第21話「卑猥なヒット曲」


「おおぉぉぉぉぉっっっーーーー!」 「すげぇぇぇぇぇーーーーーーーー!」  会場外に設置された特設モニタを見ていた夏代奈ファンは、一斉に大声 を出して歓喜極まっていた。  そう、モニタには安希によって、夏代奈のドレスが下ろされた瞬間や足 を掛けられて股を開いて転んだシーンがはっきりと映ってしまったのだ。  特に大股を開いたシーンではカメラマンがうっかり股間をアップしてし まったせいで、特設モニタに夏代奈のおま●こが大きく映されていた。  これがTVならモザイクなどが入るのだが、コンサートの映像だった為、 そんな気の利いたものがされることはなく無修正で流されてしまった。  皮肉な事だろうが、画面下に文字として流れている夏代奈のヒット曲の 2番の歌詞の途中のフレーズが偶然に重なっていたのであった。 ”もしかしたら〜、見せてはいけないとこを、見せちゃうのかもー♪”  『見せちゃったよぉぉぉーーーーうぉぉーー♪』  一部の感極まったファンの一部がフレーズに答えてしまう。 ”私の口は〜恥ずかしくてパクパクしちゃうぅー♪”  『おま●こぉぉーーぱくぱくぅぅーー』 ”開いた口から何かが飛び出てしまいそう〜♪”  『びらびらぁぁぁー!』  ファンの行き過ぎた言葉により、夏代奈のヒット曲が卑猥に変化していく。  さすがの安希も、そこまで計算しておらず、正に偶然が生んだ恥辱のフ レーズ重なりとも言えるものであろう。 ”あなたの元へ〜生まれたままで思い切り〜飛んでいきたいー♪”  そう、この歌詞と同時に裸にされた夏代奈が、前列の熱狂ファンの中に 放りこまれててしまう。 ”私を思い切りつかまえて〜 いっぱい抱きしめて〜♪”  放り出された夏代奈の姿をカメラが追うと、そこには夏代奈が落ちた場 所へ群がるファンの様子が映し出された。  まるで甘い砂糖に群がる蟻の様な勢いで夏代奈に迫っており、全裸の夏 代奈の身体に無数のファンの手が次々と伸びていったのだ。 「俺にも触らせろぉぉぉーー」 「うぉぉぉーーすげーおっぱい、やわらけぇぇぇーー」 「おい、みんな、俺たちだけ味わったら可哀想だぜー」 「そうだなぁー、じゃあ、こーするかぁぁー」  1人のファンの言葉に合わせて、夏代奈の身体が無数の手によって高く 持ち上げられる。  もちろん、その姿は足を思い切り広げられたおま●こ丸見えの大の字の 姿であり、そんな大の字の夏代奈の姿がカメラに映ると、歌詞のフレーズ も今の姿に合わしたかの様に不思議に合っていく。 ”大胆に大の字で寝てみたら〜あなたはドキドキしちゃうー♪”  『おおぉぉぉーーどきどきぃぃ、ぼっきぼっきぃぃーー!』 ”目の前の桜は〜大満開♪ ピンク色が綺麗なのぉ〜”  『それじゃ、こっちも大満開だぁぁーー』  無数の手の幾つかが、夏代奈の陰唇を掴んで思い切り広げてきてしまう。  手加減なしで広げられていく夏代奈のおま●こは限界までぱっくり開か れてしまい、見事なピンクの肉壁の穴が丸見えとなっていた。 「うひょぉぉぉーーーすげぇぇーーーおま●こ丸見えだぜーー」 「中のピクピクまでわかっちゃうぜーーー」 ”私の全てを調べて知って〜 それほどあなたが好きなのよ〜”  『じゃあ、みんなで指で調べちゃえぇぇーー』  限界まで開かれ、膣内の収縮まで見えてしまう夏代奈のおま●こに、フ ァンの無数の指が入っていく。  意外と奥深くまで入る淫らなおま●こにファンたちは大いに感動を覚え ていた。 「こりゃ、すげーぜ。指がどんどん吸い込まれていく感じだぜ」 「へへへっ、見ろよ。この俺の指を〜!夏代奈ちゃんのマン汁だぜぇぇー」  1人のファンが自慢げに愛液で濡れた手をあげて見せ付けてくる。  その愛液を見たファンは自分も挿れたい衝動にかられ、夏代奈の元に殺 到していく。  