第48話「真夜中のプール」


夏服の採寸も終わり、少しずつ暑くなってくるこの頃。 すでに数週間後のプール開きに合わせて、私の高校でもプール清掃 が始まりました。 生徒全員が分担して清掃することになり、私たち1年生は長靴をはいて たわしでごしごし擦っています。 まあ、擦るのは男子が中心で女子はゴミや水草等を集めて捨てました。 「さっちん〜ほらぁ、ヤゴがいっぱいいたわよぉぉ〜♪」「いやぁぁぁ〜」 バケツいっぱいに集めたヤゴを見せ付ける親友の美紗里。 美紗里はこういう虫を集める事に全然平気らしく、次から次にとバケツ に集めて私に見せにくるのであった。 まあ、そんな美紗里が近くにいるせいか内川さんや5組の女子も近寄る ことが出来ず、今日はこのまま無事に終わりそうな雰囲気だろう。 「ところで美紗里..その集めた虫はどうするつもりよ..」 「学校の池や近くの山の池などに放してあげるのよ♪せっかく排水の 時に流れないようにしたんだから、全て救ってあげないとね」 そう、わざわざプール清掃の際の排水で虫が流されないように工夫を している為、プールの底はすごい数の虫がいっぱいいるのだ。 「美紗里..バケツいっぱいになったから新しいのある?」 「ううぅ..悠子、あなたもすごい量ね..平気なの?」「うん、平気よ」 悠子も美紗里を手伝っているせいか、今日だけは女子たちのちょっかい を受ける事がなかった。 (まあ、虫は苦手じゃないんだけど、バケツいっぱいは勘弁してほしい かもぉぉぉ〜〜) こうして、水草や虫をほとんど取った後で、残っていた水を排水し、その 後の清掃は2・3年が行う事になっていた。 すっかり綺麗になった翌日からは少しずつプールに新しい水が入り、数日 も経てば泳げるほどになるだろう。 誰もまだ入っていない綺麗なプール。 私の心の中でかなりイケナイ考えが浮かんでしまいました♪ ちょうど、今夜からはしばらく熱帯夜も続くと言うし、ここは久々の露出 行為をするチャンスなのかも知れない。 何せ、最近はトラブルに巻き込まれての露出が多いので、たまには自主的 な露出もしたいところなのです。 もちろん、それは真夜中のプールでの全裸姿の水泳〜 考えただけでも身体が火照ってきそうな気がしちゃうぅぅ。 決行は今夜ということで、全裸水泳をするための計画を考える。 いくら熱帯夜と言っても、あんまり遅い時間帯だと水が冷たすぎて泳げ ないし、風邪も引いてきまいそうだ。 やはり、9時あたりが良く、お父さんが残業のときに適当な言い訳をして、 抜け出るしかないだろう。 今日はお父さんの帰りは遅く、晩御飯をお母さんと食べた私は、コンビニ で買い物をしてくると言って家を出る事にした。 お母さんに何か言われそうかなと思ったが、あっさりとOKサイン+買い 物リストをもらう事で家を出る事を許された。 「そんなに急がなくてもいいわよ♪どーせ、寄り道の方がメインでしょ? 少しぐらいは大目に見てあげるわよ」 何か露出行為を見抜かれてる気もしそうだけど、まさか学校のプールで 泳ぐとは思ってはいないでしょう。 ここは少し体温を高める為にも、まずはさっさとコンビニで用を済ませて から、そのまま走って学校まで行き、裏門からこっそり忍びこみ、プール の近くまでいったのであった。 ドキドキッ.. これから全裸で泳ぐせいか、それとも走ったせいか、心臓がドキドキして いるよぉ〜 (裸で泳ぐとして、どこで着替えようかな..) 更衣室に鍵がかかっている以上、服を脱ぐ場所を探してみる。 プールのところに服を置くのもいいのだが、最悪の場合を考えると服を 回収できなくなってしまう。 (見つかったら、すぐに逃げないといけないし..) いろいろ考えた結果、校舎裏で服を脱いて行く事に決めた。 