第20話「飯塚 安希の恥辱な作戦」


 安希が投げたダーツは清純アイドル田上 夏代奈の写真に命中した。  田上 夏代奈(たがみ かよな)。清純アイドルとしてデビューし、も う10年近くもアイドルをやっている22歳のアイドルである。  最近は司会者のサポート役としてのキャストが多く、様々な番組に良く 見かける顔になっていた。  安希はその田上 夏代奈の写真に向かって1人で愚痴を言い始めたので ある。 「何が清純アイドルよ。このブランド女が!!清純アイドルがブランド買 い集めてるんじゃねーよ」  実は田上 夏代奈は大のブランド好きで1度バライティのブランド勝負 で同じブランド好きの飯塚 安希に大勝したのであった。 「何がまぐれですって。ふざけんなよ。あの女。アイドルやってる時は清 楚で売ってるが私服は高価ブランド一色じゃねーか!下着もド派手なのを 着けてるし、ふざけてんじゃねーよ。それにあの女が自分で撮ってる写真 集もむかつくんだよっ」  そう、田上 夏代奈はカメラの撮影技術を持っており毎回自分が撮った フルヌードの写真集を出してくるのが有名であった。  ただ、その写真集で夏代奈自身が一切何もつけてはいないが微妙なアン グルで絶対に胸もあそこも、さらにお尻までも一切見せないファンの期待 を思い切り裏切るものとなっていた。  春歌とは違い、一切恥部を見せないことから、ずっと清純アイドルらし いのだが、フルヌードってとこが気に入らなかったのだ。 「何がフルヌードだ。どこも見せてないじゃないか。それも3冊も繰り返 し出しやがって、いい加減うざってぇーんだよ!大体、22になっても清 純アイドルって言ってる所はむかつくんだよ」  安希はもう2発ほどダーツを投げ、夏代奈の写真に2発とも見事に命中 させた。 「田上 夏代奈。てめーの時代がもう終わったんだよ。今日あたしがあん たがいつもド派手な下着を着けてるって事を見せ付けてやるぜ!大体、こ ういう奴ほど、脱ぎたくて見せたくて疼いてんだよ。田上 夏代奈!あん たの恥ずかしい願望、この安希が叶えてあげるわ♪」  安希は何かを企んでおり、にやにや笑っている。そして残り2枚の写真 にも言葉を投げかけてきたのだ。 「今度のターゲットは夏代奈だから、あんたらの出番はもう少し待ってい なよ。まあ、あんたらの中には今時まじで無地のお子ちゃまパンツを穿い てるのもいるから、夏代奈を辱める方法をやってもおもしろくねーがな」  もしかすると、この2枚の中に衣愛代が含まれているのかも知れない。  次のターゲットにはならならかったが、衣愛代が安心する日はしばらく こないだろう。 「ふぁぁぁー、まだ時間あるからもうひと眠りするかぁーー」  安希は何かを待つようにまたそこでひと眠りをし始めた。  安希が眠ってる間、もう外は夕方となりここから20分ほど近くにある 大コンサート会場ではすごい人の行列が長々と続いていた。  その並んでいる人たちのほとんどはあるアイドルの団扇やメガホンを持 っており、中には背中にそのアイドルの名前と”命”が書かれており、は ちまきまでしている熱狂ファンもいたのであった。  そう、今夜はあの田上 夏代奈のスペシャルコンサートが開かれる日で あり、それを待ちどおしくしていた全国のファンがここに集ってきたらし い。  中に入るとすでにファンクラブが応援の練習を始めており、「K・A・ Y・O・N・A・かよなーー!!」と大声が響いてる熱狂ぶりだ。  ファンが次々と会場に入り、すでに会場は大満員となり、外には入れな い多くのファンの為に特設の大型モニタまで設置されるほどであった。  