どっきりアイドル桐愛−お色気ドッキリ三昧ー 読切


 ※「どっきりアイドル桐愛 新たなるデビューー」の続きとなっています。  −プロローグ− 新たなるデビュー  鞠永 桐愛(21歳)  かって清純アイドルNO1と言われ、ただ1度のヘアヌードを最後とし て、芸能界を引退した少女。  だが、その後いろいろな事があり再び芸能界へ帰って来た。  ただ、彼女自身はもう1度トップアイドルとして帰って来たわけではな く、ありのままの自分を見せてできるタレントとしてやっていきたいと思 っていた。  しかし、もう21歳となってしまった彼女には遅すぎた夢であり、また 持って生まれた清純なイメージがその夢を叶えさせてはくれなかった。  そんな頃であった”よごれ専門”と言われるプロダクションから声がか かり、よごれとしてのオファが来たのは。  もちろん、彼女の容姿で出来る”よごれ”は大体どんな事かは彼女自身 も薄々わかっていた。  だがその”よごれ”の内容をあえて包み隠さず全て言って同意を求めた 社長に心を打たれ彼女は”よごれ”の道を選んでいく事にした。  けれど、第1段の仕事は彼女の予想を上回る衝撃なものになった。  そう、1度はヘアヌードにはなったとは言え、再び自分の全てを晒して しまうデビューとなってしまった。  それでも、彼女は意外にもそんな羞恥を見事に跳ね返し、徐々に新しい ”よごれ”としての道を歩いていった。  そんな彼女には次々と考えてる以上の羞恥がやってくるのであった。  −1− デビューオンエア  ついに桐愛の衝撃デビューのオンエアの日がやってきた。  だがかってのアイドル時代とは違く、どのTV欄を見ても桐愛の名は一 切なく高梨の名が代わりにあるぐらいだった。  そう、鞠永桐愛は無名の新人扱いにされており、どっきりのコーナーで も新人扱いとして胸だしOKということになっていた。 (これ全国放送よね..今日の放映で私のおっぱい出ちゃうのね..)  意外と桐愛は胸出しについては後悔してなかった。これからの仕事では お色気枠として、おっぱいが晒されるのを承知していたからだ。 (どうか..私の扱いは、おっぱい出しの新人としてほしいな..もう、 アイドルの鞠永桐愛としては見られたくないから..)  その辺は事務所が配慮したらしく、予告CMにも高梨しか登場せず、番 組が始まった際のオープニング映像にも桐愛は登場しなかった。  番組MCの内町が元気な声で「大物相手でも体当たりでドッキリしちゃ う挑戦バラエティー!!どっきりプロデュース!開始しまーす!」とコー ルしてるとこを見ると、桐愛が出演していることは知らないようだ。 「内町さーん。今日はお色気ドッキリが復活したって聞きましたけど、ゴ ールデンでやって平気ですか〜」「大丈夫、大丈夫。メインは高梨さんだ からね〜」「うわっ!それって、まさか光永ですか?」「それはないっ!」 「まあ、高梨さんってこわいですからね」「まあ、見てのお楽しみだね」  桐愛は自分が無名扱いされてる放映を事務所で見てほっとしていた。 「良かった。変な取り扱いされたら何か別の意味になっちゃいそうで。あ りがとうございます」 「そう言ってくれて、こっちも嬉しいよ。えっと、たしか桐愛ちゃんは真 ん中の15分ぐらいで出てくるんじゃないか」 「はい。ミニコーナなので真ん中だと思います」  予想通り、15分後に桐愛のミニコーナーが始まり、桐愛も顔を真っ赤 にして見ていた。  無名の新人扱いなので、おっぱいやお尻に関してはそのままで放映され ていたが大事な箇所だけば少し悪趣味なハートマークで隠されていた。  社長も予想以上に桐愛のおっぱいがいっぱい出てることに不味い表情を 見せていた。 「いやぁ〜、思った以上に..おっぱい、で、出てたね」ちらりっ。 「ぷっ、あっはははは..社長、これ面白いです。あっははは〜」 「えっ?まあ、そうだな..」(まさか..笑ってくれるとは..) 「で、でも、やっぱ、少し恥ずかしいですね..こんなに私のおっぱいが 出てるなんて..って嘘っ。下のタオルもとれたぁぁ〜。わわ。そこで立 たないでぇぇ」 「こりゃ、スタジオ大騒ぎだったかもな..まあ、こっちも明日から大変 だな。はは・・・」 「ん!!ああー高梨さん。私のタオル上げてたの。うわあー、おっぱい出 てるよぉぉ」 「おやおや。見事なエンディングだな...」  