第52話「夜の攻防戦」


もう何がなんだがわからなぁぁーーーいぃっっっ!! そう叫びたくなるほど、事態はわけのわからない状況に追い込まれて います.. お母さんの罠にはまって周兄さんと一緒にお風呂に閉じ込められたと 思ったら、今度は全裸のお母さんが加わってくるなんて、一体どういう つもりなのよぉぉぉ〜〜 これって母娘が全裸で男の人と一緒にお風呂に入っているってことよ。 出張に行ってるお父さんがこの事実を知ったら卒倒しちゃうわよぉぉぉ〜。 身体を真っ赤にして逆上せている私はどうしたらいいのかわからず、 堂々とお風呂に浸かっているお母さんの様子を伺うしかなかった。 「ふぅぅ〜やっぱり、お風呂はいいわね〜♪何か仲の良い姉弟みたいな 感じよね〜」 「お母さん...」「いったい何がしたいつもりだ。早知華ねえ」 「2人とも怖い目をしないでよ〜。ところで、沙智菜ちゃんを膝の上に 乗せるなんて大胆だね〜」 「お母さん..えっと、何で裸で入ってきたのかな..」(頭いたい..) 「お風呂に入るときは裸でしょ?服のままで入る馬鹿はいないわよ♪」 「周兄さんがここに居るのはわかってるよね?」 「そうね♪でも周くんには飽きるほど見せてるし、今さら驚く事もないでしょ♪」 「あ・あ・飽きるほどぉぉぉーー!?周兄さん、ど・どういうことぉぉーー」 「早知華ねえ..そうやって沙智菜を惑わす言葉はやめてほしいがな」 「ちぇっ、周くんは相変わらず面白みがないわね..それに、これだけの ナイスなぼちぃ〜を持ってる2人を見て反応ゼロっていうのはさすがと言う のか、お医者さんを紹介した方がいいのかを考えるところよね?」 「・・・大きなお世話だ」「お母さん、どこを見ながら言ってるのよっ!」 口笛を吹きながら堂々と周兄さんのアレを観察しているお母さん。 どうして、そんなに平然とした顔で見れるのだろうか? 私なんて、正直見るたびに身体がどんどん真っ赤になっていっちゃうのに〜 「ふぅぅ〜、沙智菜ちゃんったら、それ以上、逆上せると倒れちゃうわよ」 (誰のせいだと思ってるのよっ..でも本当に頭がぼーとしてくるよ..) 「早知華ねえ..沙智菜も相当、逆上せてることだから止めにしないか」 「そうね〜これ以上沙智菜ちゃんを放っておくと不味そうだしね」 そう言ってお風呂から出るお母さんだが、何故か私の正面に椅子を置いて 妖しい笑みを浮かべて座ってきたのだ。 「最後に1つだけ、これだけはさせてね♪」 そう言って私の両脇を抱えて、何と身体をひっくり返してきてしまった。 当然、私と周兄さんはお互いに正面を向き合う姿となり、私の恥ずかしい姿 が全部、周兄さんの前に晒されたことになるのだ。 「ああぁぁぁぁぁっ..」完全に混乱して声がまともに出ない私。 目の焦点も合わなくなっている感じで、もう今すぐ倒れてもおかしくないの かも知れない。 (何てことしてくれるのよぉぉぉ〜悪戯にも限度があるでしょぉぉぉーーー) お母さんのあまりの悪戯に怒りを覚えた私だが、いつもだと喜んでいるお母 さんの表情が何故か曇っていた。 「はぁぁぁ〜、これでも駄目か..けど周くんの気持ちがわかったからいいか..」 (えっ?気持ちって何?何なのよ!お母さん?) 「さてと..沙智菜ちゃんを引き連れて出るとするわ..」 ため息をついてるお母さんが私の身体を持ち上げてお風呂から出ようとした のだが、何故かいきなり人の頭にシャンプーを掛けてきたのだ。 「!沙智菜ちゃん。頭洗いましょ♪」 (ちょっと出るんじゃないの!?何で急に頭を洗ってくるのよぉぉーーー) すごい勢いで頭をかき回して泡を立ててくるせいで、視界が完全に見えなく なる中、お母さんの落ち込んでいた口調が急に明るくなってきた。 「うぷぷ・・・これは武士の情けだぞ。周くん♪」「うるさいっ!早知華ねえ」 バチンッ!私の耳に何かが周兄さんの身体を叩いた音が響いてくる。 「うぷぷ♪初めて見せてもらったわよ〜今まで私ので見れなかったのが 悔しいけど、正常だと知って姉として嬉しいわよん〜」 「うるさいっ!見るなっ」 (えっ?えっ?何が起こっているのよぉぉぉぉ〜) 「そんなこと言うとこうだぞ♪」くるっ。目を開けられない私の身体の位置を 変えてくるとまた例の変な音が聞こえてくる。 