準備の多い美容サロン 読切


 三人の女子高生が、しっかりオシャレをして高価なブランド品を身に付 けて、口コミで評判の美容サロンを探して歩いていました。 「こんな田舎にサロンなんてあるの〜?オシャレな店もないし、コンビニ もないじゃん。もう足がクタクタだよぉ〜」 「だるぅぅー、もぉ〜いい加減、帰りたくなったぁぁ〜」 「まぁまぁ〜、もうちょっとで着くからぁ〜、がまんがまん」  そういう彼女も不安いっぱいだった。道は間違えてないはずだが、だい ぶ殺風景すぎる田舎だった。  それに、周りに建物がないせいか、3人の携帯が圏外のままで繋がらな くなっていた。 「もぉ〜日が暮れちゃうよぉぉ〜」と1人の少女が大声で喚いた。 「バスぐらいあってもいいじゃない。タクシーもないしぃぃー」と別の少 女も疲れた顔つきで叫んできた。  2人を誘った彼女も、気を重くしてため息をつきながらこう言ってきた。 「ごめん..やっぱ、ここは引き返さない?」 「・・・ここまできて帰るの?」 「でも、それもありかもぉ〜。ここはいつものサロンに寄って疲れを癒そ うよぉ〜」 「そうね。私、みんなの分おごるから、そうしない?」  ところがどうも迷ったことは、今まで来た長い道をまた歩いて帰るのか、 せめて乗り物に乗って帰りたいと誰もが思った。  日はどんどん暮れてきて、辺りは誰もいない、引き返すのもかなり辛い 選択になっていた。 「・・・もう少し先行く?一応、もうすぐで着くはずだから」 「うん..せっかくここまで歩いたし..」 「もうサロンじゃなくてもいいからバス停か駅があったらいいなぁ〜」  3人の女子高生は、もう少しだけ我慢して歩くことにした。  しばらく歩くと、目の前に明かりが見え、豪華な建物が建っていました。  近くには大きな看板もあり、  《美容サロン シェイム −どなたも気軽にお入りください−》   と書かれていた。 「やったぁ〜。ほんとにあったわぁぁ〜。歩いた甲斐があったわぁ〜」 「けど、こんな殺風景なとこに美容サロンって..ちょっと怪しいよね?」 「けどぉ〜、口コミではめちゃ評判高いし、みんな嘘は言ってなかったよ」 「ともかく、早く行こうよ。いこ♪」  彼女たちは走って入口まで行きました。店の入口は美容サロンらしく、 かなり豪華絢爛な作りになっていて素晴らしいもんです。  そして、扉の近くに案内板があり、そこにはこう書かれていた。  《ただ今、キャンペーン中となっております。決してお代は取りません》  彼女たちはこの案内を見て、手を取り合って喜んだ。 「これってツイてるよね。やっぱ、苦労して歩いた甲斐があったのよ。こ こまで散々な目にあったけど、こんなサプライズがあったなんて」 「そうよね〜。キャンペーン中だったなんて、運がよかったわ」 「この感じだと、帰りはタクシーで帰れそうだよね♪」  彼女たちは扉を押して中へ入りました。扉を開けると真っ直ぐな廊下と なっていき、進んでいくと案内の張り紙が張っており、こう書かれていた。  《本日、若い女性の方は大サービスの限りを尽くします》  彼女たちは、大サービスが待っているのを知って大喜びした。 「やったぁ〜。若い女性大サービスだって♪」 「私たち、女子高生だもんね」 「きゃぁ〜♪嬉しぃ〜」  疲れもすっかり飛んでしまい笑顔満天の彼女たちが廊下を進んでいくと、 今度はピンク色の扉がありました。 「それにしても、このサロンって何でこんなに扉が続くんだろ?」 「そーよね?それにさっきから店の人が出てこないし..」 「ここって田舎だし、店員さんが少ないんじゃないの?」  少し違和感もあったが、彼女たちは扉を開けることにした。中には案内 の張り紙が張ってありここ書かれていた。 《当店は準備の多い美容サロンですから、どうかそこはご了承ください》 「準備が多いんだ..まあサロンだし」 「これってセルフサービスってことじゃない?