第2話「親友、悠理は危険です」


 相変わらず、イケナイ乾布摩擦を続けてる私。  まだ一応、下を脱ぐほど露出癖は悪化してないけど、お股を濡らすのは 当たり前となってきた。  徐々に露出癖が開花しているようだから、そろそろ何とかしないと変な ことしそうで怖いよぉぉぉーー。  まあ、学校では変なことする衝動が出てこないので、まだそれほど悪化 してないかな..  大体、私は色気と言うよりは食気の方が強いと思われてるし、昼食では お弁当がありながらも男子に焼きそばパンを買ってきてもらうぐらいだ。 「おい、綾凪っ。今日も焼きそばパンあったぞ」「サンキュー」  男子に買ってもらった焼きそばパンを大口を開けて葉巻を吸うように貪 るので、かなり下品かも知れない。  まあ、別に上品な女子を演じるなんて面倒だからいいんだけどね。  こんな私だから男子と楽しく喋れても、恋愛感情に繋がることはないと 思う。  しかし、ここの焼きそばパンのソースの濃さはたまらないよぉぉ〜。  それも焼きたての焼きそばをぎゅうぎゅうに詰めてくれるのでボリュー ム感もたっぷりなのだ。  もぐもぐもぐぅ〜(美味、美味だよぉぉ〜♪) 「はぁぁ〜、今日もよくそんな大口で食べられるわね..」  もぐもぐ「!ふぁりぃ・・・(ゆりぃ)」  私のとこに小さめのお弁当を持ってやってきた親友の悠理。  伊豆野 悠理(いずの ゆり)、平凡な成績の私と違ってクラス1の秀 才であり、常にカバー付の文庫本を片手に持って読んでることから読書家 としても有名である。  普通、頭のいい女子って真面目で堅い性格の子が多いけど、悠理はそう いうとこがなく、男子の下ネタ会話にも平然とした口調で突っ込むちょっ と危ないお姉さまって感じかなぁ〜。  実は親友である私は悠理の秘密を知っており、いつも手にして読んでる 文庫本のほとんどが何とびっくり、**書院系の官能小説なのだ。  いや、そもそもよくそんな涼しい顔で堂々と読んでいられるのよね.. 私以外はみんな、真面目な本を読んでると思ってるんだろうなぁ〜。 「はぁぁ〜、今日も我がもなり様は自覚なしで食べてしまいました」 「ん?何よ、その言い方..下品なのは百も承知よ。ゆりぃ」 「・・・やっぱ、自覚ないわね。そろそろ、はっきり言っていいかね。我 がもなり様?」「ゆりぃが”我がもなり様”って言う時はろくなことを言 わないけど..一応聞いとくわ」 「あらん♪そうかしらぁ〜。小声で言うけど、もなりの食べっぷり夜のお かずになってるわよん」「!ぶっ、げほげほっ」  突然、何を言い出すかなぁぁ〜。この我が親友は..せっかくの焼きそ ばパンを吐き出しちゃったじゃない! 「ゆりぃ!何、馬鹿なこと言ってるのよっ!ばかぁぁ」 「馬鹿じゃないわよ。こんな大きいのでも咥えられるんだと、男子たちが 横目ではぁはぁ見てるわよ〜。普通、アレを咥える時ってブサイクになっ て萎えるけど、もなりはエロくなるから勃起もんよ〜」 「・・・ご忠告どうも..まったく、クラス1の才女が言う台詞じゃない わよ。大体、私はそんな色気なんか出してませんので」 「はぁぁ〜、我がもなり様はやっぱ何も知ってませんでした。意外と人気 があるんだよ。知らなかった?」「知らないよ。大体、そういう素振り見 せてないでしょ」  そう、別に男子から告られたことないし、私が人気あるなんて噂も耳に したことがないわ。 「はは〜ん、この悠理さまの言葉を疑ってるわね〜」 「疑うも何もそれって他の誰かと勘違いしてるんじゃない?私は見ての通 り平々凡々だと思うんだけど」 「ちっちっ、それがいいのよ。