第7話「コスプレの罰」(挿絵:さばにしきさん)


※時々CGと文字が重なる場合がありますので、その時は1回再読み込みしますと直ります。

 夏休みが迫っている7月中旬、葉須香の新しい罰が始まることになった。  それはコスチューム着用の罰であり、早い話はコスプレの罰である。  コスプレと来れば、やはりメイド服の罰が来るのは当然であり、メイド服で ご主人様(男子生徒)の接待をすることになった。

ただ、あまりにも可愛く似合ってしまった
せいか罰にならならくなり、男子たちも
いつもと違う明るい歓声を出してきた。

「うぉぉー葉須香ちゃん、可愛いっ」
「その姿で「ご主人様」っていってほしい
ぜぇぇー」
「俺もその言葉、聞きてぇーー」
「あ・あの..それはちょっと..」
あまりの声援に葉須香もまんざらじゃなく
つい男子の要望に応えてしまった。
「ご主人様..これでいいですか」
スカートの両端をつかんで、ちょっとだけ
持ち上げて会釈した葉須香に男子は大い
に感動した。

「葉須香ちゃん、ありがとぉぉーー」
「これでお茶でも汲んでくれたら言うこと
ないのになぁ〜」
「馬鹿、それは望みすぎだぜ」
今度はお茶を願望した男子たちに笛地は
軽く咳払いをしてこう言ってきた。
「そういう要望もあるかと思って紅茶セット
を用意したぞ。まあティーカップは紙コップ
になってしまうがな」

あまりの笛地の用意周到ぶりに少し呆れる
葉須香であった。

 すっかりメイド服に満足した男子たちと笛地だが、このままメイドをさせ 続けるのも意味がないので、次に仲居さんのコスプレへ移るが、これも好評 であった。  そしてメイド服よりも盛り上がったのがウェイトレスであり、笛地がいろ んなとこの衣装を持ってきて、毎回男子たちを興奮させていた。  特にアンミラ風のウェイトレス姿は葉須香のおっぱいを強調する感じで男子 たちの視線がずっと胸に集中していたのであった。

そんな葉須香が笑顔で飲み物を運んでくる。
何と、コーヒーを頼むと葉須香が可憐な表情
でミルクと砂糖を混ぜ混ぜおまじないをして
くれるのだ。
「そ・それじゃ、混ぜまぜしますね。私が混
ぜまぜって言ったら繰り返し言ってください
ね」「おうっ!」
「じゃあ、まぜ♪まぜ♪」
「まぜまぜぇぇ〜」
「まぜまぜ♪」「うぉっ、まぜっまぜぇぇ〜」
「じゃあ、最後は一緒にまぜまぜっ♪」
「おうぅっ。まぜまぜぇぇぇぇ〜〜〜」
「はい♪できましたぁ〜」
こうして出来たコーヒーは、男子にとってか
なり美味しかったらしい。

さらに、コーヒーが熱かったりすると、葉須
香がカップに顔を近づけて口で息をふーふ
ーと吹きかけて冷ましてくれるのだ。
「ふーふー、ふーふー、これでいいですか?」
「う〜ん、まだまだ熱いな。うん、熱いっ!」
「そ・そうですか..じゃあ、もう1回ふー
ふーしますね」
(十分、冷めてるはずなんだけど..)
「ふーふー、ふーふー、ふーふー」
「いいよ〜いいよ〜、最高だよ〜」
肝心のコーヒーは冷めまくっているが、誰も
が葉須香のふーふーが見たくて頼んでくる
らしい。

