プロローグ


 新人清純派アイドル、高空 樹理歌(たかぞら じゅりか)。  かって芸能界の大物女優、立花 舞子に目を付けられ、屈辱の日々を過 ごすことになったが、その苦難を無事?乗り越えて今でも清純派アイドル を続けている。  髪はセミロング、目がパッチリした可愛い顔、スタイルの方も見事で、 特に隠れ巨乳と言われるほどのFカップのバストの持ち主である。  数多くのCMやららTV・ドラマ・バラエティにも出演する樹理歌は、 まさに大人気の清純派アイドルであろう。  が、またまたある番組がきっかけで樹理歌の屈辱な日々が始まろうとし ていた。  それは、芸能人たちが総出演するクイズ番組での出来事であり、芸能界 で大きな力を持つ有名司会者”鹿成 馬過(かなり うますぎ)”との共 演の日の出来事だった。  鹿成 馬過、現在芸能界でテトラゴンファミリーという芸能人の団体の ドンであり、彼に目を付けられた者は芸能界から追い出されてしまうと言 う第2の立花 舞子と言われてる存在である。  そんな男との共演が再び、樹理歌に新たな屈辱を呼ぶことになり、その 出来事が今起ころうとしていた。  番組の内容としては全員でクイズに挑戦して優勝を目指すものだが、実 は優勝者は既にテトラゴンファミリーのおバカアイドルがなることが打ち 合わせの段階で決まっていた。  そして司会者の鹿成 馬過が番組の最後に「バカでもやれば出来るんで すっ」と感動をアピールするという流れだった。  だから優勝候補となる芸能人には、わざとクイズを間違えるように釘を 指されており、いつも難解漢字を答えるタレントも簡単な漢字問題でも解 けないフリをしていた。  が、そんな中で連続正解を出していたアイドルがいた。それが樹理歌だ った。 「・・・樹理歌ちゃん、また正解やな。自分すごいな〜。清純派アイドルな んてバカだと思ったけど、めっちゃ感動したで」 「ありがとうございます」  樹理歌の正解が続く度に鹿成 馬過の頭から湯気のようなものが出てく る。自分の計算通りにいかないことにかなり怒り心頭のご様子であり、そ れを見たテトラゴンファミリーの面々が顔面蒼白となってきた。  ぼそぼそ「おい、樹理歌ちゃんの事務所には何も言わなかったのかよ?」  ぼそぼそ「おそらく、最初から頭が悪いと決めこんでいたから言ってな いんじゃないか?」  ぼそぼそ「大体、馬過さんは自分の番組以外は見ないからな。あと樹理 歌ちゃんは馬過さんが嫌がってるイワシさんの番組に結構出てるからな」  結局、生中継であるクイズ番組だったので、樹理歌の連続正解を止める ことも出来ずに樹理歌が優勝することになった。  一応、鹿成 馬過も何とか怒りを納めて、司会者として樹理歌の優勝を 褒めながら、優勝賞金の使い道を聞いてきた。 「自分すごいやん。清純派アイドルなんて、おバカ丸出しだと思ってたけ ど違うやん。めっちゃ感動したで」 「ありがとうございます。優勝できて嬉しいです」 「まあ、でもどうせ優勝賞金でブランドもん買いまくりなんだろ?」 「いえ、この賞金はイワシさんが行なっているボランティアに全額寄付し たいと思います」 「!!!」  思わぬとこで鹿成 馬過が嫌ってる者の名が出てきて場内にの空気が緊 迫する。 「やめとけ、やめとけ。あんなのはどーせ、現地に金なんかいってないで! 視聴率欲しさのアピールやで」  むっ!「違いますっ。ちゃんと寄付されています。それって、この前の 現地に学校建てるから寄付金集めた感動押し売り番組じゃありませんか?」  樹理歌は評判の悪い番組を口にしたが、まさかこの番組が鹿成 馬過が 司会をしていることを知らなかった。 「お・面白いこという子やな..自分、その番組僕が司会してるんやで」 「えっ?あの打ち切り番組をですか..」 「・・・何も知らないで言うなんて自分、やっぱ相当な馬鹿やで。学力があ るだけじゃ芸能界は生きていけへんで〜。まあどーせ、その身体で垂らし こんでいるんやろ」  カチン!「いくら何でも今の言葉はひどすぎます!大体、私のことを馬 鹿と言うなら、あなたも名前からして馬鹿だと思います。その名前ちょっ と読み方変えると”かなり ばか”ってなりますし」  その言葉を聞いた鹿成 馬過は何と急にマイクを投げ捨てて樹理歌の元 に殴りかかろうとしてきた。  もちろん、すぐにテトラゴンファミリーがやってきて必死に押さえ込ん だが、この暴力未遂行為がTVで少し流れてしまった。  後日、この放映が各方面で話題となったが、鹿成 馬過が謝罪したこと ですぐに沈静化した。  そして、怖い目に遭わせてしまった樹理歌に対して、お詫びとして自分 が司会する幾つかの番組への出演を申し出てきた。  傍から見れば心の広い鹿成 馬過が和解を持ちかけたことになるが、実 際は陰湿なことを企んでおり、樹理歌を自分の番組を使って辱しめてやろ うと考えていたのだ。  そう、再び悪夢の魔手が樹理歌に襲い掛かることになり、これから樹理 歌の屈辱的な日々が再開しようとしていた。


<雑記>
 電子コミック化させてもらった「屈辱アイドル 樹理歌」の携帯コミックを
読み返していく内に続編があったら、こんな感じはどうかなと今回書いてみました。

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