そう、ファンたちがだんだんと暴走し、夏代奈がいる場所は押しくら饅 頭の様な状態になってきた。  ただ、運がいいことに夏代奈は持ち上げれていたので、ファンたちにつ ぶされることはなかった。  しかし、ファンたちの無数に手の上で支えられてる夏代奈の身体は、常 に弄られ、さながら無限の快感地獄に堕ちている感じでもあろう。  そんな夏代奈の姿を無事に会場から出られた安希が、外にあるモニタを 見て笑っていたのであった。 「あははは〜すごいわね。無数の手の上で悶え転がる姿なんて、なかなか 見れないわ。まあ、上で転がってる内はいいけど、あの人ごみの中に沈ん だら最後ね♪」  そう、今の状態で人ごみに沈めば、何をされるかわかったものじゃない。  つぶされるだけで済むとは思えないほど、ファンは狂気と化していた。  だが、曲がラストの3番に入っていくと夏代奈の身体がどんどん沈んで いく。  暴走したファンが弄るだけでは満足できないとこまできていたのだ。  もちろん、マネージャーやスタッフは夏代奈がファンの中に放り込まれ た段階で安希を追うのをやめて慌てて夏代奈救出に少しずつ向かっている。  多くの警備員たちも事態の収拾に向けて、ファンの黒山に潜り込んでお り、ようやく夏代奈の近くまで来る事が出来たのである。 「やめろーお前ら、いい加減落ち着けぇぇぇーー!」 「おい、あっちを見ろ。彼女の手が見えるぞ!」 「よし、強引に引っ張るぞ!」  やっと、3名の警備員が夏代奈の側まで駆けつく事ができ、完全に黒山 に沈んで消えそうになった夏代奈の腕を掴む事が出来たのである。  マネージャーやスタッフもすぐに腕を掴んだ警備員の所に追いつき、一 斉にその腕を無理矢理ひっぱる事にしたのであった。  そう、この異常な空気の中で人を掛け分けてやってたら手遅れになるの がわかっていたからである。  まるで砂地獄から救出するかの様にようやく夏代奈の頭が警備員たちの 所にあらわれ、そのまま思い切り引っ張りついに黒山から全裸の夏代奈を 引き出すことが出来たのであった。  そのままファンから離す様に一気にステージまで夏代奈を運ぶ事が出来、 何とか最悪の事態だけは免れたのである。  あと一歩遅かったらかなりやばく、何と夏代奈がトークで使う手に持っ てたトーク用の小型マイクが彼女のあそこに突っ込まれており、愛液が流 れてる様子からそれでかき回された形跡があったのだ。  その他にも、多くあったもじゃもじゃの陰毛もあちこち無理矢理抜かれ た所があり、本当に寸前の所で助けられた感じだったであろう。  夏代奈本人はもう失神しており、相当すごい勢いで複数の手によってあ ちこちをいじられてイッたのは確かである。  皮肉な事に曲はまだ流れており、ちょうどラストの3番のフレーズが彼 女の今の状況を歌っている様であった。 ”私を好きして、いつの日が隣にいる夫の前で言ってみたいのー♪”  当然、コンサートは完全にその場で中止となり、翌日はすごい騒ぎとな ってしまう。  何せ、現役の大物清純アイドルがコンサート中に裸にされ、あげくには ファンの中に裸のまま放り込まれたんだからすごい問題であったのだ。  飯塚 安希の所属する大型プロダクションの本社の前には多くの報道陣 が殺到したのであった。  だが、そこでの社長の会見は報道陣を驚かすものであった。 「今回、うちの安希がとんでもない事をしでかしましたが、安希を自粛さ せる気はありません。当然、あちらの事務所や被害にあったアイドルに関 しては全面的に損害賠償金を払いたいと思います」 「それじゃ、安希さんはお咎めなしなんですか」 「まあ、そう言う事になりますな。まあ今に始まった事じゃないですから」 「相手が訴えてきた場合にはどうするつもりですか?」 