お客様自身で準備が必要じ ゃないのかな〜」 「そーね。店員さん少なそーだし」  彼女たちは内容に納得し先へ進みました。するとまたすぐに案内の張り 紙が.. 《準備はずい分多くありますが、どうか怒らないでください》 「・・・何よ、これ?怒らないでってどういうこと?」彼女はちょっと不 機嫌な顔を見せた。 「まあまあ、ほらきっと文句を言う客が居るから、前もってお願いするっ てことじゃないの?」 「そーね。先に言えば怒るわけにもいかないし〜」 「・・・そういうことなのかな..う〜ん。まあ、先行きましょ」  ところが、廊下はまだまだ続き、今度は水色の扉が見えました。そして 近くに洗面台があり、注意書きと一緒に多くの化粧品が置いてあった。  注意書きには.. 《お客様がた、ここで身だしなみを整えてこの先のシャワー室で汗を流し てください》  と書いてあった。 「あっ..そーいえば、私たちって、ちょっと汗臭かったわね..」 「結構、しっかりしたサロンよね。やっぱ口コミで評判が高いだけあるわ ね〜」 「見てみてぇ〜、ここの化粧品って全部高級品だよぉぉ〜」  彼女たちはここで綺麗に身だしなみを整えて、汗を流すことにしました。  服を脱ぎ、汗を流そうとシャワー室に入ると何かすごい変な感じがした。  室内のあちこちから覗かれているような感覚、恥部の細部まで測られて いる感じがして、身体がゾクゾク震えてきた。  彼女たちは慌てて汗を流し終えて、バスタオルをしっかりと巻いてシャ ワー室を出ました。  そろそろ店員が出てきて欲しいと、誰もが不安に思ってきた。  シャワー室で着替えて、先へ進むとまた扉と案内書きが見えました。 《着ていた服はすべてここへ置いて進んでください。代わりの水着は用意 してあります》  見るとすぐ近くに台と水着が入ったケースが置いてありました。 「専用の水着に着替えろってことかしら?」 「それにしても水着3着だし..何よっ、これ!」 「何か変な水着ばっかりだよぉぉぉ〜」  美容サロンで用意したものと思えない水着が3着あった。着替えないわ けにもいかなかったので、ここはじゃんけんで決めることにした。 「・・・スクール水着って..どうしてこんなのを」 「こっちは白の競泳水着だよ..それもスケスケだよ」 「2人ともまだマシだよぉぉ〜。私なんてV字水着だよぉぉぉ〜」  おかしな水着にかなり不安を持ちながらも先に進んでいくと今度はカ メラが設置してある扉が見えてきた。 《どうか、ここでプロフィールを撮ってください。そこの用紙に書いて ある質問に答えながら撮ってね♪》 「はぁ?プロフィールって何なのよぉぉぉーー」 「これってサロンする前に書くアンケートみたいなもんかな..」 「どっちにしても撮るしかないよね..」  彼女たちは諦めたかのように、カメラの前で各々のプロフィールを撮り 始めた。時々性的な質問もあったが、仕方なく答えることにした。  プロフィールを撮り終わり、再び進んでいくと今度はパソコンと案内板 があり、 《貴女たちは正直者です。誠に恐縮ではございますが、ここのパソコンに 身体のデータ、好きなもの、嫌いなもの、その他いろんなデータをみんな ここで打ち込んでください》  と書いてありました。  案内板のすぐ近くには高そうなパソコンが起動してあり、よく見ると自 分たちが口にしなかった住所や出身校などのデータがすでに記載されてあ ったのです。 「うそっ?これって、どーいうこと。何で私たちのデータがこんなに詳し く調べられているわけ?」 「調べたと言うより、どっかから私たちのデータを引っ張ってきたんじゃ ない。もしかして市と国とかで許可されてるんじゃ」 「よくある何とか省認可ってやつ?」 「じゃあ、別にデータとか入れても変なことに使われないってこと」 「そうよ、きっと」「うんっ」  彼女たちは店を信頼することにし、パソコンに身体のデータを入れたり、 好きなもの・嫌いなものを書いたり、求められたデータを次々と入力して しまいました。  