第1話「AVの代役」


 清純派アイドル、菜奈緒。  今この名を知らぬほどに有名になった日本1の清純派アイドルであり、 今までたった1度たりともその肌を露出したことないアイドルだった。  そう水着写真集も出した事無く、どんな時でも長袖、ロングスカートが 定番の彼女であり、まさに真の清純派と言えるほどのアイドルであった。  だが実は本人にとっては喜べる事ではなくストレスを溜める原因となっ ていたのだ。  そう、菜奈緒にはとある性癖があり、その性癖は露出狂だった。  常に菜奈緒自身にはみんなに自分の裸体を見られたいという願望があり 日に日にその意思が強くなっていくこの頃であった。  そんなある日、ついに菜奈緒に恐れていた事が起ってしまった。  性癖解消のためにやっていた自慰行為をマネージャーの作山に見られた のであった。  それも、恥ずかしいことに菜奈緒は全裸で自慰行為をしていたらしく、 作山におっぱいもおま●こも全てを見られたのだ。  だが、作山は菜奈緒の恥ずかしい姿を見たにも関わらず、何事もなかっ たかのようにその後もいつもと同じ態度でマネージャー業を続けていた。  もしかして..私のことを想ってずっと内緒にしてくれるのかな..  自慰行為を黙ってくれる作山に菜奈緒はそう解釈することにした。  ただ、菜奈緒はこの後も懲りることなく、定期的に楽屋で自慰行為を続 けていたのだ。  どうやら自慰行為を見られたことが忘れられなくなり、心の奥底でもう 1度、見て欲しい願望が生まれてしまったらしい。  もちろん、作山が間違えて自慰行為の途中で入ってくることは無く、い つしか菜奈緒はわざとドアの鍵を開けて覗いてくれることを求めるほどに なってきた。 (ぁぁ..今日こそオナニーを見られてしまうかも..こんなに股を開い てる姿を見られちゃうかもぉぉ..)  ドアの方へ向かって大股を開いてオナニーをする菜奈緒。  それも見せつけるかのように、わざと指でおま●こを開いたオナニーを して、覗かれることを期待していた。  清純派アイドルとして、こんなことをしてはいけないという抑制も働い たが、結局は最後までオナニーを続けてしまう菜奈緒だった。  そんな過激なことをし続けている菜奈緒に、作山がある日、とんでもな い仕事を持ってきた。  その仕事はまるで菜奈緒の性癖を知っているようなものであり、清純派 アイドルに持ってくる内容ではなかった。 「菜奈緒ちゃん。今度このAVビデオの代役やりませんか?」 「え・えっ?あの今なんて?」 「AVビデオですよ。このビデオに出てくる素人さんの代役って事でやっ てもらいたいんですよ」 「AV?それってアダルトビデオって事?ちょっと本気で言ってるの?」 「ええ、一応これは大体の設定ですが今回は素人さんの代役なので顔は一 切出ませんのでどうですか?」 「作山さん・・・あなた何を言っているのかわかって言ってるの?」 「ええ、もちろん。菜奈緒ちゃんがそういう性癖があるのは知ってますよ」 「・・・・あれは、ちょっと魔がさしたのよ...だ・誰だってそういう 時があるでしょ?」 「僕も最初、そう思いましたよ。だから誰にも一生、言わないと誓いまし たが、どうやら違ってました」 ドキッ「ち・違うって..」 「あれから、定期的にオナニーしてましたね?ここで」 「そ・それは..」 「それも最近は鍵もわざと開けてますね?菜奈緒ちゃん、自分の立場を分 かってますか」 「!!作山さん、あなたこっそり覗いてたのね!卑怯だわ」 「いえ、覗いてませんよ。ただ確認はさせてもらいました。あんなに喘ぎ 声を出すとは驚きですね」 「ぅぅ..」 (何とか言い訳しなくちゃ..)  菜奈緒は必死に弁明を始めた。作山があの自慰行為をネタに強請ってき てるのがわかっていたからであった。  だけど作山はそれ以上のネタで菜奈緒を責めてきた。 「菜奈緒ちゃん、やはり鍵を開けてするのは感心しないな〜」 「違うの!か・鍵もたまたまが続いただけなのよっ!自慰行為も..1人 になるの楽屋だけだから、落ち着いて出来るから..」 「まあ、菜奈緒ちゃんも17歳の女の子だからオナニーの衝動にかられる のは分かってます。誰だって魔がさすのですから他言はしませんよ」 「そうよ..魔がさしただけなのよ...」 