人物紹介


 須和 葉須香(すわ はすか)(高3→<回想>高1→高2)        ・・・しょっちゅう忘れんぼをする女の子。           そのため忘れんぼ防止に罰をあたえられるが...


プロローグ


 何でここまで恥ずかしい状況になったのだろうか?  高校3年となった私は新しい教室へ入ると、まずは服を全部脱いでいく。  もちろん、ここは脱衣所でも更衣室でもない。これから1年間、新しい クラスメイトと過ごす教室である。  これはすべて”わすれんぼの葉須香”と呼ばれてから、起きてしまった 現実なのです。  一体どうして、こんなことになっちゃったんだろう。  制服も下着も脱いで全裸となった私は、原因の起点ともいえる高校1年 の頃を思い出してみる。  学生証に裸の写真ではなく、須和葉須香の初々しい制服姿の上半身が写 っていた頃の高校1年生の春。  まだ”わすれんぼの葉須香”の代名詞は無かったが、その名が示す様に 私は元々、わすれんぼが多い女の子でした。  もうそれは、小学校の頃からそのわすれ癖がひどく、どんな手をうって も効果ない程ひどいものだった。  正直な話、忘れ物をしないで登校した日がないぐらいです。  中学・高校と進んでもその癖は直らず、ある日それについての本格的な 学級会をするまでにもなった。  その題は”わすれんぼの葉須香の忘れ癖をなくすには”であり、次々と いろんなアイデアが出てきたのだ。 「お出かけチェックを作るのは?」「昔それ作ってそれ自体忘れました。」 「手のひらにマジックはどう?」「手のひらをあまり見なくて・・・」 「両親に言ってもらうとか」「うちの両親も忘れんぼで・・・」  結局、一般的なのはほとんどやって効果が出てないことがわかっただけ で、この学級会は無駄になろうとした時、1人の男子がふざけてこう言っ てきた。 「それなら、忘れる度に恥ずかしい事、やらせるってのは?」 「いいね。俺もそれだったら懲りてしなくなるな」 「そうね。私もそう思うわ」  1人の男子の何気ない提案が盛り上がり、それが結局私の忘れ癖対策と されてしまった。  で、早速私は見事に忘れてしまい初めての恥ずかしい罰を受ける事とな った。 「さて、罰だから教壇の所で校歌を歌ってもらうぞ。」  私は忘れた罰として1人で校歌を歌ったのであった。  そう、この時の罰はどこの学校でも良くありそうな罰ばかりでした。  でも、そんな罰を繰り返しても私の忘れ癖は一向に減る様子はないので、 罰の内容も少しずつおかしな方向へ進んでいきました。  例えば、1人教壇でダンスを披露したり、一発芸をしたりと文字通りの 恥ずかしい罰でした。  夏になると、水着を着て丸一日授業を受けました。当然、男子にじろじ ろ見られて恥ずかしがったです。  だけど..こんな恥ずかしい目にあっても忘れ物をしちゃいます。  秋では浴衣を着て授業を受けるのもあったけど、これも効果はありませ んでした。下着のラインまったくが出ていなかったので男子たちには好評 でした。  いや、そもそも浴衣って下着着なくてもいいんだよね?小さいころから 着けてなかったから..罰でも下着は着けるのを忘れてました。  そんなムラムラとした男子たちの前で、また学級会が開かれて新たな忘 れた時の罰について話す事になり、次々といろんな罰が出てきました。  でも、どれも似たりよったりの罰でぱっとしない時にまた男子のくだら ない提案でとんでもない展開に行く事になってしまいました。 「先生、いっその事やらしい罰の方がいいんじゃないっすか?」 「男子のスケベー」「やらしー!!」 「でもよ。そういう罰なら確実に忘れ癖は直るんじゃねーか?」 「そうだ。そうだ。俺なら次の日から忘れねーぜ」 「そうね。私もそれなら絶対に忘れないわね」  結局、その男子のくだらない提案が採用され、今度はそれが私の忘れ癖 対策とされてしまった。  これ以降は、いやらしい罰がメインとなっていき、忘れ物が続く以上、 いずれはとんでもない罰へなっていくのは目に見えていた。  さて、そこまでの罰を受けるまで忘れ物を続けるのだろうか?いや、普 通は途中で忘れ癖が治るはずだ!  それなのに、私は年の瀬まで忘れ物を続けてしまい、2学期終業式のク リスマスでは1年総決算の罰を受けました。 「それじゃ、葉須香!袋に入ったら、脱いで構わんぞ!」 「は、はい」  サンタ用のプレゼント袋に入った私は、これから男子たちへのプレゼン トを忘れんぼの罰として袋の外へ出していく。  まずは、葉須香の靴や靴下など。  次は、葉須香の制服など。  ここまででも充分恥ずかしいのだが、袋の外へは少し温かいブラが現れ た。 「やったぁぁぁ〜!俺のくじが当たりだったぜ!葉須香ちゃんの脱ぎたて ブラをゲットだぜ!!」 「くそっ……お宝ブラをとられたか……」 「だが、ブラは我々が狙うものでは最弱ぅぅ!!」 「ブラごときで喜ぶとは、至宝を狙う我々の面汚しよ……」  そう、彼らの言う通り、このあとでパンティが袋の外へ出てくるのであ った。 「葉須香!今年は袋の中だが、来年も続くようなら、来年のクリスマスは 袋無しだからな!」 (そ、そこまで悪化するほど、忘れ物を続けないわよぉぉぉ〜)  心の中で反論した私でしたが、これから忘れ癖対策がとんでもない辱め を呼ぶとはこの時は思いもしませんでした。


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