第4話「定番。刺身の盛り合わせ」


 絶頂した私が次に目を覚ましたのは配膳台の上であった。  身体はすっかり綺麗に川坂く・・・ううん、隼人によって拭かれており、 Dカップの胸も下腹の茂みも晒したまま台の上に寝ていた。 (私、イっちゃって気を失ってたんだ。それも隼人の前で)  綺麗に拭かれている身体を見て私はだんだん恥ずかしくなってきた。 (おっぱいもあそこも拭かれてる・・・私、全て晒しちゃったのね。もう 今なら隼人を受け入れられるわ..)  私はもう隼人に全てを許す気分でなっていた。  もしここで隼人がその気になっても私は一切抵抗せず受け入れようと思 っていた。  だが、そんな私に隼人は全く違う態度を示してきたのであった。 「結愛子、やっと目が覚めたね。おはよう」 「・・・おはよう」顔を赤らめ隼人に挨拶を返した。  隼人を意識してるせいかさっきまで柔らかかった乳首が固く勃起してし まい、つんと上を向いてしまった。 (やだ..乳首たっちゃった・・・隼人に気付かれるわ..どーしよ...) 「・・・・私。そろそろシテいいかな?」 ドキッ!!「・・・は・はい..お願い・・します・・」 (いよいよ、私隼人と一緒に..一つになれるのね?) 「ところで、定番で行こうと思うが、私はどう思う?」 「?定番..?えっと隼人の好きにしていいわ..」 「そうか。じゃあ俺に任せてくれ」 「はい....」 (隼人、今日こそ一緒に...) 「よし、じゃあ定番の刺身の盛り合わせでいこう!!」 「は・はあ?」 「結愛子、ちょっとだけ待ってくれよ」  隼人は平然な顔で新鮮な魚を次々とさばいていった。 (!!この鈍感男ぉぉーー!!なんでそうなるのよー!!) 「じゃあ、結愛子。盛り付けていくよ」  隼人はさばいた魚を私の体の上にのせて刺身を盛り付けていった。  一方、私は全身を真っ赤にしてその様子を見るしかなかった。 「うーん。ここは赤身でこっちが白身だな」 「隼人...あのー」私は隼人に少し声を掛けたのであった。 「悪いけど少し黙ってくれないか?どうもこの配置がいかなくて・・・」 (ちょっと何よ?その真剣な表情?私あなたの前で裸になってるのよ!!)  隼人は全裸の私に対してまるっきり変な感情を持っていなかった。  もう既に頭の中はあの陸永洋蔵を倒す事でいっぱいで料理の事しか考え てなかった。 (あーん!!この料理ばかー!!私これでも社内のミスコンでダントツで 優勝したのよー。そんな私が裸になってるのにーーー) 「ふぅ、この胸が大きすぎるな。どうも配置のバランスがうまく取れんな」 (なんですって!!私はこれでも美乳のDカップって言われてるのに。配 置ですってー胸を見なさいよー)  私は何と大胆にわざと自分のおっぱいを軽く隼人の前にぶるんと揺らした。 「結愛子、揺らすのはやめてくれないか。刺身が落ちてしまう」 「・・・・・・」(隼人のばぁぁかぁぁーーー!!!)  私の豊満なおっぱいも隼人にとってはただ盛り付けにくい膨らみとしか 映っていなかったようだ。  私はだんだんイラついてきた。隼人の頭にはもう料理以外の事は考えて おらず、私の裸をただの盛り付け皿としかとらえてなかった。  さっきまで真っ赤に恥ずかしかってた私もだんだん馬鹿らしくなり、落 ち着きながらそのままその様子を見る様になった。 (それにしても、さすがあの陸永洋蔵の息子よね。こんなに綺麗に盛り付 けするなんて・・・・でも少しは私の決心も気づいてほしいわ・・)  そう、さっきまで抱かれてもいいと思っていた私の身体は今では刺身が 盛られている別のものにされてしまった。  すでに上半身は刺身に覆われており残りは下半身のみになっていた。 (そう言えば毛はどうするのかしら?隼人って料理ばかだから一瞬剃られ たかと思ったわ)  そう、まだ私のアンダーヘアーが黒く覆い繁っていた。  隼人はそのヘアーに天然着色で色を着けた刺身のつまを綺麗に飾ってい った。  