第16話「芸能人水泳大会」


 夏がもう間近になった頃、衣愛代の所にある番組出演の話が来た。  それは女性タレントなら1度はくる芸能人水泳大会への参加依頼だった。  しかし衣愛代には乗り気があまり出なかったのであった。  それもそのはず、今までいろんな所で露出している衣愛代が普通に参加 出来るはずはないのがわかっていたからである。  出たら最後、恥ずかしい事が起こるのは確実であったが、結局事務所の メンツと作山の説得で出演させられる事になってしまった。  そして水泳大会収録の日、やはり予想通り衣愛代はビキニで出る事とな り、その上何と衣愛代が赤組女性陣代表としてとんでもない選手宣誓をや るはめになっていた。  収録が始まり、芸能人たちが全員入場後、まずは男性側の赤白それぞれ のリーダーの選手宣誓が終わりついに女性側の衣愛代の選手宣誓の番がきた。 「選手宣誓、私たちいいえ私はたとえお尻が見えても頑張ります。」と言 いビキニの下を自分から軽く捲って、おしりをカメラに向けて明るく宣言 すると、会場はどっと沸き、はじめからすごい盛り上がりとなった。  普通だとおしりなど出せば大ひんしゅくを買うところだが、おしり公認 タレントである衣愛代だから、こうも明るく盛り上げられるのだろう。  しかし、番組の冒頭からおしりを見せてしまって、大丈夫であろうか?  だが、始めから大胆にお尻を見せたのがうまく幸いして、衣愛代の露出 シーンはなく普通に競技を進めることが出来た。  でも、それは次にくる競技までであり、次の競技、着せ替え100mリ レーでは打ち合わせの段階から恥ずかしいことをすることになっていたか らだ。  この競技は早い話、女性アイドルたちが25mプールを進む形で、5m 先に用意された服装を水中で着替えてから残りの20mを進んで、次のア イドルにバトンタッチして100mリレーを行う競技であった。  つまりは4人の女性タレントが一組になって4チームに分かれて競うも のとなっていたが、何故か衣愛代のコーナーには誰もいなかった。  実は赤組女性陣代表ということで1人で4人分のリレーを行うことにな っており、着替えも4回もしなければならない。  運動神経がいい衣愛代のハンデみたいなものも含まれているのだが、別 にそれぐらいなら問題はないだろう。  そう、それ以外の作山が指示したことが衣愛代にとって、すごく気がか りであった。 (本当に私の着替えるとこは後ろからだけ映してくれるのかしら..)  顔を真っ赤にしてスタートの開始の音を待つ4人の選手の耳にピストル のパンという音が響く。  各アイドルたちが5m先に浮かんでいる籠の元に向かって、それぞれ水 中で着替え始める。  最初に用意されたのはセーラ服、スクール水着、ブルマ&体操着、レオ タードであり、アイドルたちが急いで用意された下着やサポータを水着の 上から付け始める。  衣愛代のとこに用意されたのはブルマ&体操着であり、まずは用意され た下着を手にとる前にある大胆な行動を始めた。  何と他のアイドルと違って、水着の方を脱ぎ始めたのだ。それも堂々と 上のブラを外し下のパンツをするりと脱いでいったのである。  もちろんニップレスも股間のテープも張ってないので全て丸見えの状態 なのだ。  ただバシャバシャと水を立てているので、衣愛代の恥部は水上からでは 見えることなく、水着を脱いでいる事実がわかるぐらいだろう。  水中カメラも衣愛代のお尻しか映してないので肝心なとこは見えないの だが、会場は大盛りあがりとなる。  衣愛代は作山が絶対に後ろからしか撮らないという約束で、この恥ずか しい脱衣をしぶしぶ受けることにしたみたいだ。  しかし、直に肌に付けての下着と白の体操着の組み合わせが不味かった のか、その後に泳いでいる衣愛代の身体をカメラが捕らえると、乳首の色 や形がわかるぐらいまで見事に透けていたのであった。  