第5話「どっきりカメラ」


アナウンスアカデミーの短期コースも、もうすぐで終わる中、樹理歌の上達ぶり は目を見張るものであった。 講師も樹理歌がここまで技術を高めるとは思ってもなく、すぐに恥ずかしさに負 けてやめると見ていたのだ。 立花が樹理歌を辱めるために仕組んだ罠が、結局は樹理歌のアナウンス技術を 向上させ、後の名アナウンサー候補とも呼ばれるコースの仲間らと知り合うこと ができた。 今後、これが樹理歌にとってはいい武器となるかも知れない。 けど、実は何度も恥ずかしさでやめたいと思った樹理歌だった。 アカデミーでの数々の卑猥な罰は、清純アイドルと呼ばれた樹理歌にとっては 屈辱なことであり、毎回悔しくてくやしくてたまらなかった。 でも..負けたくないっ! これぐらいで負けてしまったら、今までの仕打ちが全て屈辱のままで終わって しまう。 そんな惨めなままで終わらしたくない樹理歌であった。 その強い意思がアカデミーの罰を乗り越え、逆に自分の技術向上になったこと は嬉しくてたまらない。 例え、このままお尻丸見えが続いても最後まで耐えてやろうと誓うのであった。 そんな樹理歌にまた新たな羞恥な試練がやってきようとしている。 アカデミーのコースが終わった数日後、樹理歌は立花に呼ばれて板田スタジオと いうところに番組収録の為に行くことになる。 もちろん、あの立花が絡んでいる番組だから、きっと何かしらの露出をさせられ るのはわかっていた。 樹理歌が、打ち合わせ現場の3F控え室に行くとそこは大勢のスタッフとプロデ ューサー、そして例の立花が樹理歌を待っていたのであった。 「おはようございます。今日はよろしくお願いします」 「ああぁ..よ・よろしく..」 樹理歌の明るい挨拶にプロデューサーが困惑そうな顔をしながら挨拶を返してくる。 大勢のスタッフも何か少し動揺しているような雰囲気が漂っていた。 (何なの..この雰囲気は..またあの女が何かしてくるってこと?) 樹理歌の顔が少し曇ってくると、それに気づいたプロデューサーが立花に向かっ てある事について確認してきた。 「・・・立花さん?本気でこの高空ちゃんを使う気なのか..彼女も納得してる のか?」 「納得も何もこれぐらい出来なくちゃアイドルなんて務まらないわ。これは彼女 の度胸ためしってとこかしら」 「度胸ためしって..今日のこれ、わかってますよね..立花さん」 「ええ、わかってるわよ。あの子もたまにはこういう下積みの仕事をやらせたい のよ。度胸ためしも出来るんだから、いい仕事だと思うわよ」 「・・・そうですか..まあ、私はこれ以上何も言えませんがね..」 「ふふ、貴方は利口なプロデューサーね。これからもわたくしの方で、いろいろ アピールさせておいてあげとくわ」 「・・・とりあえず、時間ももうないので準備したいんですか?よろしいですか?」 「ええ、いいわよ。じゃあ、高空さん。これ、今日の内容の台本よ。さっさと見 てちょうだい」 「はい..拝見します。あ・あの..私の名前が台本に書いてないのですが..」 何故か、渡された台本の中には樹理歌の名前が1つも書かれてない。 ただ、ある役にマーカーが塗ってあるのには気づいた樹理歌であったが、その役 はとんでもない役であった。 「まさか..この”どっきり女”の役が私の役なんですか..」 「そうよ、そのマーカーで塗った”どっきり女”があなたの役よ。文句あるかしら?」 「これを私にやらせる気なんですかっ!」 樹理歌が台本を強く握り締めながら立花に訴えた。その顔はこばわっており、か なりの屈辱な役であることは間違いないだろう。 「そうよ。あなたにはこういう下積みの仕事もやらせたいのよ。それとも泣いて 逃げ帰るのかしら?」 「・・・・・ううっ..わ・わかりました、やらせていただきます」 樹理歌は唇を噛みしめながら台本をチェックする。こういう目にあうのはわかっ ていたのだが、本当にやられると、やっぱり悔しくてたまらない。 (こんな役をやらせるなんて..この女、頭がおかしいわ..) 「台本をチェックしたら、早く準備しなさい。もう時間ないみたいだから」 「・・・!!わ・わかりました。プロデューサーさん。よ・よろしくお願いします」 「ああ。こちらこそ・・・・」 樹理歌はプロデューサーやスタッフに挨拶をすると準備に入り始めた。 