データ入力を終え、再び廊下を進んでいくとまた扉があって、その前に 古伊万里の壺が1つありました。扉にはこう書いてありました。 《水着を脱いで、壺の中のクリームを顔や手足など全身にくまなく塗って ください》  壺の中を覗いてみると、白濁色のクリームがたっぷり入っていた。 「ほっ、やっと美容サロンっぽくなってきたわ」 「しかし、自分たちでクリーム塗れだなんて本当に準備が多すぎるよね」 「いいじゃない、早く塗って先に進もうよ」  彼女たちは水着を脱いで裸になってから、壺のクリームを顔に塗り手足 に塗りそれから全身にくまなく塗りました。  塗る際に1人の少女が間違えて口に入れたのですが、このクリームが食 べられるものであり、かなり美味しいと知ると残り2人にもこのことを伝 えました。 「ねぇねぇ〜。これ食べられるよっ♪それも、めちゃ美味しいっ」 「ほんと?どれ..!!これマジサイコー」「じゃあ、私もっ」  お腹も減っていた彼女たちは壺の中に余った白濁色のクリームを顔へ塗 るフリをしながら全部平らげました。  満腹となった彼女たちは笑顔を取り戻し、裸であるにも関わらず明るく お喋りしながら先へ進んでいくと、また扉が見えました。 《先ほどのクリームが無くなってましたか、おま●こにも万遍に塗りまし たか?》  と書いてあって、今度は小さな古久谷の壺が置いてありました。 「そっか、さっきのクリームってアソコにも塗るんだ。ちょっと恥ずかし いけど塗るしかないか」 「でも、おま●こってすげー露骨な書き方ね..」 「まあ、女性客相手のサロンだからいいんじゃない」  と彼女たちは素直にクリームを万遍なくおま●こに塗ってしまいました。  少しおま●こが熱い感じですが気にせずに先へ進むと、また扉がありま した。 《サロンはもうすぐで開始できます。10分も掛かりません。すぐに楽しめ ます。なので早くここにある瓶の香水を頭からよく振りかけてください》  近くにはゴージャスな香水の瓶が3つ置いてありました。  彼女たちは警戒することなく、その香水を頭から思い切り振り掛けまし た。ところがその香水は、何故か栗の花の匂いのような、イカ臭いような 匂いがするのでした。 「いやぁぁ〜、何これぇぇ!この香水変な匂いがするわぁぁぁ」 「これ香水なの?何か変な汁っぽいし..同じ白濁色でもさっきのと全然 違うわ」 「うえっ..味も不味いよぉぉ〜。ぺっぺっ、すごっく苦いよぉぉ〜」  彼女たちは苦痛の表情を浮かべながら先へ進みました。  もちろん、また扉が見えて、大きな字でこう書いてありました。 《いろいろ準備が多くで大変だったでしょう。申し訳ありません。けど今 度が最後です。どうか、ここに用意してある手錠と足かせを付けてお入り ください。絶対付けてね♪》  なるほど近くには洒落た形の手錠と足かせが置いてありましたが、これ を素直につけるほど、彼女たちは馬鹿じゃないでしょう。  彼女たちは青ざめた顔をして顔を見合わせながら小声で話し始めた。 「ちょっとぉぉ〜。何で美容サロンに手錠と足かせが必要なのよぉぉ〜」 「これって私たちの自由を奪うってことよね?」 「何か今までの準備、考えたらおかしすぎるんじゃないのぉ〜」 「そ・そうよね..これじゃ美容サロンをするんじゃなく、私たちに変な ことをするつもりで..」ガクガク..ブルブル..彼女の全身が恐怖で 震えだして言葉が出ませんでした。 「どーしよぉぉ〜、裸だし..逃げられないよ」ガクガク..ブルブル.. 「でも、何とか逃げなくちゃ!」最後の1人は何とかこの場から逃げようと さっき入ってきた扉を押そうとしましたが、少しも開くことが出来なかった。  よく見ると先のほうにはガラスの扉があって、扉の向こう側が見える半 透明なものになっていた。 