叶え様 −恋する乙女を露出させます− 読切
(挿絵:cabさん)


※時々CGと文字が重なる場合がありますので、その時は1回再読み込みしますと直ります。

 学校の倉庫にあった埃かぶったPCとの出会いが私、河西 優衣の運命 を大きく変えた。  PCを立ち上げると昔のOSが起動し、Windows3.1という画面が大きく表 示した。 「うそっ..ちゃんと起動できたんだ..でもこれって..ソフトが..」  何と、このPCに入ってたのはIE3だけであり、そのIE3を立ち上げると ”叶え様”という検索窓だけあるサイトが開いた。 「叶え様?何これ?何か入れろってことかしら..」ちょっとだけ興味を 持った私はクラスでよく嫌がらせをしてくる須田さんと仲良くするには? と検索してみました。 <答え:誰も居ない理科室で素っ裸になりなさい> 「なんだこれ..全然意味わかんないんですけどぉぉぉ〜」  この時の私は、あまりにもふざけた答えに呆れて、やっぱり自分なりの 解決方法を見つけようと思った。  ただ、2日後たまたま理科室で1人になる機会があって、その日は朝から 須田さんの嫌がらせですごく頭にきていて、藁にもすがりたい思いだった。 「…脱ぐだけで..いいんなら..」私には露出癖がないんだけど、駄目 もとでやってもいいんじゃないかと急いで服を脱ぎました。  我ながら愚かなことをしてるのは重々承知している。でも、この時に裸 になって1つだけ気づいたことがあった。 「な、なんか..すごく..気持ちいい..」  背徳感からくる快感なのか、いけないことをしてると思うと私の身体が 疼くようだった。  いやまあ、それで露出癖に目覚めるってことはないし、誰かに見つかる と怖いのですぐに服を着ました。 「これで嫌がらせが止まったら苦労しないわ」と失笑した私でしたが、意 外な展開が待っていました。  あの須田さんが急に謝ってきたんです。何か改心したってことだけど、 これは偶然なの?それとも本当に叶え様が..  ただ、これはおそらく悪夢の始まりだったかもしれない。願いが叶った 私は気になって再び叶え様にお願いしてみました。 「…す、好きな先輩のこと..入れてみようかな..」  私は憧れの先輩に声をかけてもらうには?と検索してみました。   <答え:先輩の教室で素っ裸になりなさい> 「こ、これって、こんな答えしか出ないのかしら..馬鹿馬鹿しい」  馬鹿馬鹿しいのならやらなければいいのに、私はタイミングを計って先 輩の教室で裸になるという無謀なことをしました。  あれは偶然の産物だと思いたかった。ただ、それを証明したかっただけ なのに、翌日に先輩の方から声を掛けてきてくれたんです。  すごく嬉しくて、私ったらまた叶え様で「先輩と一緒にお昼ごはんを食 べるには?」と検索しちゃいました。 <答え:学校裏で素っ裸になりなさい> 「…だからぁぁ〜、何でいつも答えが素っ裸ばかりなのよぉぉ〜」  これじゃ私、露出狂みたいじゃないっ!今度こそしちゃ駄目よと自分に 言い聞かせたんだけど.. 「河西さん、良かったら今日俺と昼、一緒に食べないか?」とまたまた実 現しちゃうなんてぇぇ〜。これって、どういうカラクリなのよぉぉ〜!  結局、私は学校裏でも素っ裸になってしまったけど、どうして願いが叶 ってしまうの?すごく嬉しいけど..これって危険な気がする。  だって、傍から見たら露出狂みたいになってるし、これ以上はマジで頼 らない方がいいのかも..  でもでもでもぉぉ〜。叶え様の叶え率は100%なんだよぉぉ〜!!  叶え様の答えとおりにすれば、大体の願いは叶うんです。  どうやら願いのレベルによって、ノーパン登校やスピード写真機でおっ ぱい写真を撮るとか露出命令っぽくなるけど、実行すれば必ず叶うので、 癖になってきている気がする。  