第65話「内川さんと映画」


 前回、貞操帯を付けられる危険を冒してしまったので、しばらく露出を 自粛しようと思っている沙智菜です。  けど、そう思うとろくな目に遭う確立が高くなってるので、怖い気がし ます。どーか、しばらくは何もありませんように〜  と思っていた矢先に、やっぱり変なトラブルに巻き込まれましたぁ〜。  いや..正確には火の中に自分から飛び込んでしまったってとこです。 「さっちん、本当に来ちゃったの..こなくていいと言ったのに」 「ダメよ。内川さんたちの誘いに1人で行くなんて危険よ」 「映画だけだから..大丈夫だと思うけど..」  実は悠子が内川さんから強引に映画を誘われたとの話を聞いたので、私 も同行させてもらうことにしたのだ。 (まったく〜、いつもいつも悠子ばっかりいじめるなんて許せないわ)  もちろん、内川さんには許可を得てないけど、得たところで断ってきそ うな気もするからだ。  そんなわけで私と悠子が待ち合わせである映画館の前に行くと、内川さ んと取り巻きたちが呆れた顔をして私の方を見て話してきた。 「はぁぁ〜、誘ったのは悠子だけなんだけど..どういうことかしら?」 「ちょっとこの映画に興味があったからついてきただけよ。悪い?」 「悪くはないけど..どんな映画だか知らないでしょ?」 「うっ..雑誌で取り上げてたから見たくなったからよ」 「そう..まあいいけど」「内川様、ここは別にいいんじゃありません」 「そうね。ある程度は予想してたし..都緒乃っ、新宮さんの分も券、買 ってきて」「りょうかいっ」「いいわよ。自分で買うから」 「遠慮することないわよ。その代わり、後悔してもしらないからね」 「後悔?何よ。それっ、まさかイジメをするつもり?」 「内川様、やっぱ勘違いしてますね〜。まあ半分は当たってますけど〜」 「さっちん、この映画、すっごい怖いことで有名なの。気絶する女の子も 結構多いのよ」「そ・そうなの..(ぅぅ..あんまり怖いのは勘弁かも)」 「まあ、私はへ・平気だけどこいつらと悠子に怖い思いをしてもらおうと 思ったのよ。ふふ〜」「内川様..足、震えてますよ〜」  ボカッ「うるさいっ。武者震いよっ!こ・怖いわけないでしょ」  内川さんの姿を見て、ふとある説が頭をよぎる。  そして、これって自分から墓穴を掘ったような気がしてしたような..  そんな私を見て、悠子が小声で話しかけてきた。  ぼそぼそ「何か成り行きで内川さんがこの映画を見ることになって、私 たちもいろいろ理由を付けられて強引に誘われたのよ」  それって、よくある1人で見るのが怖いから他人を巻き込んだってパタ ンですか..って言うかそれなら私は自爆ものじゃないぃぃーー!  そうなんです。私も怖い映画は全くダメで、正直な話..悠子を見捨て て帰りたいほどなんです。  それに心なしか悠子が映画館に入りたくてそわそわしており、意外にも 怖い映画強そうな気がするんですが..いや、次の言葉で確信しました。  ぼそぼそ「中盤のぐちゃっというとこ、お勧めだよっ。あそこは何度見 てもゾクゾクくるから」「ゆ・悠子?(うそ..見たことあるの?)」  何かますます不安になっていく中、取り巻きが私の分の券を買って渡す 時にこう言ってきた。 「ロビーのとこも凄かったわよ〜。映画のシーンの一部をわざわざ再現し てたようよっ。早く入りにいこうよ」「そ・そうなの..」  何故か、それを近くで聞いた内川さんがおかしなことを言ってきた。 「と・都緒乃っ..、お腹減ったでしょ?あそこのファーストフードでみ んなの分、おごるから寄らない?」「内川さま、それだとロビーを見る時 間がなくなりますよ」「そんな安もののセット!み・見ても意味がないわっ.. 新宮さんもそう思うわよね?」「そうね..同感かも..」  