2人はあまりのオンエアに驚いたが、それ以上に司会者やゲストはもっ と驚いて唖然としていた。  司会のタレント内町が、桐愛のどっきり放映を初めてみたらしく、口を ポカンと開けて驚いてた。 「え、えっとぉぉ、何かすごいもん見てしまいましたね。(^_^;)」 「こ、これ高梨さんメインのどっきりですよね?何か見たことのある子が」 「あの子、鞠永って言ったけど..まさかあの桐愛ちゃんじゃないよね?」 「ええ?桐愛ちゃんってあのヒットした歌を歌ってたアイドル?」 「ちょっと司会者の内町さ〜ん。説明してくれよぉぉぉ〜」 「お、俺だって知らなかったんだよっ!おっぱい映ってたけど..大丈夫?」 「いやいや、おっぱいだけじゃなく、下もハートマークだけど、出てるよ」 「ちょっと、放映一旦中止!中止!これ上に通さないとダメなやつだよぉ」  TV放映では10分ほどの中断だったが、実はこれは編集したもので、 本当は3時間以上の中断を招くほどのすごい出来事であった。 「えっと、色んなところと話したんですが、これは高梨さんのドッキリと いうことで皆、いいかなぁ〜?よ、よくないけどね..はは」 「内町さーん、番組終了だけは勘弁してくださいよぉぉ〜」  とりあえず、番組としては桐愛は無名の新人扱いで終わったが、言うま でもなく、これで視聴者が納得するわけじゃなかった。  番組終了後、社長も急いで明日の対応に備えることにした。 「こりゃ思った以上に大事になりそうだな..明日は戦場だな。そうだ、 桐愛ちゃん。君も早く帰ったほうがいい。あと明日から騒ぎが収まるまで 家に待機していいから」 「は・はい」桐愛は思った以上の反響に意外に驚いていた。 (私ってまだそんなに記憶に残っていたんだ...でも1度、ヌード写真 集で脱いだんだけどな?)  翌日、社長の思った通り、各局のワイドショーが一斉に事務所に集まり 大騒ぎとなってしまった。 ==================各局内容=============================== 「みなさん。ここがあの清純アイドルにあんな事をさせた事務所です!」 「あれは、ひどいですな。いくら落ち目になったとは言え、酷い扱いだ!」 「同じ元・アイドルとしてこれは社長を訴えるべきです!!」 「本人、今ごろ泣いているんじゃないですか、かわいそう..」 ========================================================= ==================街の声=============================== 「え!まじ?ちょっと本当かよ?」 「うそー。私CDまだ持ってるのに。ええー嘘じゃないの?」 「昨日見たけどこりゃすごいっすね!」 「あのーあなたでもいいから録画したやつありませんか?」 =========================================================  そう、その様子をTVで見てた桐愛も驚きただ様子を見守るしかなかっ た。このままでは大変な問題になっていくと思ったが意外な所で急に沈着 し始めたのであった。  それはあの高梨へのインタビューがきっかけで一気に収まったのだ。 「いやあ、やっぱみんな来たか。昨日かみさんと娘にどやされてしまった よ。ははははは。でも、まあこんなに騒ぐ必要ないんじゃない?」 「いやいや、高梨さん。相手はかってのあの鞠永さんだったんですよ!」 「そうみたいだな。最初はどっかで見た子だと思ったが、いやあ写真集と 同じ綺麗な裸で思い出したよ。はっはは」 「あのー高梨さん。何かかなり他人事に思ってませんか?」 「そんな事はないよ。だって彼女は1度ヘアヌードを出したんだろ?しか も聞いた話じゃ、まだその売上部数まだ誰も抜いてないんだろ?」 「みたいですね..」 「つまりだ!それだけ売れれば、みんな彼女のおっぱい見てるだろ?大手 新聞広告にも一面カラーでおっぱい出したんだろ?今更、TVでおっぱい 出て騒ぐことかい?」 「そ、それは有名な写真家が撮ったからで、今回のはあまりにも彼女が..」 「おいおい、さっきから聞くと俺の立場はどうなるんだ?」 「えっ?立場って..」 「あんたも見ただろ!俺はTVで初めて下丸出しの姿、出したんだぞ。そ れもモザイクは俺の顔でぶらぶら揺れたんだぞ!」 「た、確かに..