「・・・先、行くしかないよね」 「何で半透明なんだろ..」 「どっちにしても注意しようよ!」  どうやら次の扉が最後の扉らしく、こう書かれていた。 《手足の自由が奪われて歩きにくかったでしょう。さあ、ここが最後です。 さあさあ、この扉を開けて皆さんの姿を披露してください》  と書いてあり、おまけに半透明の扉にはステージのようなものが写って おり、さらには大人数の人の声までが聞こえてきた。 「いやぁぁ〜、これって何なのぉぉ〜」ガクガクブルブル.. 「私たちどうなるのよぉぉ〜」ガクガクブルブル..  2人が動揺する中、残りの1人が元気付けた。 「こんなとこで諦めちゃダメよっ。手錠や足かせを付けなかったのが良か ったわ」  その声を聞いて扉の奥から、コソコソとこんな声が聞こえてきた。 「あちゃぁぁ〜。やっぱり気づいたよ。手錠や足かせは無理すぎだよ」 「そうだよね。調子に乗りすぎだね。俺たちの汁を頭にかぶせるとこまで で丁度良かったんだよ」 「まあこの際仕方ないよ。どーせ、僕らにはマン汁すらも舐めさせてくれ ないんだから」 「そうだね。けど、彼女たちがここに入ってこないと僕らがひどい目にあ うんじゃないか?」 「うん、とりあえず呼んでみよう。おーい、彼女たち、諦めて入ってきな よ。村の男性たち一同あそこを立たせて待ってるし、ステージで踊るのも 快感ですよ。あとは貴女たちが扉を開ければ全て万事OKです。はやく入 ってきてよ」 「大丈夫、大丈夫。理性なんてすぐに吹っ飛ぶから。いっそ強引な方がい いですか?とにかく観念して扉を開けなよ」  彼女たちの全身の震えはますますひどくなってきました。  が、1人の少女が身体に隠し持っていた何かを2人に渡しました。 「えっ?これって..」「これ護身グッツ..」 「ペン型のコンパクトスタンガンよ。50万ボルトの出力があるから、これ で逃げ道を作ろうよ!」  何と1人の少女だけが用心のためにとペン型スタンガン3つを身体の中 に忍ばせて置いたらしい。まあ裸である彼女がどこにこれを忍ばせていた かは言及しないでおこう。 「いくわよ!」「うんっ」「じゃあ、GO!」  彼女たちが思いきり扉を開けてステージに飛び込んでいき、ステージ上 にいた男たちをスタンガンで次々と倒して走り抜けていく。  ステージの向こう側にも扉があり、その扉に向かって彼女たちは走って 飛びつきました。  扉はあっさりと開き、その向こう側は野っ原が一面に広がる出口でした。  外に出られた彼女たちは一心不乱で建物から離れようと裸のままで走り 逃げました。  どれだけ素っ裸で走ったか分かりませんが、運がいいことに駐在所を見 つけることが出来ました。  ようやく彼女たちは安心し、駐在所のお巡りさんに今までの事情を話し ました。 「そりゃ大変な目に遭っただなぁ〜。今から本官たちが家まで送るからこ れを付けて待ってくれ」  と言うと何故か彼女たちの首に鎖付きの首輪をつけて続けてこう言って きた。 「野外を裸で走る姿は興奮ものだったなぁ〜。媚薬も完全に効いてきたし、 食べちゃったりもしたから理性なんてもう残ってないだろぉ〜」  彼女たちの言葉は返ってきませんでした。何故なら3人とも4つんばい の姿になっており、目は虚ろとなり、半開きの口からは涎が垂れまくって いた。 「安心するがええ、ちゃんと翌日には家の近くまで送っておくから。もち ろん口コミで広めたくなるほどまで、身体の芯まで快感で蕩けさせておく からのぉ〜。それにひどいことは決してせんし、性行為もせんから、思い 切り楽しむがええ」  こうして再びステージに引き戻された彼女たちでしたが、その翌日には 約束どおり家まで送ってもらいました。  しかし、すっかり快感の虜にされた彼女たちは、この至高の悦びを伝え るために口コミで他の女子高生にも広めていきました。 <完>


「準備の多い美容サロン」完