エピローグ(2009年版)


「はっ!こ・ここは..」  目を覚ますと眩しい光が飛び込んできた。私の視界には覚えのない天井 が映った。  いや、覚えがないのはそれだけではない。寝ているベットも周りの風景 も初めて目にするものばかりだ。  そして、ここがとどんな場所であることに気が付いた。 「もしかして病院?えっ?私なんで病院なんかに..」  何で入院なんかしてるのであろう?が、すぐに病院に運ばれたことを思 い出した。 (!・・・そうだったわ..あのとき)  記憶が蘇ると大量の涙が零れ落ちてくる。忘れたかった悪夢が全て鮮明 に頭の中で整理されていく。が、その記憶が夢と現実の区切りをつけてく れたのは嬉しかった。 「そうよね..いくら何でもあのまま強姦されるわけないよね..私った ら何変な夢みてたのよ..」  そう、2度目の潮を吹いて絶頂したときからの出来事は全部夢として陵辱 な展開を勝手に想像していた..それは隼人への贖罪から生まれたものか も知れない。  もう何もかも受け入れるほど堕ちた私に対する罰..隼人をみんなの前 で辱しめてしまった罰なんだろう。 「隼人..ごめんなさい。こんな淫らな私のために..私のために..」  ぐすんっ..ぐすっ..    本来の事実を思い出した私の涙は止まらなかった。泣きながら私は隼人 へ謝りつづけた。そう、私を救うために全てを捨てた隼人のために..  3日後、軽症だった私は検査入院だけで済んで無事、退院することが出 来た。そして、すぐにその足で会社へ向かった。  あの恥辱な女体盛りをされた課内がどうなっているかを、この目で確認 したかったのである。 「・・・ぁぁ、こ・これが私が働いてたとこだったの?」  思わず膝がガクンとなって、床にペタンとお尻をついてしまった。  愕然として見ている課内の様子が壊れた机・椅子やガラスの破片が散乱 して足の踏み場がない状態となっていたからだ。 (ご・ごめんなさい..私のせいで..隼人ぉぉぉ〜)  これは全て隼人の仕業だった。課内のみんなに嘲笑されて出て行った隼 人であったが、ちゃんと戻ってきたのだ。でも、その表情は尋常なものじ ゃなかった..  まるで狂人そのものだった。恋人である私が怯えるほど、隼人はおかし くなって暴れてきた。  男子社員は大勢居たけど、あまりの出来事にパニックを起こしはじめた。  加えて女子社員たちが悲鳴をあげて、課内を逃げまわる。  男子社員たちは結局何の力も出せずに、暴れ狂う隼人の前に殴られ、吹 き飛ばされて課内のあちこちで倒れていく。  全てが終わったときの惨状は言葉には表しきれなかった。  結果、課内の窓ガラスが次々と割れたのを見た人の通報によって警察が 介入し、警察官の手によって暴れ狂っていた隼人は押さえつけられた。  その後は救急車がやってきて、みんなが次々と運ばれていく。ただ難を 逃れた者もいた。それは全ての元凶の元であった課長だった。  課長はそのまま事情聴取のため警察に連れて行かれて事の事実を全てぶ ち撒いてしまった。  そのせいもあったか、事件とはならず厳重注意で済んだので隼人は犯罪 者として捕まることはなかった。  まあ、大怪我を負った社員も居なかったので、ほとんどの社員は1週間 も経たない内で退院してくるだろう。  きっと一番、入院することになるのは隼人だけであり、半年は精神病院 で過ごすことになった。  ここで問題になるのは、今度の料理勝負をどうするかであり、棄権する ことも視野に入れて課内で話し合うことになった。  あの事件があったせいか、課長はすっかり魂を抜かれたかのように憔悴 しきっており、私にすべて一存すると言ってきた。 「もう桜野くんの好きにして構わんよ〜。何かどうでもよくなってなぁ〜、 今月いっぱいで辞めようかと思ってる」 「課長..」  窓を見てぼーと上の空な課長に向かって、私はある決心を持ってこう提 案した。 「あの..課長。それなら、川坂くんの代わりの人に手伝ってもらっても 構いませんか?」「川坂の代わり?そんな奴がいるわけないだろ〜。まあ、 桜野くんが希望するなら頼んでおくよ。一体誰だね..」 「・・・き・菊谷くんと森野くんにお願いしていいですか..」  私は唇を震わしながらそう言葉を出した。何故、あの2人の名を自分の 口から出したかは分からない。ただ、本気であの2人に頼みたい気持ちは 強かった。 「菊谷と森野?どういうことだ?桜野くん」  さっきまで憔悴していた課長の声に少し張りが戻ってきた。 「にょ・女体盛りなら..あの2人の方が分かってると思うので..」  私のこの言葉に課内がざわつき始めた。  そんな私の言葉を耳にした課長が、いつもの口調で質問してきた。 「桜野くん。菊谷と森野に頼むということが、どういうことか分かってる かね?奴らは君を辱しめるぐらいしかできない能無しだ。いや、今なら冗 談ということで聞き流そう。