あれは衝撃でした」 「俺のチンチンは、あの子のおっぱいに劣ったってことかい。まあ、その 通りなんだがな。はっははは〜」  記者たちも高梨の明るい対応でどっと笑った。  そしてそんな状況の中、同じ時代劇大物俳優の松高が現われた。 「おいおいTV見たぜ。英ちゃん。いい目遭ったよな。今度はこの俺、松 高にオファよろしく!!」 「松ちゃん。あいかわらずだな。遠山の桜吹雪がイメージが崩れるよ」 「いいんだよ。俺なんか桐愛ちゃんの写真集3冊買ったし、俺はいつでも タオル巻いて待ってるから次は俺で頼むよ!!」  2人の大物俳優のあっけらかんな内容はこれまで出た暗いイメージを吹 き飛ばし、状況は一変して明るいものになってくれたのだった。 ==================各局内容=============================== 「いやあ、よくよく思うとそんな大騒ぎする問題じゃなかったですね」 「彼女の違った一面もけっこういいですね」 「こういう立場で言うのもあれですが次回放映見てみたいですね」 「もう番組の方は、松高さんにオファしたと思いますよ」 ========================================================= ==================街の声=============================== 「素の方がめちゃくちゃ可愛くて、俺ファンになったよ」 「無名扱いであそこまで出来るなんて素敵じゃない?」 「他の番組でも出てほしいぜ。やらしい意味じゃなくて」 「こりゃ、間違いなく再ブレイクするんじゃね?」 =========================================================  こうして、桐愛の新たなTVデビューは受け入れられることになり、ど っきりのミニコーナーも早速、桐愛が出ることが決まったのであった。  言うまでもなく、今度の腰巻タオル取りの相手は大物俳優の松高となっ たようだ。  ただ松高の時は彼がかなり、やんちゃしたので、少し問題となったが、 視聴率はすごかったので、結果としては不問になったらしい。  気が付くと年の瀬が近づいており、大晦日やお正月番組の特番では、あ ちこちで桐愛が出演することになっていた。  −2− 寝起きドッキリ  女性アイドルの寝起きドッキリと言えば、色っぽいものを想像するのだ が、通常では面白くないということでドッキリスタッフが話し合っていた。 「相手が桐愛ちゃんなら、お色気寝起きじゃ当たり前だろ?」 「でも、お色気無しじゃ視聴者ガックリくるぞ」 「もっと、ほら、腰タオルみたいな意外性なものないか?」 「それなら若手の男性芸人にしてる過激寝起きドッキリはどうだ」 「クリームバズーカ砲か?いっそ全身に浴びるほど強くするとか…」  決してスタッフたちは桐愛をひどい目に逢わせようというわけじゃなく、 彼女の明るいイメージを活かそうと必死なのだ。  泥たっぷりの落とし穴ドッキリに落とした時も桐愛は明るく対応し、そ の後のシャワードッキリも女性であるにも関わらず、快諾してくれたのだ。  しかも、墨汁シャワーで全身真っ黒になった姿で外へ慌てて飛び出して、 女拓ドッキリまでされてしまった。 「それにしても桐愛ちゃん、あんな恥ずかしい目に逢っても、自分の映像 見て大笑いしてくれるんだよな」 「いや、逆にもっと辱めてもいいんじゃないかと俺らに提案するぐらいだ から、すげーよな」 「ああ、だから、ただのお色気寝起きじゃ勿体無いよな。でも、やり過ぎ たくないんだよな。ここはお色気無しでもいいんじゃないか。」 「そうだ!桐愛ちゃん本人にそれとなく、どうしたらいいか聞いてみっか」 「おおっ!何かそれは斬新だな!」 「本人に聞いてやってみる寝起き何かいいね!」  いや、本人に聞いたら寝起きドッキリ成立しないんじゃ?と思うのだが、 クリームバズーカ砲のことは隠して聞くことにした。  後日、スタッフルームに桐愛を呼び出し、お色気寝起きドッキリなら、 どこまでしてもいいか本人に直接聞いてみた。 「え?お色気寝起きですか..あんまりいい思い出がないんですが..」 「そっか、桐愛ちゃんはアイドル時代に寝起きドッキリ何回かされてたね」 「私、一度寝るとなかなか起きないし、寝相も崩れないので、寝顔をただ 映されただけで起こされたから、今見てもつまんないものだと思います」 「そっか、ちなみに定番のお色気寝起きなら、どこまでならOKかな?」 