そんな衣愛代が次に着替えるのは白のナース服であり、再び下着を脱い で、新たに用意された下着を着けなければならない。  体操着を脱いで再び、全裸となった衣愛代が白のナース服に着替える。  またしても、服もブラが透けてしまい、更にはパンティまでもが少し透 けていた。  おそらく必死に泳いでいる衣愛代は、まさか下着が透けているのに気づ かず、3回目の着替えを目指していた。  次のは白のテニスウェアであり、それもアンスコがついてなかったので、 透けてるパンティを思い切り露出させて泳ぐことになる。  だんだんと過激さが増す中、最後の着替えのとこまで行った衣愛代が驚 いた声を出す。 「こ・こんなもの着けたことないわっ..」  衣愛代が驚いたラストの服装は巫女であり、袴の方は赤色であったが、 何と下着がサラシと褌になっていたのだ。  とりあえず、もたもたしている場合ではないので両方とも適当に着けて 泳ぐのだが、泳いでいくうちに2つとも恥部から離れて、ただ身体にまと わりついてるだけになった。  当然ながら、股間の方はTVに放映できるものじゃないので衣愛代の顔 マークでモザイク処理されることになった。  競技の方は1着でついたせいもあるが、司会者や芸能人たちは拍手で衣 愛代の健闘を称えた。  どうやら、これぐらいのハプニングは全員、承知済みのとこがあったの で、お約束であっさり片付けられてしまった感じであった。  しかし、当の衣愛代本人にとっては、お約束で片付けられる状況に困惑 している。  何せ、まだ2つほどお約束が出てくる競技が残っていたからである。  そんな困惑な表情をしている衣愛代を白組女性陣代表の筋肉もりもりの 女性が腕をバキバキ鳴らしながら観察していた。 「今日はこんなもんじゃ済まさねーぜ。早く最後の競技がくるのが待ち遠 しいぜ」  その女性は何と現役の女子プロレスラーであり、トラック浜田のリング ネームで活躍している悪役レスラーであった。  着せ替え100mリレーであられもない姿を披露した衣愛代に次の恥ず かしい競技がやってきた。  それはプールの飛び込み台から、ロープを握ってターザンの様に飛んで 離脱距離を競うものであった。  当然、ビキニを着けている衣愛代には男性たちからの注目の視線が集ま っている。  司会者も「お父さん、お兄さん、ビデオの録画の準備はいいかぁ〜」と 明らかに衣愛代が恥ずかしい目にあうことを予告するぐらいだ。  ポロリのことを心配する衣愛代だが、いざ自分の番がくると、好成績を 残そうとする意思が強くなって、飛び込み台の選択で一番高い10mを選 んだのであった。  ほとんどの女性アイドルは3mでも怖がり、その上の5mすらも選べな い中、男性アイドルでも足がすくむ7mを超える10mを選んだ。  一緒に上ってきた司会者の足はぶるぶると震えている中、衣愛代が思い 切り助走をつけて思い切り飛び込んでいく。  こうなると見てる観客も視聴者はポロリよりも、プールにちゃんと着水 できるのかをハラハラしてしまう。  作山の方は意外と冷静に見ているのだが、実はあらかじめ何十回もいろ んな想定をしながら、計算をして200%安全であることを確認していた のだ。  一方、思い切りロープを使って飛び込んだ衣愛代は綺麗な前宙返りを2 回してから、頭から水の中に飛び込んでいった。  実は衣愛代は水泳も得意であり、日水連(日本水泳連盟)の飛び込みの 上級資格を持っていたので見事な飛込みを見せてきた。  あまりにも素晴らしい飛込みをしたせいか、会場は拍手喝采の渦となっ ており、水中カメラマンも仕事を忘れてしばらく、関係ないとこを映した ままだった。  そんな水中カメラが衣愛代の姿をようやく捕らえると何と両手で胸と股 間を必死に押さえながら足だけの立ち泳ぎしていたのだ。  何と、飛び込んだ勢いでポロリどころが、下の方もするりとなってオー ルヌードになってしまったらしい。  おそらく、こんなに綺麗な飛込みをしてなかったら、いろんな恥ずかし いところがカメラに映されていただろう。  