試しに「世界平和」と検索すると答えが今から一生、素っ裸で暮らすと 出ました。そんなの出来るかぁぁぁぁ〜!  どうやら難しいものを叶えるには相当の代償が必要みたいで、大した願 いでないなら、露出行為をするだけで叶うようだ。  けれど、恋する乙女が願いを叶えるためにするものじゃないと思う。 「あぁっ..ん、私ったら、またこんなことを..あっ、ひぃぃ」  深夜の公園で服を脱ぎながら叫ぶ私。脱ぐことを止めたいのだが願いを 叶えるためにやってしまう。  最近は身体の疼きがどんどん増しているようなので、正直な話、露出狂 に近づいてきてるのかも知れない。 「んんんぅっ〜、あっ、ぁぁっ、もっと恥ずかしいことをしたいのぉ〜! そうすれば、もっといいことがぁぁ〜」  最近の叶え様の答えは前みたいに単純なものじゃなくなった。私の露出 行為の度合いで幸せ度がアップするのだ。 「はぁはぁ..先輩との遊園地..私の努力次第で..いいことが起こる なんてぇぇ..叶え様のいじわるぅぅ〜」  それにしても..最近の私ったら、裸になるとおま●こが狂ったように 熱くなる。手でそっと撫でると手のひらにべったりと私の愛液がくっつい てくる。ここまで濡れたらもっと気持ちいいことをしたい。  全身に襲い掛かる激しい露出欲求を跳ね返すことができなくなっていた。 「はぁっ、ぁぁ、はふぅ、ぁ、ぁ、ぁ、あひぃぃっ..」  これじゃ願いを叶えるっていうより、ただ露出を愉しんでるだけじゃな い。大体、この公園って自宅から歩いて5分の場所にあり、よくコンビニ で買ったアイスなどをベンチに腰掛けて食べていた。 「ひぃっ、ベンチって裸で座ると、すごく変な感じっ!あふぅっ〜」  いつ誰が通りかかってもおかしくない場所なのにベンチに座った私は、 目の前に見える道路に向けて股を広げてしまった。 「いやぁぁぁっ。それはダメェェ〜。私ったら何、バカなことしてるの よぉぉ〜!でも、す、しゅごくぅ、気持ちひぃぃ!」  理性が必死に愚かな行為を止めようとするが、開いた足を閉じることは 出来ない。  それだけ露出の快感が強いということだった。 「こ、こんだけやったんだから..今度の遊園地はいいこと尽くしよね.. でも、今はそんなことよりも思い切りイきたい..イっちゃうのぉぉ〜」  もう..私..露出狂だ..叶え様と出会う前の私はこんなことを絶対 しなかったのに..もうこんな気持ちいいこと知ったらやめられないっ! 「あっ、あ、あ、お、おっ、あひっ、あ、あ、い、い、いひゅ、イくぅ」  プシュゥゥゥ〜!!私は道路に向けて思い切り絶頂し、潮まで噴いてし まった。 「はあはあ、はあ、はあはあ、はあ、はあはあ、はあ..」  気持ちが落ち着いてくると、とんでもない失態をしたことに気づいてい く。いくら何でもこれはやり過ぎだよぉぉぉ〜!  でも、こんだけ後悔しても懲りないのは、その後で叶えてくれる幸せの せいなのだ。  日曜日、先輩との遊園地は言葉で言い表せないほどの幸せ尽くしだった。  叶え様ったら、こんな甘すぎるデートを用意してくれるなんて、もう死 んじゃってもいいぐらいだよぉぉ〜。  おまけに先輩ったら私に男子バスケ部の!俺の専属マネージャーになっ て欲しいなんて、これって凄すぎるサプライズじゃないのっ。  遊園地デートの最後にはぎゅっと抱きついてくれたし、キスはまだだけ ど..次のデートではキスしてもいいよね?いいよねっ!  やっぱ、今の私にとって叶え様に頼らないなんて出来ない。あれから須 田さんから嫌がらせを受けたことはないし、憧れの先輩とつきあうことも 出来たんだから、叶え様万々歳だわっ。  こうなったら、次は先輩との..キ、キスだよね..思い切ってキスす るにはと検索しました。 「!!