今日の番組はあの有名などっきりカメラであり、樹理歌の役どころは何と名が無 い脅かし役の”どっきり女”であった。 それもその脅かしとは定番のお色気ミニどっきりであり、この控え室にくるタレ ントを脅かし役の樹理歌がお色気どっきりを仕掛ける手順である。 内容はいたってシンプルであり、控え室に設置してあるからくりを施している長 テープルに樹理歌が入って脅かすだけなのだが、その脅かし方がとんでもないも のなのだ。 からくりを施している長テーブルは人が1人ちょうど中に収まる様に出来ており、 上のテーブル板を付けるとその人を完全に隠す事が出来るのである。 よくある従来のミニどっきりだと、そこから手を出して脅かすのが定番であり、 ここの長テーブル板にも2つの穴が開けられていた。 ただ、よく見るとその穴の位置は互いに隣接しており、とても手が出せる状態で はなかった。と言うより穴の位置は明らかに手とは違った別の場所に向けて開け られていたのであった。 そう、今回のミニどっきりはお色気ミニどっきりということもあって、穴の位置 は何と胸のところに開けられており、その名も新聞をどかしてビックリ、おっぱ いどっきりであった。 その脅かし役の”どっきり女”を立花は樹理歌にやらせようとしているのである。 もちろん、おっぱいどっきりである為、その胸は下着なしの正真正銘のおっぱい で出される為、本来ならそういう専門の女の子がやるのが普通であろう。 これを清純アイドルの高空樹理歌がやるなんて前代未聞の出来事だろう。 ただ、TV上では、脅かし役の”どっきり女”はただの名の無い役であるため、 顔も姿も出ることもないので誰も樹理歌がやってるなんて気づくはずはない。 でも、考えてみるとお尻出しと違って名がない分、堂々とTVにそのおっぱいを 放映されてしまう事だった。 自分のおっぱいをこんな無様なことで晒されてしまうとは思っていなかった樹理歌。 ましてや、これからどっきりを行うということで、ここで上を脱ぐことにもなる。 さすがの樹理歌も、人前でおっぱいを出すのに躊躇ってしまうのだが、立花がこれ を許すはずはなかった。 「ほら、高空さん。何ぼーとしてるのよ。時間がないのよ。早く上を脱ぎなさい!」 ついにおっぱいまで人前に晒すことになってしまった樹理歌。 もう、樹理歌は悔しさに震えながら、上を全て脱ぐしかなかった。 「どうしたの?もう時間がないのよ」 「わ・わかっています..」 立花にせかされ、上着を脱ごうとする樹理歌だが、服に手がかかると震えが止まら ない。 やはり、実際に脱ぐとなるとなかなか実行できないものであり、立花の表情を見な がら何とか脱ごうとする樹理歌であった。 (駄目だわ..手が震えちゃう..このままじゃ脱げない) 手が震えて何も出来ない樹理歌に立花はニヤニヤと微笑んでいる。 どうやら、樹理歌が自分では脱ぐことが出来ないことを初めからお見通しであった のだ。 「まだ脱げないのかしら?それとも見せ付けているのかしら〜」 「ち・ちがいますっ..て・手が震えてしまって..」 ここは素直に理由を話すしかないと思った樹理歌。下手な言い訳をしても立花には 通用しないことをわかっていたからだ。 「そうなの..そうよね〜こんな人前で上半身裸になるのって、よく考えたら不味 いことよね」 「えっ..あ・あの..」 急に脱ぐことを否定した立花の言葉に樹理歌の表情は少し青ざめてしまう。 そう、この立花が樹理歌の辱めを緩める気などないだけに、この発言は恐ろしいも のであったのだ。 「やっぱ、あなたに相応しい姿が1番よね〜」 「な・何をする気ですか..」 樹理歌が恐れたとおり、立花が何かを持ってこっちへ徐々に近づいてくる。 もちろん何を持っているかは樹理歌にも大体、予想できるものであった。 「ぬ・脱ぎますっ..だから、もう少し待ってください」 「いいのよ。無理しなくても」 「お願いです..もう少し時間を..」 「もうタイムオーバーよ。高空さん」 立花がそう言って、樹理歌の目の前で例の裁縫用のハサミを見せてくる。 「お願いですから..脱がさせてください..」 裁縫用のハサミを見た樹理歌が最後のお願いを立花にするが、もう手遅れであった。 「上を全て脱ぐなんてハシタナイ子ね。私はあなたの肌を最低限見せる工夫をして あげるのよ。むしろ私に感謝して欲しいわね〜」 「そ・そんな..何で感謝なんか..」 