 ちなみに。コーヒー以外の癒しメニューもあり、それは定番の萌えもえ オムライスだった。  そう、葉須香がケチャップで可愛いハートマークを描いてくれるのだ。  これには、おまじないがあって最後に男子と葉須香が一緒に手でハート マーク作りながら「おいしくなぁ〜れ、おいしくなぁ〜れ♪」の癒しの呪 文を唱えるらしい。  意外にも男子たちは恥も外見も捨てて嬉しそうな顔をして、葉須香と一 緒に萌えもえプレイに没頭するのであった。  しかし、この罰が葉須香の忘れ癖を無くすことには結びつくはずはなく、 コスプレの罰はHコスチューム着用の罰として、少しレベルアップすること になった。  エッチコスプレの罰は巫女姿やバニーガール、レースクイーンと場違いす ぎる恥ずかしい格好となっており、これには恥ずかしさを覚える葉須香であ った。  その上、この罰からは自分の教室で着替えることになり、今まで着替えに 使っていた古い教室は禁止となったのだ。  だが、さすがにクラスメイトの目に晒されながら着替えさせるわけにもい かず、笛地がわざわざ持ち運び出来る仮設更衣室を用意してきた。  この仮設更衣室は通常、アウトドアで使われるポップアップ式の着替え用 テントとなっており、それを教室の角に毎朝設置していたきたのである。  普段は直径55cm、厚みが5cmと言う小型のものだが、これをシュと上にあ げると立派な簡易更衣室が30秒足らずで出来てしまうのだ。  しまう時も1分もあれば綺麗にたためると言う優れものである。  テントの割には天井が何故かぽっかりと開いているが、高さが2mもあるの で上から覗かれる心配はないだろう。  ただ自分の教室で着替えるという行為は覗かれないといっても葉須香にとっ ては恥ずかしいものとなっていた。  こうしてエッチコスプレの罰がしばらく続くことになったが、この罰は夏休 みまでとなっており、久々に忘れんぼの罰から解放されたのであった。  これで、しばらく恥しい罰がないと喜んでいたところに笛地から、あるお願 いをされてしまうことになった。 「葉須香、8月中旬の3日間だけ先生に付き合ってほしいとこがあるんだが」 「3日間ですか?」 「駄目か?」「いえ、だ・大丈夫です」  よく状況がわからない葉須香だが、笛地の頼みを断って休み明けに変な罰を されても困るので渋々受けることにした。  そんな葉須香が約束の日に東京にあるビックサイトという場所で待ち合わせ をすることになり、最寄りの駅についてみると、あまりの人の多さに驚いてし まった。 「すごい人..一体、これから何があるんだろ?」 「葉須香、待たせたな。今日は休みのところすまんな」  笛地が重さそうな荷物を持ちながら現れ、一緒に黒だかりの人で行列に加わ ると、笛地の口から、これからする事の説明が始まった。 「実はちょっとコスプレをして欲しくて呼んだんだ」 「えっ?コスプレですか!?」 「ああ、葉須香ならきっと似合うし、ちゃんとしたイベントだから、そんな恥 しくもないから」 「そうなんですか..でも、どんなコスプレを?」 「この本に載ってる猫耳のコスプレをしてもらいたいんだよ。名前はフェチシ アと言うんだ」 「このキャラですか..」  猫耳、猫の手を付けての可愛いキャラなのだが、やけに肌の露出度が高いの が気になる葉須香であった。  だけど、今さら断るわけにもいかないので、ここは素直にこのコスプレをす るしかないだろう。  ちなみに着替えは笛地が一緒に付いていくわけにもいかないので、笛地の知 り合いである女性コスプレーヤーに頼むことになった。 「お待たせしました。あなたが葉須香ちゃんね」 「は・はいっ、今日はよろしくお願いします」 (うあっ..何かおっぱいがすごく大きい人..この人もコスプレをするのかな) 「笛地さんも目が高いわね〜。あなたのコスプレ姿、いい感じになりそうだわ〜」 「ありがとうございます..あ・あのお名前の方を教えていただけませんか..」 「あら、ごめんなさい〜私としたことが紹介がまだだったわ。私の名は愛賀  仁美よ。これでもあなたと同じ高校1年だから、気軽に話してきてね♪」 (同じ学年なんだ...) 「葉須香、彼女は人気女性コスプレーヤーとしては有名なんだよ」 「そ・そうなんですか..」 「あら♪相変わらずお世辞が上手ね〜。でも今日は葉須香ちゃんに人気を取ら れそうだわ」 「そ・そんなことありません。私、初めてですし..」 「ちなみに愛賀さんは今日は何を着る気なんだい?」 「この子が猫耳のフェチシアなら、私はサキュバスのペリガンにするつもりよ♪」 「おおっ、これはかなり盛り上がりそうだな。ところで隣の子もコスプレをする のかな」 「ええ、メインは本買いだから、赤ずきんのバペッタをしてもらうの。そうだ、 この子の紹介もまだだったわね。この子は矢井中 知緒ね」「よろしく..」 「こちらこそ、よろしくお願いします」 (何か愛賀さんと違って、大人しそうな子よね..) 「3人のコスプレ、楽しみだな〜。じゃあ葉須香のことをよろしく頼んだぞ」 「ええ、任せてちょうだい」「了解」  こうして大衆の前でコスプレをすることになってしまった葉須香であった。  