「でも..恥ずかしいことはそれだけではないですよね?」 ぎくっ「ど・どういうことかしら?」 「もう1つ言いたいことがあるんだけど確認していいかな?」 「ええ..」 「この頃、収録の時にパンティラインが無い時があるんだけど、どういう ことかな?いくらロングスカートだからってノーパンは不味いんじゃない かな〜」 「!!えっと..その..」 「やっぱり、図星ですか..菜奈緒ちゃんはそういう人なんですね?」 「・・・・・・・・」  どうやら、作山はとっくに菜奈緒の性癖を見抜いていた。  そうあの日、菜奈緒が露出系の投稿雑誌を元に自慰をしていた時から、 完全にばれてしまったのだろう。  ただ作山自身としては菜奈緒を脅すつもりが全くなかったから、黙って いたに過ぎなかった。  今になって、こんな要求をしてきたのは菜奈緒の露出行為が少しずつ過 激になってきたのを知って何かを決意したのかも知れない。  そんな作山の考えも知らずに菜奈緒は1人で勝手に安心してしまい、あ ろう事に性癖からくるストレスを解消する為に今ではノーパン行為までし てしまったのだ。 「僕は出来る限り、見ないフリをするつもりだったので残念です」 「だから違うんです..たまたま穿いてなかったのよ..」 「言い訳はいらないですよ。菜奈緒ちゃんに露出癖があるのは知っている んです」 「そんな..だから、これはたまたまなのっ!」 「それなら今日もたまたまブラを付けるのを忘れたんですか?下も穿いて ないみたいだし、これはどう説明するのかい?」 「・・・・」(ぁぁ..ブラのことも見抜いての?)  今日からしようと思ったノーブラ行為までも作山に見つけられて菜奈緒 は素直に観念してしまった。 「何か言い訳を思いつきましたか?菜奈緒ちゃん」 「ないわ..そうよ..作山さんが言うとおり、私は露出狂よ..」 「やっと素直に言ってくれたか..これで話もしやすくなったな」 「・・・作山さん。これって、AVに出ないとばらすって事かしら?」  菜奈緒は少し開き直った態度で堂々と聞いてみた。 「いえ。別に出なくても何もしませんよ。ただ心配なのはその性癖がスト レスになるのが心配なんですので」作山は平然に応答してきた。 「えっ?私のストレスのことを心配して?」 「ええ、あとはストレスが溜まると今みたいな危険なことをしそうだから ね。僕はこれでも菜奈緒ちゃんのマネージャーだからね」 「・・・・・・」 (心配だからって..AVをすすめるマネージャーがどこにいるのよっ!)  菜奈緒は作山があまりにもおかしなことを言ってくるので一応AVの企 画書だけ目を通す事にした。 「・・・作山さん。本当にこんな事を私にやらせるつもりなの」顔を赤ら めながら菜奈緒が作山に聞いてきた。 「はい。でも菜奈緒ちゃんが嫌ならやめますので。やっぱやめましょうか?」  あまりにも作山が簡単に引き下がった為、「えっ?」と菜奈緒は思わず 声を出してしまった。  そう実はかなり興味が湧いていたのであった。  でも清純派アイドルとしての立場もあるので引き受けるわけにはいかず、 やっぱり断ろうとした時、作山は変な提案をしてきたのであった。 「菜奈緒ちゃん。とりあえず今度の月曜なのでやらないにしても現場にき ませんか?」 「現場って・・AVの?」 「別に見るだけならいいですよね?」 「は・はい」作山の思わない提案に菜奈緒はなぜか承諾してしまった。  こうして月曜日、菜奈緒は作山と一緒にとあるビルにくる事になってし まった。  菜奈緒とばれるのは、まずいので打ち合わせの内容が覗ける個室に案内 されて、そこで様子を見てくれと作山に言われて様子を伺うことにした。  どうやらマジックミラーのようなもので菜奈緒の存在はわからず堂々と 打ち合わせの内容を見ることも聞くことも出来るようにしてくれた。  今回のビデオは男優2人が顔を完全に隠した素人の女の子を全裸で町の 中を連れてまわるという内容であり、いわゆる露出もののAVみたいであ った。  当然、素人の女の子もやらせであり、すでに打ち合わせの場にきていた。  ただ、その女の子はものすごくブスだった。その割には顔と反比例した かの様にプロモーション抜群の身体をしていたのであった。  男優2人も少し彼女の顔を見てあきらからに嫌気を出していた。 