少し涙目になりながらも立花を睨む樹理歌だが、もうこうなってしまっては逃げる ことが出来ないのもわかっていた。 おそらく、初めからこうするつもりだっただけに悔しさも倍増してしまうのであった。 (私が脱げないのをわかっていたのね..くやしい..くやしすぎる..) 立花が裁縫ハサミを持って勝利の笑みを浮かべている。 もし万が一にでも樹理歌に脱がれたりしたら、全ての作戦が失敗しただけにこの 勝利は格別のものとなっていた。 (あんたの綺麗な肌を見たら、こいつらは逆上せてしまうわ。あんたのおっぱい は無様に出さないといけないのよ。おほほほっ〜〜) 立花の裁縫ハサミが樹理歌の上着に無惨に入っていき、樹理歌は悔しさを抑えな がら、そのハサミの動きを見守るしかない。 ハサミが樹理歌の左のおっぱいの周りをぐるりと一周すると、次は右のおっぱい の方をぐるりと切っていく。 いかにどんな綺麗なおっぱいでも服の上からぽろりと出されてしまっては無様な ものになってしまうだろう。 おっぱいを晒すための穴を開けられた服を着るぐらいなら、本当に上を脱いだ方 が樹理歌にとっては良かったのかも知れない。 しかし、もうハサミが無残にも2つの円を描き、床には丸い水色の布が落ちていた。 それと同時に、普段は着やせして目立たない樹理歌の見事なFカップのブラが 丸出しとなってしまった。 当然、思わずブラを手で隠してしまう樹理歌に立花の怒り声が響いてしまう。 「高空さん、何、手で隠しているのよ。さっさとどけなさい」 「は・はい..」 樹理歌は立花の言葉に諦め、素直に手を下ろし見事なFカップのブラ姿を晒す事 になる。 人前でブラを晒すのが初めてのことだっただけに樹理歌の顔はより赤くなってくる。 (まだ..こんなことで終わらないのよ..ここで恥ずかしがっていたら..) 樹理歌はこの先にくる更なる羞恥に耐えるように自分に言い聞かせるが、やはり 恥ずかしくてたまらないのだ。 (ぁぁ..見ないでください..) 恥ずかしさに必死に耐える樹理歌の耳にブラを見たスタッフが思わず言葉を漏ら してしまう。 「まじで出したぜ..すげー見た目より結構でかいぜ」 「本当にアレ以上いくのかよ?」 誰もがこの先の展開に興奮しながら見守っている中、立花の恥辱の言葉がついに 出てしまったのだ。 「さて、そのブラも邪魔でしかないわね。取っていいわよね?」 「は・はい..お願いします..」 「あら、素直ね。まあ、おっぱい出すのは決まってることだしね。でもただ切る のもどうかしらね」 プツン..プツン.. 立花がわざと樹理歌の肩ひもの方だけを切っていき、樹理歌の上乳だけを皆に披 露させてきた。 「ああぁぁっ..」 捲れたブラから見える上乳にスタッフの男たちが荒い息を立て始める。 そんなスタッフに、さらなるサービスをするために立花が樹理歌にとんでもない 事を言ってきたのだ。 「高空さん、胸を大きく前に出しなさい」 「前に出せって..どう言う事ですか..」 「つべこべ言わないで前に身体を出しなさいっ」 「出せって..そんな..」 「ほら、早く胸を大きく張りなさい!」 「・・・ぅぅ...」 「何うなってるのよ!早くしなさいっ!」 「わ・わかりました・・・・」 立花のどなり声に樹理歌は従うしかなく、スタッフが見てる胸を大きく前に突き 出した。 もちろん何をするかはわかっていただけに悔しくてたまらない。 「じゃあ、テープカットといくわね」 そう言って樹理歌の胸の真ん中に裁縫ハサミを入れて切り込む立花。 パチンと言う音と共に樹理歌のブラは見事に弾き飛び、立花やスタッフの前に見 事なFカップのおっぱいがぶるるんと揺れたのであった。 後ろから見ると普通の格好の樹理歌だか、前は立花が思った以上に見事な破廉恥 な格好となってしまった。 「さて、もうこの中途なブラは必要ないわね。落としていいわよね」 「・・・・はい..どうぞ・・・」 樹理歌のおっぱいの横にぶら下がっていたブラの落とし、そのブラをわざと足で 踏みつけてくる立花。 「あなたには、こんな贅沢なものは必要ないわね」 「うぅぅっ..」 踏みつけられる自分のブラの姿を見て樹理歌は、今でも泣きたいぐらい悔しくて たまらないだろう。 しかし、本当の屈辱がこれからだと思うとここで挫けるわけにもいかないので あった。


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