最終話「最初からそこにあった最終競技」


「うわぁぁぁぁぁ〜!な、何で私が最後まで残ってるのぉぉ〜」  私、福岡奈穂は最後の7人に残ったことに驚きを隠せなかった。  何せ、終わりの方の競技は、罠を無効にしてくれたのでクリアできただ けで実力でクリアしたわけでもないからだ。 「運も実力の内って言うけど、残っている人たちは超人レベルだし... そもそも最終競技がいつまで経ってもでてこないんですけどぉぉ〜」  いつもなら、ここのスタッフが次の競技を準備するはずなのだけど.. 目の前には競技場らしきものはなく、ただの温泉であった。 「・・・あれ?競技はどこなの?」  キョロキョロと辺りを見ていた私に、係員が竹馬を持ってきて選手たち の両足に足板を固定していく。  しかも竹馬の上側に固定されてる手袋に両手を入れると、手首の部分の リングがカチっと鳴って、竹馬を放せなくなった。  要は竹馬は一心同体となってしまい、競技をクリア、もしくは失格にな らない限り外せないようだ。  全員に竹馬をセットしたところで司会者が、横一列に並ぶように言って きた。 「観客のみなさーん!いよいよ最終競技となりました。まずは、最後まで 勝ち残った選手たちの雄姿をご覧あれ!」  竹馬で横一列に立った私たちにスポットライトが当たる。そして競技で 使う竹馬を見て歓声が響く。  それは、私たちの竹馬が卑猥なものになっていたからだ。 「さすが、ここまで残った7人ですなぁぁぁ〜!この特殊な竹馬で見事に バランスを取っていますぞぉぉぉ〜!そう、見ての通り、竹馬の足の部分 は立派な黒光りの長身ペニスとなっているのです!」  おおおおおぉぉぉぉぉーー!うおおおぉぉぉぉっ!!観客が歓喜する。  今までの競技を考えれば、最終競技でこういう卑猥なものを装着される のは覚悟したけど..これは単にバランスを悪くするだけなの?  ひょっとして振動でもするのかしら?けど、これぐらいの仕掛けじゃ、 みんな上手くバランスとってクリアできそうだけど.. 「さて、そろそろ!最終競技を開始しましょうかぁぁぁ〜!みなさんも、 準備OKですかぁぁぁぁ〜?」 「えっ?ちょっと待って..まだ、最終競技が見えてないんだけど..」 「おやおや、最終競技はもう見えてますよ!何のために竹馬をつけてるか 分かりませんかね?」 「…やっぱ、最終競技は丸太みたいのを渡れってこと?」 「そうですっ!ここから先は司会者の私が詳しく説明しましょぉぉーーー」  司会者の声が大きく響く。ようやく、見えない最終競技の内容を説明を するらしい。 「みなさんにはこれから、あるものを渡ってもらいます。競技としては第 1競技の丸太渡り、第2競技の平均台わたりと同じ感じの競技と思っても らって結構です」 「それって..渡るだけの競技ってこと?」 「そうです!渡るだけです!そして、もう既に貴方達はその競技場を何回 も目にしているはずですよぉぉぉぉ」 「目にしてるって..どういう事?」  司会者の言葉に動揺する私だけど、武蔵境財閥姉妹や他の4人は既に競 技の内容を理解して静かな表情を浮かべていた。 「え?いやいや、これってもしかして裸の王様みたいな競技ってことで 私だけ見えてないってことなのぉぉぉ?」 「いえいえ、違いますよ。最初から用意されてますよ」 「最初から?大体、最初からあるのは..あの卑猥な逆さ開脚だけで.. !!!!!えっ!?」  これはヤバい!何かとんでもない競技が頭の中に出てきたよ..  それはさすがにないでしょ!確かに最初からあるんだけどぉぉぉ〜! 「えっと..この長身ペニスの竹馬って..そういう意味で?いやいやい や!それはやっちゃダメでしょぉぉぉぉ!!」 「おやおや、これで全員気づいたみたいですね。そう最終競技は貴女たち にとって!最も屈辱的で卑猥な競技なんですよぉぉぉーーー!」 