「作山さん。本当にこの子でいくのかい?今回顔モザイクなしだろ?これ は売れねえぜ」 「そうだよ。こりゃひどすぎるんじゃねーか?」 「でも外に撮るときは顔はぬいぐるみの頭かぶるから大丈夫ですよ」 「けど、それならナンパなしで、いきなりそっからの方がいいぜ」 「でも、それだと素人をナンパするリアリティが消えちゃうしね」 「まあ、それもそうだけどな。ああ、でもこの顔じゃ・・・」 「とりあえず、顔は最初だけで後はぬいぐるみで見えなくなるから」 「そうだな。体つきは良さそうだしSEXシーンもないから俺達はこれで も、いいんだがな」  どうやら、外に出るときは完全に顔は隠してくれるみたいな感じだった。  そして良く見るとあの女の子の体のラインは菜奈緒に大体似ており思わ ず自分の体と見比べ「これなら、大丈夫よね..」とつぶやいてしまった。 (わ・わたしなんでそんな事思ってるの?別に代役やるとは言ってないのに。)  菜奈緒が1人顔を赤めてる中、打ち合わせの方はほとんど終わりかかっ ていた。 「と言うことなのでまず君達の1人が街中でこの子をスカウトして、そこ でこの子に露出をすすめるって設定で行くことにするよ」 「ああ、そのブスを説得するって事だな」 「そして話しがまとまったら、その後この子がここで1人で裸になってぬ いぐるみをかぶって出るから」 「スカウトは何人ぐらいすればいいんっすか。一応、するんっすよね?」 「万が一、成功すると不味いから、今日はこの子をスカウトするとこから 撮って、話しがまとまってこの子が建物の中で裸になり、ぬいぐるみをか ぶって露出する流れでいこう」 「じゃあ、俺達は最初から外でスタンバイしてればいいっすね。このブス だけをスカウトすればいいっすね」 「ああ、それでOKだ」 「それで、あとは俺達が外でそのナイスバディを引きずりまわっすって事 ですね」 「そういう事。撮影は今から1時間後だから休憩しながらちゃんと台本を 読んで下さいね」 「おい、そこのブス。今日は遠慮なく引きずりまわしてやるから覚悟しと きな」 「そうっすね。嫌がっても最後までやるっすよ」  男優2人はブスの女にそう言うと休憩に行き、打ち合わせ場所にはその ブスな女の子と作山の2人だけになった。 「ねぇ。作山ちゃん。私ほんとに始めの顔だけだよ。絶対に裸で外なんか 出ないわよ」 「わかってるよ。実はあの2人に内緒で代役頼んでいるからOKだよ」 「まあ、それならいいけど。でもその代役に始めから頼まないのはなんで なの?」 「実はね。その子まだ学生なんだ。体つきはいいけど顔つきはまだガキな んでね」  と作山はさりげなく顔を出せない言い訳をうまく言ってきた。  しかし、学生であるのは間違いではない。まだ菜奈緒はアイドルである 前に17歳の女子高生なのだから。 「そうなの。学生だとたしかに不味いわね。まあ私は金くれればこんな顔 いくらでも貸すわよ。ただちょっと事情を聞きたかっただけなの」 「まあ、そういう事だから顔だけでいいから」 「ええ、じゃあ私も休憩いくからその代役さんによろしく言ってね」  女の子が消えた後、作山は菜奈緒がいる部屋に来てこういきなり言って きた。 「菜奈緒ちゃん。あと1時間後だから早めに服ぬいでそのぬいぐるみかぶ っておいてね」とそれだけ言ってすぐにその部屋から出てしまった。 「ちょ・ちょっと作山さん!」菜奈緒はまだ返事も出していないのに作山 がすでに話が決まったかの様に出ていったのだ。  菜奈緒は作山に少し腹を立て「冗談じゃないわ。服なんて脱がないわよ !」と1人しかいない部屋で大きく言ってやった。 (いくら、私に露出癖があるからって公然の面前で裸なんか晒せるわけな いでしょ!大体..外で裸になったことなんてないんだからっ)  そう、今まで裸で外に出たことがない菜奈緒にとっては、簡単に答えが 出せるものではなかった。  だが、部屋の片隅においてある顔だけのぬいぐるみの見てると菜奈緒の 体の中で何かが湧き上がってくるのがわかっていた。 (だめよ。菜奈緒。今日は見学で来ただけよ。そう見学だけなのよー!!)  菜奈緒は必死に性癖と闘っていたのだが、これが菜奈緒にとってまずい 選択だったとは本人は知るはずもなかったのであった。


第2話へ