ひょっとしたら入院している川坂に代わって 復讐を企てているかも知れないしな..」 「そうですよね..私がこんなこと言うのおかしいですよね?でも..も し私が本気で頼んでいたらどうしますか..」 「そんなわけあるわけないだろ。もし本気なら、私を納得させるぐらいの ものを示してくれないか」  課長の声はいつもどおりに戻っていたが、それは私を警戒してるだけの ことだった。 (示せばいいのね..私の本気を..)  そう思った私の手が服にかかり、何と脱ぎ始めようとしてくる。何故、 こんな馬鹿なことをと理性の私が拒絶したが、私の手はまったく止まるこ とはなかった。  さっきまで身に着けていた服が次々と床に落ちていく。どうしても脱が なくちゃいけない衝動にかられていた。  周りに社員が居る中でストリップするということが、とんでもないこと だと分かっている。それでも私の手は下着にまで伸ばすことになり、脱ぎ 捨ててしまった。  ついに自分から服を全て脱いで課長の目の前で全裸となった私。 「課長..こ・これでいいですか..」「桜野くん..」  何で..こんなことを?どうして裸なんかに?  裸になった今でも自分が何でこんなことをしたか分からなかった。  でも1つだけ確かなことがあった。あの女体盛りは私にとって惨めで屈 辱的だったけど、今までにないものすごい快感を得られたのも事実だった。  あんなに気がおかしくなるほど感じることなんか女性として生まれてこ の方はじめてだった。ましてや、あのおぞましい菊谷と森野に恥部を弄ら れて喘ぎまくったなんて本当なら、2度と絶対に思い出したくない記憶だ。  が、菊谷と森野にぐらいしか引き出せない快感であったのも間違いない。  悔しいことだけど、私の身も心もすでに完敗してしまった。あんな淫ら な快感は必要ないと思っていたのに、オナニーする度に、あの辱めをオカ ズにしてしまうようになった。きっと、この先、隼人とつきあっても、あ の快感を超えるものをくれるとはとても思えない。  もう1度..あの時の最高の料理を味わいたい..いや、この課長や菊谷 と森野なら、それ以上のものを用意してくれるだろう。  その為にまずは自分から示さなくちゃいけなかった。桜野 結愛子は、 もう課長たちの成すがままに出来ることを.. (ぁぁ..裸になっちゃうなんて、私どうかしてる..でも・・・でもぉ)  もっと最高の料理を目指したい..そうせざるを得ないとこまで私はす でに堕ちていた。裸になった私の股間からは、もう愛液が溢れ出しており 脱いだ下着の上にポタポタと垂らしていた。 (これが今の私なの..ごめん..ごめんね..隼人ぉ)  すっかり元気を取り戻した課長の口元に怪しい笑みがこぼれ、結愛子の 行動に対しての言葉を返してきた。 「そっか、君の意志は確かに受け取った。しかしな..まだ足りんなぁ」  ドキンッ..「た・足りないって..」 「そんなに身構えなくて構わんよ。一時的な衝動でないってことを、もっ と口にしてもらわんとなぁ〜。その全裸って今だけなのかい?」 「えっ?」 (・・・これって、私にもっと恥ずかしいことを言えってことなのね..言 いたくはないけど、課長が何を言って欲しいのはわかってる..)  私は課長がどんな答えを求めているのが分かっており、もう観念して自 分の口から課長が満足する答えを返すしかないと思った。 「は・はい..この裸は今だけじゃありません。私、桜野結愛子は今日か ら全裸勤務を約束します。名刺や社員証の写真も全裸に変えてください」  じゅわっ..(ぁぁっ..私ったら、マン汁があ、溢れてる..こんな 恥ずかしいこと頼んで..マン汁がいっぱい..溢れてる..) 「くくっ、今の気分を口にしたまえ。桜野くん」 「こ、こんなに..気持ちいいなんて..私..たまっていたのかも..」 「そうさ、今の君は一時的な暴走かも知れんが、安心してくれたまえ。僕 がこれからじっくり君を教育してあげるからね。くくっ」 「ぁぁっ、お願いします..課長ぉ..」  この身体で味わった最高の料理をしてくれなくちゃ、私、もうダメなの。  最高の料理を目指してくれるなら・・・もう何だってしてもいいの! <おわり>


「最高の料理を目指して」完

<あとがき> ぺた@ぺんです。  今なら、こういうエピローグでもいいかなと思って書きました。  自分的には2001年版も気に入ってますが、最後の最後でこれは無いだろ と思う人もいるので2009年版エピローグとして用意しました。  どっちのエピローグがいいかは読んでいただいた方にお任せします。  当然ですが、このあとの結愛子ちゃんは堕ちてしまったので、復活した 課長と菊谷と森野に弄ばれることは間違いありませんw  中途な終わり方なので、続きを見たい要望はあると思いますが、それは 「結愛子の媚肉料理」にて行なう予定でいます。 <おわり>