エピローグ


 あのプロレス代役の仕事から1ヶ月、菜奈緒は何事もなかったかの様に 普段どおり清純派アイドルとしての仕事を順調にこなしていた。  作山の方も、代役での出来事については何も言わず、ちゃんとマネージ ャーとして接してくれていた。  でもさすがに、あれだけの体験をしてしまうと再び、菜奈緒の中にはい つものストレスが徐々に溜まってしまい、露出への衝動が湧いてくる。 (はぁぁ〜。最近またイライラしてきたわ。でも作山さんはあれ以来何も してこないし..)  そんな憂鬱な数日を過ごしてるある日、その作山がとある仕事を持って きた。 「菜奈緒ちゃん。今度、変わったCMをやってみませんか?」 「変わったCMですが?どんな感じのですか?」 「化粧品のCMなんだけど少し日焼けをして欲しいんだ。もちろん跡は残 らないから心配しないで。」 「日焼けですか。わかりました。それじゃ、作山さんに任せます」 「じゃあ、早速だけど明日からアメリカに行くから。撮影バックはアメリ カの都会をバックにするつもりだから」  こうして菜奈緒はニューヨークへ3泊4日の予定で行くことになった。  日焼けは近くの日焼けサロンで簡単にやいて撮影に入った。  撮影は順調に行き、全てがあっと言う間に終わったため明日には予定通 り日本に帰るはずだったが..  そう、菜奈緒が帰り支度をしてる中、作山がやってきてとんでもない事 を言ってきた。 「菜奈緒ちゃん。例のストレスけっこう溜まっているでしょ?」  菜奈緒はドキッとしながら「そんな事はありません。もう平気ですから」 と嘘をついた。 「はは。菜奈緒ちゃん。今度は代役の仕事をもってきたわけじゃないから 安心して」 「・・・なら、どうしてストレスの事なんか聞くんですか?」と菜奈緒は 少しムッとして言い返した。 「実は休みを取らせる為に聞いたんだよ。そうストレス解消のね」 「休みですか?でも日本には明日帰るんですよね?」 「それなんだけど、実は代役を菜奈緒ちゃんの代わりとして帰すんだよ。 で、菜奈緒ちゃんが本来、代役の子がバカンスで行くところを”代役の代 役”としてエンジョイするってわけさ」 「でも..それってバレませんか?それにその代役さんは納得してるんで すか?」 「それなら問題ないよ。実はその子、急用の為日本に帰ることになってい たんだよ。けど、せっかくの旅行代を考えると無駄になる。そこで僕が全 額その金額を出すことで代役を引き受けてもらったわけさ」 「あとバレるかの問題も菜奈緒ちゃんが特に何もしてないからマスコミは こないし、来たとしても日焼けを見られたくないという理由でごまかせる よ」 「そうですか。わかりました。お言葉に甘えて休みを取る事にします」 「じゃあ、これが代役の子のパンフレットとメンバーバッチね」 「バッチ?あの〜今そのパンフレットの内容見ていいですか?」  そのパンフレットを目を通した菜奈緒は驚いた。 「えっ?こ・これって..」  そのパンフレットの予定には何と明日からはずっとプライベートビーチ での予定になっていた。  ただし追記項目としてトップレス・ヌードOKの項目が書いてあった。 「あのまさかここでヌードでなれって事ですか?」 「菜奈緒ちゃん。別に水着着てても問題ないから安心して。ただそこのビ ーチのメンバーって日本人はその子だけみたいだって」 「あと当日、その子の友達のアメリカ人の女の子が一緒についてきてくれ るので安心して楽しんで行って」 「はあ、わかりました。本当に水着OKなんですね」と念をおして確認し た菜奈緒であった。  こうして作山と代役の女の子は一足早く日本に帰り、菜奈緒はその代役 の友達のアメリカ人の女の子と一緒にプライベートビーチに行く事になっ てしまった。  これが、更なる恥辱な代役となるとは、この時の菜奈緒は思っていない だろう。  そう、新たな菜奈緒の代役日記は前回よりも卑猥なものとなっていたの であった。 (終わり)


「菜奈緒の代役日記」完