バチンッ!バチンッ!(周兄さんのお腹の方から?) 「う〜ん、ぐっじょぶ♪ぐっじょぶ♪」「早知華ねえっ!」 今まで冷静だった周兄さんの声が上ずっている?一体何が起こっているのが わからないまま、私はただお母さんに頭を洗われてるしかなかった。 頭が洗い終わった頃には周兄さんはお風呂の中に入っており、少し顔が赤い 様子でお母さんに向かって話してきた。 「もう頭も洗ったなら出て行ってくれないか..」 「そうね〜、さすがの周くんもこれ以上は無理そうだしね。うぷぷ」 「早知華ねえ..」「そんなに怒った顔しないでよ。素直に引き上げたらいい んでしょ」 最後にお母さんが冗談半分で言った言葉に、すごく気になったけど、これ以上 いたら、私もどうにかなってしまうので、お母さんにまかせてお風呂から出る 事にした。 こうして、ようやくお風呂から出ることが出来、くたくたになった私の身体を お母さんが丁寧に拭きながら話しかけてきた。 「沙智菜ちゃん、ごめんね〜。ちょっと今回は私の悪戯心のせいで失敗して しまったわ〜」 (失敗って..これって成功じゃないの..) 「やっぱり、素直につまみ食いに行けば良かったわ..そうすれば全ては上手く 行ったかもしれないのに〜〜、反省だわ..」 一体、どういう解釈をすればこれを失敗と言えるのがわからない私だが、成功 していたら、もっととんでもないことになっていただろう。 それだけは間違えないかも..(うんうん) とりあえず、料理の仕上げもしないといけないので、くたくたの身体を必死に 動かして完成にこぎつけた。 丁度、周兄さんもお風呂から出て、一息ついたとこだったので、ギリギリ間に あったかも知れない。 ただ、お風呂でいろいろあったせいか、少しぎくしゃくしながらの食事になって しまったけど、料理を食べてくれる内にいつもの雰囲気に戻ってきたので、ほっ とした私であった。 しかし、まだまだ油断は出来ない。 自分のすぐ近くにいろいろとプランを考えているお母さんがいるので食事の後の 夜が不安なのだ。 きっと何かとんでもない事を仕掛けてくるに違いない。 (ああぁぁ〜これ以上、周兄さんに恥ずかしいとこを見せたくないよぉぉぉーー) 現に食事が終わるとお母さんが姿をくらましてしまい、時たま家のあちこちから 何かをしている音だけが響いてきたのであった。 (いったい〜何を仕掛けるつもりなのよぉぉぉーーーもう、いやぁぁぁぁぁぁ!) 寝る時間が迫る中、相変わらず家の中では怪しい音だけが聞こえてくる。 お母さんが何かをしているのは間違いないけど.. 何回か音がする方へ行ってもすぐに隠れてしまい、困り果てた状況だった。 だが、そんな状況を一変する出来事が起こった。 真夜中というのに玄関を鳴らす音が響き出す。 ピンポーンピンポーン! 「もしかして、お母さんの仕業でしょ!」 どこに居るかわからないお母さんに向けて喋る私に周兄さんもやってきた。 「こんな夜中に誰か来たのか?」 「きっと、お母さんの仕業よ。悪ふざけにもほどがあるわよ」 ピンポーンピンポーンピンポーン!ドンドンドン 「まったく、人が作業してるのに誰よっ!もう夜遅いのよっ!」 私と周兄さんの後ろから突然、お母さんが怒りながら現れた。 っていうことは誰?もしかして強盗とか..危ない人とか.. ちょっと怖くなった私の身体が震えると周兄さんが肩にそって手を当てて 言ってきた。 「大丈夫だよ。俺が守るから」 ドッキィィィィーーーン♪周兄さんの言葉に思わずノックアウトされそう〜 そんな中、お母さんは息を軽く吸いながら扉を蹴破る仕草を始めている。 「娘の恋路を邪魔するものは私に蹴られる運命なのよ〜」 「お母さんっ。まずは誰か確認してよっ」 「それもそうね..」 私の言葉でお母さんがドア穴を覗くと、驚いた顔を見せてすぐに玄関の ドアを開けたのだ。 ガチャ!「た・ただいまぁ..」「お・お父さんっ!?」 「あ・あなた..どうして?出張じゃなかったの?」 「いや..急にな..出張を代わって欲しい奴がいてな..仕方なく 代わったんだよ」 慌てて話す素振りを見てみると、どうやら無理矢理、出張を代わって もらって急いで帰ってきたみたいであった。 