第2話「大当たりのプレゼント」


 恥辱な恥毛くじが始まってから1時間近く経ってきた。  もう周りは完全に深夜となり、あれほどいた得意先も恥毛くじを引いて 次々と帰っていく。  大口の顧客も高桐さんの恥辱な行為に大変に満足し、ほろ酔い気分で帰 っていく。  その他の顧客も今はほどんど居ない..そう、まだ例の大当たりを出し たものはいないのであった。  一方、高桐さんの表情は、だんだんと快感に悶える表情に変わっていき、 僕の頭を困惑させてくる。  そんな僕に、先輩が冷静な口調で話してくる。 「源ちゃん、クジが当たらないのは何故だと思う?」 「えっ?それは運じゃ..」 「違うな..当たらない様に細工してるんだよ」 「それって、もしかして当たりの糸がないって事ですか?」 「いや、ちゃんと当たりの糸はぶら下がっている。他の糸と同じ位置にあ るさ」 「えっ?それじゃ..どうやって?」 「簡単さ。よくクジを説明している周りの女子の行動を見てみな」 「???」  僕は注意して見たが、そこにはクジを楽しそうに説明している裸の先輩 OLたちの姿しか見えない...   「ほらほら♪彼女のあそこがぴくぴくしてますよ♪」   「おおっ、すごいのぉぉーー」   「あらら♪お股から垂れてる液を浴びてみて下さいよ♪」   「へへっ、いいのかい?へへっ」  あれに何の意味があるんだ?僕には先輩の言ってることがわからない。  そんな僕に先輩が軽い笑みを浮かべながら応えてきた。 「一見、楽しそうな感じに見えるんだろ?頭にくるのはわかるぜ」 「・・・・・・・」 「彼女らは楽しそうに相手に話し掛けて、上手く外す様に誘導しているんだ」 「えっ?誘導?」 「相手は、さも自分が選んでクジを引いたと思わせるように仕向けている のさ」 「そうなんですか?じゃあ、どれか当たりが把握してるんですか?」 「完全には把握してない。話すフリして時たま揺らして確認もしているぜ」 「そうなんですか?」 「ああ、ああやって裸で楽しく話し掛けられれば冷静な判断も出来まい。 そんな中で相手にいくつかの選択方法をアドバイスして引かせる」 「・・・・・・・」 「そう、選択して引かせてるから相手にとってはあたかも自分で引いたと 錯覚させることが出来る」 「それって...確かマジックでよく聞く...」 「そうだ。マジシャンズセレクトさ。さっきも言ったけど営業部で鍛えら れた女子社員にとって、男をコントロールすることなど容易いことさ」 「・・・・そんなカラクリがあったなんて」  僕は正直、驚いた。確かに皆、糸の先を確認できるから当たりはある程 度、予想できると思ったけど、それを逆手に取って予想を確実に狂わして いたなんて。  けど..逆を考えると彼女らは当たりを引かせる風に誘導も出来るんだ...  一体、誰に当たりを引かせようと?  僕がいろいろ考えている内に顧客の番は全て終わり、今度は先生方と呼 ばれる政治関係の連中の番に移った。 「さ〜て、これからは大先生たちの抽選会になるわよ〜♪顔や身体を売る チャンスだから頑張ってね」 「はぁはぁ....」 「おい、ところで大当たりのプレゼントは何だい。わしらには教えてくれ てもいいだろぉ〜」 「知りたい?」 「当たり前だろ!早く教えてくれんか?」 「そうね。そろそろ大先生用のスタンバイも済むから教えてあげるわ」 「スタンバイ?おおっ!そりゃ楽しみだなぁ〜」 「楽しんだら、いろんな情報教えてよ。お願いよ♪」 「まかしておけ。くくっ」  スタンバイ!?僕もその言葉に慌てて高桐さんを見ると先輩OLがハシ ゴを使って高桐さんの身体に何かをして終わって降りたとこであった。  良く見ると高桐さんの両乳首に付いてた大きな鈴が、さらに2回り近く 大きな鈴に替えられていた。 「くぅぅぅぅっっっっ・・・・・・」カランカラン♪  高桐さんが苦痛の表情を浮かべていた。無理もないだろう。高桐さんの 乳首は鈴の重みで下に向けて思い切り引っ張られていたからだ。 