いろんな色の刺身のつまは見事に私のヘアーを目立たなくしていたので あった。 (・・・すごい。ここまでやると何もいえないわね)  もう、私は完全に諦め隼人の好きな様にさせる事にした。  そして、ようやく盛り付けは終わり隼人は私の前に大きな鏡を照らしな がら聞いてきた。 「出来たよ。結愛子。これならいやらしさもない筈だ!!そうだろ?」 「ええ、たしかに肝心な箇所は刺身で全て隠してるし、変な強調もないか らいやらしくはないわね」 「そうだよな。俺もそう思うんだ。これなら下衆に見えないだろう?」 「うん。盛り付けも綺麗だし。下衆には見えないわ」 「そうだよな。下衆じゃないだろ」  隼人は心底、自分の出来に喜んでいた。私もそんな隼人の顔がとても好 きで裸になったのも悪くないと思っていた。  だけど、まさかその隼人が私に向かってとんでもない事を言ってくるな んて思ってもいなかった。 「よーし!じゃあ、後は残っている課内のみんなに意見を聞けば!!」 「えっ?ちょっと待ってよ。隼人!!」 「どうしたんだい?結愛子?」 「わ・私この下、何も着けてないのよ。裸なのよ!!」 「それはわかってるよ。女体盛りなんだから」 「ちょっとー私の裸を課内に晒す気なの?隼人?」 「晒す?何言ってんだ?みんなの意見聞くだけだよ。それにみんなだって テーマは知ってるんだからちゃんと評価してくれるよ」 「でも、私の裸がみんなに...」 「大丈夫だよ。これは下衆じゃないんだ。誰もそんな気は起らないさ」 「そういう問題じゃない!!」 「大丈夫!俺を信じろよ!!」 「隼人ぉのばかぁぁーー。もう信じられないー」 「何怒ってんだ?ほら、行くぞ」隼人は平然とした顔で調理室のドアを開 けて、私が乗ってる配膳台を課内まで押していってしまった。 「あーん。隼人のばかーー!!」  私の女体盛りが外の明るい照明に照らされながら課内に向かっていく。  そしてついに課内の中に運ばれた。  言うまでもないが、課内は騒然となった。 「おおーすげー本物の女体盛りじゃん」 「桜野さん。綺麗じゃない?なんか本当に裸の上に盛られてるみたい」 「でもさすが川坂だな。全然いやらしく見えないな」  課内のみんなが徐々に私の回りに集まり、女体盛りを評価していく。 「どうだ?みんな。これなら下衆じゃないだろ?」 「そうだな。いや感心したよ。これならもう1つの立派な料理だよ」 「そうね。盛り付けがうまいから桜野さんが何も付けてない風に見えるわ」 「うん。そうだな。さすが川坂。その辺の工夫も見事だな」 (うそっ?みんな私が裸って気付いてないの?)  そう、あまりにも見事に盛り付けたその姿では何もつけていない事は分 からず唯一ばれるとしたらアンダーヘアーの所だけであった。 「見て。ここ。何かいかにも毛っぽくない?」 「本当だ。刺身のつまを細く切ってうまく演出してるって事か」 「桜野さん。ここ毛っぽくて恥ずかしいんじゃない?」 「あ・あの・・・」 (それは毛なのよ!あんまり見ないでーー、触らないでーー)  隼人のあまりにも見事な技法に、みんなが気付かずに毛を引っ張って確 かめてくる。 「下地が肌っぽいとは。すげーな。本物の毛みたいだ」 (いやぁぁーー。それ、本物なのよぉぉーー)  このままじゃ、もっとまずい状態になっていくのが私にはわかっていた。 「じゃあ、みんな次は試食してみてくれないか?」  隼人はついに私が恐れていた事を軽々と言ってきた。 (隼人のぉぉぉぉーーーーばかぁぁぁぁぁーーー)  課内のみんなは隼人の言葉を聞いて次々と箸をもって私の所にやってき た。もう、私にはこれを素直に受け入れるしか選択の余地はなく、羞恥の 試食会が行われようとしていた。  でも、どうしてこんな風になってしまったのだろう。  どうやら、私の知らないところで、こういう流れに持っていこうという 企みが密かに進行していたらしいのだ。


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