やっぱりお父さんにとっては私の事が心配だったらしい。 「いやぁぁ〜周君がいるから家を空けても問題はないんだが、相手の奴 がどうしても出張に行きたいって土下座までしてきたから代わるしか なかったんだな」 (と言うと..土下座までして代わってもらったんだ...はぁぁ〜) 「そうなんですか、おじさんの気持ちは良くわかりますから、俺は自分 の家に戻ります」 (それは駄目ぇぇーー!お父さんもそこまで言ってないからぁぁーー) 「いや、周君のことは本当に頼りにしてるんだよ。とりあえず荷物は ホテルに預けたままだから、このまま泊まるもりだよ。 タクシーも 止めたままだしね」「えっ?」「おじさん?」 「お父さんとしてはお母さんが心配でね..さあ、一緒にホテルに 泊まろうな」「へっ?私?」 そう言ってお母さんを引きずりながらタクシーまで行くお父さん。 「ちょっとあなた〜若い2人をそのままにすると危険だわぁぁ〜親が いなくちゃうと、すごい事をしちゃうわよぉぉぉーーーしちゃうわよ ぉぉぉぉぉーーー」ずるずるぅぅーー 「大丈夫だよ、周君なら。それより、お前がすごい事をしそうで怖い んだよ..さあ、久々にホテルに泊まろうじゃないか」 「ああぁん〜私のプランがぁぁ〜秘密の奥の手がぁぁーー究極の一手 がぁぁーー」ずるずるぅぅーー 「周君、娘の事は頼んだぞ。じゃっ」バタンッ えっと、この場合は何と言ったらいいんだろうか..周兄さんと2人 きりにする方が安全なんて..何かおかしな気がするんだけど.. (まあ、大正解には間違いないけど) とりあえず、周兄さんと2人きりで夜を過ごすなんて、ドキドキしち ゃうぅ〜。 でも、寝る場所は別々だから、意味はないかもぉぉーー むしろ、お父さんやお母さんが居ない不安の方が大きい感じでどうしよぉぉ.. 「沙智菜、最近は物騒だから昔のように一緒に寝るか?」 「えっ..」(それって..それって..それってぇぇぇぇぇーーー) と期待してみたけど、やっぱり布団は別々よね..ええ、わかってま したとも。 周兄さんが俺の布団に入って来い何て言うわけないし、一緒の部屋で 寝れるんだからこれで十分よね。(うんうん) そうよ。もしかするとまだまだチャンスは残っているんだから。 私が勇気を出せば..そう今こそ勇気を出す時なのよっ! ついにロストバージンのチャンスを掴んだ私だけど、布団に入ると 激しい睡魔が襲ってくる。 あっ..考えて見たら、お風呂で逆上せるわ..必死に料理を作っ たりして..くたくただったんだよね..zzz.. ちゅん..ちゅんちゅん..バッ! 次に私が目覚めたのは情けないことに朝だった。 (そ・そんなぁぁ〜せっかく周兄さんと一緒の部屋で寝れたのに.. 熟睡したなんて..) それも、よく見ると周兄さんが居ないし..私より早く起きたって ことなのぉぉ〜 慌てて朝ごはんを作りに台所に向かうと見事な朝ごはんがすでに 出来ていた。 「おはよう、沙智菜。昨日の晩ご飯のお礼に、今朝は俺が作ってみたよ」 (ぅぅ..朝ご飯まで作られちゃったよぉ..はぁぁ..情けないよ..) けど、あまりの上手さに落ち込んでいた気持ちが吹っ飛んでしまった。 さすが、私の周兄さんってとこかもぉぉ〜〜 こうして結果としては、あの時のお風呂以外では大きな進展もないまま、 周兄さんはまた海外に行ってしまいました。 まあ、今回周兄さんにはいろんな大事なとこを全て見せちゃったから、 それだけでも十分進展したってことですよね?周兄さん。 *****沙智菜の勝手なイメージ*****************   「ああ、沙智菜の成長した姿をじっくり堪能してもらったよ」   「出来れば、あの夜で俺にせまってくれれば上出来だったがな」   「けど、ロストバージンの仕掛けってやつも見たかったな」 ******************************** いや、くだらない仕掛けばっかりだったので見ない方がいいです。 せっかくの合体装置が〜ってお母さんが悔やんでいたけど、そもそも その危ないネーミングが怖すぎるわよぉぉぉ〜〜


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