「ふふふ。自慢のDカップのおっぱいもこれじゃ崩れてしまうわね♪でも、 その内、快感にかわるわよ。ふふ」 カランカラン♪「はぁぅぅっ!!」先輩OLはわざと大きな鈴を手で弾い たのであった。 「さあ、一番手の人はどうぞ♪」 「うむっ..ところで、まだプレゼントの説明は聞いてないぞ」 「それは、上を見ればわかるわよん♪」 「上?上はどうせ、おま●こじゃないか?」  一番手の大先生は言われるままに上を見て高桐さんの180度近くまで 開かれている股を覗いた。 「おおおおおおぉぉぉーー!!これは、すごいなぞぉぉぉっ!!」 「ふふ♪見事でしょ?」 「ああ見事だな。中の腸まで見えそうだぞ!!一体、どうなっているんだ」 「特殊なリングを差し込んでるのよ。だから閉じる事が出来ないのよ」  その時の僕にはわからなかったのだが、実は高桐さんのお尻の穴が特殊 なリング状のもので開かれたままで固定されていたのであった。  下から覗くと高桐さんの恥かしい腸壁の収縮がわかるとこまで広げられ ていたのであった。 「どう?結構綺麗になってるでしょ?彼女の肛門の中は」 「ああ...じゃが、開いたままってことはあれが出ることないだろうな。 わしには、そんな趣向はないぞ」 「ふふ、排泄物の事?ここまで開きっぱなしにしてるのよ。その辺はちき んと処理したわよ」 「・・・・ほほぉぉっ、それはすごいなぁ〜」 「結構、繰り返して処理してあげたから、今ではこのとおりよ♪ほら、お 尻の穴からも感じて濡れてきてるでしょ?」 「おおっ!!何だ?あの液体は?」 「正確に言えば粘液だけど、私たちはお尻の愛液って呼んでるわよ。思い 切り開いているから、風が入って刺激してしまったのね」 「うおおっ、これはたまらんぞっ。で、まさかプレゼントと言うのはこれ に関係あるのかね?」 「もちろん♪彼女をここまで仕込んだ様子を撮ったドキュメンタリーよ♪」 「うほぉぉぉぉ!!それは凄すぎるなぁぁ」 「そんだけじゃないわ。彼女の昔のアルバムもプレゼントしてあげるわよ」 「何だ?それは?」 「私たちもたまに取ってあるんだけど学生時代の女友達とのふざけて取っ た写真よ」 「おい、それって?」 「ええ、彼女はどうやらいつも脱がされてイタズラされる役にされ続けら れた様よ。ねえ?」 「は・はい・・・・・・・」 「普通なら破いて捨てるんだけど彼女ったら、全部律儀に取ってたみたい なのよ。ふふ♪」 「モロ出しなんてのもあるのか?へへっ」 「そんなのはザラよ。それも6年分あるからすごいわよ〜」 「6年って中学時代もあるのかい?」 「ええ♪これから大先生だけの特別参加賞として中1からの高3までの特 選の6枚を焼きまわして配ってあげるわ」  そういうと裸の女子社員たちが焼きまわしした高桐さんの6枚の写真を 大先生たちに渡していった。 「どんなのか確認してみるか?源ちゃんも見たいだろ?」 「僕は別に..そんなエッチな写真は!」 「別に楽しむために見るんじゃない。本当の彼女を探るために見たほうが いいと思うがな..」 「先輩がそういうなら見ますが..どうやって手に入れるんですか?」  そう、大先生たちだけに渡されるものを社員の先輩がどうやって手に入 れるつもりなのだろうか? 「ふふっ、源ちゃんをこの接待に連れてきたことを忘れたのかい?配って いるのが女子社員なら、手に入れるのは簡単さ」  自信満々に言ってくる先輩に驚く僕の前に1人の女子社員がきょろきょ ろしながら、そっと先輩に写真を渡して去っていった。 「ほら、簡単だろ?」  あっさりと手に入れた高桐さんの6枚の写真を見ると、それは中1から 高3までの6年間の各学年ごとに撮られたものだった。  おそらく撮った相手は全員違うのだが、共通しているとこが1つあった。 「こんな馬鹿な..」    共通している部分..それは、写真の高桐さんが全裸で苛められている という事だった。  