「いやあああ〜!この卑猥な長身ペニスで渡れっていうのぉぉぉ〜!!」 「そうですっ!その長身ペニスの竹馬で渡る競技が最終競技ぃぃぃー!! あなた達が毎回見ていた温泉の端がその競技場なんですよぉぉぉーーー」  司会者の言葉で温泉の端の下の床が大きく開き、下の方に温泉が現れる。  その温泉の端に設置されていたもの...  それはリタイア選手たちが逆さ開脚姿で並べられた場所であった! 「これが最も屈辱的で卑猥な最終競技「おま●こ橋渡り」だぁぁぁぁぁぁ ぁーーーー!!」  選手たちの前に191人のおま●こ橋が現れ、会場の観客も盛大に盛り 上がる。 「渡れるかあああああ!そんなもん!!」 「まあ、どれには同意ですわ。この私、武蔵境鞘菜は棄権いたしますわ! なので、このまま温泉にダイブさせて頂きますの!」 「え?棄権って?」  ドッパァァァァァァァンンンン!!!  何と鞘菜さんがいきなり温泉へ飛び込んでしまい、今まで一切晒すこと のなかった裸体が逆さ開脚姿となって救い上げられた。 「あっははははは〜!これは愚かなり!実にお粗末で愚かな選択ですよぉ ぉぉ〜!あなたはこれから残った選手たちに、おま●こをぐちゅぐちゅに されるんですよぉぉぉ〜!!」 「……果たして、そうかしら?」 「…仕方ないですね。私も棄権します」ドッパァァァァァンンンン!! 「鞘菜お嬢様、私も地までお供いたしマス!」ジャパァァァァーン!!  何と照菜さんとサヤサさんまでが温泉へ飛び込んで失格となってしまっ た。 「って言うかぁぁぁ!私以外、例の団体さんたちじゃないですかぁぁぁ!」 「さて、勝手に失格になるのは、そのまま晒すとして、貴女たちはそんな 愚かなことしませんよね?いっひひひ」 「・・・近藤さん、どうします?もう力ずくでいきますか?」 「いえ、捕まった同士をそのままには出来ません..奏、あなたはどうし ますか?」「ケホ、ケホ、咳もひどくなってきたから、ここで私は降ろさ せてもらうよ..じゃあね」  ドッパァァァァンンンン!!「奏!」「沖田!」  これは何かすごく嫌な予感しかない..沖田さんが落ちて、残った選手 は…… 「衣紅さん、私たちもいくか..」 「仕方ないな..奏につづくか..」 「って!あんたらも飛び込むんかいっ!」  ドッパァァァンンンン!!ジャパパパーーン!!  えっと、う〜んと状況を整理すると、今、近藤さんと土方さんも落ちて 失格となりました。さっきまで残った選手は3人だったので.. 「また私だけ残っているんじゃぁないぃぃぃぃ!!」  これって、流れ的には絶対落ちた方がいいよね!うん、絶対そうだ!!  けど..全員失格した場合はどうなるの?この競技は無効っていうこと でいいんだよね?  チラリッ!私が司会者を見るとニヤリと返してきた。 「全員失格の場合は?君はどう思う、まさか無効になると思うのかああ?」 「ですよね〜」 「いいだろう!少し早いがここでネタ晴らししておこう!ここからの放映 は18禁指定とさせてもらいましょぉぉぉ!続きは、ハード・トンデモ・ ドマンドが仕切りますよぉぉぉ〜!これこそがエロ!性行為無くしてエロ とは言えぬ!ずっこんばっこんがエロ!それこそがエロなのだぁぁぁぁ! カモン!勃起竹馬50人衆!!」  司会者の掛け声と共に轟音と共に、股間をフル勃起した下半身丸出しの 長身ペニス竹馬野郎50人が現れた。  パンパンパン!竹馬野郎たちの反り返った勃起ペニスが腹を打ってくる。 「さあ、君はどうする?全員失格の場合、君の代わりにフル勃起汁男優50 人が、この最終競技をするのだよ!君たちの甘い時間は終わったのだよ!」 「そんなの許されるわけが..」 「ふっははははははは〜、これからのTVはこれぐらい解禁されないとい けないのだぁぁぁ〜!