さっきまでポロリを期待していたものを忘れさせてしまうぐらいのだか ら、それほど衣愛代の飛び込みは良かったのであろう。  こうして、2つ目のお約束の方はあっさりと乗り越えた衣愛代であった。  これで残りのお約束は1つだけとなり、その競技がいよいよ始まろうと している。  そう、それは男女混合水上騎馬戦であり、この騎馬戦は必ずと言って毎 回エッチのシーンが出る事がお約束であり、そこに衣愛代が出るとあれば 当然そういうシーンを期待させられるのは無理もないだろう。  それも、赤組女性陣代表である以上、活躍を期待される立場なので衣愛 代にとっては苦しいところであろう。  そんな衣愛代に対して白組女性陣代表は例の女子プロレスラーであるト ラック浜田であり、その浜田がカメラに向かってとんでもない宣言をして きたのだった。 「おい。そこのカメラども。あたいの獲物は衣愛代の水着だからよく撮れ よ」と。そう浜田は衣愛代水着取り宣言を堂々としてきたのだった。  もちろん、衣愛代自身もそこまで言われて取られるわけにもいかなかっ たのでしっかりと手で押さえながら勝負に挑む事にした。  そして1回戦、笛の音と共に始まると宣言どおりに、いきなりトラック 浜田が赤組のハチマキを次々取りながら、衣愛代目掛けて猛突進してきた。  当然ながら、突進してくる浜田を見た衣愛代はハチマキの方を押さえた 手も胸のガードにまわして、両手で守りに入ることにした。 (これ以上、恥ずかしい目に遭ってたまるものですが..)  だか、衣愛代の前に来た浜田は胸を狙うことをせず、いきなり衣愛代を 腰をつかんでそのままひょいと持ち上げ、自分の肩に衣愛代の身体をタオ ルをかけるように乗せてきたのであった。 「まずは公認してる所からやんねえとな」とビキニのパンツをおろしてし まった。  ずるりっ「いやぁぁぁーーー」  パンツはそのまま勢いで衣愛代の足元まで下がっていき、無情にも足か ら脱げ水面に落ちてしまった。  肩に抱えられている状態なので前側の大事な所は見えなかったが、カメ ラがこちらに向け始めてきたので、衣愛代はとっさに背中の方から両手を 伸ばして大事な所を隠したが、これによって上半身は無防備になってしま った。 「おいおい、上の方を守らなくていいのかよ」「えっ?」 「今度はおっぱいを晒すんだな」  そう言った浜田は次に無防備となった衣愛代のビキニブラを剥いでしま い、カメラにはまた衣愛代のCカップの胸が堂々と映されてしまった。  そして目的をはたした浜田は「いつまでも裸で抱きつくなよ」と言って 衣愛代の身体をバーベルのように持ち上げて、そのまま水面に向けて投げ つけてしまった。  浜田自身は軽く投げたつもりだが意外に衣愛代の体が軽かったせいかか なり飛んでしまい、思いきり水面にたたきつけられてのダイブとなってし まった。  ちょうどはしごの近くに飛ばされたおかげてすぐに衣愛代は水中からそ のはしごを見つけて、あわててプールから裸のままで出てしまった。  その上、どこも隠さないまま4つんばいの姿で水を吐き出すとこを見る と、どうやら強く投げられたせいで溺れそうになってしまったらしい。 「ごほっ!ごほっ..けほけほっ」  さすがに苦しんでいる衣愛代をTVカメラで映すことはなかったが、近 くにいた芸能人にはいろんなとこを見られてしまっただろう。  その上、衣愛代が苦しんでいる間に浜田は勢いに乗って、次々と赤組の 騎馬をつぶしていって大量得点を取ってしまった。  今回は衣愛代の完全な敗北となってしまったのだが、これで騎馬戦が終 わったわけではなく、前半戦が終了しただけであった。  つまり、衣愛代の恥辱はまだこれからが本番であり、後半戦では前半以 上の辱めをされようとしたのであった。


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