第4話「羞恥のツイスター」


男子社員へのワカメ酒が終わろうとしてた時、先輩OLが大きなマットを持ってきた のであった。 最後の1人が飲み終えると同時に先輩OLがカラオケのマイクを司会代わりに使って 何やら言って来たのであった。 「さあて、ごちそうも食べ終わった頃なので次はみんなで楽しいゲームをしましょう。」 「おー待ってました。」「ひゅー次は何を見せてくれるんだい?」 男性社員はすっかり出来上がり会場はかなりの大盛り上がりとなっていた。 「ではまずあれをご覧下さい。みなさんも良く知っているツイスターで使うマットです。  今からあれを使って楽しいゲームをしたいと思います。」 「ツイスターか。誰がやるんだい?へへっ。」「もちろん決まってるよな。なあ?」 「いいえ、決まってないですよ。実は今回このゲームをやるにあたって部長さん達、 上の方々に賞品代をカンパしてもらってるんですよ。」 「えー本当かよ?おい、かちょーいくらぐらい出したんだー」「まあ、かなり奮発したよ。」 「ええ、何とある一定の回数をクリアしてもらえれば豪華賞品がもらえる事になってます。  でもゲームですから負けたら罰ゲームをしてもらいますが。」 「なんだー、罰ゲームかよ?おれ1抜けたー」「おれもー」 「女子の方で誰かいませんか?豪華賞品よ。たった1品の賞品だけど。」 マイクから聞えるそのおかしさに僕は気づいた。なぜ賞品が1品だけなのか? 「ふぅーまた始まったか。あの部長連中がカンパなんかするわけないだろ。」 「先輩?何か知ってるんですか?もしかしてこれも?」 「豪華賞品につられた女子が恥をかく。下手なシナリオだな..」 「え?じゃあ、まさか渡部さんが...」 僕が言ようとした同時にマイクから小さな声が聞えてきたのであった。 「あのー新人の私が参加していいんでしょうか?」 台の上から顔を真っ赤にした渡部さんの声が聞えたのであった。 「おお、さすが期待の新人ですね。いいですよ。誰でも参加OKだから。」 渡部さんはそのままの姿でツイスターが置かれているマットまで来たのであった。 「渡部さん。1つ確認したいんですが、その格好でやるんですか?いいんですか?」 「・・・はい。服、今日持ってきてないので...」 渡部さんの大胆発言で男子社員の歓声が大きく響いたのであった。 「意外に大胆ですね。じゃあそのままでいいんですね?」 「・・・はい。豪華賞品の為に全てを見せる覚悟です・・・」 「おお、結構意地汚い1面が見えましたね。でも負けたら罰ゲームですからね。」 「はい..どんな罰ゲームでも受けます...」 「さすが新人、度胸がいいですね。とりあえず何回挑戦しても構いませんので、  始めはさっきのあれにしましょう。」 「えっ?さっきの?それってあの・・あの・・お酒ですよね?」 さっきから表情があまりなかった渡部さんが始めて表情を出してきたのだった。 「そうよ、ワカメ酒よ。とりあえずカンパした人にスペシャルなワカメ酒を飲ますの  ってどうかしら?」 「スペシャル?何なのですか?それ?」 「あなたもウブじゃないんだからわかるでしょ?お酒をあなたのそこでくぐらせて 入れるのよ。」 「え?あの、そんな事、私聞いてないんですが・・・ちょっと先輩。」 「聞いてない?まるで私たちが芝居してるみたいじゃないの?変な事言わないでよ。」 「先輩・・・そんなのって...」 「何、暗い顔してんのよ。豪華賞品を取ればいいんだから。ほら、早くマットに  いきなさい」 「・・・・わかりました。」 渡部さんは何かを諦めたかの様にマットに行き4つばいの格好になったのであった。 「じゃあまず右足を赤、左足を青ね。」 「え?先輩?あのまだこの矢印を?」 「渡部さん?何言ってるの?豪華賞品がかかっているのよ。そんなランダムな方法で 出来るわけないじゃない?」 「そんな・・・それじゃ作意的です..」 「大丈夫よ。ちゃんと複数のパタン用紙作ってそっから選んだんだから。要はこの用紙 に書かれたパタンを全部やればOKって事よ。」 「・・・・・わかりました。右足を赤、左足を青ですね。」 遠目から見てる僕にもいいやあそこにいるみんなも気づいていた。 そう、パタンが進むにあたって次々と卑猥な格好を作意的にやらされている事を。 どうやら渡部さんも何かだまされたみたいで先ほどとは違った真剣な顔をして次々と パタンをこなしていったのであった。 