どうやら内川さんはロビーを見たくないようであり、私たちを強引に目 の前のファーストフードに連れて行ったんだけど、ここでも変な罠が出て きたのであった。 「内川様〜、限定の映画セットフードありますよぉ〜。これにしましょうよ」 「さっちん、これ確か映画とのタイアップフードで見た目気持ち悪いけど、 すごく美味しいやつだよ」(いや..見た目重視したいんだけど..) 「内川さま、じゃあ全員分頼みますよ〜」「わ・私は飲み物だけでいいわ..」  内川さんが飲み物だけに変更してきたので私も便乗して飲み物だけにし てもらったんだけど、これが大失敗の始まりだった。 「新宮さん、ちょっと疲れたからこれあげるわ。私は少し休憩するから」  見た目気持ち悪いセットを見るのもダメな内川さんが目をつぶって私に 自分の飲み物を押し付けてきました。  って言うか、飲み物だけにしてと頼んだのはいいけど、何でメガサイズ で頼むのよぉぉぉぉぉーーー。これってLサイズの3倍ぐらいあるよぉ〜。  結局、内川さんの分まで飲む事になって、飲み物だけでお腹がいっぱい になってしまいました。  まあ、気持ち悪い食べ物を口にするよりはずっとマシなんだけど..  こうして開演ギリギリに映画館の中に入る事になり、内川さんは1人走 るように中に入っていきました。(私よりも怖がりなのかも..)  だが、私もこの時、映画のことばかり気にしていたせいであることをす っかり忘れていたのだ。 (ぁぁっ..しまったぁ〜、トイレに行くのを忘れたよぉぉぉーーー)  ここは多少、ひんしゅくを買うのを承知して席を立とうとしたら、悠子 が慌てて私の身体を引っ張ってこう言ってきた。  ぼそぼそ「さっちん、この映画、途中でトイレ行くのは止めた方がいい よぉ〜」「えっ、なんで。皆に怒られるから?」  ぼそぼそ「違うの。ここの映画の監督さんが上映途中でトイレにいく不 謹慎は許さないみたいで、上映中はトイレにも怖い罠が仕掛けてあるの」 「こ・怖い罠?」「それで、お漏らししちゃった子も結構いて今、問題に なってるみたい」「そ・そうなんだ..じゃあ、やめるわ」  さすがに今、そんな罠を見た日には本当にお漏らししそうだったので、 じっと我慢することにした。  ただ、これが愚かな選択の始まりだった。  どうやら思った以上の尿意が迫ってきて、とても上映が終わるまで間に 合いそうにない。というのか手遅れに近いかも.. (ぅぅ..立ち上がっただけで漏れちゃうぅぅ..)  もう、ちょっとの刺激でもおしっこが出ちゃうような気がするよぉぉーー。 (やっぱり、トイレにいったほうがよかったよぉぉぉぉーーー)  今さら心の中で叫んで後悔しても手遅れであり、尿意はますます強くな ってきている。  足が小刻みに震え出し、ぐっと握っている手には汗が溜まってきている。  正直、膀胱が破裂しそうな気がして映画を見ることすら出来ない。  って言うのか、この映画って悲鳴が多すぎだよぉぉ〜。耳がキンキンす るぐらいの大音量で喚いてくるので隣の人との会話が成り立たない感じだ。  早くトイレに行きたいけど、このままじゃ立っていくことも出来ない。  刻々と激しい尿意が迫る中、隣に座っていた悠子が私の身体をツンツン つついてきて耳元でこう言ってきた。 「さっちん..これ使って..しばらくは大きな音ばかりで大丈夫だから」  そう言って悠子が自分で飲み干した空のLサイズのジュースパックを差 し出してきた。  どうやら悠子には今の私の状況を理解したらしく、このパックの中にお しっこをしてと言ってきたみたいだ。 (ぅぅ..ありがたいけど、とんでもないことを堂々と言ってきてる気が するよぉぉぉーーー)  でもでも..そんなことも言ってられない状況なので意を決して着てい たワンピースに手をかける。  