 「…そうだわ。せっかくバスタオル姿なんだから..」  加工の際にどうしても首の部分で差し替えなければいけないことに結愛 子は不満を募らせていた。  まあ、服を着ている写真や太い肩紐が見えてる水着写真しかないので、 加工の際には首の部分で分けなければいけない。  別にそれでも構わないと思っていたのに、今はそれが嫌だと強く思い始 めていた。 「…バスタオルぐらいの写真なら..どうってこと無いよね?」  いやらしいことが駄目な自分を説得するような言葉を出す結愛子。  加工に必要な上半身姿だけ撮ればいいとデジカメを手に取って鏡台に向 かって写真を撮り始めた。  パシャパシャとシャッター音が鳴るたびに結愛子の心臓の鼓動が大きく なり、身体全体が汗ばんでくる。つい、このタオルの結び目を取って涼み たくなったがそれは必死に我慢した。 「絶対に裸の写真だけは駄目っ!バスタオル姿だけでいいんだから」  が、実際は汗を吸収したバスタオルが身体に密着していたので、所々が 透けて色っぽかった。  そんなバスタオル姿の写真を十数枚撮って作業の続きをし始めた結愛子。  何とか理性を奮い立たせて裸の写真は撮らなかったが、何枚か全身を映 した写真を撮ってしまったらしい。 「これで加工がし易くなるわ..恥ずかしい思いで撮った甲斐があったわ」    こうして残りの写真を30分程度で加工を終えた結愛子だが、何故か今 まで加工した分の修正までも始めた。 「気になってたとこを直すだけ..せっかく肩出しの加工元もあるし..」  もはや周りが見えなくなっているようであり、自分が今どんな姿で居る のかも気付いてないようだった。  雨音がひどくなり、日が暮れても結愛子の加工作業は今だ止まらない。  先ほど使ったデジカメの近くには濡れきった布が無造作に置いてある。  それは先ほどまで身体に巻きつけていたバスタオルであり、知らず知ら ずの内に外してしまったのだろう。  つまりは結愛子は素っ裸のままで写真を加工し続けていた。身体が火照 っているせいか、本人は裸でいることには気付いてない。  いや、気付いていたら窓を開けっ放しなんて出来ないはずだ。  窓から景色が見えないほどの大雨なので覗かれる心配はないが、見よう と思えば簡単に結愛子のはしたない姿を拝めるのだ。  結局、結愛子がこの失態を知ったのは作業が終わった2時間後であり、 窓を閉めようとした時だった。 「!えっ?今まで裸だったのぉぉ〜。ずっと外から丸見えってこと.. いやぁぁぁぁぁ〜!」  今更ながら恥部を隠して、しゃがみこんでみたが遅すぎる反応である。 (だ・大丈夫よね?外は大雨だったし、もうとっくに暗くなってるから)  辺りが暗くなって見えないことに少しホッとした結愛子。  この時の結愛子は大きな勘違いをしていた。煌々と明かりが灯っている 部屋がどれほど外から見やすいことを。  まあ大騒ぎになることも人が集まる様子も無かったから、見つかっては ないと思う..車は何度か停車したが、この辺りは路上駐車が多いので大 したことはないはずだ。 「そうよ..こんなに辺りが静かなんだもの..誰にも見られてないわ」 と自分に言い聞かせながら情けない顔して項垂れる。いくら覗かれてない としても、裸を晒したのは事実。家に居ても辱めを味わうなんて悔しい。  ―――きっと明日は大丈夫、恥辱とは無縁の所にいくつもりだから。  ため息を吐きながら、PCを片付けて食事の準備をする。一通り家事を 終えたところでトレーニングウエアへ着替えて夜のジョギングを始めた。  週に2・3回、20分ほど近所を軽く走るだけのジョギングであり、人通り が少ない歩道を走る結愛子。  そんな結愛子がコンビニの前を通り過ぎると、たむろしている男たち全 員が口をポカンと開けて、つい視線を結愛子の姿に向けた。  白のノースリーブカットソーに白のショートパンツ。ごく普通の夏用ト レーニングウエアだが、結愛子が着るとかなり色っぽく見えてしまう。  前は濃い暗い色を好んでいたのだが、最近は白を選んでジョギングする ので結愛子の悩ましい豊満ボディがくっきりと浮き上がっていた。  すれ違う男性は大抵、結愛子の走る姿に鼻の下を伸ばして魅入っていた。 逆に女性には舌打ちされることが多い。まあ変な恰好で走ってるわけじゃ ないので何か酷い目に遭うわけもない。  結愛子も自分が目立っているのを分かっていた。恥部をじろじろ見られ て気持ち悪くもなる。が、身体の奥で熱くなる感触が気持ち良くて癖にな っていた。  それに思いっきり汗をかけてすっきりするので、最近は多少見られても いいかなと考え方も変わってきた。  いや、下着が汗で透けるから邪まな視線で見られてるのだから、ここは 思い切って下着を着けない方が逆にいいのかなと、おかしな思いつきが出 る有様だ。  やはり、結愛子は知らず知らずのうちに露出癖が目覚めようとしている のであろう。  そう考えると、結愛子が下着を着けずにジョギングする日は、案外遠く ないのかも知れない。


(最終更新:2011年9月15日)
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