そんな何万人という大人数の中に清純アイドル、田上 夏代奈は手を振 って笑顔で舞台に現れ、その姿に、前でロープを張っている警備員たちを 今でも押し倒すぐらいのファンのすごい歓喜がコンサート会場に響いてき た。 「みなさーん。今日は夏代奈のスペシャルコンサートに来てくれてありが と〜〜♪じゃあ、まずは私のデビュー曲”清純は私の愛言葉”を歌いたい と思います」  さっそく音楽が流れファンの熱狂的なコールの中、夏代奈は歌い始めた。  その頃、ようやく起きて時計を見ていた安希はくすくす笑いながら窓か らのぞけるコンサート会場を見ながら言った。 「さあ、今日はあの子のファイナルコンサートね。ふふ、久々に燃えるわ ね」と安希は高価なドレスを着て大きなを花束を持ってコンサートの専用 口に向かう。  もちろん関係者でない安希は1度、入り口で止められてしまった。 「あ・あのーここは関係者立ち入り・・・あっ、あなたは・・」 「あら、あたしを知ってるの?今日はあの子のお祝いに来たんだけど通し てくれるかしら?」 「し・しかし・・・」  安希の言葉に困る警備員だが、そんな時に奥から別のベテラン警備員が やってきて、すんなりと安希を通す言葉を出してきた。 「飯塚 安希さんですね。どうぞ中に入ってください。さあどうぞ」 「あら、ここはきちんと教育されてる様ね。ありがと」  安希はあっさりとコンサートの中に入る事が出来たのであった。 「しゅ・主任?いいんですか?アイドルだからって勝手に通しちゃって」 「ばかもんっ!あの飯塚はたちが悪すぎるんだよ。足止めした次の日には 確実にクビが飛ぶぞ」 「えええーー。そうなんですか?」 「ああ、だからお前も気をつけろよ」 「は・はい!!」  入口に入った安希はそのままコンサートの袖口までストレートで行く事 が出来、袖口に立っていた夏代奈のマネージャーに声を掛けたのである。 「おはよう。今、彼女は何曲目を歌っているの?」 「!!飯塚さん!!あ・あのどうしてここに・・・」 「ん?かっての番組共演者として応援のメッセージを送りたいと思って」  笑顔で微笑んだ安希に対してマネージャーは不安がっていた。 「そうですか・・ところで綺麗な花ですね...」 「ええ、彼女のお祝いに一番似合うのを選んだのよ。どうかしら?」 「なかなか良いと思いますが・・・」 「不安そうね?彼女に花束、渡したらすぐに帰るから安心していいわよ」 「いえ、そんなわけでは。ただ今日はスペシャルコンサートなので..」 「そうね。すごい人だもんね。まだまだ人気があるんだ。あの子?」 「は・はい」  マネージャーと安希のぎこちない会話の中、ステージでは夏代奈がミリ オンヒットを出して各賞をもらった代表曲が流れてきたのであった。 「あら?この曲は彼女のヒット曲のえっと...」 「”愛は私を変えていくの。”です。彼女の代表曲です」 「あっ、そうね。あたし最初のフレーズが好きでCD持ってるのよ」  ステージでは夏代奈がそのフレーズを歌い始めた。  ”私の水着を見て。いつの日かボーイフレンドの前で言ってみたいのー♪”  ファンは夏代奈に熱狂的な応援を送り一番の盛り上がりを見せていた。  1番の歌詞が終わり2番までの長い間奏となった所で安希がついに袖口か ら、大きな花束をもって現われたのであった。  夏代奈は予定外の花束贈呈に少し驚いた。本来の進行だとここはファン に対しての感謝のトークを入れる予定だったからである。 (ん?女性?ロングスカート?誰なんだろー?)  ステージの真ん中に立ってた夏代奈の位置からは大きな花束を持った安 希の顔を確認する事が出来なかった。  袖口のマネージャーを見てみると何かハラハラしている感じに見えるの で夏代奈はその花束の人物がますますわからなくなっていた。 (先輩かな?