第2話「出演者の反応」


 立花の手により、お尻を丸出しにされた樹理歌。  だが、本当の羞恥はこれからが本番となっていくであろう。 「ふふ、綺麗よ。さて、そろそろ出演者もスタジオ入りしてくるわね」 「!!」 「みんなが入ってきたら、ちゃんと挨拶するのよ。わかってるわね」 「・・・は・はい..」  立花がいろいろと指導している中、スタジオの奥から出演者たちが、次 々と入ってくる。  だが、まだ樹理歌とは正面の位置にいるため、誰もがまだ樹理歌の恥辱 な姿に気付かない。 「今日から、サブ司会を担当します高空 樹理歌です。よろしくおねがい します」  白の長袖シャツ、白のロングスカートと清楚なイメージの樹理歌が出演 者へ挨拶すると、正面しか見えてないため出演者側も普通に挨拶を返して いく。  が、すでに出演者側の誰もが重い表情をしている。そう立花と一緒にい るという事が何かあるとわかっているかの表情をしている。  事実、樹理歌が立花を怒らせたのは承知の事であり、怒らせたタレント がどうなるかは大よそ予想出来ているからだ。  今はまだ皆が樹理歌の正面にいるが後ろのセットに移動すれば、すぐに わかってしまう。樹理歌と挨拶を済ました出演者たちが、ついにセットの 方へ移動していく。  セットの方へ移動した出演者は誰もが、小さな驚きの声を漏らす。  後ろからでは樹理歌のお尻は丸見えであり、そんな樹理歌の恥辱の姿を 見た出演者たちは小声で互いに話し始める。  ぼそぼそ「やっぱり、あの子もああなるのか...」  ぼそぼそ「何かあると思ったけど、お尻丸出しとはな..」  ぼそぼそ「あれで番組をやらせるのか..可哀想に..」  出演者たちは、樹理歌がお尻を丸出しにしているにも関わらず誰も声を 出して文句を言うことはない。  それほど立花の力が強く、たまたまゲストタレントで呼ばれたアイドル の2人組ユニットも、ただ顔を真っ青にして内緒話をするぐらいだ。  ぼそぼそ「ひどい..あんな事やらせるなんて..ねぇ」  ぼそぼそ「馬鹿っ、そんな事言っちゃ駄目よ..ここは知らないフリを するのよ..」  樹理歌の耳には届かない内緒話だが、何を話してるかは予想できる。  ただ今は屈辱に耐えるしかない。そう何度も思う樹理歌に立花が追い討 ちの言葉をかけてくる。 「いいこと、お尻を少しでも隠すフリでもしたら、もう1つ穴が開くこと を覚悟しなさいよ」「・・・・・ぅぅ」  脅すような口調で言ってくる立花。  この女なら本当にやりかねないと樹理歌は思う。少しでもお尻を隠した ら穴が増える。  それは更なる恥辱を自分から呼ぶことであり、恥ずかしくても隠しては いけないと決意する樹理歌だった。  そんな中、司会者の垣口がスタジオ入りしてくる。  垣口は各番組で長年司会業を営むベテラン司会者であり、常識やモラル などにうるさい事でも有名なタレントであった。 「今日から、サブ司会を担当します高空 樹理歌です。よろしくおねがい します」 「ああ、よろしく。ん?何か服がおかしくないか」  おじきした際、ちらりと見えた切れ目にすぐに気付いた垣口がすぐに樹 理歌の後ろにまわる。 「なっ!おい、お尻丸出しとはどういうことだ!」  今まで誰もが言えなかった言葉を垣口が言ってくる。樹理歌は垣口の問 いに答えが出せずただ黙ってるしかない。 「まったく〜僕の番組だと言うのに..少し説明してもらおうか?立花さ ん?」  出演者たちがざわめき始める。無理もないだろう。あの立花に堂々と反 抗するかの口調に誰もが不安を感じたからである。 「ふふ、さすが垣口さん。素直には見逃さないようね」 「当たり前だ。僕だって一応、立場ってものがあるからね」 「そうね。そりゃ正論だわね。彼女には緊張感を持たせる為に、少し大胆 な格好をさせてるだけよ」 「緊張感を持たせるためか..まあ、屁理屈に近いがそれも一理あるだろ う」 「えっ..」樹理歌はあっさりと納得する垣口の言葉に驚きの声を漏らす。  