第65話「チェックシートの罰」


「!もしかして..私、忘れ物が減ってきてるのかも」  6月上旬、梅雨の時期なのに忘れ物が少なくなってきていることに葉須 香自身が驚いていた。 「やっぱろ、こういうシンプルな罰の方が効き目があるのかも..かなり 恥ずかしいし..」  新しい罰として「チェックシートの罰」が忘れる度に実行された。  その名の通り、持ち物チェックシートを作成する罰であり、その日で使 う持ち物、服、私物一式を綺麗に並べ、しかも全裸の葉須香も仰向けに寝 て、それを真上から撮影するというものだ。  しばらく晒されたあと、忘れ物チェックを出来るA3サイズのカラーポ スターを渡され、自宅で貼らなければいけなかった。  けれども、これが葉須香の恥ずかしさを高め、忘れ物激減に繋がったの だ。 「部屋や玄関に貼るのはすごく恥ずかしいけど..いや、お父さんにも見 られるのは恥ずかしいけど、忘れ物は減ってるんだよね」  そう、これだけあちこち裸を晒しているにも関わらず、裸を見せること には全く慣れない葉須香だった。  葉須香自身が毎回、恥ずかしい気持ちを無くさずに裸を晒すので、それ を数多く見ている男子たちにも葉須香の感情が感染ってしまう。  おそらく葉須香自身の情動伝染力は強いようで、葉須香が恥ずかしさを 出してる内は、男子たちも新鮮さを失われないみたいだ。  これは、脱いでも人気が全く落ちない女優と同じで裸をいくら晒しても 葉須香への好感度は高まっていた。 「このまま忘れ物を少なくして、裸にならない生活を取り戻すんだからっ! 好きで裸になってるんじゃないんだからぁぁ〜」  普通だと、もう今さら裸を見られてもいいんじゃないかと開き直ったり するのだが、裸になるのが恥ずかしい葉須香はそれが絶対に出来ない。  おかしな話だが、ここで罰に関係なく「裸になれ!」と命令しても、「 絶対に嫌ですっ!」と100%断れるのが葉須香であった。  あと、よく言われるのが、裸を見られるのが好きで罰を受けてるんじゃ ないか?も違ってた。  まあ、パンチラの罰から全裸の罰までレベルアップするほど忘れ物を続 ければ誰もがそう思うだろう。  よく考えてみよう。こんなに多くの忘れ物をする葉須香が裸を晒すハプ ニングをゼロに出来るのだろうか?  恥ずかしい話だが、衣服そのものを忘れることも多く、着替えが必要な 場面で何度も肝心なものを着ないでそのまま出てしまうのが葉須香だった。  もちろん単純に服を着忘れて裸で出るなんてバカなことはしない。例え ば入浴中に石鹸が無いことに気づき、タオルを巻いて洗面台に行き、「あ れ?歯磨き粉交換しなくちゃ」と台所に行って時計を見ると「あっ、番組 が始まる時間だ!」と入浴中を忘れて居間のTVを付ける。  タオルは巻いたままで番組に夢中になってるとピンポンと同時に「宅急 便です」と声が聞こえた。 「あっ、ハンコどこだって」とハンコを探してる内にタオルも自然と落ち、 それに気づかないで、すっぽんぽんで玄関を開けてしまうのであった。  これは明らかに「裸で荷物を受け取りました」の露出行為の定番だが、 それを見た宅急便の兄ちゃんは「須和ちゃん、そんな急いでドア開けなく ていいから..またお風呂入ってたの忘れてたよね?」「あああっ!」  全身を真っ赤にしてその場から逃げていくとこを見ると、わざと裸を見 せたわけではなかった。宅急便の兄ちゃんも何事もなく、玄関のとこに落 ちたハンコを拾って判を押すと、「じゃあここに荷物とハンコ置いとくか らね」と普通に玄関を閉めて出ていった。 「ぅぅ、、ご苦労様です、、」と顔を真っ赤にして遠くから返事した。  どうやら宅急便の兄ちゃんは、こういう葉須香のラッキースケベを何度 も体験しており、露出行為でないことも分かっていた。 「お母さんったら、この時間の配送はやめてって言ったのに、また忘れてる よぉ〜。時々、変な風に勘違いされちゃうけど、こんなのただただ恥ずかし いだけで、気持ちよくなるなんて絶対あり得ないよぉぉ〜!」  そう、葉須香には全く露出癖は無いので、脱ぐ行為や晒す行為に快感を 得ることはない。しかも親友のおかげで露出癖というものを理解していた。 「さっちゃんって何でこんなので濡れるんだろう?