ただ、校舎裏からプールまで離れてるので5分ほどは全裸のままで歩く事 になってしまう。 (校舎裏なら誰もいないから大丈夫よね..) 辺りに人がいない事を定期的に確認しながら服を1つずつ脱いでいく。 実はちょっと大胆なことに下着を着けてないので、あっという間に恥ずか しい全裸姿となってしまう。 脱いだ服はコンビニの袋の中に入れて、その袋を目立たないとこに隠す私。 (ここなら大丈夫そうね。あとはキャップとゴーグルを付ければ..) そう、やはり裸で泳ぐ以上は念には念を入れて正体を隠す必要があるだろう。 大き目の赤淵のゴーグルと目に付けて、赤い水泳キャップを頭にかぶれば、 近づかない限りは誰だがわからないはずだ。 ちなみにこのゴーグルとキャップはお母さんが買ってくれたもので、ちょっと 色が派手すぎたので今までは押入れの中に使わずに閉まっていた。 (まさか、こんなとこで役に立つとはね..) 全ての準備が整ったところで、プールの方へ全裸で向かうのだが、考えて みたら、すごい事をしている。 身に着けているのはゴーグルとキャップだけなので、誰かに遭遇したら、 とても言い訳は出来ないであろう。 (ああぁ..もうすぐプールで全裸で泳ぐことになるのよね..) ただ、ちょっといきなり全裸で泳ぐ前に1つだけ確認したいところがあった。 それはプールの左側にある大きな茂みであり、ここに隠れられてしまうと プールからは見つけることが出来ないことから、どれぐらい見えてしまうの かを頭に入れておきたかった。 音を立てないよう、茂みの中に入りプールの方を眺めると、意外にも月の 光で、はっきりと見える箇所が幾つかあるのが分かる。 (茂み側のフェンスは危険だわ..ここからだと殆ど丸見えだわ..) もし泳ぐなら茂みから離れた右側のラインで泳ぎ、プールから上がるときも 右側のフェンスへ上がった方がいいだろう。 (右側なら、例え覗きが居たとしても大丈夫そうね) これで不安要素もほとんど消えて、ようやく裸で泳ごうと思った私に、まさか のハプニングが起こってしまった。 ガサガサガサッ! (えっ?何、この茂みの音は!だ・誰かが茂みに入ってきてるっ) がさがさと大きな音が響く中、何と複数の男性の声も聞こえてくる。 プールで覗かれもいいような対策をいろいろと考えていた私だけど、入る前 にこんなことが起こるとは思ってもいなかったのであった。 どんどんと大きくなってくる音に焦り始める私。 (何でいつも、こういう目に遭ってしまうのよぉぉぉぉぉ〜〜〜) (落ち着かなくちゃ..落ちつくのよ..) 茂みの音が響く中、自分に言い聞かせるように冷静な判断が出来るように する私。 考えてみたら、この暗闇の中で地面に伏せている私が簡単に見つかるはず はなく、音さえ立てなければ逃げる事が出来るはず。 もちろん、プールの近くであるここでは危険なので、音を殺しながら男性 たちが向かう方向とは別の方向へ逃げていった。 けど、すごく恥ずかしいことをしている気がするよぉぉ〜。 茂みの中とは言え、茂みの中を全裸でほふく前進全身をしてるなんて.. (ぁぁ..おっぱいとおま●こが擦れて変な気分になりそう..) せっかく、これからプールに入ろうとしたのに、これでは全部が台無しに なった感じで、すごい悔しさを感じる。 (何か裸でいるのが馬鹿みたいだよぉぉぉ〜!ああぁ〜ん、ちょっとでも いいから泳ぎたかったよぉぉ〜) とりあえず、あまり大きな音が出せない私はプールの方へ向かう男性たち の様子を伺う事にした。 よく見ると、プールへ向かう男性たちは男子生徒であり、何かの目的が あってここに来たのは間違いないだろう。 そう、私が裸で泳ぐのは今日が初めてだから、女子が裸で泳ぐなんて事 は予測できないのだから、ばれたわけではないはずだ。 (ぅぅ..