男はエロを追い求め、満足する権利があるのだぁぁ」  うわぁぁぁぁ〜!な、何なのよ、この展開はぁぁぁ〜!って言うか、私 はどうしたら良いのよぉぉぉぉ〜。何か、鞘菜さんは司会者と話し続けて る私に向けてGOODサインしてるし、これって喋り続けろってこと?そうい うのは得意だけど..解決策はあるのかしらぁぁぁぁ〜! 「あ、あのぉぉ〜、これはいわゆる女性への暴行になりませんか?」 「それだ!お前たちはそうやって次々とエロを謀殺していく!特にエロ嫌 いの連中は勝手な言い分をするだけだ!この番組の素晴らしさを理解しよ うとしないのだぁぁぁぁ〜!お前はエロの無い世界が正しいと思うのか? 子孫繁栄はエロなしで成り立つのかぁぁぁ〜!」 「いや、だからって性行為な競技はアウトでしょ..」  ううぅ〜、段々と雰囲気が怪しくなってくるし、こんな時間稼ぎのよう なことして大丈夫なの?  不安に思う中、競技会場に突然、2人の全裸女子が走ってやってきた。 「はぁはぁ..何とか間に合ったみたいですね..えっ?みんな失格にな ってるんですか?」 「いや、奈穂ちゃんだけが残ってますね。奈穂ちゃん、もう大丈夫ですよ」 「みかり?大丈夫ってどういうこと?」  私が状況を聞こうとしたら、みかりと祐衣美さんの後ろに2m級の大男 が出てきて、2人を持ち上げて温泉へ落としてしまった。  もちろん、この後で2人も逆さ開脚姿にされて吊るされたのは言うまで もない。 「あっはははは〜!これで199人のおま●こ橋が完成しましたぞぉぉ〜! さあ、競技開始です!福岡奈穂ちゃん、橋を渡ってくださいっ!」 「だから!こんなの渡れるかっ!!」  けれど、何故か急に私の身体が勝手に動き出した。これって竹馬に何か 細工してあったの?いや違う!何か両足が浮いてますけどぉぉぉぉ〜!!  観客からどよめきが起こる。何故なら、私が竹馬をしたまま空に浮いて いるからだ。一番ビックリしてるのは私だよ!何で浮いてるのよぉぉぉ〜! 「卑怯だ!!こんなのは卑怯だぞ!菜穂選手!!空を飛ぶなんて、絶対お かしいじゃないですかぁぁぁ〜!!」 「そんなこと言われてもぉぉ〜、そっちが何か仕込んだんでしょぉぉぉ?」 「そんな有利なもの仕込むかぁぁぁ〜!誰だ、誰なんだぁぁぁ〜、こんな 非常識なことを仕込んだのはぁぁぁぁぁ〜!!」  司会者が慌てふためいてるのを見ると、これは竹馬の仕掛けじゃなくて、 私自身が飛んでるってこと?それはさすがないと思うけど..まだ飛んで ますよぉぉぉぉ〜!!  思い切り動揺していると私の頭の中に誰かが話しかけてきた。これは、 我の条件を呑んだお礼だと..って、条件って?いったい何なのよぉぉ〜。 「菜穂さん、それは私から説明するわ!」と照菜さんが話しかけてきた。  どうやら、この最終競技前から、照菜さんたちはこういう危ない展開に なるのを想定したらしく、海藤御代さんが色んな協力を得て、みかりと祐 衣美さんにあるお方を呼んできてもらうようにしたらしい。 「そう、ここの運営はエロに寛容な場所として、ここを選んだようだけど、 それがあだになったのよ」「えっ?」 「ここは昔から伝説の”御羞恥様”が居る場所なのよ。半信半疑だったけ ど、条件を全て呑んでくれたら、力を貸してくれるという事で、それに全 て賭けることにしたのよ」  う〜ん、要はこの地に伝えられている羞恥な悪戯が好きな妖怪?に、条 件を元に協力を頼んだらOKしてくれたってこと?いやいやいや、だから って空を飛べるのかぁぁぁぁ〜!! 「なになに、服や下着だけを吹き飛ばすことができるので、こんなのは朝 飯前だって..って!何を普段やってんのよぉぉぉ〜!!」 「ぐぬぬっ!おしゅうちさまか何か知らんか、司会者を怒らすとどうなる か見せてあげましょぉぉぉ〜!!勃起竹馬50人衆!!今から、おま●こ橋 を渡るのだぁぁぁぁ〜!