こ、これを..やれってことなの..でも、やれば先輩と..キス が出来るんだ..」  恋は盲目とはよくいったものかも..今の私はきっとまともな考えが分 からなくなっていた。 「本当にっ!ほんとぉぉぉっに、叶うんだよね。って言うか私、何でこん なことやってるのよぉぉ〜」  叶え様の答えに従ってジャージと首輪を持って夜の公園に行く私。  そして、木陰で裸になって準備を始めました。  「!こ・このジャージ..小さすぎて前がぁぁ〜」  裸になった私はジャージと首輪をつけて、女子トイレに入って鏡で出来 上がりを確認することにした。  前のチャックをしめることが出来ないジャージ上だけを着ており、もう 誰が見ても露出癖のある女性そのものだろう。 「ううぅ、何とかチャックしめられないかしら」  必死にチャックをしめようとしたけど、やっぱサイズが小さすぎるよぉ。  せめて、おっぱいだけでも隠したいけど..私ってEカップなんだよね。  だから乳首を隠すだけで精一杯。それも手でジャージを押さえつけなく ちゃポロンとこぼれちゃう。手を離したら即効でおっぱいバーンって出し ちゃう感じ。 「いや問題は上よりも下よっ。全然隠れてないじゃない!丸出しだよぉ〜」  そう!上しかジャージがないので下は思いっきし丸見えだった。  おっぱいよりもこっちを気にした方がいいのかも..  唯一の救いはあそこの毛がぼーぼーじゃ無かったってことかな。ちょび 毛ってやつで、割れ目丸出しって感じなの..いやまあ、これはこれで凄 く恥ずかしいんだけど、閉じてるから見栄えは大丈夫よね..ちょっとビ ラビラが出てるかも知れないけど気のせいよ。気のせい!  友達のレズっ気ある友達の桂子が、綺麗なおま●こだよねと羨ましがっ てたから..うん大丈夫っ!  って、そういう心配じゃなく下半身なんか晒して、これからコンビニに いくなんて、これはさすがにダメでしょ!  ああっ、これって露出狂の定番みたいな行為そのものだよぉぉ〜。

「わ、私ったら..ここまで本当に
来ちゃうなんて、見つかったら絶対
に言い訳なんて出来ないわ..」
目の前には深夜のコンビニの明かり
が煌々と照らしている。いつもは誰
かしらたむろしてるのに、今日は一
切の人の声がせず、遠くで悩ましく
鳴く猫の声しか聞こえない。
いや、人の気配がないから、ここま
できてしまった。ちょっとでも人の
声がしたら引き返そうと決めてたの
に、まさか誰も居ないなんて..
「でも..いくらなんでも、この姿
じゃコンビニに入れないよぉぉ〜」
とりあえず、ここまで来たんだから
せめて中の様子だけ確認してから逃
げてもいいはず。
そっとコンビニに近づいて、窓から
中を確認してみると、奇跡的な状況
が用意されていた。
大学生ぐらいの若い店員が1人居る
けど、お弁当コーナーのところで、
こっちに背中を向けて棚卸しを必死
にやっていた。

「ど、どうしよ..今なら中に入れるよね?」  この姿でコンビニで入れば、憧れの先輩とのキスは100%成就できる。  叶え様が出した答えを行えば..願いは必ず叶う。  ここは先輩との恋愛を深めるためにも必要な行為かも知れない。  男子バスケ部のマネージャーになって先輩のお世話をいろいろ出来るよ うになったけど、改めて女子からの人気が半端ないことを思い知った。  私なんかより可愛い子や頭いい子、スタイルがいい子から、毎日のよう に先輩にラブレターが送られてくる。  キスもまだしてない私にとっては不安で仕方なく、ここは叶え様の力を 借りるしかないのだ。 「それにしても、これじゃ本物の露出狂だわ..でも入りたい..今は中 に入りたくてウズウズしてるの〜、ああっ」  おま●こから愛液を垂らしたままで、私はついにコンビニに入っていき ましたっ!