そしてマットを取り囲む様に男子社員は集まり、パタンをかえる度に下品な掛け声を 次々に浴びせ続けたのであった。 「渡部ちゃんー。綺麗ピンクだね。」「その格好だと奥まで見えちゃうよ。」 そんな下品な声がする中、何とか渡部さんはあと1つまでのパタンまで続けたのだった。 だけど今のパタンがもっともひどいパタンになっており、足を極限まで開かれた状態での 仰向けブリッジをさせられてるのであった。 それに加えて男性社員の卑猥な声援はますますひどくなってきていた。 「渡部ちゃんー。お豆が見えてきてるよ。」「お尻の放射線も可愛いよんー。」 そんな渡部さんを遠目で見ていた先輩は僕に感心そうに言ってきた。 「けっこう、頑張るな。あそこまでいったのは彼女が始めてだな。」 僕はその時思い出した。「そうか。渡部さん。たしか昔新体操やってたって言ってた。」 「!なるほど、そういう事か。意外にへたなシナリオどおりにはいかなかったって事か。」 「じゃあ、このままいけば渡部さんの勝ちなんですね。」 「まあな、司会者の顔を見てもよくわかるぜ。」 司会者の先輩OLも先ほどのゆとりの顔と違く悔しさがあちこちに現われ、もう打つ手が 無いような顔をしていた。 「さあ、先輩、最後のパタンお願いします。」辛いブリッジの状態で渡部さんは先輩OLに 屹然とした表情で言ってきた。 「・・・わかったわよ。じゃあ右足を・・・」既に渡部さんに気負けした司会者があきらめて 最後のパタンを言おうとした時、とんでもない助け舟がきてしまったのであった。 「ああー先輩。そう言えばまだ豪華賞品の説明忘れてますよー。」 いきなり別の先輩OLが大声を出し司会者の声を止めたのであった。 「!!そうね。ごめんなさい。説明がまだだったわね。えっと部長さんが目録を持ってるん  ですよね?」 「!!おお、そうだ。そうだ。ちょっと渡部くん。待ってくれよ。えっと目録、目録。」 「部長...早くお願いします。先輩、賞品は後でいいですから早く最後の。」 「だめよ。あなただってここまで頑張ってるんだから。せっかくの賞品を聞かなく ちゃねー。」司会者の顔が先ほどとは違って元気を取り戻してしまったのであった。 「部長ー。早くー・・・・・」 「あっ!そうだ、そういえば課長、君にあずけたじゃないか?ほら、さっき?」 「!!そうですね。渡部くん。ちょっと待ってくれたまえ。目録・目録。」 「課長...はやく...」 「あれ?よく考えたら係長、君に預かってくれって渡したよな?」 「!!あ、そうですね。えっと目録ですね...」 渡部さんの両手や両足はもう遠くから見てもわかるほど大きく震えていたのであった。 「係・・・ちょ・・・ももう..」 「おお、渡部ちゃん。手足といっしょにここもぱくぱく動いてるよー」 「えさでも欲しがってるみたいだよー。えさやろうか?」 完全におもしろがってる男子社員の中、まるで全てを諦めたかの様についに渡部さん は床にくずれてしまった。 「ああー残念。あと最後の1つだったのに。そういえば思い出したわ。結局、私が 持ってたわ。ごめんなさいね。」 「・・・・・」渡部さんはもう何も言わずそのままマットの上に疲れはてていた のであった。 「あら?疲れたのね?じゃあみんな罰ゲームを手伝ってあげてね。」 渡部さんは先輩OL数人の手でまた例の台まで運ばれていってしまった。 「ふぅ、やはり相手の悪巧みの方が上手だった様だな。平ちゃん。」 「渡部さん..」 「しかし、まずい事になってしまったな。平ちゃん。」 「え?まさか先輩OLに逆らった事で何かあるんですか?」 「いや?それは問題ないだろう。あいつらだってそれぐらいわかってくれるさ。」 「?じゃあ、何がまずいんですか?」 「部長の口を見な。下唇をやけに噛んでるだろ?あれはせっかくのゲームを台無しに なる1歩までされて怒っているんだよ。」 「本当ですね。なんかまるで援交にだまされた中年親父みたいな感じですね。」 「くくっ。平ちゃん。なかなかいいね。でもあの親父はもっと性質が悪いぜ。」 「じゃあ、渡部さんに何かしてくるんですか?」 「間違いないな。きっと何かとんでもない手をしてくるはずだ。」 僕は渡部さんをじっと見てる部長を見て恐さを感じた。 一体、これ以上何をしてくるんだろうと?


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