ずっこんばっこんやりまくれえぇぇぇ〜!」  ついに司会者がキレてしまい、勃起野郎共が動き出そうとしたのだが.. 「ば、ば、バカなあああああ!何でお前ら、ふにゃちんになってるんだぁ?」 「こんなのじゃ勃起できんっ!!お、俺は、制服早着替えが見たかったぁ」 「元旦と言えば野球拳じゃぁ〜!競技の中に脱衣要素を求めるっ!!」 「市内全裸ミニマラソンもいいんじゃないかぁぁぁ〜!次回はこれも頼む」  何故か、ふにゃちんになった野郎共が、色んなリクエストを口々にする。  正確には何か言わされてる感があるけど、どうやら、おしゅうちさまの 求めるエロには、ずっこんばっこんが要らない感じだった。  一方の私は、相変わらず空中をふわふわしながら、おま●こ橋を進んで おり、クリアはもう確定みたいなものだ。 「さっきまで怒り心頭でしたが、何かもう菜穂ちゃんを応援したくなりま したあああ〜!でも、これじゃ面白くないので、ここでエロエロハムスタ ー50匹を投入しましょう!カモン!エロエロハムちゃんズ!」  司会者の声と共に、今度はハムスターが50匹現れ、おま●こ橋を駆け 回っていく。それと同時に観客たちと司会者が興奮の歌を合唱した。 「おま●こ渡るよ〜ハムスター!クリちゃん弄るよ〜ハムスター!大好き なのは〜おま●この上〜!いっぱい走るよ〜!ハムスター!」  これって、絶対!おしゅうちさまの仕業でしょぉぉぉ〜!って言うか、 これだけの力があるってことなのぉぉぉ〜? 「おおっ!菜穂ちゃんがゴールだ!全国女子高生温泉アスレチックの優勝 は福岡奈穂選手に決まりましたぁぁぁ〜!栄えある優勝者には、とっても 嬉しい豪華な賞品、世界各地のヌーディストの全裸旅だぁぁぁぁ〜」 「何だそりゃぁぁぁぁぁぁぁ〜!優勝賞品が罰ゲームじゃないのぉぉぉ!」 「おっと、伝え忘れがありました。出来たら、子豚さんによるペロペロ舐 め競技もやって欲しいようです!では、また来年〜!」 「って!それ司会者の言葉じゃなく、おしゅうちさまだろ!!!」  こうして、おしゅうちさまのお陰?で無事に全競技は終了したんだけど、 ハード・トンデモ・ドマンド主催による夜の部は中止になることなく、「 トントンパニック!大失禁!」を選手全員強制参加でやることになった。  絶頂失神あり、お漏らしありと卑猥なものだったが、内容自体は番組が 貸し切った夜のショッピングモールの中で子豚の大群から逃げまくるとい う、明らかにおしゅうちさまが絡んだ企画に変えられていた。  まあ視聴率が良かったのでハード・トンデモ・ドマンド的にもウィンウ ィンだったらしい。  で!最大の問題はこの私が無理やり飛行機に乗せられて、まずは海外ヌ ーディストビーチへ行かされるということだ! 「やっぱ、これ罰ゲームじゃん!!せっかく優勝したのに、この扱いはひ どすぎるよぉぉぉぉぉ〜」 (※ただし、泊まるところは全て超高級スイートルームで高級料理付き)  きっと、私が日本へ帰る頃には、第2回全国女子高生温泉アスレチック が開催されるのであろう。 <完> ※当時、風呂敷を広げ過ぎた関係で収拾がつかなくなったため、当初用意 してあった最終話に繋がるように直して公開することにしました。 (2004年以降の風呂敷を広げた話はスピンオフ的な作品にしてあります)


武蔵境 鞘菜(むさしさかい さやな) 最終競技棄権
武蔵境 照菜(むさしさかい てりな) 最終競技棄権
真田 サヤサ(さなだ さやさ)    最終競技棄権
沖田 奏(おきた かなで)      最終競技棄権
近藤 優子(こんどう ゆうこ)    最終競技棄権
土方 衣紅(ひじかた いく)     最終競技棄権

福岡 奈穂(ふくおか なほ)     最終競技クリア
 【棄権失格者6名:優勝者1名】

「全国女子高生温泉アスレチック」完