自動ドアの前に立つと扉が開き、無人のレジからは下半身丸出 しの露出狂が入ってきたことが一目で分かるだろう。 「…らっしゃいませ〜」とこちらに背中を向けたままの店員が何も気づか ずに挨拶をした。 「こ、こんばんは..」声を掛けたらどうなるか分かってるのに思わず、 挨拶してしまった私。  見られたら一巻の終わりなのに、私は下半身丸出しのままで入口のとこ ろで2、3秒ほど立っていた。 「はぁはぁ、ふぅふぅ、はぁ、はぁ」(私ったら何をやってんのよぉぉ?)  見られることを望んでるような衝動が強くなる。いやいや、見られたら 全てがおしまいなんだからぁぁぁ〜! 「ん?気のせいか..」クルッ。男の店員が後ろの気配を感じて振り向い たけど、寸前で雑誌コーナーへ逃げることができた私。 「!!!あっ、私ったら何でここに..」  目の前には雑誌が置いてあるんだけど、私が立った位置は成人雑誌がい っぱい置いてあるとこだった。 「はぁはぁ、はぁ、はぁはぁ..少しぐらいなら」  何と私は露出行為を中心に載ってある雑誌を手にとって見始めた。 「み、みんな、こんなことやってるんだ..あ、あぁ、気持ちよさそう」  頭がおかしくなってきちゃう。私の脳裏にはどんどんいやらしい露出行 為の写真が入ってくる。 「あっ、はぅ、あ、ああっ、私も..おっぱい出してる..あふぅ」  ジャージを全開にして、私ったら投稿露出雑誌を見てるんだわ。これっ て、外から丸見えよね。きっと簡単に外から撮れるんだわ。そうしたら来 月の投稿コーナーに載っちゃうのかしら。露出狂、河西 優衣の深夜の痴 態として..みんなにばれちゃうかもぉぉ〜。  ビクン、ビクンッ「あああぁぁっ!私ったら、こ、こんなとこでイっち ゃう!イっちゃうよぉぉ〜」  ついに喘ぎ声まで出してしまい、完全にアウトと言える状況なのに、何 故か店員は気がつかなかった。 (ど、どういうこと?私、思い切り喘いじゃったのに..)  その理由はすぐに分かった。男の店員は歌を口ずさみながら棚卸しして おり、耳にはイヤホンがしてあったからだ。 (た、助かったぁぁ〜、は、早く逃げなくちゃ..)  私は急いでコンビニを出て、難を逃れることができました。出るときも 誰にも見つからなかったので、こんな奇跡みたいなことがあるとは思わな かった。  ともかく、すごく頑張ったんだから願いは絶対、叶うよね?  いや、予想を遥かに超えた願いが叶いましたっ。翌日、先輩の方からキ スをしてきて、それも舌まで入れてきたんです。  やっぱ、叶え様は最強よ!もう、私に出来るものであれば何でもやって しまいそうな気がします。  そして、それを試すような試練がやってきました。どういう経緯でこう なったのか分からないけど、先輩と須田さんが急接近してきたんです。 「嘘っ..何で須田さんが..ど、どうしよ..せっかく仲良くなったの に責めたてるわけにもいかないし..そうだ!叶え様ならっ!」  叶え様なら穏便に解決してくれるはず!そう思った私は先輩と須田さん が付きあわないようにするには?と検索しました。 <答え:男子バスケ部の部員全員にハプニングを装って裸を晒しなさい> 「!!何これっ..先輩と須田さんに何の関係もないじゃない..ど、ど うしてこんな答えが..」  明らかに変な答えだけど..今の私にとって叶え様の答えは絶対だった。 「み、みんな..いい人ばかりだから..これぐらいいいよね..」  私は男子バスケ部の練習が終わって汗を流す時間を調べ、鉢合わせとな るように計算してシャワーを浴びて待つことにしました。 「か、叶え様..これでいいですよね?これから河西優衣の裸は男子バス ケ部全員に晒されますので、どうか私の願いを..叶えてください」 <完>


「叶え様 −恋する乙女を露出させます−」完