私には分からないよ」  葉須香にとっては「裸を見せるのは恥ずかしい」が小さい頃から今でも 考えは変わらなかった。  実は裸を晒す罰は小学生の頃から何度か体験していた。もちろん、ずっ と続くわけではなく、その日限りの忘れ物がひどすぎる時に実行される罰 のようだった。  普通なら、やり過ぎじゃないかと言われる罰だが、友達のお喋りに夢中 になって水泳の授業に水着を忘れて裸でくる葉須香だからこそ出来る罰な のだろう。  葉須香自身も恥ずかしい思いをすると、しばらく忘れ物が減るので、罰 を素直に受け入れていた。  中学生になっても葉須香は忘れ物が酷くなると、いきなりの裸の罰を受 けていた。けれども、今みたいに生徒が明るくバカ騒ぎするようなことは なく、見せしめみたいな雰囲気が強く、皆は襟を正される思いをした。  ちなみに裸を晒したからってイジメられることは無く、葉須香の人気は 男女ともに高かった。あと、中学生らしいイタズラを葉須香は受けていた が、単に恥ずかしがる葉須香の姿にたまらなくなり、スカートを捲られて 下着を晒されるのは挨拶みたいなものだった。  だけど、これには一定の暗黙のルールみたいなものがあり、あまりにも 葉須香を辱めるとイタズラをした生徒が同じ目に遭うらしい。  高校は別になった親友のさっちゃんは、これを上手く利用してようで、 男子たちが近くに居るのを確かめてから「はっちゃん、今日は何色かな〜」 と思いっきりスカートを捲り上げた。 「ん?肌色って..はっちゃん、パンツ穿き忘れるってダメじゃん」  どこかでトイレで用を足した時に履き忘れたようで、思い切り生尻を晒 された葉須香は「んあああああああああ!」と顔を真っ赤にして走って逃 げていった。  ドキドキッ「何であんなすごいこと出来るんだろう?」と羨ましい顔を して見ているさっちゃんが男子たちに羽交い絞めされた。 「俺たちの葉須香ちゃんに何てことをしてくれたんだ!」 「こんなことして、タダで済むと思うなよ」 「そうだそうだ!葉須香ちゃんを辱めた報いを受けてもらうぞ!」 「いやいや、普通のスカート捲りでしょ!穿いてない方がダメでしょぉぉ」 (さあこいっ!皆で私の服を脱がすがいいっ!はぅっ)ドキドキッ 「それじゃ、スカート下ろしの罰を受けてもらうぞぉぉ」 「みんなにパンツ丸出しを見てもらうんだなっ!」 (ええぇぇぇっ〜!そこはパンツも一緒に下ろすんだろぉぉ〜。これでも ドキドキするけど、もっと責めていいんだからぁぁぁ〜)  まあパンツ丸出しにされただけで、ちょっとだけ濡れてしまったさっち ゃんであった。 (って何で生尻晒して、恥ずかしいだけで済むってどうかしてる..)  ちなみに葉須香が裸を晒すのが恥ずかしいと感じるのは、裸を晒しては いけない場所だけの話であって、混浴露天風呂では裸を気にせずに若い男 性でも世間話を交わすことが出来る。  中学卒業記念に、さっちゃん要望で混浴露天風呂に行った時も周りの視 線を気にすることなく、葉須香は服を脱いでいった。 「ちょ、ちょっと、はっちゃん!ここ、共用更衣室っ!そんな堂々と脱い じゃダメだよぉぉぉ〜(ドキドキッ)」 「でも、ここしか着替えるとこないよ(ぬぎぬぎっ)」 「いやいや、ほら、男性客の脱いだ服もあるじゃない!ヤバいよ!」 「え?いや混浴だから普通じゃない?」「そ、そうだけど..」 「それじゃ、先に私、いってくるね」「ってタオルを巻けえええぇ〜」 「でも、さっちゃん、ここの湯船、タオル厳禁だよ」「いや、それは入浴 時で、ここは脱衣所っ!」「でも、すぐ外すし、そのまま忘れそうだし」 「そりゃ、あんただけっ!そもそもここから湯船まで結構歩くじゃん!」 「ん〜、天然の露天風呂ってみんな歩くよ」「だから、そういう話じゃな いって」 (はぁはぁ..こっちは下着姿だけでも身体の疼きが止まらないのに.. 共用だし、外から丸見えになる場所があるし、それなのに、何でおっぱい 丸出しで..いやすっぽんぽんで平気なのよぉぉぉっ」 「あっ、水なら持ち込みOKなんだよね。買うの忘れたから買ってくるね」 「いやっ!待て待てまてぇぇ〜!今、はっちゃん、あんたすっぽんぽん!」 「あっ、そうだった。忘れてた」「いや..それは忘れちゃダメでしょ〜」