ビックサイトの行われるコスプレイベントに出るために更衣室に向かった葉須 香があまりの女性の多さに驚きの言葉を出した。 「こ・こんなにコスプレする人が多いんですか!?」 「ええ、昔はコスプレのイメージがあまりいいものじゃなかったけど、今では見 る男性よりもコスプレする私たちの方が楽しむ傾向が強くなってるのよ」 「そうなんですが..そういえば、もう1人の子はいないようですが」 「さっさと着替えて、目当ての本を買いに行ったわ♪早く行かないと売り切れち ゃうからね〜」 「本ですか..」「まあ、一応、本がメインのイベントだからね」 (そんなに変なイベントじゃなかったのね..)  笛地に頼まれたイベントだったので、不安いっぱいの葉須香だったが、とりご し苦労であったようだ。  こうして、ひと安心した葉須香は猫耳のコスプレをすることになり、会場であ る屋上に出るとカメラを持った男性たちが一斉に集まってきた。  周りのコスプレしている女性と比べると、かなりの男性に取り囲まれており、 シャッター音がずっと鳴り響いている。  肌の露出度が高いせいもあるが、やはり可愛さの方が強くて人気が高いみたい であった。  腕と足の方は水色の猫の手足で完全に覆っているが、身体の方は水色のリボン でギリギリ隠す姿となっている。  正直、葉須香のおっぱいはほとんど出ているのだが、元になっているキャラも おっぱいが出ており、この姿で格闘ゲームのキャラというから驚いてしまう。  パシャパシャ..「これは見事な猫耳キャラでありますぞ」  パシャパシャパシャ..「猫耳としっぽがキュートでキタキタァァァー」  意外にも映している男性たちはキャラを生かしているかどうかを大事にしてお り、露出が高いからと言って、じろじろと恥部を見ることはしなかった。  ただ、カメラのシャッター音が身体を刺激しており、はしたないことに少しだ け感じてしまう葉須香であった。 (ぁぁっ..乳首が..)  リボンで隠されている乳首がピクピク震え始め、ピンと固くなり始めてくる。  これがカメラの魔力なのだろうか?写され続けるうちに葉須香の羞恥心が少し ずつ薄れていく感じであった。 「次はキックする感じで〜」「こうですか」 「ちょっとだけ胸を揺らして」「これでいいですか」ぷるんっ  男性たちのリクエストに応えて、いろんなポーズをしてくる葉須香。  炎天下の屋上での撮影のせいか、気が付くと葉須香の全身は汗で濡れており、 纏っているリボンも透けてきた。 (いやぁぁ..透けてるよぉぉ)  かなり恥ずかしい姿に顔を真っ赤にする葉須香だが、何故か鳴り止まないシャ ッター音を聞いていると、隠すことなくポーズを取ってしまう。  滝のような汗をかきながらも写し続ける男性たちの熱気が、どうやら葉須香の 理性を狂わしているのかも知れない。  パシャパシャパシャ..  パシャパシャ.. (ぁぁ..癖になりそう..)  写されれば写されるほど恍惚さが増してくる。  乳首がどんどんと固くなり、股間の方も汗ではげしく濡れている。  もう、多少ぐらい恥ずかしいとこが見えても気にしなくなり、どんどんとリク エストしたポーズをしていく葉須香であった。  意外にも写してる男性たちは紳士的で、何回かおっぱいをポロリしたときには、 すぐに注意してくれたのだ。  結局、初日はコスプレを嫌がっていた葉須香だったが、2日目・3日目はハイテ ンションの雰囲気に呑まれたのもあって、ノリノリでコスプレをしてしまった。  これで夏休み中のコスプレの罰は終わることになり、あとは2学期が始まるまで 一切の罰を受けることがなかったのだが..  ただ、葉須香自身が恒例の恥ずかしいことを繰り返してしまった。  それは友人と一緒に市営プールに泳ぎに行った時であり、Tシャツを着た葉須 香がプールに現れ、そのTシャツを思い切り捲ってきた。  どうやら、水着を下に着けてプールに来たらしく、更衣室ではただ荷物を置い ただけのようだった。  まあ、それは他の女性でも良くやることだから問題はないのだが、葉須香の場 合は何と着てくることを堂々と忘れてしまうのだ。  ぷるる〜〜んんっ♪  今年も見事なおっぱいを辺りの人に見せてしまった。  ただ、おっぱいを出したと言っても一瞬なので、すぐに着けてない事に気づい て、顔を隠して逃げていったので、誰も今の女性が葉須香だと分かることはない だろう。  毎年、すぐ逃げる葉須香だが、これを去年まで繰り返し見続けていたつわもの の男が1人居た。  けど、今年はさすがに見てはいないであろう。  いや、監視台の上から思い切り飲んでいたジュースを吹き出していた男がいた。 「今年も忘れたのか..葉須香..この調子じゃ来年も忘れるつもりか?」  今年の夏もこっそりプールの監視員のバイトを副業としていた笛地が呆れた顔 をして葉須香の痴態を見ていたのだ。 「これは2学期の方もしっかりと罰を考えないとな..」  今年もプールでおっぱいを出した葉須香に2学期からの罰を考える笛地。  そして今までは恥部を出すことのなかった葉須香であったが、もしかすると何 かのハプニングで恥部が出てきそうな感じであった。


第8話へ