そんな樹理歌に垣口までもが、とんでもない理論を話してきたのだ。 「うちの番組は司会もサブ司会も、視聴者に背を見せないことを頭に入れ てやっている」 「・・・・・」 「つまりだ。慣れない君にとっては、こうでもしないとそういう習慣を付 けることが出来ないだろう。まあ、恥ずかしいかも知れんが頑張ってみな さい」 「・・・・・・」(な・何言ってんの・・・この人は)  樹理歌が唖然とする中、立花が微笑みながら垣口に話しかける。 「さすが、芸能生活が長い垣口さんね。カメラには絶対に映さないからそ の辺は安心していいですわよ」 「うむ。それは僕も安心だ。樹理歌くんもくれぐれもその可愛いお尻をカ メラには出さないでくれよ」 (・・・う・うそ...垣口さんが、そういう人だなんて..そんな...)  実は芸能界に入る前から樹理歌は垣口を常識やモラルがある立派な人だ と思い憧れていた。  だが、そんな垣口も強い力には逆らえない人物とわかってショックを受 けてしまう。  あらためて立花と言う人物が、どれほど恐ろしい人物かを実感してしま う樹理歌だった。  そんな樹理歌に垣口の方から、とんでもない仕打ちの言葉を聞かされて しまう。 「お尻丸出しっていう事は、あんまり動けないから、ずっと前に出て立ち ながら番組を進めるのはどうでしょうか」 「えっ..そ・それは..」 「あら、いい事を言うわね。垣口さん。そうね、前に出て立ち姿の司会の 方がいい感じがするわね」 「そんな..ずっと前に出て司会だなんて..漫才やコントじゃあるまい し..」 「樹理歌くん、そう見せない風に司会するのが、司会というものだよ」 「そうね。垣口さんって良い事言うわね。これからもいろんな番組で司会 をやってもらいたいわ」 「いやいや、立花さんにそう言ってもらうと照れますな」 (・・・駄目だわ..垣口さんは..いや、垣口はあの女の言いなりだわ)  どうやら垣口は表向きさえ良ければ立花のご機嫌取りに走っている感じ だった。  その垣口の提案によって、樹理歌は垣口と一緒に一番手前に出て司会を 立ちながらやる事が決まってしまう。  これでは、他の出演者たちにとっては常に丸出しのお尻を見せなければ ならない。  あまりにも屈辱なことだが、決まった以上は素直に従うしかない。  他の出演者たちは立花を恐れているため、樹理歌がどんな恥ずかしい姿 にされても何も言えない。  水着姿も披露してない人気清純アイドルをここまで出来る立花に文句な ど言えるわけがなかった。  そんな重苦しい雰囲気の中、ついにサンデーナインが始まる。  スタジオ内に本番のカウントダウンが始まる。  樹理歌もそのカウントダウンに合わせて移動しようとしたが、急に身体 が小刻みに震えて始める。 (・・・・震えを止めなくちゃ・・・最初からこんな弱気でどうするのよ)  樹理歌は自分を勇気付ける感じでスタジオの所定の位置に移動する。  丸出しになったお尻に風が直にあたると、お尻を出してることを実感さ せられてしまう。  顔を少し真っ赤にしながら司会者の垣口のとこまで行き、並んで立つ樹 理歌。  後ろの出演者席からは樹理歌のお尻が完全に丸見えとなっており、男性 の出演者たちは思わず顔がにやけてしまう。  その気持ちは誰もがわかるであろう。何せ日本1の清純派アイドルと呼 ばれてる樹理歌がお尻を隠さずに晒しているのだから。  そんな男たちの視線を受けながら、樹理歌はこれから番組を進めなけれ ばならない。  樹理歌は晒し者になってる感じがして泣きたくなってしまう。 (頑張らなくちゃ・・・頑張って耐えなくちゃ・・・)  本番開始の音と共に樹理歌はいつもの表情を出して挨拶を始める。屈辱 に耐える決意をした以上、カメラの前で恥ずかしがる表情を見せてはいけ ない。  その辺りはプロとしての樹理歌の意地を見せたのである。 「・・・というわけで、これからサブ司会を担当しますので、よろしくお 願いします。」  樹理歌が挨拶の最後に深くおじきをする。