我がもなり様は男のツボを分かっていませ んでした。結構、みんな知ってるんだよ。我がもなり様は脱いだらすごい んですってことを」「!げほっ、げほげほっ..」  ちょっと待ってよ!私は別に着やせするタイプじゃないし、何よ!その どっかのキャッチフレーズみたいなものはっ。 「ゆりぃ!私はそんなにスタイル良くないわよ。裸..見たことあるでし ょ?胸もお尻も普通でしょ?」 「う〜ん、それってボンキュバンってことかなぁ〜。ただ大きいだけで良 いというもんじゃないわよ」 「でも〜、やっぱそういう子の方が人気高いんじゃない?」 「そりゃそうだけど、我がもなり様は大きさではないのですよっ!数字だ けじゃ図れないのだよ!ちみぃ〜」「・・・だから何が言いたいのよ」 「まずっ、見た目・形が綺麗な美乳っ!それに加えて美尻っ!極めつけは 美マンときたもんだぁぁー!」「こ・声が大きいっ!声上げて言うなぁぁ」 「そういうことで男子の間では密かに”もなり様神話”が出来てるのらし いよ」「・・・・はぁ、はいはい。そういうことにしておくわ」  まったく〜、何が”もなり様神話”よ。悪いけど1度も男子たちから変 な視線を浴びたことがないのに。  でも..火の無いところに煙は立たないよね。こんな変な噂が立つ元み たいなものがあるよね? (ちょっとだけ、探ってみようかな〜)  実は私って結構、好奇心旺盛で余計なことに手を出したくなるとこがあ るんです。本当に変な視線で見られているか自分の耳で確認したくなった んです。  ただ、どうやってそれを確認するかだけど、直接男子に聞いてもはぐら かすだろうし、男子たちが本音を話す場所で耳を立てるのが一番よね。  となると..着替えの時間ね。よく体操着とか着替える時に女子の話を するって聞いたことあるし。 (よしっ!ちょうど今日は体育があるし、思い立ったが吉日よっ!)  狙う時間は体育が終わった後の着替えの時間ね。次の時間が実習だから 着替えた男子は教室から出て行くし、女子は更衣室から直接行くから、隠 れて聞くのには一番のチャンスね。  体育が終わった男子たちが教室に着替えに来る前に私が教室に行って隠 れる。そして男子全員が実習で教室から出て行った後で私が出れば完璧っ♪  さっそく体育の時間に適当な理由をつけて授業が終わる前に抜け出るこ とが出来た私は教室へ急いで向かった。  保健室に寄っていくって行ったから次の実習で遅れていくのもOK〜♪ 「さてさて〜、どこに隠れて聞いてやろうかな〜」  やっぱり男子が普段開かないとこに身を隠すべきだから、清掃用具入れ がベストね。  清掃用具入れが2つあるから、私が潜む場所の清掃用具を一時的にもう 1つの方に詰め込んで〜。ぎゅーぎゅー(詰め込む音) 「よし、これで私が入るスペース確保ぉぉ〜」  さっそく中に入った私だが、ここで重大なことに1つ気づいた。 「暑いぃぃぃーー!蒸し暑いぃぃーー!何なのよ、この暑さはぁぁー」  考えてみれば人ひとり入る分でいっぱいいっぱいのとこに入れば暑くな るのは当然よね。  ここに潜んでいるってことは出たときは汗だくになってるよね。 (保健室に行くって行ったのに汗だくになるのは不味いわね。それに結構 ほこりっぽいから制服も汚れそうだし..)  う〜ん〜。どうやって、この問題を解決するか..今さら止めるのも嫌 だし..暑さと服を汚さずにするには..  ぼんっ!(顔が真っ赤になる音) 「服を..脱いで下着姿で入ればいいってことか..どうしよぉぉ〜」  まあ、男子が清掃用具入れ開けることないと思うけど..  だけど、私に考える時間はなかった。