「熟睡してると何されても気づかないと思うので、今の私だったら、裸に してもOKですが、それだと面白くないと思うんですが..」 「確かに、ゴールデンタイムでは流せないかもね。あっはは」 「そうですよね。でも熟睡さえしてもらえれば、何してもいいですよ」 「あっはは、それだとTVで使えなくなっちゃうよ」  一応、本人に色々聞けたので、後日にまた集まってドッキリ会議をした。 「とりあえず、熟睡させるのは決まりとして、お色気寝起きはいらなくね?」 「クリームバズーカ砲で思い切り起こすのにすっか」 「いや、男芸人と同じじゃ、桐愛ちゃんが可哀想だろ」 「いっそ、お色気と融合させるか、いやらしくしなければゴールデンでも いけるだろ!おっぱいOKなんだし」 「例のインタビュー映像は使うから、”熟睡出来てるか検証しよう!”って 感じで寝起きドッキリを敢行してみるか!」 「それいいね!」  こうして桐愛の寝起きドッキリ企画は開始し、まずは本気で熟睡させる 為に別ロケが丸1日続く状況をつくって、朝から晩まで桐愛には動き回っ てもらった。 「桐愛ちゃん、今日は朝からずっとロケでお疲れだから、あとはゆっくり 休んでいいよ」「はい。今日はぐっすり眠れそうです」  これで桐愛が熟睡するのは間違いなく、朝の3時に数人のスタッフがホ テルの部屋に入ってきても、桐愛は起きる様子がなかった。  普通だと芸人がこっそり忍び込んで色々とするのが寝起きドッキリの定 番だが、今回はそういうことを一切しなかった。  普通にスタッフ数人が桐愛が寝ている部屋に突入して、まずは熟睡度を チェックした。 「いや〜、本当に起きないんだ。これ絶対、演技じゃないし」 「さて、それじゃ、まずは全部脱がしてみますか」「って、あっさり言う なよ!」「いやいや、これも熟睡度の確認だよ」  桐愛が寝てるベットを男性スタッフ数人が囲って、大胆に桐愛が身に着 けてるパジャマを剥いでいき、あっという間に下着姿にしてしまう。  TVの画面には熟睡度メータなるものが表示され、100%をキープし ていた。 「…普通はこれで起きるよな?」「って、下着も取るのか!」 「これ、ゴールデンタイムだぞ」「あとで編集、上手くしてくれよ」  実際には丁度、20時頃に流れており、家族団らんで食事してるなかで、 下着姿の桐愛がすっぽんぽんにされていった。  もちろん、編集の腕の見せ所と言わんばかりに乳首もあそこも一切、T Vの画面には映らなかったらしい。  そして、全裸にされた桐愛は布団を被ったままの状態で布団ごと、外に 運び出されてしまう。コミカルな曲をバックに流しながら「野郎の布団運 びじゃ数字取れないぞ!裸なのにおっぱい出さんのか」とナレーションの 弄りでスタジオは大爆笑だ。  まだ熟睡してるようなので、そのまま近くのプールの手前まで運ばれて 何と高さ3mの飛び込み台の上に布団に寝たままで乗せられ、これでスタ ンバイ完了だ。 「8、7、6…」とカウントダウンでクリームバズーカ砲を持ったスタッ フが発射の準備に入った。  そして、カウントゼロで轟音を鳴らし、桐愛が起きると同時にバズーカ 砲から大量のクリームが桐愛の全身にぶっかかった。  もちろん、何が起こったか分からない桐愛は全身クリームまみれの姿で プールに思い切り落ちてしまった。  バシャアアアーーーンンンッ!! 「寝起きドッキリ大成功っ!」「いや、こんなの寝起きドッキリじゃない よぉぉ〜!って私、何ですっぽんぽんなのぉぉぉ〜!」  視聴者はみんな大爆笑だった。桐愛の明るいリアクションが、いやらし さを無くしたようで、家族で見ていたお母さんも「いい歳の女の子なんだ から、まずは、おっぱい隠しなさいよ。あっははは〜」と明るい反応を見 せていた。  結果としてゴールデンタイムでおっぱい出しても、クレームはほとんど なく、「まあ年の瀬だから、これぐらいアリだな」「腹抱えるほど笑った のでOK」と賛辞が送られたぐらいだった。  もちろん桐愛本人も面白くなってもらえるなら、これぐらいの辱めなら 受け入れるので、視聴者一同拍手した。 <完> ※ここまでの完成度が高い作品が、お蔵入りのままだったので、誤字脱字 だけ直して公開することにしました。


「どっきりアイドル桐愛−お色気ドッキリ三昧ー」完