腰まで上げ、そしてショーツを一気にひざまで下ろした後に、空になっ たLサイズのジュースパックをおま●こに当てて、恥ずかしいおしっこを 始めた。  ジョ・・・ジョジョジョーー・・・・・・  おしっこがたまっていた為、恥ずかしい音を立てて出てくる。  ほかの客には大音量の映画の音しか聞こえないのだが、自分の耳には、 はっきりと音が響いてくる。 「はずかしぃ..こんなところでおしっこなんてするなんてぇぇー」  そんな恥ずかしい事をしている私の隣の方から一番聞きたくない声が聞 こえてきました。 「ずい分と楽しい事をしてるわね〜♪新宮さん」  さっきまでブルブル震えていた内川さんが、一気に生き返ったかのよう にニヤニヤしながら言葉を出してきた。 「そうか、よく考えたら私の分も大量のジュース飲んでいたわね〜♪ふふっ、 私ってもしかしてイジメの天才かもぉ〜ふふふふふ〜」  映画の怖さから逃れる為に私のいじめることだけに集中してきた内川さん。  いや集中せざるを得ない内川さんの迫力がいつもにも増していて、とて も歯向かえない雰囲気が漂っていました。  そして、ちょっと怖さで気が動転している内川さんがとんでもない命令 をしてきました。 「新宮さん、服を全部脱いでその汚いおしっこを捨ててきなさいっ!」  ああっ、どうやらまたとんでもないことになってきた私ですぅぅ〜〜 (内川さん、目がちょっとイっちゃっているよぉぉぉぉーー)   ここは下手に刺激しないほうがいいと思った私は素直に服を脱ぎ始める ことにした。  もちろん、素直に従うには理由があり実は映画館の中にあまり客がいな く館内が暗いことから、多少の露出が出来ると思ったからだ。  何せ、自分の列より前側には誰も座っておらず、後ろの方も5列ほどガ ラリと開いているので、服を脱いだとしてもバレることがないだろう..  そう、だから裸になっても大丈夫だと思う..(たぶん)  それに..もうすぐ悠子オススメのぐっちゃりシーンがきそうなので裸 にされてもいいから逃げたいのだ。 「「ほら。早く裸で行きなさい..ふふふ」」突然、内川さんの声にエコ ーがかかってドキっときたが、よく見ると映画の声とダブったようだ。  一番、驚いたのは内川さん本人であり、目がだんだんとヤバくなってる んだけどぉぉ.. (何かさっさと行った方がいいのかも..そういや、悠子たちは私たちを 見てどう思っているんだろ..)  ちょっと気になったので、取り巻きの2人と悠子の方を見ると、映画のシ ーンに釘付けになっており、どうぞ勝手にやってくださいモードになって いたようであった。(ううぅぅっ。悠子のはくじょぉ〜もんっっ)  まあ、おしっこを持ったままでいるわけにもいかないから、今回はこの まま行くしかないかも..ぅぅ..何か変な露出行為だよぉぉぉ〜。  とにかく脱いだ服を身体を震わしている内川さんに渡しながら、全裸に なると更なる命令が飛んできた。 「新宮さん、普通に立ち上がって捨てにいきなさいっ。いいわね」 (そ・そんなぁぁ〜、いくら館内が暗いからってぇぇーー)  無理な命令に抵抗しようと思ったけど..不謹慎ながら身体が疼いてし まったので、思い切ってやってみることにしました。 (ぁぁっ..どうか、誰も見ないように..)  パックに入ったおしっこを捨てにいくために全裸で立ち上がり、まるで ちょっとトイレにでも行くように普通に歩き始める。  いくら館内が暗いからと言っても誰か1人でも私の方をじっと見てきた ら何も服をつけていないことがすぐに分かってしまうだろう。  それも腕を普通に下げてないと不審に思った人が裸であることに気づい てしまうので、どこも隠すことなくトイレに近い出口まで歩いていきました。 (どきどきするよぉぉぉーーー。