周りに写ってるのは、その時のクラスの女子ばかりであることから、常 にクラスの女子たちから、恥ずかしいことをされてたようだった。 「これはまるで性的いじめじゃないか..高桐さんが何故..」 「おそらくから女子からの嫉妬から来たものだな..だが、源ちゃんが知 らないとこを見ると高桐さんもある程度、受け入れてたとこがあるな」 「高桐さんが受け入れてたって..馬鹿な」 「そうでなければアルバムで取っておかないだろうな。捨てるなという命 令があったとしても6年間じゃ話がつながらないからな」 「そんな..」  どうやら、高桐さんには少しだけ被虐を好むとこがあったのかも知れな い..それをこの会社の心理分析テストで見抜かれたのだろうか..  しかし、こんなアルバムがプレゼントされたら、高桐さんはどうなって しまうんだ..  僕がますます不安になる中、逆に大先生たちはこの写真で目つきが完全 に変わってきたようだった。 「これはまさにお宝だな〜。是が非でも取るとするかぁぁ〜。こりゃ楽し みだぞぉぉ〜」  興奮した大先生たちがくじを引いていくが、引く数は政治への影響力の 良し悪しで決まっていた様だった。  皆、我先にくじを引こうとして出口の所は、ごった返しになっていた。  大先生たちが終わった後で、この接待に参加していた社員もくじが引け るようだが、僕にはそんな破廉恥な真似出来ない!  高桐さんのくじなんて引くものかっ!そう決意している僕に先輩は意外 な言葉を発した。 「いいか、源ちゃん。絶対に棄権なんてするんじゃないぜ」 「なっ!!どうしてですか!!僕にあんな破廉恥な真似をしろと!!」 「落ち着け!!てめぇは間違えているんだよっ!!」  先輩の鋭い目つきが僕に突き刺さった。僕の考えを正すような目つきで もあった。 「先輩?なんで間違えていると言うんですか?」 「周りをよく見な。この異常な目つきを何とも思わねえのか?」 「それぐらい!わかってます!!だから僕は!!」 「同じ事を..同じ奴じゃないって証明したいってわけか?」 「そうです!あんなクジをどうして?」 「源ちゃん、てめぇはあそこに居座る最低の下衆を見てどう思う?」  先輩が視線で指した先には隠居と呼ばれる政界の大先生の中の大先生が 1人だけクジを引かずに居残っていた。 「えっ?何でまだ、あの人だけが残ってるんですか..」 「毎回、ああやってわざと一番最後にクジを引く為に残ってるんだよ。い や、正しくは一番美味しい場面を見せ付けるために居るってことだ」 「・・・まさか、クジは最後まで当たらないってことですか」 「そういうことだ。初めから、あいつが当たりを引く様に仕掛けられてい るのさ」 「そ・そんな..」  僕は政界の大先生の中の大先生を見ると、大先生は辺りの人ごみなど眼 中にない感じで、ただ視線を例のプレゼントにじっと向けてニタニタと笑 っていた。  小太りの体から湯気がたっており、顔には脂ぎった汗が、口からは少量 の涎が垂れていた。  眼鏡は興奮している荒息で曇りきっており表情は大先生の中の大先生と いうよりは異常な変質者の様であった。 「・・・・ううぅぅ」僕は一瞬、気持ち悪くなってしまった。 「源ちゃん、てめぇはあんな下衆に当たりを引いてもらいたいのか?」 「!嫌だっ。あんな奴に当たりなど引かせたくないっ」 「だろ?じゃあ、それを阻止するには..分かるよな」 「!!・・・当たりを先に..」 「そうだ!源ちゃん、てめぇには、やらなきゃならねー事がある。これ以 上は言わなくても分かるよな?」 「・・・・・・・はい」 「よしっ!いい答えだ。源ちゃん、安心しな。あの下衆以外には誰も当た りはしねぇよ。そういう風に最初からなってるからな」 「・・・・・・・・」  僕はクジを引く決意をした。  でも、それは高桐さんを辱しめることではない..高桐さんを救いたい からだ。


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