それとも同期のあの子かな?)  夏代奈が自分の知人だと思い込んでるせいで、安希の接近をわずか2m の位置まで許してしまい、近づいたとこで安希は花束をゆっくり降ろし顔 を出してきた。 「夏代奈ちゃん。おめでとう」 「!!あ・あなたは飯塚 安希?な・なんでここに?」 「あなたのド派手な下着を晒すためよ!」安希は花束を夏代奈の顔に思い 切り投げつけてくる。 「!!きゃ!!な・何を?」夏代奈が投げつけられた花束に気を向けたと 同時に安希は素早く夏代奈の後ろに回り込んだのであった。 「夏代奈ちゃん。下着を見せるお時間よ」  安希は夏代奈が着ている白いドレスの首の襟元を掴んでそれを一気にず り落としてしまう。  いろいろな衣装に早着替えする関係でこのドレスは上下一緒になってお り、それを把握していた安希はそのドレスを見事に足元まで下ろしてしま ったのである。  だが、その下ろしたドレスの中に、ド派手な赤色をしたビキニタイプの パンティが出てきたのには安希にとっては予定外の嬉しいハプニングであ ろう。 「あっ。あちゃーーこれって・・」  床に落ちたパンティを拾って上の方を見上げると、やはり思った通りの 状況が映し出される。  そう、ドレスとパンティを脱がされた下半身丸見えの夏代奈の股間が映 っており、もじゃもじゃに生えている夏代奈の濃い陰毛が丸出しとなって いたのだ。  さらに丸出しは下半身だけではなく、実はノーブラであった夏代奈のD カップの胸も大きく揺れて飛び出ていたのである。  つまり、夏代奈は一瞬の間に何万人のファンの前で眩しいスポットライ トの中で生まれたままの姿を晒してしまったのであった。  会場外の特設モニタにもその全裸の映像が流れてしまい、皮肉にも同時 に2番の歌詞の始めのフレーズが画面下に文字として流れていたのだ。  ”私の裸を見て、いつの日が愛する彼氏の前で言ってみたいのー♪” 「きゃあああああああぁぁぁぁぁーーーいやああああぁぁぁぁぁーー」  キキキキィィィーーーーンンンンーー  夏代奈はものすごい大声で悲鳴をあげた。その音響はマイクによってす ごい音を出してきたのである。 「こ・このーーー五月蝿いわね。この小娘!!」耳がきーんとなってカッ とした安希は何と夏代奈の足を掛けてひっくり返してしまう。 「きゃああああーー」足を掛けられた夏代奈は後ろに倒れ、あろう事にも 股を大開きにして倒れてしまい、何万人のファンの前や特設モニタに、お ま●こを晒してしまった。 「あらら..ちょっと見せすぎちゃったかな」  安希が舌を軽く出して大開きとなった夏代奈に向かって言ってくる。  一方、もじゃもじゃの陰毛に囲まれた半開きの大陰唇まで晒し、その大 陰唇からはみ出ている小陰唇の赤黒いびらびらまでも晒した夏代奈は声も 上ずり、頭も真っ白となっていたのだ。 「ああ・・ぁぁぁ・・ぁ・・ぁ・・・」 「なんだー。この子って、おま●この方も毛深いのね?これじゃ写真集何 かで見せられないわけね」  安希がくすっと笑ってる中、袖口からマネージャーやスタッフが大急ぎ で走ってきたのである。 「!!やばっ。夏代奈ちゃん。私が逃げるまで時間稼ぎになってね」  あまりの出来事に完全に呆然としている夏代奈の体を安希は軽々と持ち 上げ、そのまま何と思い切りファンに向かって裸の夏代奈を投げ飛ばして しまった。 「さあ、後はファンサービスしてあげなさいよ」  夏代奈はロープぎりぎりまで立ち詰めしている前列の熱狂ファンの中に 全裸のまま落ちてしまう。  そう、これからが夏代奈にとって本当の恥辱の始まりであろう。


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