授業が終わるチャイムが鳴ってし まい、早くしないと男子たちがやってくるのだ。 「だ・大丈夫っ!開けない、開けない、開けないと思うっ!」  男子たちの足音がする中、焦った私は何も考えずに服を脱ぎ始めた。  がらっ!「早く着替えようぜ」「そうだなっ」 (はぁはぁ..間に合ったぁぁーー。あと1歩で間に合わないとこだったわ)  何とか教室に男子たちが入ってくる前に無事にスタンバイ出来た私。  脱いだ服はもう1つの清掃用具入れに隠したから大丈夫だろう。 (よしっ!これで暑さ防止もOK〜)ぶるんっ♪「!!」  あ・あれっ?今何かすごい開放感が感じた気がするんですがぁぁーー。  チラッ。「!!!!」(しまったぁぁぁぁーー、脱ぎすぎたよぉぉぉー)  慌てたせいか、大失敗しました。勢いで下着まで全部脱いでしまいまし たぁぁ〜。つまりは、すっぽんぽんなんですぅぅ〜。  男子たちが着替えてる中で全裸で清掃用具入れに潜んでいるなんて、こ れって露出行為を楽しんでいる露出狂みたいだよぉぉぉーー。  しかし今さらどうすることも出来ないし、ここは裸であることをなるべ く..なるべく気にしないように本来の目的を遂行しなくちゃ!  裸で男子たちの会話に聞き耳を立てて探ることにしたけど、ばれたら学 校に通えなくなっちゃうよぉぉぉー。  だが、これほどのリスクを払った甲斐がある会話が私の耳に聞こえてき た。 「そういえば俺らのクラスの女子で誰かいいと思う?」 「そーだな。やっぱ巨乳の凰崎じゃねーか」「そうだな」 「いや、才女の伊豆野もいいんじゃねー?」「それもありだな」  次々とクラスの女子の名前が出てくるんだけど、1つも私の名前が出て こないんですが..”もなり様神話”ってやっぱガセだったのぉぉーー。 (嬉しいような..侘しいような..まあ、男子受けするような顔でもな いし、スタイルも普通だから答えは最初から分かってるけどぉ〜)  だ・け・ど!少しぐらい私の名前を出しなさいよっ。こっちは素っ裸で こんな恥ずいことまでしてんのよぉぉーー。  私のそんな心の声が届いたのか、ついに私の名が出たのだ。 「そうだ!綾凪はどうだ?」「・・・綾凪かぁ?」 「いや..綾凪はな..」「綾凪..綾凪..う〜ん」  ガァァァァーーン。何か思った以上に私を女と思ってないんですかぁ〜。  うぅっ..そりゃ、焼きそばパンを大口で貪る女だけど、ここまで低い 評価だなんて寂しいよぉぉ〜。  男子たちの反応の低さに、がっくりした私だけど、この後でとんでもな い逆転劇が待っていたとは.. 「おいっ、お前っ!何テント張ってんだよ。気持ち悪いな」「これは..」 「げっ、こっちも立ってんぞ。まさかお前、ホモカミングアウトか?」 「そういうわけじゃ..って言うかお前も立ってるぞ」「しまった!」  何だか急に男子たちが慌しくなってきたような..立ったってことは勃 起ってこと?まさか私がここに裸でいることがばれたわけじゃないよね?  すごく不安に駆られた私は注意深く聞いてみると徐々に真相が明らかに なってきた。 「じ・実はな。俺の彼女が綾凪のおっぱいがすごく綺麗って言ってたんだ」 「!お前もか?俺の方は美尻って言ってたんだ。俺の彼女も尻はいいのに」 (えっ?何か..変な展開になってきたんだけど..) 「そういえば、噂だとあそこもめちゃくちゃ最高みたいだぜ」「マジかよ?」 (ちょっとぉぉぉー、言ったのはどこの女子よぉぉ。あそこなんて同性に だって、あまり見せたことないのにぃぃーー!) 「おいおい、美乳・美尻・美マンなんて出来すぎじゃねーか?第一、美マ ンなんて女子の口から言うわけねーだろ?」 (そうよ、そうよっ!はっきり説明しなさいよっ!) 「いや、それがだな。俺たちが教室でこっそり兄貴の無修正の本を拝借し て見てたときに伊豆野の奴がこう言ってきたんだよ」 <へぇ〜。君たちはそんなカセットテープのようなもので満足できるんだ〜 君たちって安上がりで幸せだねぇぇ〜> <!何だよっ、そのカセットテープっていうのは?何が言いたいんだよ> <そのグロ性器を音に例えてみただけよ♪私の近くに5.1chサラウンドシ ステムがあるのにカセットテープで悦べるなんて虚しく思ってね♪> <5.1ch?><そう♪一度見たら、そんな本見れなくなるわよぉ〜> 「・・・と伊豆野が言ってたんだよ」 「おいっ、それって伊豆野に近い女子に5.1chサラウンドの女子がいるっ てことかよ?」「いや、それって完全に綾凪のことだろ?」 「5.1chサラウンドのあそこってどれほどなんだよぉぉーー。すげぇー」 (・・・ゆ・ゆ・ゆりぃぃぃーー!噂の元凶はあんたかぁぁーー!)  意外と人気があったのは嬉しいことだけど、何か釈然としないんですが ぁぁぁーー。これじゃ本当に脱いだらすごいんです女ってことですか?  脱がなかったら、普通の女子って感じじゃないぃ.. 「ところでさ..実は俺、綾凪けっこう可愛いと思ってるんだけど」 「おいっ、それ言う気かよ!お前、抜け駆けする気じゃねーだろうな」 「抜け駆けは禁止だぞ。綾凪の独り占めは許さねーからな」 「うん」「ああ」「もちろん」  なっ!?何かあちこちで賛同の声が出てるんだけど、私ってそこそこ人 気があるってこと?もうちょっと、詳しい理由を聞かせてぇぇーー。 「おい、のん気に話してる場合じゃないぞ。もうすぐ実習だぜ」 「やべぇー、急がないと」「この話は次回なっ」 「ああ、それまで綾凪に手出すなよっ」  おーい、だから理由を聞かせてよぉぉーー。私って人気があるの?それ とも無いの?実習なんかどうでもいいから聞かせてよぉぉぉーー!  けど、私の願いは聞き入れずことなく男子たちは着替えを終えて、次々 と教室から出て行ってしまった。  こうして教室から誰も居なくなってから、清掃用具入れから裸で出てき た私だけど、何か変な疼きが身体中に広がってきた。 (暑さで少し身体が変かもぉぉ..)  股間の方は汗とは違う汁がポタポタと垂れている。まあ裸でこんなこと をしたのだから、感じてしまうのは自然の成り行きと思う。  不思議なのはなかなか服を着ようとしない。暑いのか着たくない、裸で もう少しだけ居たい気持ちだった。 「ぁぁっ..これじゃ、私本当の露出狂みたいだよぉぉ〜」  何故か、私の足は清掃用具入れから離れ、教室中を歩き回ろうとする。  教室を裸でうろつくなんて明らかに露出狂なんだけど、理性がおかしく なってるようだ。 「わ・私は露出狂になんて..なってたまるもんですかぁぁーー!」  暴走している自分に一喝し、くだらない行為を何とかやめさせることが 出来た。  この後は服を着て無事で済んだんだけど、肝心な詳しい情報は聞けなか ったので不燃焼で終わった感じだ。 (次、また話すって言ったよね..)    こんな馬鹿なこと、2度してはいけないのは分かるけど、私はきっとま た清掃用具入れに隠れるだろう。  言っとくけど、露出行為が病み付きになったわけじゃないわよ。  今日聞けなかったことを聞くためなんだかね。そう言いながら股間が熱 くてたまらなくなっていた..(ぅぅ..次は裸厳禁なんだからね!)


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