本当に誰もこっちへ振り向かないでぇぇー)  何とか誰にも見られずに出口のドアを開けてシアターの外に出た私だけ ど、まだまだ問題は山積みだ。  当然ながらシアターの外は明るく、自分が恥ずかしい格好でいることが はっきりと分かるからだ。  幸いなことに、この映画は途中退席にうるさいせいか周りには誰もいな かったことであろう。  まあ、いつ誰かくるか分かったものじゃないので走ってトイレに駆け込 む私に新たな悲劇が襲いました。  すごく怖いお化け屋敷の仕掛けのようなものがトイレの中で起こり、思 わず腰を抜かして床に座り込んでしまったんです。  そして恥ずかしいことに私の股のとこにじわっと温かいものが広がって くるのを感じました。  しゃぁぁぁぁぁぁっ..(ぁぁ..おしっこがぁぁぁっ)  そうです。恥ずかしいことにお漏らししてしまいましたぁぁぁーー。  ただ運がいいのは素っ裸なので、どこも濡らすことがなかったんだけど.. (危なかったよぉぉ〜。服を着て入ったらひどい目に遭ってたよぉぉぉ〜)   そのあとは普通におしっこを捨ててから、再び裸で自分の席まで戻って いったんだけど、ある異変に気づいた。 「あ・あのぉ..内川さん..私の服や下着は?」 「ふふんっ、返すわけないでしょ♪そのまま素っ裸で見なさいよ」 「そ・そんなぁ..」「と言いたいけど、さすがに可哀想だから服だけは 返してあげるわ。ただ、新宮さんが漏らしたおしっこを拭いちゃったけど〜」  何かすごい仕打ちをしてきた内川さんに怒ろうとした私だけど、ここで ある違和感に気づいたのであった。  何故かいつの間にから私のワンピースが普通の服になっていたのだ。 (えっ?何で普通の服に?内川さんったら、わざわざこんなのを用意して いたのかしら..)  とりあえず、濡れた普通の服でも裸でいるよりはマシであり、諦めて着 替えることにしました。  ただ、濡れていたのはスカートだけであったから、そこだけ上手くごま かして帰ればいいのかな..(ぅぅ..何かお漏らししたイメージだよぉ)  あとは下着を返してくれそうにないので透けることも注意しなくちゃい けないのね..(やっぱり下着だけは返してもらおうかな..)    こうして映画が終わり、私としてはいろいろと内川さんに文句を言おう と決意したんだけど、結局それも出来ませんでしたぁぁぁ。  だって、映画が終わって内川さんの方を見ると、いつの間にか私が脱い だワンピースを着てるんですよぉぉぉーーー!  取り巻きも驚いてそのことについて聞くと内川さんが少し顔を赤らめな がらこう言ってきた。 「ふふ、私が着れば新宮さんも強引に取り返さないでしょ!本当は素っ裸 で放置するつもりだったけど、今回は特別に私の服を貸してあげたのよっ。 もちろん、たっぷり汚してあげたけど♪」 「さ・さすが内川様。素晴らしい作戦です」「そ・そうですね。内川さま」  この時、みんな1つだけ突っ込みたいことがあったけど口にしないこと にした。これって普通に服を交換しただけじゃ..    いや、スカートだけぐっしょり濡らしたのとこがおかしいんだけど..  これって本当に私のおしっこを拭いたものなのぉぉぉーー。  周兄さんはどう思いますか? *****沙智菜の勝手なイメージ*****************   「う〜ん、ここはあまり深く言及しない方がいいな..」   「しかし、映画館の中でおしっこをするなんて大胆だね」   「あと..股間が濡れたスカートで無事に帰れたのかい?」 ********************************  生地の色が濃かったのと、悠子が長いタオルを買ってきてくれたので、 それをパレオのように腰に巻いて帰ったので何とか大丈夫でした。  あと後日、何故か内川さんの指示で取り巻きが私の服や下着を洗濯して 返してくれました。


第66話へ