「それはないでしょう。もう和解の話しも済んでおりますし」 「和解ですか?」 「ええ、なんなら確認して結構ですよ。こういうトラブルは素早くしなけ ればなりませんからね」  そう、何と相手側のプロダクションが多額の賠償金と自分の所の新人を 多く、レギュラー起用をしてくれた為、あっさりと和解してしまった。  夏代奈は確かにここの看板であり大物清純アイドルでもあったが22歳 と言う歳でもあった為、あと2・3年がいい所であった。  今回のバラィティ進出もイメージチェンジを図る為のものであり、そん な意味でも和解した方がかなり得策であると素直におりてしまったのだ。  また、もう1つ理由があり実は夏代奈は異性にはすごい人気が高いのだ が、同性には相当嫌われているタレントとしても有名であった。  今回の街で聞いたインタビューからでもその様子がはっきり出てしまった。 「へぇ、あの女脱がされたんだ。いい気味よ。もっといろいろされればい いのに」 「えー。夏代奈ちゃんが裸に?俺も行って生で見たかったなー」 「安希ちゃん。サイコー。ますます私ファンになったわ」 「写真集でファンを裏切った報いがきたんじゃないっすか」 「彼が熱狂だったからすっきりしたわ。まあ彼は寝込んだんだけどね」 「私はもっと注意すべきだと思ってましたよ。彼女の方も悪いね」 「安希ちゃん。もっとこれかもどんどんやっちゃって。応援しちゃうわ」  世間は意外に安希を責めるものはいなく逆に安希の暴露コメントがおも しろく安希の格好のいいパフォーマンスに使われてしまう形になってしま った。 「本当はね。普段つけてるブランドもののド派手な下着を晒すつもりだっ たの。でも、もっとすごいのを晒した様ね」 「そうそう、あの子お尻近くまで毛が生えててみっともなかったわ。あれ じゃ写真集で見せない気分わかるわねー。ケツ毛女だからね〜」 「あとあの子、ノーブラで歌ってたのよ。あの子の乳首なんてビンビンだ ったのよ。実は感じながら歌ってんじゃない?あそこもぱっくりだったし」 「最後にこれだけ言っとくけど、こんな事でおとなしくなんないわよ。も っと世間を楽しませてあげるわ」  安希はこれだけ叩かれても平然と宣戦布告をしてきたのであった。  当然、これを見ていた衣愛代はTVの前で怖がり、作山がうまくフォロ ーしてきた。 「衣愛代ちゃん。とりあえずうちの方はしばらくコンサートもやらないし 外での営業もやらないから安心していいよ」 「ほ・本当ですか?」 「ああ、うちは絶対にあんな目には遭わせないから安心していいよ」  今回の作山は意外に衣愛代を守る方向で動いていた。  作山には自分なりの手順があり、あんな馬鹿な事でせっかくの衣愛代を 落ち目にするつもりなど全くなかった。  その作山がきちんと動いた為、予定していた2日後の合同コンサートも 急遽、出演しない方向で進めてくれたのである。  その為、予定していたスケジュールをほとんどなくなったので、今日は すでに仕事がなく衣愛代はそのまま家に帰る事になったのであった。  着いた事にはちょうど夜も遅く衣愛代は早く寝る事にしたのであった。  ただ、またあの安希の言葉を衣愛代は思い出してしまう。 「おい、いいか。色気を出して人気を集めてるお嬢アイドルども。あんた らの肌全部世間に晒しちゃるから楽しみにしてなさいよ」 (だ・大丈夫よね・・・作山さんがちゃんとスケジュール変えてくれたし)  とりあえず、不安を感じながらも衣愛代は寝ることにする。  だが、またこの安希のせいでとんでもない悪夢を見ることになってしま ったのだ。


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