もしかして私と同じ性癖を持った子が居たのかな..) いつでも逃げられる体制を取りながら、話し始める男子たちの会話を 聞くと、やっとここに来た理由がわかったのであった。 「おい、本当にここで7不思議が見れるんだろうな..」 「ああ、毎年見た奴がいると聞くから間違いねーよ」 「ゾクゾクするぜ〜、とりあえず禁止項目をもう1回確認しようぜ」 (うそぉぉぉぉぉーー、ここってそういう噂があったのぉぉーー確かに 聞いた覚えもあったけど、本当だったなんてぇぇーー) てっきり冗談だと思っていたプールの7不思議の噂。 よくある定番話だが、清掃したばかりのプールに真夜中に行くと女子生徒 が泳いでいるという話なのだ。 (危なかったかもぉぉ..そんなとこで泳いで見た日は失神しちゃうわ) どうやら、男子たちは7不思議を実際に確認しにきたみたいで、確認の際 の禁止項目を話し始めた。 (こういう事はしてはいけないっていう7不思議の決まりごとね..)ぞくっ 「いいか、まずは顔は絶対見てはいけないぞ」「ああっ、わかってる」 「けど、身体は見ていいのかよ?噂だとすっぽんぽんだと聞くぜ」 (えっ?何なのよ..そのエッチっぽい設定は..) 「それは顔を見たくなるような一種の誘いみたいなものだ」 「何か怖えな..噂だと血で染まった顔なんだろ?」「ああ..」 (いやぁぁぁ〜、それってやっぱ過去に死んじゃったとか..けど、そんな 死亡事故は聞いた覚えはないんだけど..) 「とりあえず、こっちに向かって裸を見せつけるような事をしたら、顔は 見ない方がいい」 「けどよぉ〜案外、露出狂な女なのかも知れねーぜ」 うんうん(私もそんな感じがするけど..) 「露出狂でも、そこまで見せ付ける奴はいねーよ。そんなことしたら襲って くださいって言ってるようなもんだぜ」 「そりゃそうだな。生の女なら恥ずかしい素振りが出るし、おそらく茂み から離れて泳ごうとするから、わかりそうだな」 ギクッ!(ぅぅっ..そこまで見抜かれてるの..) 「じゃあ、茂みから離れて泳ぐ女だったから、こっそり近づいて襲うか」 「そうだな。プールからじゃ、こっちの動きはあまり見えないしな」 「7不思議より楽しめそーだぜ」 (危なかったわ..一歩早かったら、またトラブルに巻き込まれたかも) ここは素直にこの場から去って逃げた方がいいかも知れない。 男子たちに気付かれないように上手く茂みから出る事が出来、急いで プールから離れる私だが、ここでイケナイ考えが浮かんでしまった。 (きっと、プールの7不思議って誰かが面白おかしく怖くしただけよね..) そう、せっかく裸になってここまで来たというのに何もしないで帰るのは 欲求がたまりそうで嫌だった。 7不思議を見に来た男子たちなら、生の女性でないとわかれば怖くて変な 気は起こさないであろう。 つまり、逆に私が彼らの噂どおりにすれば顔を見られることもなく、普通 に泳ぐ事も出来るかも知れない。 (でも..それって男子に向かって裸を見せつけるってことよね..) まるでストリップ嬢のような行為に首を横に大きく振った私だったが、正直 身体の方は火照り始めてきている。 (なんで..こんなに身体があつくなってくるのよぉぉ〜信じられないっ) もう、こうなったら駄目なのかも知れない.. 顔を見られる事のないという事が私の性癖に火をつけてしまったらしく、 少しぐらいなら見せてもいいと思い始めてしまった。 (そうよね..月の光ぐらいじゃ、そんなに見えることはないし..) 頭の中がだんだんと悶々となっていく内に、気付くと私の身体はプールの方 へ戻っていってました。 そう、ここまで来たら後戻りは出来ないような気がする。 今回も露出の誘惑に見事に負けてしまった私.. 周兄さん..またエッチなことをやりそうです..ぐすんっ。


第49話へ