おじきをすると同時に男たち の視線があるとこに集中してくる。  そう、おじきをしている樹理歌のお尻は突き出す形となり、お尻以外の とこも、僅かながら現れる。  もちろん、樹理歌もその視線ですぐに気付き、いつものつもりで深くお じきをした事に後悔した。 (ああぁ・・・こんなに深くおじきしたら・・・あ・あそこが・・・)  一瞬にして顔が真っ赤になる樹理歌だが、樹理歌が思うほど見えてはな かった。  残念だがスカートの前の部分のおかげで影が出来、輪郭が浮かび出る程 度なのである。  しかし、出演者の男たちは興奮が止まらない。輪郭しか見えてないとし ても、あの清純アイドルである樹理歌の禁断の場所が覗けただけでも満足 だった。  一方、秘部を覗かれた樹理歌の方は顔を真っ赤にしながら動揺してしま い、その後の司会ぶりは言い間違いや言葉を噛んだりと散々なものになっ てしまった。  もちろん、見てる視聴者にとっては初めての司会で緊張しての失敗のイ メージが持たれただけでかえって初々しさの好印象を受けたのであろう。  番組終了後、樹理歌の側に怒りの表情を見せてながら立花がやってくる。 「ちょっと、今日の司会は何なのよ!あなた、それでもプロなの?」 「す・すいません」 「少しお仕置きをしなくちゃね。そこの壁に手をついてお尻を突き出しな さい」 「!!」  樹理歌は顔を更に真っ赤に染める。そう、立花がスタッフやみんながい る前でお尻たたきをしようとしてるからだ。 「どうしたの?早くお尻を突き出しなさい。それとも自分が悪くないって いうの?」 「・・・・・わ・わかりました」  自分が失態を起こしたことを責められた樹理歌は素直に従うしかなく、 みんなが見てる前で壁に両手をついてお尻を立花の方に突き出したのであ る。 「つ・突き出しました・・・」  お尻を突き出しながら樹理歌が屈辱の言葉を出すが、それで許す立花で もなく、更なる要求をしてくるのである。 「それで突き出したって言うの?もっと思い切り突き出しなさい!」 「ぅぅ..はい...」  立花の指示どおり、更にお尻を突き出してくる樹理歌。少し遠目で見て いるスタッフや出演者たちにはわからないが、今の樹理歌のお尻の間から は秘部がはっきりと見えている。  お尻を叩く立花が影の役割をしているから、秘部がはっきり見えるのは 立花しかいない。  そんな樹理歌の秘部を見た立花が何故かくすくすと笑い始める。 「くすっ・・・素直に突き出した姿勢に免じて今日は叩くのをやめてあげ るわ」 「えっ・・・」 「叩くのを止めたって言ったのよ。それとも叩いてほしい?」 「い・いえっ・・」 「じゃあ、早くお尻を引っ込めて控え室に行きなさい。今日はこれで終わ りにするわ」 「は・はいっ・・・今日はすいませんでした」  お尻叩きから逃れた樹理歌は、すぐにお尻を引っ込めて立花に謝る。  屈辱的なお尻叩きがされなかったのだから、謝ることで済むのなら問題 ないだろう。 「次回間違えたら、本当に叩くからね。わかったわね」 「はいっ。次回は気をつけますので」  こうして屈辱の番組が終わった樹理歌は急いで控え室に戻る。  立花の気まぐれとでも言え、最悪のお尻叩きから逃れたことには、ホッ としている。  だが、これは立花の気まぐれではなく、樹理歌にある事を気付かせる為 の手であった。  急いで普通の服に着替えようと穴の開いたスカートを下ろす樹理歌だが、 下ろす際にあるものを見つけてしまう。  太ももに垂れている一筋の濡れた跡..  すでに、ほとんど乾いてはいるが汗とは異なる筋の跡に樹理歌は強いシ ョックを受ける。 (・・・・う・うそっ..私、まさか濡れたっていうの?)  自分が濡れたかも知れないことに戸惑う樹理歌。  そう、立花はこれを樹理歌に確認させたい為にわざとお尻を叩かなかっ たのであった。


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